薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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コカールドライシロップ40%・コカール小児用ドライシロップ20%・アルピニー坐剤100の出荷調整(追記あり)

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三和化学研究所のアセトアミノフェン製剤である

  • コカールドライシロップ40%
  • コカール小児用ドライシロップ20%
  • アルピニー坐剤100

の3製品の新規採用が自粛されるという案内が配布されています。
  
(H29.2.22追記)
コカールDSに続いて、カロナール細粒も出荷調整となり、その余波を受けて、他者の細粒・DSも出荷調整がかかってしまっているようです。
  
  

  
  
(H29.2.22追記)
あゆみ製薬のカロナール細粒にも出荷調整がかかってしまい、アセトアミノフェンの細粒・DS全体が出荷調整の状態になってしまっています。

  
  

原因は6月から続くアセトアミノフェンの出荷停止

平成29年6月に記事にもまとめたように山本化学工業製のアセトアミノフェン原薬が出荷停止となっています。

コストカットのため、承認とは異なる安価な中国産の原料を使用してアセトアミノフェンを製造していたことが問題となっています。
9月からゾニサミドなど一部の原薬の製造は再開されているようですが、アセトアミノフェン原薬の出荷は停止されたままです。
  
  

在庫が十分あるので問題なしと予想されていたが・・・

三和化学のアセトアミノフェン製剤のうち、山本化学工業の原薬を使用しているのは、

  • コカールドライシロップ40%
  • コカール小児用ドライシロップ20%
  • アルピニー坐剤100

ですが、アセトアミノフェン原薬の在庫は十分あるので出荷に問題はないとアナウンスしていました。
アセトアミノフェンを使用した三和化学研究所の医薬品について
  
ですが、出荷が予想以上に長引いていしまったことで、新規採用の自粛を開始するようです。
  
  

三和化学アセトアミノフェン3製剤の新規採用自粛

今回、三和化学研究所は以下の3製剤について、新規採用を自粛するというアナウンスを出しています。

  • コカールドライシロップ40%
  • コカール小児用ドライシロップ20%
  • アルピニー坐剤100

  
以下は案内文書からの抜粋です。

弊社製品解熱鎮痛剤『コカールドライシロップ40%』、小児用解熱鎮痛剤『コカール小児用ドライシロップ20%』及び『アルピニー坐剤100』につきまして、原薬アセトアミノフェンの入手が困難な状況になり、今後新たに製品の製造が出来なくなる可能性が出てまいりました。そこで、現在ご採用をいただいているお得意様への供給を優先させていただき、新規採用を自粛させていただきたく存じます。

当初、弊社は、通常の取引量であれば供給の問題は発生しない見込みであるとお知らせしてまいりました(別紙)。

しかしながら、製造メーカーの出荷停止は現在もなお続いており、今後の出荷再開時期も明らかにされておりません。その様な中、弊社製品につきましては、在庫製品と在庫原薬を用いた製造により供給を継続してまいりましたが、今後原薬の供給が再開されませんと、12月以降一部の包装規格が欠品する恐れが出てまいりました。そこで、予めこのようなご案内とお願いをさせていただくことになりました。
なお、弊社同効薬の解熱鎮痛剤コカール錠200mgにつきましては、原薬製造メーカーが上記メーカーと異なるため供給体制に問題はございません。

ということです。
  
アセトアミノフェン製剤の新規採用を急ぐケースは少ないとは思いますが、コカールドライシロップ40%・コカール小児用ドライシロップ20%・アルピニー坐剤100の3つについては新規に採用できない状態と知っておきましょう。
(H29.2.22追記)
と書いていたら、カロナール細粒も出荷調整となり、小児科にとってインフルエンザシーズンをどう乗り越えるかという状態になっていますね。

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