薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

ロゼックスゲル~日本で初めて「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」に対する適応を持つ薬剤

2014年11月28日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会でガルデルマが申請したロゼックスゲル0.75%(一般名:メトロニダゾール)の承認が了承されました。
ロゼックスゲル0.75%はその後、2014年12月26日付で製造承認を取得、2015年2月24日に薬価収載され、5月11日に発売となりました。
日本で初めて「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌、臭気の軽減」を効能・効果とする医薬品です。
2018年3月1日にマルホがガルデルマから製造販売承認を承継を受け、現在はマルホが販売を行っています。

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【薬の特徴や作用機序】ぺんぎん薬剤師の医薬品情報 検索ツール①【ブックマーク推奨!】

医療従事者のブログ・医療系サイト検索

勉強会などで語られた情報やメーカー提供の情報に重点を置いているので、薬の説明や特徴などを調べる時に適しています。

調べたい医薬品名などを入れて検索するだけで、(ぺんぎん薬剤師が独断で選んだ)ブログやサイト内のみを検索した結果を出してくれます。
他にも2パターンの検索ツールがあります)
  
  

作成の経緯

googleのアップデート以来、医療従事者個人が作ったサイトは検索順位の下部に追いやられてしまっています。
当サイトもそうですが、ブログを運営している方々からは検索して訪れてくれる人が激減してしまったという嘆きの声が聞こえてきます。
実際、自分の過去記事を探そうとしてもうまく見つけられないんですよね(笑)
アクセスが減ってしまったこともそうですが、何よりも調べ物をするの不便過ぎる。。。
そこでこのサイトを見ている方が好みそうなサイト(独断です)のみを検索できる検索窓を設置してみました!
f:id:pkoudai:20201030061225p:plain
ブックマークをおすすめします!
少しずつ更新していく予定です。
試験運用ですので、色々不手際があるかもしれませんがご容赦ください。
  
  

そのほかの検索

現段階では3種類作りました。

  • 薬の特徴や作用機序(医療従事者のブログ・医療系サイト):この記事
  • 医薬系ニュースサイト(メーカー公式発表や中医協、業界情報、学会など)
  • 文献・論文・エビデンス(EBMや文献紹介・解説を行なっているブログ)

↓にこの記事以外のリンクを貼っています。
  

医薬ニュースサイト検索

  
医薬系ニュースサイト内を検索します。
メーカー配信情報や中医協などの公的な情報をいち早く検索できます。

  

文献・論文・エビデンス検索

医薬品や疾患の治療についての論文や文献を紹介・解説しているブログ内を検索します。
特定の薬についてどんなエビデンス情報があるのかなどを検索できます。

  
  

登録サイト

以下は登録させていただいているサイトです。
いつもお世話になっています。
読み方で五十音順にさせていただいています。
  

医療従事者のブログ・医療系サイト

  

自分のブログも入れてます。すいません(笑)
  

医薬ニュースサイト

一部無料登録が必要なサイトを含んでいます。
これを機に登録をおすすめします。

  

論文を紹介・解説しているブログ

一部変更に関する承認〜ソリリス・ルセンティス・トルツ・テセントリク・エムプリシティ・カイプロリス 20191122

2019年11月22日付で適応追加などの一部変更が承認されています。
今回承認されたのは、2019年10月25日の薬食審・医薬品第一部会、10月31日の薬食審・医薬品第二部会で承認了承されたものの一部と報告品目として挙げられたものです。
今回承認された内容についてまとめます。
ゾレア皮下注の「季節性アレルギー性鼻炎」についてはノバルティスからの依頼で今回の承認は留保したとのことです。→その後、2019年12月11日付で承認されました。

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令和元年11月19日に薬価収載された医薬品一覧と発売日、キイトルーダの市場拡大再算定

2019年11月13日、厚生労働省の中医協総会が開かれ、新薬14製品の薬価収載を了承、11月19日に薬価収載されました。
前回(9月4日)、前々回(5月22日)に薬価収載見送りとなっていた鉄乏性貧血治療薬のフェインジェクト(カルボキシマルトース第二鉄)は今回も収載見送りですが、前回(9月4日)見送られていた、切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がんに対する適応を持つポートラーザ(ネシツムマブ)が収載されています。
また、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の市場拡大再算定による薬価引き下げ(2020年2月1日実施)についても決定しているのでまとめます。

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アーリーダとイクスタンジによる間質性肺疾患〜2019年11月15日添付文書改訂指示

令和元年11月15日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品等について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は去勢抵抗性前立腺がん治療薬としての適応を持つアンドロゲン受容体阻害薬であるイクスタンジとアーリーダについて改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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原則禁忌から禁忌に移行される項目について〜2019年11月12日 ウロキナーゼの添付文書改訂指示

令和元年11月12日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、現在の添付文書において「原則禁忌」とされている事項のうち、「禁忌」に移行することが適当と判断されたものについて、該当する医薬品の添付文書を改訂するように通知しました。
これは平成31年4月1日から施行された「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(平成29年6月8日付け薬生発0608 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)を踏まえた措置です。

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ステロイドの一般名は紛らわしい〜外用ステロイドのランク分けとエステル基

ジェネリック医薬品の普及が進み、一般名処方が当たり前になっています。
そんな中、薬剤師を悩ませるのがステロイド外用薬の一般名処方。
エステルの違いによって性質が異なるため、ベースとなる名称が同じでもエステルによって別の医薬品として扱われます。
注意が必要とわかっていながらも、普段、皮膚科の処方箋を目にする機会がなかなかないため詳しくまとめないままでいました。
先日、休日当番で大忙しの中、皮膚科の一般名処方を受け付けて固まってしまいました。
自身の反省も込めて、皮膚科の一般名処方を見ても迷わないようにまとめておきたいと思います。

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薬食審第二部会 ゾレアのアレルギー性鼻炎に対する適応追加など 20191031

2019年10月31日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で審議され、承認が了承された新医薬品についてまとめます。
この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されていませんが、近く正式に承認される予定です。
今回審議・報告が行われたものはすべて一部変更承認(一変承認)に関わるものなので、既存の承認内容や薬の性質も含めた復習と合わせて勉強しておきましょう。
2019年11月22日付でトルツ皮下注とテセントリク点滴静注1200mg、エムプリシティ点滴静注用、カイプロリス点滴静注用の一変承認は正式に承認されました。
ゾレア皮下注の「季節性アレルギー性鼻炎」の追加とイブランス錠については未承認のままです。

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タケキャブによる血液障害、ベンリスタによる鬱など〜2019年10月29日添付文書改訂指示①

令和元年10月29日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品等について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は大きく分けて3つの改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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薬食審第一部会 アトピーに対する初の外用JAK阻害剤コレクチム軟膏など 20191025

2019年10月25日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で審議され、承認が了承された新医薬品についてまとめます。
この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されていません。
2019年11月22日付でソリリス点滴静注300mgとルセンティス硝子体内注射液10mg/mLの一変承認は正式に承認されました。
コレクチム軟膏0.5%とディナゲスト錠0.5mgについては未承認のままです。

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ビベスピエアロスフィアの特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【LAMA/LABA配合吸入薬】

2019年9月4日、ビベスピリエアロスフィア28吸入が発売されました。
同日発売されたビレーズトリと同様にエアロスフィアを吸入デバイスとするpMDIです。
ウルティブロ吸入用カプセル、アノーロエリプタ、スピオルトレスピマットに続く4番目のLAMA/LABA配合吸入薬で、pMDIでは初めてのLAMA/LABA配合吸入薬になります。

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ビレーズトリエアロスフィアの特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【pMDI初のLAMA/LABA/ICS 3剤配合吸入薬】

2019年9月4日、ビレーズトリエアロスフィア56吸入が発売されました。
テリルジーエリプタに続く2番目の3剤配合吸入薬で、pMDIでの3剤配合薬は初めてです。
テリルジーと同様にCOPDに対する適応のみを取得しています。

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ラニチジン製剤(ザンタック®︎等)の自主回収〜NDMAの検出

この記事では2019年9月末から話題になっているラニチジン製剤の自主回収問題についてまとめます。
各薬局での自主回収の対応の一助となればいいなという思いと、覚書としての意味でまとめます。
今後、情報が入り次第、随時更新を行なっていきます。

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初の経口腎性貧血治療薬エベレンゾなど〜20190920承認(審議品目)

厚労省 新薬14製品を承認 経口腎性貧血薬エベレンゾ錠など
2019年9月20日、厚生労働省は新医薬品として14製品35品目を承認しました。
この記事ではそれらうち、薬食審での審議を経て承認されたものについてまとめています。(審議を経ていない報告品目については一つ前の記事にまとめています)
注目はなんと言ってもアステラスのエベレンゾでしょう。
初の経口腎性貧血治療薬となるHIF-PH阻害薬です。

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テセントリクのTN乳がん、アレジオンLX点眼液、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターなど〜20190920承認品目(報告品目)

2019年9月20日、効能・効果の追加など部会を報告品目として通過した品目の承認が行われました。
注目は、中外製薬の抗PD-L1抗体テセントリク点滴静注です。
国内のがん免疫チェックポイント阻害薬として初めてとなるPD-L1陽性TN乳がんに対する適応追加、それに合わせて新規格となる840mg製剤も承認されています。
そのほかには、複数の効能追加やアレジオン点眼液の新規格や骨粗鬆症治療薬フォルテオ、抗がん剤アバスチン、腎性貧血薬ネスプ、抗がん剤リツキサンのバイオミラーなどが承認されています。

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