薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

カロナール細粒の出荷調整が緩和に〜山本化学工業のアセトアミノフェン原薬に出荷許可

平成29年10月18日、かねてより出荷停止の処分を受けていた山本化学工業にアセトアミノフェン原薬の出荷許可が下りたようです。
この連絡を受け、あゆみ製薬はカロナール細粒の生産再開準備に入っているようです。
流通再開までには1ヶ月くらいの期間を要するようですが、順次、出荷調整が緩和されていく予定です。

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カロナール細粒が出荷停止の可能性〜アセトアミノフェン製剤の出荷状況まとめ(追記あり)

先日、コカールドライシロップ、アルピニー坐剤の新規採用停止についてまとめましたが、今度はカロナール細粒が出荷停止となってしまう可能性があるとの情報が入ってきました。
すでに出荷調整が始まっていますが、このまま原薬が供給されない場合、各規格・包装の多くが年末ごろでメーカー在庫なしとなってしまうようです。
対象となっているのはあゆみ製薬のアセトアミノフェン製剤のうち、

  • カロナール細粒20%
  • カロナール細粒50%
  • カロナール坐剤小児用50

の3製剤です。

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コカールドライシロップ40%・コカール小児用ドライシロップ20%・アルピニー坐剤100の出荷調整(追記あり)

三和化学研究所のアセトアミノフェン製剤である

  • コカールドライシロップ40%
  • コカール小児用ドライシロップ20%
  • アルピニー坐剤100

の3製品の新規採用が自粛されるという案内が配布されています。
  
(H29.2.22追記)
コカールDSに続いて、カロナール細粒も出荷調整となり、その余波を受けて、他者の細粒・DSも出荷調整がかかってしまっているようです。

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アセトアミノフェン(AA)原薬に関する報道について(追記あり)

平成29年6月22日、国内の医薬品原薬メーカーである山本化学工業が承認内容と異なる方法で製造したアセトアミノフェンを流通させていたことが報道されました。
山本化学工業は国内のアセトアミノフェンのシェアの80%を占めており、またアセトアミノフェン自体が解熱鎮痛薬・総合感冒薬として、医療用から一般用医薬品にまで広く使用されている薬であることから、多くの方に不安を与える事件となりました。
ですが、厚生労働省は、出荷されていたアセトアミノフェン自体の品質には問題なしとして、製品の回収は不要という結論を出しています。
また、原薬を購入して医薬品を製造しているメーカー各社の試験でもアセトアミノフェンの品質には問題がなかったということが公表されています。
ですので、飲んでしまったからといって、健康被害が生じるものではないことを、一般の方々に伝えれるようにならないといけないと思います。
今回は、この事件について、分かる範囲の情報をまとめておこうと思います。

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プラザキサによる急性肝不全など〜平成29年9月12日 添付文書改訂指示

平成29年9月12日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は3つの成分に対して以下のような改訂指示が出されています。

  • ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(プラザキサ)による急性肝不全、肝機能障害、黄疸
  • パリビズマブ(遺伝子組換え)(シナジス筋注液)による血小板減少
  • インターフェロンベータ(フエロン注射用)によるC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善について治療期間を明記

  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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イナビルによる気管支攣縮、ワーファリンによるカルシフィラキシスなど〜平成29年8月3日添付文書改訂指示

平成29年8月3日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回指示が出されたのは以下の4成分です。

  • リオシグアト(アデムパス)による重篤な有害事象・死亡の増加
  • ワルファリンカリウム(ワーファリン)によるカルシフィラキシス
  • アジスロマイシン水和物(ジスロマック)による急性汎発性発疹性膿疱症
  • ラニナミビル(イナビル)による気管支攣縮、呼吸困難

今回は気になる内容が多いので少し詳しくまとめていこうと思います。

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医療用医薬品初の剤型コムクロシャンプー登場

平成29年3月30日、外用頭部乾癬治療薬コムクロシャンプー0.05%(成分名:クロベタゾールプロピオン酸エステル)の製造が承認されました。
有効成分のクロベタゾールプロピオン酸エステルといえばデルモベート®︎の成分です。
でも、コムクロで注目すべきなのはその剤型。
医療用では初めてとなるシャンプー製剤になります。
平成29年5月24日に薬価収載、7月11日に販売開始となっています。

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コデイン・ジヒドロコデイン・トラマドールの小児使用制限〜平成29年7月4日添付文書改訂指示②

平成29年7月4日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は特に注目されたコデインリン酸塩含有製剤並びにジヒドロコデインリン酸塩含有製剤及びトラマドール塩酸塩含有製剤の小児への投与についてまとめます。

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ロキソニン外用剤によるショック・アナフィラキシー、オプジーボによる硬化性胆管炎など〜平成29年7月4日添付文書改訂指示①

平成29年7月4日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回注目されたのはコデインリン酸塩含有製剤並びにジヒドロコデインリン酸塩含有製剤及びトラマドール塩酸塩含有製剤の小児への投与についてです。
ですが、それ以外にも、ロキソニン外用剤によるショック・アナフィラキシー、オプジーボによる硬化性胆管炎などの追記があります。
今回は、コデイン・トラマドール以外の改訂内容についてまとめてみます。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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アリピプラゾール・オルメサルタン・テルミサルタン・テラムロ・テルチア・ロスバスタチンなど〜H29年6月16日薬価追補収載品目

平成29年6月16日、厚生労働省は83成分438品目の薬価追補収載を告示しました。
今回、最も販売会社が多いのはエビリファイのジェネリック、アリピプラゾールです。
その他、目玉として、オルメテック・ミカルディス・ミカムロ・ミコンビ・クレストールのAGが登場します。
他にもジェノゲストやティーエスワンOD錠のAG、セイブルやザラカムのジェネリックも登場します。
(平成29年6月時点での情報です)

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カナリア配合錠の承認了承〜国内初のDPP-4阻害薬/SGLT2阻害薬配合剤

平成29年6月9日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会が開催され、新薬6製品の承認が了承されました。
今回は、その中からカナリア配合錠についてまとめます。
カナリア配合錠は国内では初となるDPP-4阻害剤とSGLT2阻害剤の配合剤です。
さあ、何と何の合剤かわかりますか?
ちなみに、成分はテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物テネリグリプチン。
この組み合わせの配合剤は世界初になります。

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添付文書が変わる〜新しい添付文書の記載要領(2019年4月適用)

平成29年6月8日、厚生労働省はかねてより話題になっていた医療用医薬品の添付文書の記載要領についての通知を発出しました。
適用開始は平成31年4月1日からで、経過措置期間は5年間(平成36年3月31日まで)です。
なので、すでに販売されているものも平成36年4月1日には新形式に置き換わるということですね。
「原則禁忌」「慎重投与」が廃止され、「特定の背景を有する患者に関する注意」という項目が加わるなど、曖昧な部分が排除され、より明確にわかりやすいものに変更となります。

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ハーボニー配合錠の自主回収〜平成29年6月8日

平成29年6月8日、C型肝炎治療薬ハーボニー配合錠(成分名:レジパスビル/ソホスブビル配合錠)の自主回収が発表されました。
レジパスビルの含量が承認の範囲をわずかに上回っていることによる回収のようです。
服用による健康被害の可能性は極めて低いのではないかと思いますが、薬剤の金額等を考えると大きな自主回収になりそうですね。
服用中の方へ「今回の件により健康被害が生じる可能性は極めて少ないものと考えられています。決して自己判断で服用を中止せず、不安な場合は処方元の医師や薬剤師に相談するようにしてください。」

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アニュイティエリプタの特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【ICS】【4剤目のエリプタ製剤】

今回は発売直前のアニュイティ®エリプタ®についてまとめてみようと思います。
タイトルにも書いてある通り、吸入デバイスにエリプタを用いる4番目の薬剤で、アニュイティは1日1回吸入のICS(吸入ステロイド薬:Inhaled CorticoSteroid)になります。
平成29年3月30日にの製造承認を取得、5月31日に薬価収載されました。
平成29年6月15日に販売開始される予定です。

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認知症治療薬の少量投与と一般名処方の銘柄名併記(疑義解釈その11)

平成29年5月26日に疑義解釈その11が公開されています。
今回は認知症治療薬の少量投与や一般名処方への銘柄併記についてなど、薬局に深く関わる内容があったのでまとめてみようと思います。

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