薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

ジプレキサ、ダイアート、グレースビット、グリベックなどに添付文書改訂指示

平成28年8月4日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は、ジプレキサ(成分名:オランザピン)による薬剤性過敏症症候群、ダイアートによる無顆粒球症と白血球減少、グレースビット(成分名:シタフロキサシン水和物)による血小板減少、錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状が追記されています。
また、グリベック(成分名:イマチニブメシル酸塩)、タシグナ(成分名:ニロチニブ塩酸塩水和物)、スプリセル(成分名:ダサチニブ水和物)、ボシュリフ(成分名:ボスチニブ水和物)に対するB型肝炎ウイルスの再活性化に関する注意喚起も追記されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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FDAによるフルオロキノロン系抗菌薬への警告

平成28年7月26日、米食品医薬品局(FDA)はフルオロキノロン系抗菌薬、いわゆるニューキノロン系抗菌薬への警告を強化するため、ラベル改定を了承したそうです。
対象となるのは全身用フルオロキノロンということで、内服薬と注射薬が対象で、点眼薬や点耳薬等の外用薬は対象外です。
過去にも何度か話題に上がった内容ですが、簡単にまとめておこうと思います。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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レグナイト〜レストレスレッグスの適応を持つガバペンチンのプロドラッグ

(2012.7.10の記事でしたが、加筆修正を行いました。)
  
ガバペンチンエナカルビル(商品名:レグナイト)がついに発売されました。
平成24年1月に承認は取得していたのですが、本日、平成24年7月10日、ついに発売です。
  
この薬の適応は「レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:RLS)」、いわゆる「むずむず脚症候群」です。
「足むずむず病」とかいうこともありますし、「下肢静止不能症候群」という呼び名もあるようです。

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ハルナール・フリバス・ユリーフ〜前立腺肥大症に用いるα1ブロッカーの違い

(元々は2016年7月8日の記事ですが、内容を修正しています。)
今回は前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia:BPH)に用いるα1ブロッカーの違いについてまとめます。
α1受容体サブタイプの選択性の比較を中心にまとめています。
普段、泌尿器の処方を受けている方には当たり前の内容ですが、そうでない方や新人薬剤師さん、薬学生や実習生を対象に書いてみます。

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ボルタレン消化管閉塞、ソバルディ・ハーボニー脳血管障害、ヴィキラックス急性腎不全など〜添付文書の改訂指示

平成28年7月5日、厚労省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回はボルタレン(成分名:ジクロフェナクナトリウム)による消化管の狭窄・閉塞、ベピオゲル・デュアック配合ゲルによる皮膚障害、エリキュースによる肝機能障害などが報告されています。
また、INFフリーのC型肝炎治療薬であるソバルディ・ハーボニーによる高血圧・脳血管障害、ヴィキラックスによる急性腎不全も報告されています。
もともと、慎重に使用する薬剤ではありますが、注意すべき項目が追加となることを意識したいところですね。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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ピナトスカプセルが販売中止に〜ケタスカプセルのジェネリックがなくなります

武田テバ製薬は2017年3月末を持ってピナトスカプセル(成分名:イブジラスト)を販売中止することを発表しました。
これにより、イブジタスト製剤は先発医薬品のケタスカプセルのみになります。

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テルシガンエロゾルが販売中止に〜短時間作用性抗コリン薬SAMA

ベーリンガーインゲルハイムの吸入薬テルシガンエロゾル100μg(成分名:オキシトロピウム臭化物)の販売中止がアナウンスされています。
最近はあまり触れることがありませんでしたが、短時間作用性抗コリン薬(SAMA:Short-Acting Muscarinic Antagonist)のpMDIです。

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肝性脳症用抗菌薬リフキシマ錠は継続審議、新たな生物学的製剤が承認へ〜薬食審第二部会

平成28年5月30日、厚労省の薬食審・医薬品第二部会が開催され、4製品の承認の可否について審議しが行われました。
その結果、3製品については承認が了承されましたが、あすか製薬が申請した肝性脳症用抗菌薬リフキシマ錠(成分名:リファキシミン)は継続審議となりました。
ここ最近、今まではあまり見られなかった継続審議が続いていますね。

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ミカトリオとブリリンタは継続審議、2剤目のPCSK9阻害剤承認了承〜薬食審第一部会

平成28年5月27日、厚生労働省の薬食審医薬品第一部会が開催され、新薬など6製品の承認の可否について審議が行われました。
そのうち、4製品についての承認は了承されましたが、2製品は継続審議となってしましました。
継続審議となったのは、アストラゼネカが承認申請した抗血小板薬ブリリンタ錠(成分名:チカグレロル)。
そして、前回も継続審議となっていた日本ベーリンガーインゲルハイムが承認申請した3成分配合降圧薬ミカトリオ配合錠(テルミサルタン/アムロジピン/ヒドロクロロチアジド配合)は再び継続審議となってしまいました。

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新たな後発医薬品が登場〜先発医薬品の新剤形やAGの追加も

平成28年6月16日付の官報で新規後発医薬品の薬価が告示されました。
平成28年6月17日から適用され、多くの品目が収載同時に販売開始予定です。
後発薬品として初めて収載されるのは、オランザピン、ボリコナゾール、ロピニロール塩酸塩、エンタカポン、カンデサルタンシレキセチル・ヒドロクロロチアジド、オクトレオチド酢酸塩、バルサルタン・ヒドロクロロチアジド、モンテルカストナトリウムの8成分です。
それ以外にも、新剤形やAG、様々な品目が登場します。

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ベゲタミンが販売中止に〜薬物乱用防止の観点から製造中止

ベゲタミンが販売中止になるそうです。
正直、今のご時世では新規に承認されることは難しい薬剤かもしれません。
もし、承認されるとすれば、一定の制限がかけられるんじゃないかと思います。
その効果の強さから「飲む拘束衣」と呼ばれていたり、「赤玉」と呼ばれたりしています。
(昨年末に販売中止になったエリミンも赤玉と呼ばれていましたが、ベゲタミンが元祖ですね)
販売中止の経緯とベゲタミンについてもまとめ、代替薬について考えてみようと思います。

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疑義解釈資料の送付について(その4)が公開~H28年(2016)調剤報酬改定⑭

平成28年6月14日、疑義解釈その4が公開されました。
今回調剤部分については、医師の指示による分割調剤についてのみです。
その他、気になる部分と合わせてまとめてみます。

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ザガーロカプセルの発売日決定〜新規AGA(男性型脱毛症)治療薬

平成28年9月28日に承認された国内2成分目のAGA治療薬ザガーロカプセル。
その成分は、前立腺肥大症治療薬であるアボルブカプセルと同じデュタステリドです。
昨年末に起きたアボルブカプセルの出荷調整により、平成28年11月24日に予定されていた発売日が延期されていました。
ですが、その後、無事に流通が再開し、今回、正式に発売日が決定しました。

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ビスホスホネート系薬剤7成分に外耳道骨壊死など〜添付文書改訂指示

平成28年5月31日、厚労省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
ダイドロネル、ボナロン、フォサマック、アクトネル、ベネット、ボノテオ、リカルボン、ボンビバ等のビスホスホネート製剤の重大な副作用に「外耳道骨壊死」が追記されます。
また、イーケプラの重大な副作用に「急性腎不全」が追記されます。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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