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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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2016年調剤報酬改定に関する様々な噂

診療報酬改定-平成28年度(2016年度)調剤報酬改定 脳みそ

中医協の審議も進み、今月25日には概略が見えてくるであろう、2016年度診療報酬改定。
すでに、決定なのか?という情報もあれば、噂のレベルの話も飛び交っています。
現時点で語られている情報をまとめてみました。
あくまでも噂なんで、信憑性については保証できませんが、興味を持つ材料とでもお考え下さい。


H28調剤報酬改定についての過去記事です。
なお、疑義解釈等が公開されて初めて考え方がわかるものもあるので、あくまで現時点での一人の薬剤師の解釈として捉えてもらえれば幸いです。
解釈に変更等があれば随時更新する予定です。
pharmacist.hatenablog.com
  
  

大型門前薬局の調剤基本料の見直し

集中率による特例条件の見直し

調剤基本料の特例の条件を広げるという話が出ています。
これについては、程度の差はあれ、ほぼ間違いなくこれまで以上に特例の範囲は広がると見ていいと思います。
現在は、

  • 月の受付回数が4000回以上の場合は集中率70%以上の薬局
  • 月の受付回数が2500回以上の場合は集中率90%以上の薬局

が調剤基本料の特例の対象となり、本来41点のところが25点に減算されています。
  
今、話に上がっているものとしては、

  • 月の受付回数が2500回以上の場合は集中率50%以上の薬局
  • 月の受付回数が1200回以上の場合は集中率70%以上の薬局

という案です。
ちなみに、受付回数1200回というのは、保険薬局の処方せん受付回数の平均値ということですから、かなり多くの薬局が該当します。
1対1の門前薬局はほぼすべて特例の対象になってしまいますね。
  
また、24時間対応薬局は「月の受付回数が2500回以上の場合は集中率90%以上」の特例から除外されていましたが、それは廃止という方向で検討されているようです。
  
  

チェーン薬局の調剤基本料の見直し

薬局数が20店舗を超える法人の場合、特例の対象とするという案もあるようです。
これについては、実際に議論されているとの報道が出ています。
そのほか、医療ビル・医療モールのような、医療機関と薬局の結びつきが強いものについても対象にするべきという話も上がっているとのことです。
→(実際の改定)
調剤基本料は細分化され、チェーン薬局に関する減算もあります
  
  

後発医薬品の使用促進について

後発医薬品の薬価

現在、新たに後発医薬品(内服)が薬価収載されるときの薬価の決め方は以下の通りになっています。

  • 先発医薬品の薬価に100分の60を乗じた額(0.6掛け)
  • 同時期の薬価収載が10を超える場合、先発医薬品の薬価に100分の50を乗じた額(0.5掛け)

  
現在、検討されているのは、

  • 先発医薬品の薬価に100分の50を乗じた額(0.5掛け)
  • 同時期の薬価収載が10を超える場合、先発医薬品の薬価に100分の50を乗じた額(0.4掛け)

これについては、ほぼ決定なのかな、という気がしますね。
→(実際の改定)
これは実際に実施されました
  
  

先発を選んだ場合は自費になる?

後発医薬品が存在するのに先発医薬品を選んだ場合は、その差額が自費になるという報道がされました。
これについては、今回の改定ではなく、今後の医療費の状況を見て、検討していくということになっています。
  
  

後発医薬品調剤体制加算の見直し

現在の調剤報酬では、

  • 後発医薬品調剤体制加算1(18点):後発医薬品の使用率55%以上(数量ベース)
  • 後発医薬品調剤体制加算2(22点):後発医薬品の使用率65%以上(数量ベース)

となっています。
  
財務省の案では、

  • 60%未満:-10点
  • 60%以上:8点
  • 70%以上:12点

となっていましたね。
これについては、60%未満で減点ということはないだろうと言われています。
ですが、40%未満など、もう少し緩い範囲ではあり得るかもしれません。
また、後発医薬品使用率60%以上というのが、基準調剤体制加算の算定要件になるかもしれないという話も聞こえています。
→(実際の改定)
そこまで厳しい改定ではなく、条件が65%以上、75%以上にスライドしただけでした
  
  

調剤料について

内服調剤料の減算

現在、調剤料は、

  • 1~7日目の部分:1日につき5点
  • 8~14日目の部分:1日につき4点
  • 15日以上21日分以下の場合・・・71点
  • 22日分以上30日以下の場合・・・81点
  • 31日分以上の場合・・・89点

となっています。
これが半額相当に減算という話が出ています。
単純に点数が下がるのか、それとも頭打ちとなる日数が早くなり、28日をこすと一定の点数になるのではないかとも言われています。
どの程度かはわかりませんが、調剤料は下がる方向で議論されています。
  
  

一包化加算の減算

  • 56日分以下:投与日数7日ごとに32点加算
  • 57日分以上:290点

これが日数にかかわらず一定の点数になるという話が出ています。
何点かはわかりませんが、28日分相当、もしくはそれ以下の点数になるのかもしれません。
  
  

基準調剤加算について

上に挙げたように、後発医薬品の使用率が基準調剤加算の算定要件となる話が噂されています。
また、在宅の実績が基準調剤加算1の算定要件となり、基準調剤加算2の在宅の実績のハードルはより高くなるのではないかとも言われています。
さらに、薬局の開局状況や夜間・休日の対応実績が算定要件に加わると言われています。
その場合、日曜日・祝日・夜間など、通常は閉局している時間帯について、一年間に数回開局することが条件となるかもしれません。
平日については、常に開局していることが算定要件となり、木曜午後等閉局している薬局は対象外となる可能性があります。
→(実際の改定)
基準調剤加算は1本化、調剤基本料の条件、管理薬剤師の条件、かかりつけ薬剤師の有無など条件が厳しくなりました
  
  

かかりつけ薬局加算?

ただ、基準調剤加算とは別に、かかりつけ薬局としての包括的な加算が新設されるという話も上がっているので、これらの条件は基準調剤加算ではなく、かかりつけ薬局としての算定要件になる可能性もあります。
→(実際の改定)
かかりつけ薬局ではなく、かかりつけ薬剤師の評価が加わりました。
  
  

薬学管理料について

薬剤服用歴管理指導料

薬歴については未記載問題に加え、その記載内容も問題になっていることから、基準調剤加算の算定要件を満たさない薬局は算定不可になるのではないかという噂まで出ています。
また、お薬手帳の有無についての算定が問題となっているため、その部分についても厳格な算定基準が定められそうです。
指導についても、初回と二回目以上では、指導に必要な時間が異なることから、点数で差別されるのではないかという話が出ています。
  
ただ、薬学管理料については、しっかり行っている薬局を手厚く評価すると明言されているだけに、
算定要件のハードルは厳しくなるが、しっかり行えば、今まで以上の点数が期待できる部分があるのではないかと予想されます。
→(実際の改定)
そこまで大きな変更はありませんでしたが、身記載問題対策として「速やかに記載」という文言が追加、調剤基本料・半年以内の再来局かどうか・お薬手帳持参の有無で点数が変わるようになりました
  
  

重複投薬・相互作用防止加算

これについては、算定が行いやすくなるのではないかという案が出ています。
これまでは、複数の医療機関で処方されている薬剤の重複・相互作用が対象でしたが、同一医療機関のものも対象となりそうです。
かかりつけ薬局としての評価を受けるうえで、最も大事な点数の一つだと思うので、ここは力を入れて欲しいところと思います。
  
話題には上がっていませんが、外来服薬支援料についての評価も高めて欲しいなと個人的には思います。
→(実際の改定)
変更なしの場合が削除される代わりに、かなり幅広い範囲で算定可能となりました。

  
  

残薬管理・ポリファーマシー

ブラウンバッグを評価の対象にするという話が出ていますね。
処方せんに、残薬調整の可否を記載するという案もありました。
そして、薬剤師の処方提案に関する評価も案が出ています。
このあたりはどのように反映されるか期待したいところです。
→(実際の改定)

  • かかりつけ薬剤師の業務としてブラウンバッグが具体例として挙げられています
  • 処方箋には残薬確認時の対応として疑義照会を行って残薬調整を行うか文書による情報提供を行うかが記載されるようになりました
  • 処方数削減に関する取り組みとして診療報酬(医科)に薬剤総合評価調整管理料が新設されており、薬局との連携を行った場合には連携加算が加わります

  
  

そのほかの話題

市販類似薬への置き換えの布石?

湿布70枚ルール

1回に処方できる湿布剤の枚数は70枚までということで決まりそうです。
そうでないケースも多いですが、湿布剤については必要以上にもらっている人も多いようです。
残念な話ですが、オークションなどで転売されている例も絶えないですよね・・・。
また、処方した湿布が何日分かをレセプトに記載するというルールも加わりそうです。
→(実際の改定)

  • 湿布薬は1処方あたり合計70枚まで
  • 処方箋に処方した湿布が何日分(もしくは1日何枚使用)かを調剤レセプトに記載するようになりました。

  

入院時食事療養費の引き下げ

経腸栄養剤を処方した場合と、食品として入院時食事療養費を算定した場合の差額を見直すため、入院時食事療養費の引き下げを検討しているようです。
  

将来的な薬価収載削除もあるのかも?

湿布薬についても経腸栄養剤についても、将来的に保険給付の対象外としていくための布石のような気もしますね。
ビタミン剤、うがい薬の保険給付について条件が付けられていますが、あれも同じ布石だと思います。
あと、対象となりそうなのは、総合感冒薬や解熱鎮痛剤の一部でしょうか?
何年か先には、処方せんではなく、Drの診断をもとに、必要に応じて薬局で市販薬を購入という形を見据えているのかもしれません。
  
  

高額療養費の見直し

これについては今回の改定に合わせてではなく、来年以降の検討ということですが、70歳以上の限度額を、70歳未満の限度額に合わせるという話が検討されているようです。
  
  

リフィル処方せん

これは医師会側がかなり反対しているため、今回の改定では無理そうですね。
ただ、将来、薬局が医療機関の前ではなく、住宅地の中で成立するためには、リフィル処方せんと市販薬への置き換えは必須なのではないかと思います。
診療報酬の削減という意味でも大きいでしょうから、厚生労働省は将来的なリフィル処方せんの普及を目指しているのは間違いないと思います。
今回の改定で可能性があるのは、長期処方の分割調剤の推進くらいですかね?
→(実際の改定)
医師の指示による分割調剤という、リフィルに似たものが新設されました。これがリフィルにつながっていくかどうか?
  
  

薬剤師一人あたりの処方せん枚数の見直し

現在、薬剤師一人あたりが扱える処方せん枚数には一日40枚の制限がありますが、この枚数を増やすべきという話が上がっています。
また、在宅患者訪問薬剤管理指導料の薬剤師一人あたり一日5回の制限も見直されるのではないかという話もあります。
これらに合わせて、将来的に、テクニシャン制度の導入も厚生労働省は考えているんじゃないかなと思うのですがどうでしょう?
→(実際の改定)
平成28年診療報酬改定に合わせて・・・ということはなかったですね。
  
  

まとめ

ざっとまとめましたが、いかがでしょうか?
まだ決定もしていないのに、いろいろ考えても仕方がないという考えもあるかもしれませんが、噂であっても、事実であっても、話題に上がる以上、自分たちの評価を見直してもらうためには、考え、何らかの行動につなげていくことが大切なのではないかと思います。
今回は調剤報酬に反映されなくても、将来的に反映される可能性があるものです。
良いものは反映してもらい、望ましくないものは反映され内容に、今回だけでなく、次回以降も見据えて行動していくために、薬剤師一人ひとりが考え、悩んでいくことが必要なのではないかなと思ったりします。
  
目の前の現実として、来年の改定ですが、薬価を大幅に引き下げることで、診療報酬本体は若干のプラス改定になるように厚生労働省は進めています。
調剤報酬についても、薬局がどんどんつぶれてしまうまでの改定にはせず、これまでと違う形での評価、つまりは薬学管理料中心の評価にすることにとどめたいという考えがあるようです。
なので、調剤報酬部分についても想像よりはましなマイナスで済むかもしれませんが、今まで通りのことをしていたら大きなマイナスになってしまう、それは間違いないのではないかと思います。
今後、10年で薬局は今とは別の姿に変わらなければなりません。それは患者さんから見えない部分ではなく、見える部分、患者さんが抱く薬局というものの価値観が変わらなければ意味がないのだと思います。
その第一歩がどのような方向になるのか。注意深く見守りつつ、行動を始めていきたいと思います。