薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

2019-01-01から1年間の記事一覧

ドパミン受容体作動薬による薬剤離脱症候群など〜2019年8月22日改訂指示

令和元年8月22日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 今回は大きく分けて4つの改訂指示が出されています。 ※副作用に関する記載を中心とした…

一変承認〜テセントリク・ベニロン・アフィニトール・マヴィレット・ダラザレックス・ベルケイド・ロンサーフ

2019年8月22日付で承認された内容についてのまとめです。今回の承認は適応追加などの一変承認です。 テセントリク、ベニロン、アフィニトール、マヴィレット、ダラザレックス、ベルケイド、ロンサーフについて承認されています。

令和元年度 診療報酬改定についてのまとめ(消費税増税に伴う調剤報酬改定と薬価改定)

2019年8月19日付の官報告示と同時に一斉に通知が出された令和元年度診療報酬改定 調剤部分の詳細についてまとめます。 10月1日の消費税増税と同時に実施される改定なので、増税に伴い調剤技術料が若干アップされます。薬価についても増税分のアップ・・・と…

2019年8月15日付で承認された後発医薬品のまとめ

2019年8月15日付で承認されたジェネリック医薬品についてまとめた記事です。 今回の目玉はゼチーアのジェネリック(AG?)エゼチミブが初登場することですね。 他にもAG?としてイミダフェナシン、デフェラシロクス、ファスジル塩酸塩のジェネリックが登場し…

薬食審第二部会 テセントリクに進展型小細胞肺がん【報告品目】アレジオンLX点眼液・マヴィレットの小児用量など

2019年8月2日に厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会が開催され、審議の結果、抗PD-L1抗体テセントリク点滴静注の「進展型小細胞肺がん」に対する適応の承認が了承されています。 この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されて…

薬食審第一部会 リティンパ・ハルロピ・フィアスプ【報告品目】テリボンの新剤形など

2019年8月1日に厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で審議され、承認が了承された新医薬品についてまとめます。 この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されていません。 (9月に正式に承認される予定です)

原則禁忌から禁忌に移行される項目について〜2019年7月17日改訂指示

令和1年7月17日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 今回は令和元年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で検討されていた原則禁忌の見直しにつ…

フェブキソスタット 心血管リスクに関する注意喚起〜2019年7月9日改訂指示③

令和1年7月9日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 今回は大きく分けて3つの改訂指示が出されています。 この記事では、フェブキソスタットの心血管リスクに関する改訂指示についてま…

12歳未満の小児 コデイン関連製剤禁忌〜2019年7月9日改訂指示②

令和1年7月9日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 今回は大きく分けて3つの改訂指示が出されています。 この記事では、そのうちの一つ、コデイン等を12歳未満の小児に対しては禁忌と…

抗PD-1抗体・アレルゲンエキス製剤などの新たな副作用〜2019年7月9日改訂指示①

令和1年7月9日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 今回は大きく分けて3つの改訂指示が出されています。 今回そのうちの一つ、新たな副作用が確認された医薬品についての改訂指示につ…

フェブキソスタット(フェブリク®︎)に対するFDAの警告について(2019年6月27日追記)

平成31年2月21日、米国FDAはフェブキソスタット(米国名:Uloric、日本国内:フェブリク®︎)に対し、「心血管関連死亡リスクと全死亡リスクの増加について、Boxed Warning(枠組み警告)への記載を行うことを発表しました。 これだけ聞くとかなりショッキン…

腎機能障害患者に対するメトホルミン製剤の禁忌の見直し〜2019年6月18日改訂指示

2019年6月18日、添付文書の改訂指示が出されました。 今回の改訂では、メトホルミン製剤の腎機能障害に対する禁忌の見直しが行われています。 これまでは中等度以上の腎機能障害が禁忌とされていましたが、今後は重度の腎機能障害のみが禁忌になります。 こk…

抗コリン作用を有する薬剤における禁忌「緑内障」等に係る添付文書の「使用上の注意」改訂について

2019年6月18日、抗コリン作用を有する医療用医薬品の禁忌について、「緑内障」の記載を「閉塞隅角緑内障」に統一する改訂指示が出されました。 その改訂内容の詳細と改訂に至った経緯についてまとめます。

イクセロンパッチとリバスタッチパッチの新基剤製剤(シリコン系基剤からかぶれにくい合成ゴム基剤へ変更)

2019年3月14日、イクセロンパッチとリバスタッチパッチが新基剤製剤の承認を取得しています。6月ごろから新基剤製剤に流通も切り替わりました。 旧基剤・新基剤製剤の違いについて紹介すると同時にイクセロン・リバスタッチの特徴について復習する記事です。

令和元年6月14日 新規薬価収載の医薬品一覧(後発医薬品)

2019年6月14日に薬価収載された医薬品についてのまとめです。今回の薬価収載は後発医薬品がメインです。 初めて後発医薬品が薬価収載されるのは、ロナセン、デュオトラバ、ナゾネックス、オキファスト、ネスプです。ロナセン、ナゾネックス、ネスプはAG(ネ…

ゾフルーザによるショック・アナフィラキシーなど〜2019年6月4日改訂指示

令和元年6月4日、厚生労働省は新たに添付文書の改訂指示を出しました。 具体的には、 トリプタン系薬剤による「薬剤の使用過多による頭痛」 バベンチオ点滴静注による「膵炎」 オプジーボ点滴静注・キイトルーダ点滴静注による「結核」 ゾフルーザによる「シ…

イノラス配合経腸用液の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【他の半消化態栄養剤との違いを比較】

2019年6月6日(令和元年6月6日)、イノラス配合経腸用液が発売されました。 ラコールと同じくアルミパウチの袋に入れられた製剤ですが、現在医療用として認めらている経腸栄養剤の中でmLあたりのカロリーが最も高く、3袋で1日に必要とされるビタミン・微量元…

令和元年5月29日に薬価収載された医薬品一覧(報告品目)

2019年5月28日、報告品目として承認されていた新医薬品の薬価が官報で告示され、5月29日に薬価収載されました。 半消化態経腸栄養剤のイノラスやエンブレル2つ目のバイオ後続品 エタネルセプトBS皮下注「TY」、昨年9月に承認されていたハーセプチン3つ目のバ…

ロスーゼット配合錠(エゼチミブ/ロスバスタチン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【スタチン+小腸コレステロールトランスポーター阻害剤】

2019年5月28日(令和元年5月28日)、ロスーゼット配合錠が発売されました。 ロスーゼット配合錠は2019年3月26日に製造承認を取得、2019年5月22日に薬価収載されました。 その名の通り、HMG-CoA還元酵素*1阻害薬のロスバスタチン(先発医薬品名:クレストール…

【ブルーレター】ベージニオ錠による重篤な間質性肺炎【安全性速報】

2019年5月17日、厚生労働省はベージニオ錠(一般名:アベマシクリブ)を発売する日本イーライリリーに対して「安全性速報(ブルーレター)」により注意喚起を行うよう指示しました。 ベージニオ錠の投与後に重篤な間質性肺疾患を発現、死亡に至った症例が報…

令和元年5月22日に薬価収載された医薬品一覧

令和元年5月15日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定しました。 5月21日付で官報が告示され、5月22日に薬価収載される予定です。 また、再生医療等製品として承認されたキムリア点滴静注の薬価も収載されます。 キムリア点滴静注の薬価は約3,300…

イベニティ皮下注の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【骨形成促進・骨吸収抑制を併せ持つ抗スクレロスチン抗体】

イベニティ皮下注はヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体であるロモソズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする骨粗鬆症治療薬です。 骨形成の促進と骨吸収の抑制の両方の作用を併せ持つ初めての骨粗鬆症治療薬で、急速な骨密度の改善を可能とする薬剤です…

5種類の副作用追記 SGLT阻害薬によるフルニエ壊疽など〜令和元年5月9日 添付文書改訂指示

令和元年5月9日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。 トルリシティ皮下注:重度の下痢、嘔吐(重大な副作用)、SGLT2阻害剤 各種:フルニエ壊…

タリージェ®︎錠が発売

2019年4月15日、第一三共はタリージェ錠の販売を開始しました。リリカと同じ電位依存性カルシウムチャネルα2δサブユニットリガンドですが、発売時点では末梢性の神経障害性疼痛に対する適応しか取得できていません。使用上の注意の解説を中心に、薬局での採…

ビクタルビ®︎配合錠が発売

2019年4月8日、ギリアド・サイエンシズはビクタルビ配合錠を販売開始しました。 ビクタルビ配合錠はビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸の3剤からなる抗HIV配合剤で、2019年4月3日に緊急薬価収載されたばかりです…

薬局事務員による一部の調剤行為(ピッキング業務など)を認める通知を読み解きます。

長らく薬局において事務員による調剤行為・・・具体的なピッキング業務はグレーゾーンとされてきました。ダメとは明記されていないがOPとも書かれていない。薬剤師間でも認められる・認められないと意見が分かれることも少なくなかったこの案件についに決着…

原則禁忌から禁忌に移行される項目について〜2019年3月28日 添付文書改訂指示

2019年3月28日に添付文書改訂についての通知が出されました。今回の改定内容は4月1日から施行された「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」を踏まえたもので、複数の医薬品で原則禁忌の項目に記載されていた内容がから禁忌に移行されています。

2019年3月26日付 効能・効果の追加など一変承認の全レビュー

平成31年3月26日、厚生労働省は20製品33品目を承認しました。 今回の記事では、適応追加などの一部変更承認(一変承認)の内容について一気にレビューします。

2019年3月26日に製造承認を取得した新医薬品と再生医療等製品についてのレビュー

2019年3月26日に承認された新医薬品と再生医療等製品について、一気にレビューする記事です。(適応追加等については別記事にまとめます) 今回承認された品目で注目したいのは国内初のCAR-T細胞療法キムリア、初の遺伝子治療薬コラテジェン、AD/HD治療薬ビ…

ビムパット®点滴静注が発売

2019年3月25日、ビムパット®の新剤形、ビムパット点滴静注200mgが発売されました。 これでビムパットは錠剤(ビムパット錠50mg・100mg)、DS(ビムパットドライシロップ10%、2019年3月11日に発売されたばかり)、点滴静注と3つの剤形を持つようになります。 …

© 2014- ぴーらぼ inc. プライバシーポリシー