薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

トクレススパンスールカプセルの自主回収(平成28年8月24日付)

平成28年8月24日付でとクレススパンスールカプセル(成分名:ペントキシベリンクエン酸塩)の自主回収が案内されています。
長期安定性試験1年目の溶出試験で、4時間値が溶出試験の上限を外れてしまったようです。
ただ、2時間値及び24時間値は範囲内であったことと、徐放製剤と言っても、用量・用法上は普通錠と差がないことから健康被害が起こることは考え難いのではないかと思われます。

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オビドレル皮下注シリンジ〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目⑥

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、オビドレル皮下注シリンジについてまとめます。
なお、オビドレル皮下注シリンジは平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

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アスピリン不耐症とアスピリン喘息

アスピリン不耐症(aspirin-intolerance)というと一見何のことか分かりくいですが、アスピリン喘息を知らない薬剤師はいないと思います。
NSAIDsにより喘息発作が引き起こされるというものです。
アスピリン喘息の場合、飲み薬に限らず、湿布等の外用薬でも喘息発作につながる可能性はあります。
  
NSAIDsによるアナフィラキシーの既往を持つ患者さんがいました。
ただ、あまりにも情報が少ない。
わかるのはロキソプロフェン、イブプロフェン、さらにはアセトアミノフェンで症状が起きているということ。
う〜ん・・・。
Ⅰ型アレルギーなのか、アスピリン不耐症なのか・・・?
Drとおそらく後者だろうということで話が進みました。

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アルチバ静注用の小児適応〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目⑤

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。(アルチバの適応は平成28年8月26日に正式に承認されましたが他は未定)
今回は、審議が行われた品目の中から、アルチバ静注用(審議内容は小児への適応拡大)についてまとめます。
有効成分のレミフェンタニルは、フェンタニルの改良型、長短時間作用性のオピオイド鎮痛剤です。

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シグニフォーLAR筋注用キット〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目③

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、シグニフォーLAR筋注用キットについてまとめます。
新たなSSTRサブタイプに親和性を持つ、ソマトスタチンアナログ製剤です。
なお、シグニフォーLAR筋注用キットは平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

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ゼンタコートカプセル〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目②

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、リグロス歯科溶液キットについてまとめます。
クローン病に使用される内服薬で、パルミコート・シムビコートとして使用されているブデゾニドが主成分です。
なお、ゼンタコートカプセルは平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

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リグロス歯科用液キット〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目①

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、リグロス歯科用液キットについてまとめます。
薬局ではあまり馴染みがないかもしれませんが、進行した歯周炎による歯槽骨の欠損を再生する治療に使用される薬剤です。
フィブラストスプレーと同じ主成分といえば、馴染み深いのではないでしょうか?
なお、リグロス歯科用液キットは平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

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ジプレキサ、ダイアート、グレースビット、グリベックなどに添付文書改訂指示

平成28年8月4日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は、ジプレキサ(成分名:オランザピン)による薬剤性過敏症症候群、ダイアートによる無顆粒球症と白血球減少、グレースビット(成分名:シタフロキサシン水和物)による血小板減少、錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状が追記されています。
また、グリベック(成分名:イマチニブメシル酸塩)、タシグナ(成分名:ニロチニブ塩酸塩水和物)、スプリセル(成分名:ダサチニブ水和物)、ボシュリフ(成分名:ボスチニブ水和物)に対するB型肝炎ウイルスの再活性化に関する注意喚起も追記されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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FDAによるフルオロキノロン系抗菌薬への警告

平成28年7月26日、米食品医薬品局(FDA)はフルオロキノロン系抗菌薬、いわゆるニューキノロン系抗菌薬への警告を強化するため、ラベル改定を了承したそうです。
対象となるのは全身用フルオロキノロンということで、内服薬と注射薬が対象で、点眼薬や点耳薬等の外用薬は対象外です。
過去にも何度か話題に上がった内容ですが、簡単にまとめておこうと思います。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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薬局で購入しておきたい書籍のまとめ

平成28年度の調剤報酬改定もひと段落して、対応した書籍が発売されてきていますね。
そんなわけで、個人的に購入しておこうと思う書籍をまとめてみます。

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レグナイト〜レストレスレッグスの適応を持つガバペンチンのプロドラッグ

(2012.7.10の記事でしたが、加筆修正を行いました。)
  
ガバペンチンエナカルビル(商品名:レグナイト)がついに発売されました。
平成24年1月に承認は取得していたのですが、本日、平成24年7月10日、ついに発売です。
  
この薬の適応は「レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:RLS)」、いわゆる「むずむず脚症候群」です。
「足むずむず病」とかいうこともありますし、「下肢静止不能症候群」という呼び名もあるようです。

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ハルナール・フリバス・ユリーフ〜前立腺肥大症に用いるα1ブロッカーの違い

(元々は2016年7月8日の記事ですが、内容を修正しています。)
今回は前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia:BPH)に用いるα1ブロッカーの違いについてまとめます。
α1受容体サブタイプの選択性の比較を中心にまとめています。
普段、泌尿器の処方を受けている方には当たり前の内容ですが、そうでない方や新人薬剤師さん、薬学生や実習生を対象に書いてみます。

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ボルタレン消化管閉塞、ソバルディ・ハーボニー脳血管障害、ヴィキラックス急性腎不全など〜添付文書の改訂指示

平成28年7月5日、厚労省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回はボルタレン(成分名:ジクロフェナクナトリウム)による消化管の狭窄・閉塞、ベピオゲル・デュアック配合ゲルによる皮膚障害、エリキュースによる肝機能障害などが報告されています。
また、INFフリーのC型肝炎治療薬であるソバルディ・ハーボニーによる高血圧・脳血管障害、ヴィキラックスによる急性腎不全も報告されています。
もともと、慎重に使用する薬剤ではありますが、注意すべき項目が追加となることを意識したいところですね。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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ピナトスカプセルが販売中止に〜ケタスカプセルのジェネリックがなくなります

武田テバ製薬は2017年3月末を持ってピナトスカプセル(成分名:イブジラスト)を販売中止することを発表しました。
これにより、イブジタスト製剤は先発医薬品のケタスカプセルのみになります。

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テルシガンエロゾルが販売中止に〜短時間作用性抗コリン薬SAMA

ベーリンガーインゲルハイムの吸入薬テルシガンエロゾル100μg(成分名:オキシトロピウム臭化物)の販売中止がアナウンスされています。
最近はあまり触れることがありませんでしたが、短時間作用性抗コリン薬(SAMA:Short-Acting Muscarinic Antagonist)のpMDIです。

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