薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

アミオダロンによる無顆粒球症など〜平成30年6月5日 添付文書改訂指示

平成30年6月5日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は7つの成分に対して改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年8月末でセルテクトが販売中止に〜経過措置は平成31年3月31日まで

平成30年5月15日、協和発酵キリンはセルテクト錠ならびにセルテクトドライシロップ(成分名:オキサトミド)の販売を中止すると発表しました。
発売中止は平成30年8月末を予定ということなので、すでに生産終了して在庫のみの販売のようですね。
経過措置は平成31年3月31日までになります。

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オプジーボ・ヤーボイの悪性黒色腫に対する併用療法など〜平成30年5月25日の承認内容

平成30年5月25日、厚生労働省は医薬品5製品について一部変更承認(一変承認)しました。
それぞれ以下のように適応が追加されます。

  • オプジーボ・ヤーボイ:悪性黒色腫に対する併用療法
  • ゼルヤンツ:潰瘍性大腸炎
  • ボトックス注:痙攣性発声障害
  • ヌーカラ皮下注:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

特に、オプジーボ・ヤーボイについては日本で初めてのがん免疫療法薬の併用療法の承認となります。

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【薬食審・医薬品第二部会】ダフクリア錠、リムパーザの適応追加など【承認了承】

平成30年5月23日、厚生労働省の医薬品食品審議会(薬食審)医薬品第二部会が開催されました。
新薬4製品の製造承認の可否、2製品の適応追加の可否について審議され、全て承認が了承されました。
6月下旬ごろに正式に承認される予定です。
また、報告品目として3製品の適応・用法・用量の追加が報告されました。
今回は簡単にまとめ、後日、一つずつ詳しくまとめてリンクしていく予定です。

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JAK阻害薬 ゼルヤンツ錠5mg(H30.5.25更新)

JAK阻害剤のゼルヤンツ錠(成分名:トファシチニブ)についてまとめます。
平成25年3月25日付で承認(適応:関節リウマチのみ)されています。
また、平成30年5月25日付で潰瘍性大腸炎に関する適応が追加されました。

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平成30年5月22日に薬価収載された医薬品一覧

2018年5月16日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定し、5月22日に薬価収載されました。
中医協 総-1-1 30.5.16新医薬品一覧表(平成30年5月22日収載予定)
今回の収載品目で気になるのは、

  • 覚せい剤原料ではないMAO-B阻害薬アジレクト錠
  • やっと薬価収載されるSPPARMα パルモディア錠
  • オキサゾリジノン系合成抗菌剤 シベクトロ錠
  • 肝機能障害・相互作用の少ない爪白癬治療薬ネイリンカプセル
  • スーグラ・ジャヌビアの合剤スージャヌ配合錠

といったところでしょうか?
薬価収載される医薬品についてできるだけ詳しくまとめてみました。

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パルモディア®の承認〜従来型フィブラートとSPPARMαの違いとは?

2017年7月3日、興和株式会社が申請を行っていた高脂血症治療剤「パルモディア錠0.1mg(成分名:ペマフィブラート)」が承認されました。
その後、なかなか薬価収載されませんでしたが、2018年5月22日に収載、6月1日に発売されました。
(平成30年4月現在、パルモディアは薬価収載されていません。3回連続薬価収載見送り、承認から半年経っても発売されないのは極めて異例です。)
2019年6月からは新医薬品に関する投与日数制限も解除されたので処方量が増えることが予想されます。
(ちなみにそのタイミングで錠剤の刻印とPTPシートのデザインが変更されました。返品できない・・・。)
このタイミングで新規のフィブラート系薬剤が登場!?
と思うかもしれませんが、ペマフィブラートは従来のフィブラート系薬剤とは異なるSPPARMα(スパームアルファ)と呼ばれる薬剤とされています。
(SPPARMα=Selective Peroxisome Proliferator-Activated Receptor Modulator α:高活性かつ高選択なPPARαモジュレーター)
今回はパルモディアが従来のフィブラート系薬剤とどう異なるかを中心にまとめてみようと思います。

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【薬食審・医薬品第二部会】ボトックス注とゼルヤンツ錠の適応追加について【承認了承】

平成30年4月27日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会が開催されました。
今回は2つの医薬品についての適応追加が審議され、承認が了承されています。

  • ボトックス注:痙攣性発声障害
  • ゼルヤンツ錠:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

簡単にまとめます。
(2剤ともに平成30年5月25日付で正式に一変承認されています)

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【後期高齢者】高齢者の医療保険について整理してみる【高齢受給者証】(修正)

(元々は平成27年1月17日に公開した記事でしたが、加筆修正を行いました)
高齢者の保険に関して後輩から質問を受けることが多いです。
たしかに慣れないうちはわかりにくいかもしれません。
特定医療費の詳しい話をまとめる前に高齢者の医療保険を中心に医療保険全般についてまとめてみようと思います。

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居宅療養管理指導費に関するQ&Aについて〜平成30年度介護報酬改定

4月を過ぎ、平成30年度の調剤報酬改定への対応もすっかり終わったところと思います。
今回の改定では介護報酬の改定も同時に行われました。
在宅を行なっている薬局は、こちらへの対応にも追われたことと思います。
今回は介護報酬版の疑義解釈とも言えるQ&Aのうち、居宅療養管理指導費に関する部分についてまとめました。
結論から言うと、「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」を算定する予定のない薬局にとっては、理解している内容の確認だけで、特に新しい内容ではないかもしれません。

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オゼックスによる腎性尿崩症、マリゼブ・オングリザ・ザファテックによる類天疱瘡など〜平成30年4月19日使用上の注意改訂指示

平成30年4月19日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は6つの成分に対して以下のような改訂指示が出されています。

  • トスフロキサシン(オゼックス)による腎性尿崩症
  • オマリグリプチン(マリゼブ)・サキサグリプチン(オングリザ)・トレラグリプチン(ザファテック)による類天疱瘡
  • ペムブロリズマブ(キイトルーダ)による硬化性胆管炎
  • クラドリビン(ロイスタチン)による進行性多巣性白質脳症

  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年4月18日に薬価収載された医薬品一覧

2018年4月11日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定し、4月18日に薬価収載されました。

  • エビリファイと比較してアカシジア等の副作用が少ないとされる新規統合失調治療薬レキサルティ
  • ゼチーアと同じ薬価にも関わらずアトルバスタチンが配合されているアトーゼット配合錠
  • 胆汁酸トランスポーターを阻害する新規抗便秘薬グーフィス
  • 高力価とした上で小児適応を取得したシダキュア舌下錠
  • レミカットカプセルの経皮吸収製剤アレサガテープ

この辺りが気になりますねー。
ちなみに、パルモディアは今回も見送りのようです。
承認されたのが昨年7月なんですが、いつ発売されるんでしょうね?(2018年5月22付でようやく薬価収載、6月1日に発売されました)

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在宅の考え方は同一建物から単一建物に〜診療報酬と介護報酬のダブル改定

平成30年度(2018年度)の在宅に関する改定についてまとめます。
今回は調剤報酬だけでなく介護報酬の改定も行われるダブル改定です。
これでほとんど統一されるかと思いきや、そうでない部分も意外とあります。
在宅患者訪問薬剤管理指導料等の調剤報酬における在宅関連の改定と一緒に介護保険における居宅療養管理指導費の改定についてもまとめます。

  • 「同一建物居住者」から「単一建物診療患者(単一建物居住者)」に
    • 単一建物の算定とみなす条件の変更:同一日→同一月
    • 人数に応じた3段階の評価に変更
  • 単一建物診療患者の数え方の例外
    • 3ユニット以下の認知症対応型共同生活介護(グループホーム)はユニット毎に単一建物診療患者の人数を判断
    • 同居する同一世帯患者はそれぞれ「単一建物診療患者が1人の場合」を算定可能
    • 算定患者数が建物の戸数の10%以下の場合は「単一建物診療患者が1人の場合」を算定可能
    • 単一建物の戸数が20戸未満で算定患者数が2人以下の場合は「単一建物診療患者が1人の場合」を算定可能
  
  • 診療報酬(医療保険):在宅患者訪問薬剤管理指導料
    平成28年度改定 平成30年度改定
    1 同一建物居住者以外の場合:650点 1 単一建物診療患者が1人の場合:650点
    2 同一建物居住者の場合:300点 2 単一建物診療患者が2〜9人の場合:320点
    3 1及び2以外の場合:290点
    • 保薬剤師1人につき1週につき40回に限り算定
    • 麻薬管理指導加算:100点
    • 乳幼児加算:100点(在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料も対象)
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  • 介護報酬(介護保険):居宅療養管理指導費・予防居宅療養管理指導費
    平成28年度改定 平成30年度改定
    (一) 同一建物居住者以外の場合:503単位 (一) 単一建物居住者1人に対して行う場合:507単位
    (二) 同一建物居住者の場合:352単位 (二) 単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合:376単位
    (三) (一)及び(二)以外の場合:344単位
    • 麻薬管理指導加算:100単位
    • 地域に応じた加算
      • 特別地域居宅療養管理指導加算:15%
      • 中山間地域等における小規模事業所加算:10%
      • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算:5%
  
詳しい内容は本文でまとめます。

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後発医薬品調剤体制加算の改定〜目指せジェネリック数量シェア80%!(H30.4.3修正)

平成30年度(2018年度)調剤報酬改定での後発医薬品に関する改定についてまとめます。
後発医薬品に関する改定の主な内容は以下の通りです。

  • 後発医薬品調剤体制加算が2段階→3段階に
  • 算定に必要なGE数量%のアップ
  • 新設される後発医薬品調剤体制加算3は今までよりも点数アップ
  • GE数量%の低い薬局には調剤基本料の減算

基本料に関する加算等 平成28年度 平成30年度
調剤基本料の注6 新設 -2点20%以下
後発医薬品調剤体制加算1 18点(65%以上) 18点(75%以上)
後発医薬品調剤体制加算2 22点(75%以上) 22点(80%以上)
後発医薬品調剤体制加算3 新設 26点85%以上)

  • 診療報酬(医科)での一般名処方加算の点数アップ
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平成30年度調剤報酬改定の最終チェック〜届出書類・レセコン設定

(この記事は平成30年4月1に投稿したものなので、平成30年度診療報酬改定に関する施設基準の届出はすでに締め切られています)
明日からいよいよ調剤報酬改定後の業務が始まりますね。
(一部の方は今日から始まってますね。お疲れ様です。)
みなさん準備は万端でしょうか?
明日からの業務の最終確認として、特掲診療料の届出を中心にまとめてみたいと思います。
施設基準の届出は平成30年4月16日(月)必着ですよ!

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