平成30年11月28日に薬価収載された医薬品一覧(報告品目)
2018年11月27日付の官報に新剤形の医薬品の薬価が掲載されました。
これらの薬剤は平成30年11月28日付で薬価基準収載されました。
今回薬価収載される医薬品には、ラグノスNF経口ゼリー分包12g、アミティーザカプセル12μg、エフィエントOD錠20mg、バリキサドライシロップ5000mg、テネリア錠40mg、アガルシダーゼ ベータBS点滴静注「JCR」、オラビ錠口腔用、オプジーボ点滴静注240mg、トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」などです。
平成30年11月28日付 薬価基準収載一覧
官報へのリンクを貼っておきます。平成30年11月27日 官報 号外第259号
既存の成分を用いた医薬品
新剤形という形になるのかもしれませんが、薬価収載されたものの中で新薬のような位置付けのものをまとめます。新医薬品には該当しないので投与日数制限はありません。
新規浸透圧性下剤 ラグノスNF経口ゼリー分包12g
安定供給を行うために販売開始をずらし、は2019年以降になるようです2019年2月27日に販売開始されました。
- 医薬品名と薬価
- ラグノスNF経口ゼリー分包12g:48.20円/包
- 成分名:ラクツロース
- 申請者:三和化学研究所
- 効能・効果:
- 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
- 高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
- 精神神経障害
- 手指振戦
- 脳波異常
- 産婦人科術後の排ガス・排便の促進
- 用法・用量:
- 慢性便秘症
通常、成人には本剤24g(本剤2包)を1日2回経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高用量は72g(本剤6包)までとする。 - 高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
通常、成人には本剤12~24g(本剤1~2包)を1日3回(1日量として本剤3~6包)経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。 - 産婦人科術後の排ガス・排便の促進
通常、成人には本剤12~36g(本剤1~3包)を1日2回(1日量として本剤3~6包)経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
- 慢性便秘症
- 1日薬価:192.80円(慢性便秘症)
- 販売開始:2019年2月27日
他の便秘薬と薬価を比較
表が画面に入りきらない場合は横にスクロールできます。分類 | 医薬品名 | 薬価 | 用量 | 1日薬価 |
---|---|---|---|---|
浸透圧性下剤 | ラグノスNF経口ゼリー分包12g | 48.20円/包 | 1回2包を1日2回(1日最高用量は6包) | 192.8〜289.2円 |
モビコール配合内用剤 | 83.90円/包 | 1回2包を1日1回(最大投与量は1日6包) | 167.8〜503.4円 | |
マグミット錠(200mg/250mg/330mg/500mg) | 5.60円/錠 | 1日2g(500mg 4錠) | 22.4円 | |
上皮機能変容薬 | アミティーザカプセル24μg | 123.00円/錠 | 1回24μgを1日2回 | 246.0円 |
リンゼス錠0.25mg | 89.90円/錠 | 0.5mgを1日1回 | 179.8円 | |
その他 | グーフィス錠5mg | 105.80円/錠 | 10mgを1日1回(最高用量は1日15mg) | 211.6〜317.4円 |
ラグノスNF経口ゼリー分包12gは後発医薬品扱いと聞いたのでもっと安いかと思いきや・・・。
標準用量だとモビコールより高いのか・・・。
適応違いのラグノスゼリー分包16.05g 40.49%(3.00円/g)と1包あたりの薬価が同じになってますね。
ちなみにラグノスNF経口ゼリー分包12gの薬価単位がgじゃなくて包になったのは何でだろう?
こうして比較するとカマグの安さが際立ちますね。。。
高マグネシウム血症のリスクは気になるところではありますが、気づけていない症例があることを踏まえても、使用量からリスクを考えると・・・。
難しいところですね。
オラビ錠口腔用50mg
- 医薬品名:オラビ錠口腔用50mg:1,181.70円/錠
- 成分名:ミコナゾール
- 申請者:そーせい
- 効能・効果:カンジダ属による口腔咽頭カンジダ症
- 用法・用量:通常、成人には1回1錠(ミコナゾールとして50mg)を1日1回、上顎歯肉(犬歯窩)に付着して用いる。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/new-drugs-20190921#オラビ錠口腔用報告品目
口腔用ミコナゾールの新剤型です。
現在はフロリードゲル経口用2%(薬価:96.40円/g)が存在しますが、錠剤タイプは初めてです。
錠剤といっても、1日1回、上顎歯肉に付着させて使用する形のようです。
フロリードゲル経口用2% 1本(20g)が1928円なので約0.6掛けになっていますね。
国内での販売は富士フイルム富山化学株式会社
オラビ錠口腔用はそーせいが開発した医薬品ですが富士フイルムファーマが国内における販売権を取得していました。富士フイルムファーマ 口腔咽頭カンジダ症を適用とする「SO-1105(一般名:ミコナゾール)」の日本における独占販売に関する契約を締結
ですが、ご存知の通り、富士フイルムファーマ株式会社は2019年3月31日付で解散となることが決まっています。
子会社解散に関するお知らせ
そのため、10月1日に発足した富士フイルム富山化学株式会社がオラビ錠口腔用の販売を行うようです。
バイオ後続品(バイオシミラー)
バイオシミラーが3つ薬価収載されています。ファブラザイムの初のバイオ後続品 アガルシダーゼ ベータBS点滴静注「JCR」
- 医薬品名と薬価
- アガルシダーゼ ベータBS点滴静注5mg「JCR」:83,921円/瓶
- アガルシダーゼ ベータBS点滴静注35mg「JCR」:469,292円/瓶
- 成分名:アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)[アガルシダーゼベータ後続1]
- 申請者:JCRファーマ
- 効能・効果:ファブリー病
- 用法・用量:通常、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを隔週、点滴静注する。
(リプレガル点滴静注用3.5mgのバイオ後続品ではありません)
ファブラザイム点滴静注35mgが726,768.00円/瓶、ファブラザイム点滴静注5mgが129964.00円/瓶なので、約0.6掛けですね。
過去記事でもまとめています。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/new-drugs-20190921#アガルシダーゼ-ベータBS点滴静注JCR報告品目
インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」
- 医薬品名と薬価:インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」(50,042円/瓶)
- 成分名:インフリキシマブ(遺伝子組換え)
- 一般名:インフリキシマブ後続3
- 申請者:ファイザー
- 効能・効果:
- 既存治療で不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止含む)
- 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
- 中等度から重度の活動期にあるクローン病、外瘻を有するクローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 中等症から重度の潰瘍性大腸炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 用法・用量:(省略)
過去記事でもまとめています。
薬価(50,042円/瓶)はインフリキシマブ後続1・2と同じです。
レミケード点滴静注用100mgが80426.00円/瓶なので0.6掛けの薬価ですね。
3つ目のレミケードBS注
インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」はレミケードのバイオ後続品としては3番手になります。
- インフリキシマブ後続1:
- インフリキシマブBS点滴静注用100mg「CTH」
- インフリキシマブBS点滴静注用100mg「NK」
- インフリキシマブ後続2:
- インフリキシマブBS点滴静注用100mg「あゆみ」
- インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」
- インフリキシマブ後続3:インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」
レミケードとの適応の違い
先行品のレミケードとは適応が異なるので注意が必要です。レミケードにはあって、インフリキシマブBSが取得していない適応は以下の通りです。
- ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎
- 強直性脊椎炎
- 腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病
- 川崎病の急性期
トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」
- トラスツズマブBS点滴静注用60mg「第一三共」・点滴静注用150mg「第一三共」 新発売のご案内(平成30年11月28日)
- トラスツズマブBS点滴静注用60mg「第一三共」・点滴静注用150mg「第一三共」 製造販売承認取得のご案内(平成30年9月21日)
- 医薬品名と薬価
- トラスツズマブBS点滴静注用60mg「第一三共」:13,683円/瓶
- トラスツズマブBS点滴静注用150mg「第一三共」:31,858円/瓶
- 成分名:トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]
- 申請者:第一三共
- 効能・効果:
- HER2過剰発現が確認された乳がん
- HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がん
- 用法・用量:HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法を使用する。
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。- A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。
- B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。
過去記事でもまとめています。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/new-drugs-20190921#トラスツズマブBS点滴静注用第一三共報告品目
ハーセプチンとの適応・用法の違い
トラスツズマブ後続3はトラスツズマブ後続2と同様です。
先行品であるハーセプチンと比較した場合、
- トラスツズマブ後続1は胃がんに対しての適応のみ
- トラスツズマブ後続2・3は胃がんと乳がんに適応があるが乳がんについてはA法のみ
となっています。
2018年11月28日付でトラスツズマブBS点滴静注用「NK」、トラスツズマブBS点滴静注用「CTH」(トラスツズマブ後続1)も乳がんの適応を取得しており、トラスツズマブ後続の適応の差はなくなっているので修正します。
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体 抗悪性腫瘍剤トラスツズマブBS点滴静注用60mg「NK」・同150mg「NK」の効能・効果、用法・用量追加承認について | ニュース | 世界的すきま発想。日本化薬株式会社
https://dsu-system.jp/dsu/276/4970/notice/15502/notice_15502_20181214172049.pdf
ハーセプチンとトラスツズマブBSの適応等の違い
先行品とトラスツズマブ後続の効能効果、用法用量の違いについてまとめます。表が画面に入りきらない場合は横にスクロールできます。
製品名 | 効能・効果(用法・用量) | ||
---|---|---|---|
乳がん | 胃がん | ||
A法 | B法 | B法(他の抗悪性腫瘍剤との併用) | |
ハーセプチン (先行品) |
○ | ○ | ○ |
トラスツズマブBS点滴静注用「NK」 トラスツズマブBS点滴静注用「CTH」 (トラスツズマブ後続1) トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」 (トラスツズマブ後続2) トラスツズマブBS点滴静注用60mg「ファイザー」 (トラスツズマブ後続3) |
○ | - | ○ |
そういえば、トラスツズマブBS点滴静注用60mg「ファイザー」(トラスツズマブ後続3)は今回収載されなかったようですね。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/new-drugs-20190921#トラスツズマブBS点滴静注用ファイザー報告品目
2019年5月29日付で薬価収載されました。
新剤形が追加された薬剤
新たな剤形として薬価収載されたものです。バリキサドライシロップ5000mg
平成30年12月の発売を予定- 医薬品名と薬価:バリキサドライシロップ5000mg(605.70/mL(懸濁後の内用液として))
- 有効成分:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物
- 申請者:田辺三菱製薬
- 効能・効果:臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制
- 用法・用量:通常、小児にはバルガンシクロビルとして次式により算出した投与量を 1 日 1 回、食後に経口投与する。ただし、1 日用量として 900 mgを超えない こと。推定糸球体ろ過量が 150 より高値の場合は 150 を用いること。 投与量(mg)=7× 体表面積(m2)× 推定糸球体ろ過量(mL/min/1.73m2)
過去記事にもまとめています。
ピートル顆粒分包
- 医薬品名と薬価
- ピートル顆粒分包250mg:176.10円/包
- ピートル顆粒分包500mg:258.70円/包
- 成分名:スクロオキシ水酸化鉄
- 申請者:キッセイ薬品
- 効能・効果:透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
- 用法・用量:通常,成人には,鉄として1回250mgを開始用量とし,1日3回食直前に経口投与する。以後,症状,血清リン濃度の程度により適宜増減するが,最高用量は1日3000mgとする。
元々はチュアブル錠だけなので噛んで服用する必要がありましたが、顆粒剤は義歯に挟まりにくい大きさのようなので咀嚼機能が低下場合でも服用しやすくなっています。
ピートルチュアブル錠250mgが177.80円/錠、ピートルチュアブル錠500mgが261.20円/錠なので薬剤料的にはほとんど差がないかもしれませんが、用量によっては少しだけ負担を軽減することができるかもしれません。
エフィエントにOD錠追加 エフィエントOD錠20mg
- 医薬品名と薬価:エフィエントOD錠20mg(1,128.80円/錠)
- 有効成分:プラスグレル塩酸塩
- 申請者:第一三共
- 効能・効果:
- 経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
- 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
- 用法・用量:通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。
口腔内崩壊錠の追加で初回投与を容易にできそうですね。
ケブザラ皮下注オートインジェクター
- 関節リウマチ治療薬「ケブザラ®皮下注オートインジェクター」発売のお知らせ(平成30年12月11日)
- 関節リウマチ治療薬「ケブザラ®皮下注」の「在宅自己注射指導管理料」対象薬剤への追加および「投薬期間制限」解除のお知らせ(平成30年12月3日)
- 医薬品名と薬価
- ケブザラ皮下注150mgオートインジェクター:44,945円/キット
- ケブザラ皮下注200mgオートインジェクター:59,509円/キット
- 成分名:サリルマブ(遺伝子組換え)
- 申請者:サノフィ
- 効能・効果:既存治療で効果不十分な関節リウマチ
- 用法・用量:通常、成人にはサリルマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを2週間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により1回150mgに減量すること。
オートインジェクターを採用するのはアクテムラ、オレンシア、トルツ、ベンリスタに続いて5製剤目になります。
操作が簡便で注入完了したことも音でわかるのでアドヒアランスの向上が期待できますね。
薬価についても、ケブザラ皮下注150mgシリンジ1.14mLが44,556.00円/筒、ケブザラ皮下注200mgシリンジ1.14mLが59,120.00円/筒なので400円程度高くなるだけですね。
シムジア皮下注オートクリックス
- 医薬品名と薬価:シムジア皮下注200mgオートクリックス(61,745円/キット)
- 成分名:セルトリズマブ ペゴル(遺伝子組換え)
- 申請者:ユーシービージャパン
- 効能・効果:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
- 用法・用量:通常、成人にはセルトリズマブ ペゴル(遺伝子組換え)として、1回400mgを初回、2週後、4週後に皮下注射し、以後1回200mgを2週間の間隔で皮下注射する。
なお、症状安定後には、1回400mgを4週間の間隔で皮下注射できる。
オートクリックスという機構を用いた薬剤はシムジアが初めてです。
本製品は、指でボタンを押す必要がないよう設計された自動注射器であり、手を患われている関節リウマチの患者さんにも使いやすいように、滑り止め加工を施した太いグリップを採用しています。また、注射の進行状況を本体の窓から見て確認することができるほか、注射開始時と完了時に2回のクリック音によって、全ての薬液が投与されたことを患者さん自身で確認できます。すごいお金がかかっていると思うのですが、シムジア皮下注200mgシリンジ1mLの薬価(61,202.00円/筒)より300円程度高いだけなんですね。
新規格が追加された薬剤
新たな規格として薬価収載されたものです。アミティーザカプセル12μg
- 医薬品名と薬価:アミティーザカプセル12μg(61.50円/カプセル)
- 成分名:ルビプロストン
- 申請者:マイランEPD
- 効能・効果:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
- 用法・用量:通常,成人にはルビプロストンとして1回24μgを1日2回,朝食後及び夕食後に経口投与する.なお,症状により適宜減量する.
アミティーザに低用量の規格が追加されています。
カプセルなので錠剤のように半割して用量調節するわけにはいかないので低用量の規格追加は嬉しいですね。
効果が強く出すぎて下痢になってしまう場合や吐き気の副作用が強い場合に使用を検討したいです。
テネリア錠40mg
- 医薬品名と薬価:テネリア錠40mg(231.00円/錠)
- 有効成分:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物
- 申請者:田辺三菱製薬
- 効能・効果:2型糖尿病
- 用法・用量:通常,成人にはテネリグリプチンとして20mgを1日1回経口投与する.なお,効果不十分な場合には,経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量することができる.
テネリア錠20mgの薬価が154.60円/錠(40mg=20mg 2錠=309.2円)なのでだいぶ安くなりますね。
オプジーボ点滴静注240mg
- 医薬品名:オプジーボ点滴静注240mg(410,580円/瓶)
- 成分名:ニボルマブ(遺伝子組換え)
- 申請者:小野薬品
- 効能・効果:
- 悪性黒色腫
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
- 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
- がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌
- がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
- 用法・用量:
- 悪性黒色腫
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。ただし、悪性黒色腫における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
根治切除不能な悪性黒色腫に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回80mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。 - 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。
化学療法未治療の根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。 - 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。
- 悪性黒色腫
固定用量の追加
オプジーボは平成30年8月21日に1回240mgの固定用量の承認が了承されています。オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)点滴静注の「悪性胸膜中皮腫」と「悪性黒色腫の術後補助療法」への適応拡大、「固定用量への用法・用量」の変更、およびオプジーボとヤーボイ®(一般名:イピリムマブ)点滴静注との併用療法における「腎細胞がん」への適応拡大に対する国内製造販売承認事項一部変更承認取得
過去記事にもまとめています。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/new-drugs-20190921#オプジーボ点滴静注240mg
ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体オプジーボ の作用機序
オプジーボの作用機序は過去に何回もまとめていますが、再度復習しておきます。活性化された免疫細胞(T細胞やB細胞)の表面には、PD-1(Programmed cell death-1)と呼ばれる、免疫細胞のアポトーシス(細胞自己死)に拘わる分子が存在しています。
PD-1は免疫のブレーキ役(免疫チェックポイント)として免疫応答を調節しています。
また、PD-1に特異的に結合する物質(リガンド)とて発見されたのがPD-L1とPD-L2です。
PD-1にPD-L1が結合すると、免疫細胞としての反応が抑制されてしまいます。
がん細胞は自身の表面にPD-L1を発現させることで、免疫反応による攻撃を回避します。
オプジーボの有効成分であるニボルマブはヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体です。
ニボルマブはPD-1の細胞外領域(PD-1リガンド結合領域)に結合することで、PD-1とPD-L1の結合を阻害します。
その結果、免疫反応にかかっていたブレーキが解除され、がんを抗原とする抗原抗体反応を増強、悪性腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。
フェントステープ0.5mg
- 医薬品名と薬価:フェントステープ0.5mg(303.80円/枚)
- 成分名:フェンタニルクエン酸塩
- 申請者:久光製薬
- 用法・用量:本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。
通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替えて使用する。
初回貼付用量は本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、0.5mg、1mg、2mg、4mg、6mgのいずれかの用量を選択する。その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
0.5mgの追加と0.5mg単位の用量調節
新たな規格であるフェントステープ0.5mgが追加されました。それに伴い、開始用量が0.5mgから選択できるようになり、0.5mg単位での用量調節も可能になっています。
アディノベイト静注用キットの規格追加
- 医薬品名と薬価
- アディノベイト静注用キット1500:155,275円/キット
- アディノベイト静注用キット3000:286,973円/キット
- 成分名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)
- 申請者:シャイアー・ジャパン
- 効能・効果:血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
- 用法・用量:本剤を添付の溶解液5mLで溶解し、緩徐に静脈内に注射する。なお、10mL/分を超えない速度で注入すること。
通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
定期的に投与する場合、通常、成人及び12歳以上の小児には、1回体重1kg当たり40~50国際単位を週2回投与するが、患者の状態に応じて1回体重1kg当たり60国際単位に増量できる。12歳未満の小児には、1回体重1kg当たり40~60国際単位を週2回投与するが、患者の状態に応じて1回体重1kg当たり80国際単位を超えない範囲で増量できる。
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