薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
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2019-01-01から1年間の記事一覧

一部変更承認 アドセトリス・オルケディア・キイトルーダ・シムジアなど〜20191220

2019年12月20日、11月に部会で審議・報告されていた医薬品の承認内容の一部変更が一気に承認されました。 今回承認された品目は11品目とかなり多くなっています。 承認内容について医薬品ごとに解説して行きます。

令和元年12月13日に薬価収載された後発医薬品一覧

2019年12月13日に薬価収載されたジェネリック医薬品(後発医薬品)についてまとめた記事です。今回初めてジェネリックが登場するブデホル吸入粉末剤(シムビコートタービュヘイラー)、ブデゾニド吸入液(パルミコート吸入液)などについてまとめています。

ラスビック錠(ラスクフロキサシン:LSFX)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【ニューキノロン系抗菌薬】

2019年9月20日に製造承認を受け、11月19日に薬価収載、2020年1月8日から発売のラスビック錠75mgについてまとめた記事です。 杏林製薬が創製したニューキノロン系抗菌薬で、デュアルエフェクトを持ち、肺組織に対する選択性が高いレスピラトリーキノロンです。…

薬食審第一部会 デエビゴ錠、ユリス錠など 20191129

2019年11月29日の薬食審第一部会。全て承認了承。 審議されたのはプロウペス腟用剤10mg(PGE2)、アネレム静注用(超短時間作用型BZP)、デエビゴ錠(オレキシン受容体拮抗薬)、ユリス錠(尿酸再吸収の抑制)、チラーヂンS静注液 一変承認についての審議は…

タグリッソによるうっ血性心不全、テセントリクによる血球貪食症候群など〜2019年12月3日添付文書改訂指示

2019年12月3日、新たな副作用が確認された医薬品等について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう指示が出されました。 今回の改訂指示は4つの薬剤について。 ソマゾン注射用:良性腫瘍及び悪性腫瘍、テセントリク点滴静注:血球貪食症候群、タグリッソ錠…

薬食審第二部会 リンヴォック錠、ピフェルトロ錠、ドウベイト配合錠など 20191125

2019年11月25日の薬食審第二部会について。 審議された9製品全ての承認が了承され、報告品目も3つ挙げられています。それぞれについて簡単にまとめます。 リンヴォック錠:「関節リウマチ」(選択的JAK1阻害薬) ピフェルトロ錠:「HIV-1感染症」(NNRTI) …

ニザチジンカプセル「オーハラ」とアシノン錠 75mgの自主回収〜ラニチジン製剤からニザチジン製剤に拡大?

2019年9月末から始まった全てのラニチジン製剤の自主回収。原薬へのNDMAの混入がその原因ですが、類似した構造を持つニザチジンについても調査が行われています。その結果、ニザチジンカプセル「オーハラ」(2019.10.23)とアシノン錠 75mg(2019.12.3)が自…

令和元年11月27日に薬価収載された医薬品一覧と発売日(報告品目)

2019年11月26日に薬価収載された医薬品についてまとめた記事です。 主に報告品目として承認された医薬品が薬価収載されており、新規格、新剤形、バイオシミラーなどが薬価収載されています。 各薬剤の特徴や薬価、発売日についてまとめています。

【論文・エビデンス編】ぺんぎん薬剤師の医薬品情報 検索ツール③【ブックマーク推奨!】

ぺんぎん薬剤師が独断で作る医療従事者用の医薬品検索設定です。 医療従事者用というよりは当ブログの読者さま用かもしれませんが。 記事内の検索ボックスで検索を行うことでぺんぎん薬剤師が独断で選んだ医薬品や疾患の治療に関する論文・文献やエビデンス…

【医療系ニュースサイト編】ぺんぎん薬剤師の医薬品情報 検索ツール②【ブックマーク推奨!】

ぺんぎん薬剤師が独断で作る医療従事者用の医薬品検索設定です。 医療従事者用というよりは当ブログの読者さま用かもしれませんが。 記事内の検索ボックスで検索を行うことでぺんぎん薬剤師が独断で選んだ医薬品、医療業界、医療系ニュースサイトの情報を調…

ロゼックスゲル~日本で初めて「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」に対する適応を持つ薬剤

2014年11月28日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会でガルデルマが申請したロゼックスゲル0.75%(一般名:メトロニダゾール)の承認が了承されました。 ロゼックスゲル0.75%はその後、2014年12月26日付で製造承認を取得、2015年2月24日に薬価収載され、5…

【薬の特徴や作用機序】ぺんぎん薬剤師の医薬品情報 検索ツール①【ブックマーク推奨!】

ぺんぎん薬剤師が独断で作る医療従事者用の医薬品検索設定です。 医療従事者用というよりは当ブログの読者さま用かもしれませんが。 記事内の検索ボックスで検索を行うことでぺんぎん薬剤師が独断で選んだ医薬品の特徴や作用機序を中心に調べるのに長けたサ…

一部変更に関する承認〜ソリリス・ルセンティス・トルツ・テセントリク・エムプリシティ・カイプロリス 20191122

2019年11月22日付で承認された内容についてまとめます。今回は適応追加や用法・用量の変更など、一部変更承認(一変承認)です。 一変承認を受けたのは、ソリリス点滴静注(NMOSDの再発予防)、ルセンティス硝子体内注射液(未熟児網膜症)、トルツ皮下注(…

令和元年11月19日に薬価収載された医薬品一覧と発売日、キイトルーダの市場拡大再算定

2019年11月19日に薬価収載された医薬品についてまとめた記事です。作用機序や特徴などの概略と発売日についてまとめています。 11月13日の中医協で薬価収載が了承されましたが、その際に決定したキイトルーダの市場拡大再算定による薬価引き下げについてもま…

アーリーダとイクスタンジによる間質性肺疾患〜2019年11月15日添付文書改訂指示

令和元年11月15日の添付文書改訂指示についてまとめます。 今回は去勢抵抗性前立腺がん治療薬としての適応を持つアンドロゲン受容体阻害薬2剤について改訂指示が出されています。 イクスタンジとアーリーダの重大な副作用に間質性肺疾患が追加され、慎重投与…

原則禁忌から禁忌に移行される項目について〜2019年11月12日 ウロキナーゼの添付文書改訂指示

令和元年11月12日に添付文書の改訂指示が通知されています。 この改訂は添付文書等の記載要領の変更に伴う、原則禁忌から禁忌への移行です。 今回対象となったのはウロキナーゼのみで、原則禁忌だった「瞬時完成型の神経症状を呈する患者」が従来から禁忌と…

ステロイドの一般名は紛らわしい〜外用ステロイドのランク分けとエステル基

ジェネリック医薬品の普及が進み、一般名処方が当たり前になっています。 そんな中、薬剤師を悩ませるのがステロイド外用薬の一般名処方。 エステルの違いによって性質が異なるため、ベースとなる名称が同じでもエステルによって別の医薬品として扱われます…

薬食審第二部会 ゾレアのアレルギー性鼻炎に対する適応追加など 20191031

2019年10月31日の厚生労働省 薬食審・医薬品第二部会で審議された医薬品についてまとめます。 ゾレア皮下注の季節性アレルギー性鼻炎に関する適応追加、トルツ皮下注の強直性脊椎炎に関する適応追加について審議が行われ、承認が了承さてています。 また、こ…

タケキャブによる血液障害、ベンリスタによる鬱など〜2019年10月29日添付文書改訂指示①

2019年10月29日付の添付文書改訂指示についてまとめました。 今回改訂の対象となった薬剤とその内容はそれぞれ、タケキャブ(ボノプラザン)による血液障害、ウロマチックS泌尿器科用灌流液(D-ソルビトール)の禁忌追加(遺伝性果糖不耐症)、ベンリスタ点…

薬食審第一部会 アトピーに対する初の外用JAK阻害剤コレクチム軟膏など 20191025

2019年10月25日の厚生労働省 薬食審・医薬品第一部会で審議された医薬品についてまとめます。 新医薬品として審議されたのはアトピーに対して使用する初のJAK阻害剤 コレクチム軟膏。 適応追加が審議されたのはソリリス点滴静注の視神経脊髄炎スペクトラム障…

ビベスピエアロスフィアの特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【LAMA/LABA配合吸入薬】

ビベスピエアロスフィアについての記事です。 MDIとしては初になるLAMA/LABA配合吸入薬です。 (LAMA/LABA配合吸入薬としては4剤目) 製剤のデータはもちろん、適応疾患であるCOPD、各成分の作用機序、新規デバイスであるエアロスフィアの特徴、使用する上で…

ビレーズトリエアロスフィアの特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【pMDI初のLAMA/LABA/ICS 3剤配合吸入薬】

ビレーズトリエアロスフィアについての記事です。 エアゾール型の吸入薬としては初になるICS/LAMA/LABA 3剤配合吸入薬です。 製剤のデータはもちろん、適応疾患であるCOPD、各成分の作用機序、新規デバイスであるエアロスフィアの特徴、使用する上での注意点…

ラニチジン製剤(ザンタック®︎等)の自主回収〜NDMAの検出

2019年9月末から開始されているラニチジン製剤の出荷停止ならびに自主回収についてまとめます。 一部メーカーの原薬にNDMAの混入が発覚したため今回の自主回収が行われていますが、全メーカーがクラスⅠの自主回収を開始し、患者さんに渡した分までの回収が対…

初の経口腎性貧血治療薬エベレンゾなど〜20190920承認(審議品目)

厚労省 新薬14製品を承認 経口腎性貧血薬エベレンゾ錠など 2019年9月20日、厚生労働省は新医薬品として14製品35品目を承認しました。 この記事ではそれらうち、薬食審での審議を経て承認されたものについてまとめています。(審議を経ていない報告品目につい…

テセントリクのTN乳がん、アレジオンLX点眼液、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターなど〜20190920承認品目(報告品目)

2019年9月20日に承認されたもののうち、部会を報告品目として通過したものについてまとめます。 注目はテセントリクのTN乳がんに対する適応追加です。国内のがん免疫チェックポイント阻害薬としてTN乳がんに対する適応を取得するのは初めです。 そのほかに、…

タグリッソの重症薬疹、キノロンの末梢神経障害、腱障害、精神症状など〜2019年9月24日改訂指示

2019年9月24日に通知された添付文書の使用上の注意改訂指示についてまとめた記事です。 今回は、オルミエント錠によるVTE、タグリッソ錠による重症薬疹(SJS、TENなど)、アクテムラによる肝機能障害、ニューキノロンの末梢神経障害、腱障害、精神症状につい…

イベニティの心血管事象、ザファテック錠25mg追加に伴う改訂〜2019年9月6日改訂指示

2019年9月6日に通知された添付文書改訂指示についてまとめます。 イベニティによる心血管イベント発現リスクとザファテックの腎障害に対する適応範囲の拡大についてです。 イベニティの心血管リスクについては発売当初から言われていたもの。ザファテック錠…

令和元年9月4日に薬価収載された医薬品一覧と発売日とタグリッソの市場拡大再算定

2019年9月4日に薬価収載された医薬品とタグリッソの市場拡大再算定についてまとめます。 薬価算定の内容に加えて各薬剤の特徴もまとめたのできっと読み応えがあると思います。 新規成分:ヴァンフリタ、ロズリートレク(癌腫横断的適応)、オンパットロ(初…

薬食審第一部会 初の経口腎性貧血治療薬エベレンゾ、フォルテオBSなど 20190829

2019年8月29日に厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で審議され、承認が了承された新医薬品についてまとめます。 この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されていません。 令和元年9月20日付で正式に承認され、薬価収載・発売…

薬食審第二部会 新規NQラスビック、テセントリクのTN乳がん適応など 20190823

2019年8月23日の薬食審第二部会で審議された品目について紹介します。新規ニューキノロン系抗菌薬ラスビック錠、半減期延長型血液凝固第8因子製剤イスパロクト静注用、慢性リンパ性白血病に対する選択的BCL-2阻害薬、オテズラ錠にベーチェット病による口腔潰…

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