薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

スギ花粉症に対する免疫療法薬 シダキュア舌下錠の特徴とシダトレン舌下液との違いについて

2018年6月29日、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬 シダキュア舌下錠が発売されました。
すでに発売されているシダトレンスギ花粉舌下液の剤型違いと言うだけでなく、力価の近い、小児へての適応が認められた新薬扱いになっています。
(シダトレンスギ花粉舌下液は2020年3月末で製造中止、2020年4月から経過措置品目に移行、2021年3月31日で経過措置期間満了・薬価削除となる予定)
(2019年5月から新薬の投与日数制限は解除されています。https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/notice/cdc1905_02.pdf
発売直前ということで、シダキュアスギ花粉舌下錠の特徴、シダトレンスギ花粉舌下液についての復習、シダキュア・シダトレンの違いについてまとめてみようと思います。
色々まとめていると長くなってしまったので、シダキュアとシダトレンの違いだけ知りたい方は目次から「シダキュアとシダトレン 違いのまとめ(比較表)」をクリックしてもらえば表に飛びます。

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配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称について(まとめ)

ジェネリック医薬品のブランド名称は各社、成分名+剤型+規格+「メーカー名」で統一されていますが、成分が複数に含まれている配合剤についてはそうではなく、各社のブランド名称のまま発売されています。
近年、配合剤の数は増えてきており、このまま各社が独自のブランド名称を付けていくと、医療事故の元になったり、ジェネリック普及の妨げになるとして、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会(旧学会名:日本ジェネリック医薬品学会、3017年4月に改名)は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」を検討しています。
実際に、配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称で発売されている配合剤ジェネリックも増えてきていますし、今後も多くの薬が発売されていくことになると思います。
今回の記事は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」について個人的に思っていることをブツブツ述べているだけの、どうでもいいといえばどうでもいいまとめです(笑)

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高血圧治療剤を含む配合剤(降圧配合剤)のまとめ(平成30年6月16日更新)

(元々は平成26年3月2日に作成した記事です)
高血圧治療に使用される、降圧薬を含む配合薬についてのまとめです。
一覧表や適応上の注意、各略称等についてまとめています。
また、各種配合剤は原則、配合されている成分を持つ単剤から切り替えて使用するようになっています。
薬剤ごとにそのルールもまとめています。
随時更新していく予定です。

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局方品は銘柄変更不可!?〜局方品には後発医薬品が存在しない?(修正版)

(元々は平成27年6月18日に作成した記事です)
処方せんにはプレドニゾロン錠5mg「三和」が記載されていました。
でも、うちの薬局に在庫しているプレドニゾロン錠5mgは、

  • プレドニゾロン錠5mg「タケダ」
  • プレドニゾロン錠5mg「旭化成」
  • プレドニン錠5mg

の3種類だけです。
疑義照会をすると、「プレドニゾロン錠5mgであればどこのメーカーでもいいですよ」との回答だったので、『プレドニゾロン錠5mg「タケダ」』で調剤させてもらいました。
その際、スタッフからは、「局方品だから全部後発品扱いになるので、実際は疑義照会しなくても変更調剤できますよね?」との質問が。
いやいや、逆です。
局方品だからこそ別の銘柄には疑義照会しないと変更できないんです。
局方品は後発医薬品ではなく全て先発品扱いですよ。

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平成30年6月15日に薬価収載されるジェネリック医薬品一覧

2018年2月15日、6月発売予定の後発医薬品が承認されました。
6月14日付の官報で薬価が告示されており、15日に薬価収載されます。
注目は、タミフル・アイミクス・ボノテオ・ラミクタール・エイゾプト・コソプトのジェネリックです。

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バイアスピリン錠100mgとバファリンの配合錠A81の粉砕調剤について考えてみる

今更ながらバイアスピリンとバファリン配合錠の粉砕について考えてみました。
自分も含めて多くの環境で出会う処方で、個々に対応し、大きな問題も生じてはいないかと思います。
ただ、実際のところどうするのが一番いいのか?
もし、明確な結論がないのであれば一度考えてみませんか?
薬剤師であれば調剤について、自分なりの根拠を持っておくのは大切です。
自分もその時々で考えが変わりそうな気もするので、現時点で考えたことをまとめておこうと思います。
だらだらと書いていきます(笑)

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【薬食審・医薬品第一部会】潰瘍性大腸炎治療薬エンタイビオ点滴静注用など【承認了承】

平成30年6月8日、厚生労働省の医薬品食品審議会(薬食審)医薬品第一部会が開催されました。
新薬2製品の製造承認の可否、1製品の適応追加の可否について審議され、全て承認が了承されました。
前回、平成30年5月23日の第二部会で審議されたものと同じく6月下旬ごろに正式に承認される予定です。
また、報告品目として2製品の新規格・適応・用法・用量の追加が報告されました。

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ナウゼリン(ドンペリドン)の飲み薬(内服薬:錠剤・細粒・ドライシロップ)と坐剤で用量が異なる理由は?

吐き気止めとして小児から大人まで幅広く使用されているナウゼリン(成分名:ドンペリドン)ですが、錠剤・細粒・ドライシロップなど飲み薬の用量と坐薬の用量を比較してみると坐薬の方が圧倒的に用量が多くなっています。
以前、兄弟で胃腸炎になってしまったお子さんの薬を説明しているときに、お母さんから「上の子の錠剤の方がmg数が小さいんですね」と鋭い指摘を受けたことがあります。
皆さん、どのように説明していますか?

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歯科でのアモキシリン単回投与〜感染性心内膜炎(菌血症)の予防

ある日届いた一枚のFAX処方箋に薬局がざわつきました。
歯科から4歳の男の子に対して出された処方です。

処方内容

サワシリン細粒10% 7.5g
1日1回 医師の指示通り 1日分

えー!何これ!?

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メトロニダゾール含有医薬品の添付文書に肝機能障害が追加〜コケイン症候群とは?

平成30年6月5日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
その中でも、メトロニダゾール含有医薬品に追加された肝機能障害に注目してみました。
コケイン症候群の方に投与する場合について特に注意喚起を呼びかける内容になっています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないことがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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アミオダロンによる無顆粒球症など〜平成30年6月5日 添付文書改訂指示

平成30年6月5日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は7つの成分に対して改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年8月末でセルテクトが販売中止に〜経過措置は平成31年3月31日まで

平成30年5月15日、協和発酵キリンはセルテクト錠ならびにセルテクトドライシロップ(成分名:オキサトミド)の販売を中止すると発表しました。
発売中止は平成30年8月末を予定ということなので、すでに生産終了して在庫のみの販売のようですね。
経過措置は平成31年3月31日までになります。

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オプジーボ・ヤーボイの悪性黒色腫に対する併用療法など〜平成30年5月25日の承認内容

平成30年5月25日、厚生労働省は医薬品5製品について一部変更承認(一変承認)しました。
それぞれ以下のように適応が追加されます。

  • オプジーボ・ヤーボイ:悪性黒色腫に対する併用療法
  • ゼルヤンツ:潰瘍性大腸炎
  • ボトックス注:痙攣性発声障害
  • ヌーカラ皮下注:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

特に、オプジーボ・ヤーボイについては日本で初めてのがん免疫療法薬の併用療法の承認となります。

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【薬食審・医薬品第二部会】ダフクリア錠、リムパーザの適応追加など【承認了承】

平成30年5月23日、厚生労働省の医薬品食品審議会(薬食審)医薬品第二部会が開催されました。
新薬4製品の製造承認の可否、2製品の適応追加の可否について審議され、全て承認が了承されました。
6月下旬ごろに正式に承認される予定です。
また、報告品目として3製品の適応・用法・用量の追加が報告されました。
今回は簡単にまとめ、後日、一つずつ詳しくまとめてリンクしていく予定です。

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JAK阻害薬 ゼルヤンツ錠5mg(H30.5.25更新)

JAK阻害剤のゼルヤンツ錠(成分名:トファシチニブ)についてまとめます。
平成25年3月25日付で承認(適応:関節リウマチのみ)されています。
また、平成30年5月25日付で潰瘍性大腸炎に関する適応が追加されました。

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