薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

平成30年8月29日に薬価収載された医薬品一覧とオプジーボの薬価引き下げについて

2018年8月22日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定し、8月29日に薬価収載されました。
新医薬品一覧表(平成30年8月29日収載予定)
また、オプジーボの用法用量変化再算定についても決定しています。
今年度から新しく導入された「薬価収載時の薬価再算定ルール」が初めて適応されることになります。
オプジーボの薬価再算定は平成30年11月1日に実施されました。

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添付文書改訂指示:タミフルの10代への投与制限解除〜インフルエンザ治療薬の異常行動に関する記載が統一へ

平成30年8月21日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、国内で承認されている全てのインフルエンザ治療薬について添付文書の改訂指示を出しました。
タミフル(成分名:オセルタミビルリン酸塩)については、警告欄から10歳以上の未成年に対する使用差し控えに関する記載を削除。
タミフルを含む全ての抗インフルエンザ薬については異常行動に関する記載が統一されるような改訂指示になっています。

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平成30年8月15日付で承認された後発医薬品などのまとめ

平成30年8月15日、新たな後発医薬品や先発医薬品の新規格が承認されました。
今回承認された品目は12月に薬価収載される予定です。
今回は新規承認の後発医薬品が多く、トラムセット、リフレックス/レメロン、ユリーフ、ストラテラ、レルパックス、バイナス、ロルカム、イレッサ、ゼローダ、ルミガン、デュオトラバ、モーラスパップXRなどがあります。
ちなみに薬価収載は12月になる予定です。

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ロセフィンによる精神神経症状、オテズラによる重度の下痢〜平成30年8月2日 添付文書改訂指示

平成30年8月2日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回はセフトリアキソンナトリウム水和物とアプレミスラストに対して改訂指示が出されています。

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ページニオ・ビーリンサイト・オデフシィなど承認了承〜平成30年8月3日 薬食審 第二部会

厚生労働省の薬食審医薬品第二部会が平成30年8月3日に開催されました。
今回の部会では新医薬品3つの製造承認に加え、オプジーボとヤーボイの適用拡大などについて審議が行われ、すべて了承されています。
また、ハーセプチンのバイオ後続品としては2番目となるトラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」などが報告品目に挙げられています。
(承認了承、報告品目については正式に承認されるまでは保険適応となりません)
さらにはテモダールの再発・難治性ユーイング肉腫の公知申請についても認められ、保険使用可能となっています。

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悪性神経膠腫治療薬テモダールカプセル〜その特徴やダカルバジンとの違い(修正)

(2013年4月に作成した記事です)
ある日の調剤業務中。
テモダールカプセル 100mg 2C 1×v.d.S 5日分
という処方の薬剤料を見て、改めて驚きました。
16390点!!
つまり、テモダールカプセル100mg 10カプセルにかかる費用だけで16万3900円!
3割負担で考えておよそ5万円弱です。
(2013年当時の薬価なので現在はだいぶ安くはなっています)

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高額療養費と現物給付〜制度の概要と薬局での対応について(平成30年8月変更)

(平成27年1月21日付の記事でしたが最新の情報に合わせて修正しました)
平成30年8月より70歳以上の方の高額療養費の区分が変更になりました。
現物給付についても少々ややこしいことになりそうです。
この記事では高額療養費に関して、過去の変更部分と現物給費について、復習を兼ねてまとめています。
平成30年8月から変更になった70歳以上の区分については後半にまとめています。
すぐに読みたい場合は目次の「70歳以上の限度額(平成30年8月〜)」をクリックしてください。

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トラディアンス配合錠・リンゼスの便秘症適応追加など承認了承〜平成30年7月27日 薬食審 第一部会

厚生労働省の薬食審医薬品第一部会が平成30年7月27日に開催され、日本ベーリンガーインゲルハイムが申請したトラディアンス配合錠の承認が了承されました。
その名前から話かる通り、DPP-4阻害薬トラゼンタとSGLT2阻害薬ジャディアンスの配合剤です。
近いうちに正式に承認となる予定です。
また、リンゼス錠の「慢性便秘症」の適応追加が了承されています。(こちらは平成30年8月21日に正式に承認されました。)

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タクロリムス・シクロスポリン・アザチオプリンが妊娠中も投与可能に〜平成30年7月10日 添付文書改訂指示

平成30年7月10日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、妊娠中の投与が禁忌とされていた免疫抑制剤について、妊婦に対する投与禁忌を解除し、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
対象となる免疫抑制剤は、タクロリムス水和物、シクロスポリン、アザチオプリンの3剤です。

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潰瘍性大腸炎薬エンタイビオ、抗PD-L1抗体イミフィンジ、トレリーフの適応追加など平成30年7月2日の承認内容

平成30年7月2日、新医薬品等の製造販売が承認されました。
今回承認されたのは、平成29年4月〜6月に薬食審で承認を了承されていた医薬品です。
新薬7成分、バイオシミラー1成分、適応追加などが8品目です。
部会の開催日ごとに分けて簡単にまとめます。

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医療用麻薬と向精神薬の投与日数制限(処方日数制限)

医療用麻薬、向精神薬、新薬については投与日数制限(処方日数制限)が定められています。
この記事では医療用麻薬と向精神薬の投与期間上限についてまとめます。
平成30年6月時点での内容です。

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スギ花粉症に対する免疫療法薬 シダキュア舌下錠の特徴とシダトレン舌下液との違いについて

2018年6月29日、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬 シダキュア舌下錠が発売されました。
すでに発売されているシダトレンスギ花粉舌下液の剤型違いと言うだけでなく、力価の近い、小児へての適応が認められた新薬扱いになっています。
(シダトレンスギ花粉舌下液は2020年3月末で製造中止、2020年4月から経過措置品目に移行、2021年3月31日で経過措置期間満了・薬価削除となる予定)
(2019年5月から新薬の投与日数制限は解除されています。https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/notice/cdc1905_02.pdf
発売直前ということで、シダキュアスギ花粉舌下錠の特徴、シダトレンスギ花粉舌下液についての復習、シダキュア・シダトレンの違いについてまとめてみようと思います。
色々まとめていると長くなってしまったので、シダキュアとシダトレンの違いだけ知りたい方は目次から「シダキュアとシダトレン 違いのまとめ(比較表)」をクリックしてもらえば表に飛びます。

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配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称について(まとめ)

ジェネリック医薬品のブランド名称は各社、成分名+剤型+規格+「メーカー名」で統一されていますが、成分が複数に含まれている配合剤についてはそうではなく、各社のブランド名称のまま発売されています。
近年、配合剤の数は増えてきており、このまま各社が独自のブランド名称を付けていくと、医療事故の元になったり、ジェネリック普及の妨げになるとして、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会(旧学会名:日本ジェネリック医薬品学会、3017年4月に改名)は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」を検討しています。
実際に、配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称で発売されている配合剤ジェネリックも増えてきていますし、今後も多くの薬が発売されていくことになると思います。
今回の記事は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」について個人的に思っていることをブツブツ述べているだけの、どうでもいいといえばどうでもいいまとめです(笑)

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高血圧治療剤を含む配合剤(降圧配合剤)のまとめ(平成30年6月16日更新)

(元々は平成26年3月2日に作成した記事です)
高血圧治療に使用される、降圧薬を含む配合薬についてのまとめです。
一覧表や適応上の注意、各略称等についてまとめています。
また、各種配合剤は原則、配合されている成分を持つ単剤から切り替えて使用するようになっています。
薬剤ごとにそのルールもまとめています。
随時更新していく予定です。

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局方品は銘柄変更不可!?〜局方品には後発医薬品が存在しない?(修正版)

(元々は平成27年6月18日に作成した記事です)
処方せんにはプレドニゾロン錠5mg「三和」が記載されていました。
でも、うちの薬局に在庫しているプレドニゾロン錠5mgは、

  • プレドニゾロン錠5mg「タケダ」
  • プレドニゾロン錠5mg「旭化成」
  • プレドニン錠5mg

の3種類だけです。
疑義照会をすると、「プレドニゾロン錠5mgであればどこのメーカーでもいいですよ」との回答だったので、『プレドニゾロン錠5mg「タケダ」』で調剤させてもらいました。
その際、スタッフからは、「局方品だから全部後発品扱いになるので、実際は疑義照会しなくても変更調剤できますよね?」との質問が。
いやいや、逆です。
局方品だからこそ別の銘柄には疑義照会しないと変更できないんです。
局方品は後発医薬品ではなく全て先発品扱いですよ。

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