薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。何卒、ご理解ください。   

令和2年度改定の最終チェック!4月1日からの業務の変更と届出・準備

薬や業界に関する知識を身に付けたい方へ
このブログをご覧になっている方の多くは薬や医薬業界に興味を持っていたり、その知識を身につける必要がある方々だと思います。
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(ここからが記事本文になります)

みなさん、調剤報酬改定の準備は順調でしょうか?
令和2年度診療報酬改定が施行される2020年4月1日が目前に迫ってまいりました。
(この記事は2020年3月29日に作成しています)
4月1日から何が変わるのか?
点数は?ルールは?届出は?経過措置はいつまで?
改定後の勤務の中で浮かんでくるであろう疑問点を解決できるようにまとめてみたいと思います。
  
  

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薬局の点数はどう変わるの?

令和2年度診療報酬改定の改定率は以下の通りです。
R2年度診療報酬改定率

  1. 診療報酬:+0.55%
    • ※1 うち、※2を除く改定分:+0.47%
      各科改定率
      • 医科:+0.53%
      • 歯科:+0.59%
      • 調剤:+0.16%
    • ※2 うち、消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応:+0.08%
  2. 薬価等
    1. 薬価:▲0.99%
      • ※ うち、実勢価等改定:▲0.43%、
        市場拡大再算定の見直し等:▲0.01%
      • 材料価格:▲0.02%
        ※うち、実勢価等改定:▲0.01%

  

薬価改定について

このうち薬価については以下のリンクから新旧の内容を比較してください。

  

大幅に薬価が下がるもの(市場拡大再算定品目及び効能変化再算定品目)

今回の薬価改定で市場拡大再算定品目と効能変化再算定品目が適応された品目があります。
第2 改定の概要 (別添4)市場拡大再算定品目及び効能変化再算定品目について
これらについては薬価が大幅に下がります。
まとめると以下の通り。
R2年度薬価改定 市場拡大再算定品目

  • ビンダケルカプセル:-25%
  • サムスカ錠/OD錠/顆粒:-16.5%
  • フェブリク錠:-14.5~14.6%
  • ウリアデック錠:-14.5~14.7%
  • トピロリック錠:-14.6~14.7%
  • レブラミドカプセル:-15.0%
  • リムパーザ錠:-14.2%
  • ステラーラ皮下注シリンジ:-14.2%
  • パージェタ点滴静注:-15.0%
  • フェソロデックス筋注:-25.0%
  • デュピクセント皮下注:-20.2%
  • ヘムライブラ皮下注:-15.0%
  • アクテムラ点滴静注用/皮下注シリンジ/皮下注オートインジェクター:-18.5%
  • ケブザラ皮下注シリンジ/オートインジェクター:-18.5%
  • ジクアス点眼液:-17.9%

R2年度薬価改定 市場拡大再算定の特例品目

  • リクシアナ錠/OD錠:-25.0%
  • キイトルーダ点滴静注:-20.9%

R2年度薬価改定 効能変化再算定の特例品目

  • ゾレア皮下注用/シリンジ:-37.3%

おそらくこれらの品目についてはどの薬局も在庫を絞っているんじゃないかと思います。
  

調剤報酬改定について

点数の変化をまとめます。
調剤技術料

  1. 調剤基本料
    • 調剤基本料1:42点(変更なし)
    • 調剤基本料2:26点(変更なし)
    • 調剤基本料3 イ:21点(変更なし)
    • 調剤基本料3 ロ:16点(変更なし)
    • 特別調剤基本料(注2):11点→9点
    • ※複数の保険医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合は受付2回目以降の調剤基本料を80%に減算する
  2. 地域支援体制加算:35点→38点
  3. 後発医薬品調剤体制加算
    • 後発医薬品調剤体制加算1:18点→15点
    • 後発医薬品調剤体制加算2:22点→変更なし
    • 後発医薬品調剤体制加算3:26点→28点
  4. 調剤料
    • 7日目以下:1日ごとに5点(5〜35点)→28点
      ※1〜5日分まではプラス改定、6〜7日分はマイナス改定
    • 8〜14日分:1日ごとに4点(39〜63点)→55点
      ※8〜11日分まではプラス改定、12日分変化なし、13〜14日分はマイナス改定
    • 15〜21日分:67点→64点
    • 22〜30日分:78点→77点
    • 31日分以上:86点(変化なし)

薬学管理料

  1. 薬剤服用歴管理指導料
    • 薬剤服用歴管理指導料1:41点→43点
    • 薬剤服用歴管理指導料2:53点→57点
    • 薬剤服用歴管理指導料3:41点→43点
    • 薬剤服用歴管理指導料4(オンライン服薬指導):43点(月1回)新設
    1. 特定薬剤管理指導加算
      • 特定薬剤管理指導加算1:10点(変更なし)
      • 特定薬剤管理指導加算2(抗癌剤 薬薬連携指導加算):100点(月1回)(新設)
    2. 吸入指導加算:30点(3ヶ月に1回)新設
    3. 調剤後薬剤管理指導加算(糖尿病薬指導加算):30点(月1回)新設
  2. かかりつけ薬剤師指導料:73点→76点
  3. かかりつけ薬剤師包括管理料:281点→291点
  4. 服用薬剤調整支援料
    • 服用薬剤調整支援料1:125点(月1回)(変更なし)
    • 服用薬剤調整支援料2(重複薬調整提案):100点(3ヶ月に1回)新設
  5. 経管投薬支援料:100点(初回のみ)新設
  6. 在宅患者訪問薬剤管理指導料
    • 在宅患者オンライン服薬指導料:57点(月1回)新設
    • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
      • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1:500点
      • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(原疾患以外):200点新設

※新設されたもののうち、内容がわかりにくいものについては()内に勝手に呼び名を書いています。

赤字はプラス、青字はマイナス、は新設、はその他の変更です。
令和2年度調剤報酬改定についてまとめた記事です。

  

調剤報酬改定による変更部分

業務がどのように変更するかという視点で、変更部分のみをまとめてみます。
  

調剤基本料の変化

  • 調剤基本料2(26点)
    • 処方箋受付回数 月1,800回超かつ集中率95%超追加
  • 調剤基本料3 イ(21点)
    グループ受付回数 月3万5千回超40万回以下の場合(4万回→3万5千回に拡大
    • グループ受付回数 月3万5千回超4万回以下かつ集中率95%超追加
    • グループ受付回数 月3万5千回超40万回以下かつ特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引あり(4万回→3万5千回に拡大
  • 特別調剤基本料(9点
    • 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、当該保険医療機関の処方箋処方箋集中率が70%を超えるもの。(診療所と同じ建物に薬局がある場合を除く)病院→全ての保険医療機関に拡大、95%→70%に拡大

※調剤基本料1(42点)と3 ロ(21点)は変更なし

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調剤基本料(2020年度改定)について詳しくまとめた記事です。

  
調剤基本料の注意書に関する変化

  • 調剤基本料の特例(医療資源が乏しい地域に対する調剤基本料1の施設基準免除)
    • 対象地域の変更(届出を出している場合は令和4年3月31日までの経過措置
  • 複数の医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合 2枚目以降は調剤基本料80%
  • 地域支援体制加算 38点
    • 調剤基本料1を算定する薬局:実績要件の追加令和3年3月31日までの経過措置
    • 調剤基本料1以外を算定する薬局:実績要件が若干簡易化
  • かかりつけ機能に係る減算 調剤基本料50%
    • 特別調剤基本料を算定している場合の施設基準:かかりつけ機能に係る業務が年間100回未満(通常10回未満)
  • 後発医薬品減算
    • 後発医薬品の規格単位数量の割合が4割以下(2割→4割に拡大

未妥結減算、後発医薬品調剤体制加算の施設基準は変更なし

地域支援体制加算についてまとめた記事です。

  
後発医薬品調剤体制加算と後発医薬品減算についてまとめた記事です。

    

調剤料の改定

調剤料 内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く)(1剤につき)

  • 7日目以下の場合:28点1〜5日分は↑、6〜7日分は↓
  • 8日目以上14日以下の場合:55点8〜11日分は↑、13〜14日分は↓
  • 15日分以上21日分以下の場合:64点
  • 22日分以上30日分以下の場合:77点
  • 31日分以上の場合:86点

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これまでは1日分ごとの計算だった、1〜7日分、8〜14日分がそれぞれ包括点数になりました。
その結果、日数によって点数が高くなる部分、低くなる部分が生じています。
  

薬剤服用歴管理指導料の改定

薬剤服用歴管理指導料

  1. 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合:43点6月→3月
  2. 1の患者以外の患者に対して行った場合:57点
  3. 特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合:43点
  4. 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合:43点新設

注1 調剤基本料1以外を算定する薬局も再来局・手帳の持参有無で点数が変化
算定要件の追加

  • 患者の意向を確認した上で残薬の状況とその理由を患者の手帳に簡潔に記載して処方医に情報提供するよう努める
  • 患者が日常的に利用する薬局の名称を手帳に記載するよう患者に促す令和3年3月31日までの経過措置

点数は基本的に上がっています。
特に再来局・手帳を持参していない場合の点数が上がっているため、再来局・手帳持参による差額が増すことになります。
これまで点数の変化がなかった調剤基本料1以外の薬局でも点数の変化が生じるため注意が必要です。
お薬手帳の定義変更に伴い、令和3年3月31日までにお薬手帳に「患者が日常的に利用する薬局の名称」を記載する欄が必要になります。
残薬に関する情報をお薬手帳を用いて医師に伝えるケースができます。
また、服薬指導の参考にすべき資料として以下の内容が追加されています。

  • 基本的な説明:「医薬品リスク管理計画(RMP*1
  • ポリファーマシー:
    • 「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)
    • 「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)
    • 日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)
    • 日本老年医学会及び日本老年薬学会が作成する「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」

  

薬剤服用歴管理指導料4の新設

薬剤服用歴管理指導料4:43点(月に一回のみ)(新設

  • 対象患者:
    • オンライン診療科を算定された上で処方箋が交付された患者
    • 原則として3ヶ月以内に薬剤服用歴管理指導料1or2を算定した患者
  • 算定要件:
    • 対面指導とオンライン指導を組み合わせた服薬指導計画を作成
    • 基本的に一人の保険薬剤師が指導を行うが止むを得ない場合はその限りではない
    • オンライン指導を行うことができるのは対面指導を行ったことのある薬剤師のみ
    • オンライン指導で薬剤服用歴管理指導料の算定要件を満たす必要がある
    • 麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料(注4〜10)は算定できない
  • 施設基準
    • 医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿ってオンライン服薬指導を行う体制を有する
    • 1月当たりの薬剤服用歴管理指導料及び在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を含む。)の算定回数に占める情報通信機器を用いた服薬指導の算定回数(薬剤服用歴管理料の注3及び在宅患者オンライン服薬指導料の算定回数)の合計の割合が1割以下

薬剤服用歴管理指導料4(オンライン服薬指導料)の算定には施設基準に関する届出が必要です。
服薬指導の算定回数の1割を超えてはいけないため、毎月の確認が必要となっています。
  

新規 指導加算

3種類の指導加算が追加されています。
  

特定薬剤管理指導加算2

特定薬剤管理指導加算2:100点(月に1回)新設
がん患者のレジメン等を把握した上で副作用対策の説明や支持療法に係る薬剤の服薬指導を実施するとともに、調剤後に電話等による服薬状況、抗悪性腫瘍剤による副作用の有無を確認、その情報を文章等で医療機関に情報提供する

  • 対象患者:
    • 連携充実加算を届出ている医療機関で抗悪性腫瘍剤が注射されている悪性腫瘍の患者
    • 化学療法のレジメン等の文書による交付を受けている患者
  • 算定要件:
    • 医療機関のホームページ等でレジメンを閲覧、薬学的管理に必要な情報を把握しておく
    • 患者の同意を得た上で実施
    • 治療内容等を文書により確認
    • 電話等により服用状況、副作用の有無等について患者に確認
    • 医療機関に必要な情報を文書により情報提供
  • 施設基準:
    • 保険薬剤師としての勤務経験5年以上の薬剤師が勤務
    • パーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど患者のプライバシーに配慮
    • 麻薬小売業の免許を取得し、必要な指導を行う体制を整備
    • 医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に少なくとも1名が年1回以上参加令和2年9月30日までの経過措置

※服薬情報等提供料・かかりつけ薬剤師包括管理料は同時に算定できない

院内で悪性腫瘍の治療に伴う抗癌剤の注射を受けている患者さんに対する服薬指導、調剤後フォロー、報告書の作成を評価する新規点数です。
月に1回しか算定できないことと施設基準の届出が必要となっています。
施設基準については研修会参加の部分について令和2年9月30日までの経過措置が設けられています。
  

吸入指導加算

吸入薬指導加算:30点(3ヶ月に1回)新設
喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD*2)で吸入薬の投薬が行われている患者に対して、文書による説明に加え、練習用吸入器等用いた実技指導を行った上で、その指導内容について必要な情報を文書等で医療機関に提出する

  • 対象患者:喘息もしくはCOPDに対して吸入薬が調剤される患者
  • 算定要件:
    • 「患者や家族等の求め+必要性の判断+医師の了解」or「医療機関の求め+患者の同意」
    • 文書および練習用吸入器等を用いた吸入指導を実施(アレルギー総合ガイドライン2019等を参照)
    • 医療機関に必要な情報を文書(またはお薬手帳)により情報提供

※服薬情報等提供料・かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料は同時に算定できない

吸入指導とその報告について評価する点数です。
報告については文書のほかお薬手帳を用いたものでもOKです。
実施に際しては患者の同意と医師の了解が必要となっており、3ヶ月に1回算定可能になっています。
  

調剤後薬剤管理指導加算

調剤後薬剤管理指導加算:30点(月に1回)新設
地域支援体制加算を算定している薬局が、医師の求めに応じて、インスリン製剤またはSU剤を使用している患者に対して、調剤後に電話等で副作用の有無の確認や服薬指導を行った上で、必要な情報を文書等で医療機関に提供する

  • 対象患者:インスリン製剤等(インスリン製剤もしくはスルホニルウレア剤)が「ア 新規処方」「イ 追加処方」「ウ 用法・用量の変更」された糖尿病患者
  • 算定要件:
    • 「患者や家族等の求め+必要性の判断+医師の了解」or「医療機関の求め+患者の同意」
    • 調剤後も電話等による服用状況、副作用の有無を確認した上で、必要な薬学的管理指導を実施
    • 医療機関に必要な情報を文書により情報提供
  • 施設基準:地域支援体制加算を算定

※服薬情報等提供料・かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料は同時に算定できない

改正薬剤師法で義務化される投薬後のフォローに関連する指導加算です。
糖尿病についてのSU剤かインスリンの処方に変化があった場合に地域支援体制加算を算定している薬局が指導を行った場合に算定可能となります。
低血糖を中心とした副作用の有無の確認、その後の対応が求められます。
実施に際しては患者の同意と医師の了解が必要となっており、月に1回算定可能になっています。
  

かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料

かかりつけ薬剤師指導料76点

  • 算定要件の追加
    • お薬手帳にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称・連絡先を記入(当該薬局のかかりつけ薬剤師以外の別の保険薬剤師が相談等に対応する場合があるときは、その旨を患者にあらかじめ説明、連絡先を伝えて対応しても良い
    • 薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施(お薬手帳に関する改定内容が反映
  • 施設基準の追加
    • 患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮令和2年9月30日までの経過措置

かかりつけ薬剤師包括管理料291点/p>

かかりつけ薬剤師の施設基準に「パーテーション等で区切られた独立したカウンター」の要件が追加されています。
これは地域支援体制加算の施設基準にあるものと全く同じです。
令和2年9月30日までの経過措置が設けられており、経過措置満了に伴う届出の再提出は不要となっています。
また、24時間の相談体制について別の薬剤師が対応可能な場合の要件が追加されています。
  

新規支援料の追加

2種類の支援料が追加されています。
  

服用薬剤調整支援料2

服用薬剤調整支援料:125点(月1回)(服用薬剤調整支援料2の新設に伴い服用薬剤調整支援料1に名称変更
服用薬剤調整支援料2100点(3ヶ月に1回)新設
複数の医療機関を受診する患者の服薬情報を薬局が一元的に把握し、重複投薬の確認を行った上で、処方医に重複投薬解消の提案を行う

  • 対象患者:複数の医療機関より6種類以上の内服薬が処方されている患者
  • 算定要件:
    • 患者もしくはその家族の求めに応じて
    • 服用薬剤の一元的把握を実施し重複投薬を確認
    • 処方医に対して重複投薬の状況を記載した報告書を用いて重複投薬を解消するための提案を行う
  • 報告書の内容:以下の内容を含む別紙様式3に準ずるもの
    • 受診中の医療機関、診療科等に関する情報
    • 服用中の薬剤の一覧
    • 重複投薬等に関する状況
    • 副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤
    • その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)

※算定した場合、同様の内容について服用薬剤調整支援料1は算定できない
※服薬情報等提供料・かかりつけ薬剤師包括管理料は同時に算定できない

複数医療機関を受診、ポリファーマシーとなっている患者の重複投薬解消に係る提案を行った場合に算定できる新規支援料です。
月に1回算定可能で、同様の提案については一度しか算定できません。
第3関係法令等 (2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年厚生労働省告示第57号)の(別添様式3)(P5〜6)に掲載されている様式を元に報告を行います。
  

経管投薬支援料

経管投薬支援料100点(初回のみ)新設
経管投薬が行われている患者が簡易懸濁法を開始する際に、医師の求め等に応じて薬局が必要な支援を行う

  • 対象患者:胃瘻による経管投与or腸瘻による経管投与or経鼻経管投与を行っている患者
  • 算定要件:
    • 患者or家族等or医療機関の求めに応じて患者の同意を得た上で実施
    • 簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を実施

簡易懸濁法の指導を行った際に算定できる新規支援料です。
経管投与を行っている患者に対し、初回のみ算定できます。
  

在宅患者訪問薬剤管理指導料に関する改定

2種類の新規点数が追加されています。
  

在宅患者オンライン服薬指導料の新設

在宅患者オンライン服薬指導料57点(新設
在宅患者に対するオンライン服薬指導

  • 対象患者
    • 医療機関から在宅時医学総合管理料を算定された上で処方箋が交付された患者
    • 在宅患者訪問薬剤管理指導料を月1回のみ算定している
  • 算定要件:
    • 対面指導とオンライン指導を組み合わせた服薬指導計画を作成
    • 基本的に一人の保険薬剤師が指導を行うが止むを得ない場合はその限りではない
    • オンライン指導を行うことができるのは対面指導を行ったことのある薬剤師のみ
    • オンライン指導で薬剤服用歴管理指導料の算定要件を満たす必要がある
    • 保険薬剤師1人につき週10回に限って算定可能
    • 在宅患者訪問薬剤管理指導料と在宅患者オンライン服薬指導料を合わせて保険薬剤師1人につき週40回に限り算定可能

在宅患者に対するオンライン指導料です。
施設基準に関する届出は専用のものはなく、薬剤服用歴管理指導料4(オンライン服薬指導料)の届出が必要となっています。
  

在宅患者緊急訪問薬剤指導料2

在宅患者緊急訪問薬剤指導料:500点
在宅患者緊急訪問薬剤指導料2200点(新設

  • 計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、医師の指示により緊急に訪問薬剤管理指導を行った場合に算定
  • 1(従来のもの)は計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変時にのみ算定可能
  • 2は計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患(1)以外の疾患について訪問薬剤管理指導を行った場合に算定可能
  • 1と2を合わせて月4回に限って算定可能

計画に関連していない疾患に対する緊急訪問について算定可能な点数が新設されました。
  

必要な届出やその提出期限

ここからは改定に伴い必要となる届出やその期限についてまとめます。
  

届出の提出期限

改定直後(令和2年4月)については20日までの猶予があります。
4月1日から算定を開始するものについても令和2年4月20日までに届出を提出すれば大丈夫です。

第2 届出に関する手続き

  • 8 4に定めるもののほか、各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。なお、令和2年4月20日までに届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P26〜27

  

新設されたものに関する届出

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12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)の44ページより)
今回新設された点数のうち、施設基準に関する届出が必要となるのは以下の2つです。

  • 特定薬剤管理指導加算2
  • 薬剤服用歴管理指導料4(オンライン服薬指導)

※薬剤服用歴管理指導料4の施設基準の届出は在宅患者オンライン服薬指導料の算定にも必要
4月1日から算定を行うのであれば4月20日までに届出を提出する必要があります。
届出は各厚生局に掲載されているものを使用すればいいと思いますが、【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)にも掲載されています。

  • 特定薬剤管理指導加算2:様式92(上記リンク先676ページ)
  • 薬剤服用歴管理指導料4:様式91(上記リンク先675ページ)

  

特定薬剤管理指導加算2の届出

特定薬剤管理指導加算2については施設基準のうち、「保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師が年1回以上参加」については令和2年9月30日までの経過措置が設けられています。
そのため、令和3年4月の時点ではこの項目については満たしている必要はありませんが、経過措置が切れた後の令和2年10月1日の時点で届出の再提出が必要となるのかもしれませんね。
(新型コロナウイルスによる研修会の中止等が続いていれば経過措置の延長も考えられますね)
  

薬剤服用歴管理指導料4の届出

薬剤服用歴管理指導料4の施設基準にはオンライン指導(薬剤服用歴管理指導料4と在宅患者オンライン服薬指導料)の算定回数が指導全体の算定回数の1割を超えないことが定められているため、毎月の見直しが必要になっています。
  

継続して算定する場合の届出

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12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)の44ページより)
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12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)の45ページより)
調剤基本料については算定する点数が変更になる場合のみ届出が必要です。(当たり前ですね)
地域支援体制加算については調剤基本料1とそれ以外の間で変更があった場合のみ届出の提出が必要です。(これも当たり前)
  

地域支援体制加算の届出

地域支援体制加算で調剤基本料1を算定している場合の実績要件については令和3年3月31日までは経過措置が設けられています。
経過措置期間中は新規に地域支援体制加算を算定する場合でも、調剤基本料1を算定している場合は改定前の施設基準で算定可能です。
これまで地域支援体制加算を算定している薬局が継続して算定する場合は届出の必要はありませんが、調剤基本料1を算定している薬局については経過措置が切れる令和3年4月1日に届出の提出が必要となる予定です。
(新型コロナウイルスによる会議の中止等が続いていれば経過措置の延長も考えられますね)
  

調剤基本料の特例について

調剤基本料の注1(調剤基本料の特例)については医療資源の乏しい地域が見直されたことにより、算定対象から外れてしまった薬局が存在しますが、令和4年3月31日までの経過措置が設けられています。
そのため、令和4年4月1日(つまりは次回改定)時点でやはり地域が対象外であれば該当する調剤基本料に関する届出が必要になると考えられます。
  

後発医薬品に係る減算について

後発医薬品に係る減算(調剤基本料の注7)については令和2年9月30日までの経過措置が設けられています。
そのため、経過措置が切れた後の令和2年10月1日の時点で該当する場合は届出の再提出が必要となります。
  

その他 途中で見直しが必要なもの

届出は必要ありませんが、期日までに施設基準等を満たす必要があるものをまとめておきます。
  

お薬手帳の様式(薬剤服用歴管理指導料)

薬剤服用歴管理指導料の改定により、お薬手帳には「患者が日常的に利用する薬局の名称」の記入欄が必要になります。
これについては令和3年3月31日までの経過措置が設けられているのでそれまでにお薬手帳の在庫の入れ替え等の対応が必要になります。
  

パーテーションの設置(かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料)

かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に「パーテーション等で区切られた独立したカウンターの設置」が追加されています。(地域支援体制加算、特定薬剤管理指導加算2のものと同じです)
令和2年9月30日までの経過措置が設けられているので、もし設置されておらず、かかりつけ薬剤師に関する点数の算定を継続するのであればそれまでに設置する必要があります。
(これについては届出を行う必要はありません)
  

改定後の主なスケジュールのまとめ

改定後に必要な見直しや届出についてのスケジュールをまとめてみました。
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参考資料

今回の記事の参考資料についてまとめます。
  

関連資料へのリンク

  

参考にした通知の文章

第92 地域支援体制加算

  • 2 届出に関する事項
    • (1) 地域支援体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式87の3及び様式87の3の2又は様式87の3の3を用いること。
    • (2) 1の(1)のアに規定する調剤基本料1を算定する保険薬局の要件については、令和3年3月31日までの間に限り、なお従前の例による。

第3関係法令等 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P258
  

第97 薬剤服用歴管理指導料の注3に規定する保険薬局
1 薬剤服用歴管理指導料の注3に規定する施設基準

  • (1) 医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿ってオンライン服薬指導を行う体制を有する保険薬局であること。
  • (2) 当該保険薬局において、1月当たりの薬剤服用歴管理指導料及び在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を含む。)の算定回数に占める情報通信機器を用いた服薬指導の算定回数(薬剤服用歴管理料の注3及び在宅患者オンライン服薬指導料の算定回数)の合計の割合が1割以下であること。

第3関係法令等 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P261〜262

(2)については毎月見直しが必要となっていますね。

<薬学管理料>
区分10 薬剤服用歴管理指導料
2 薬剤服用歴管理指導料「1」及び「2」

  • (3) 患者への薬剤の服用等に関する必要な指導
    • エ 残薬の状況について、薬剤服用歴の記録を踏まえつつ、患者又はその家族等に残薬の有無を確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡し、投与日数等の確認を行うよう努めること。
    • オ 当該保険薬局と他の保険薬局又は保険医療機関等の間で円滑に連携が行えるよう、患者が日常的に利用する薬局があれば、その名称及び保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を手帳に記載するよう患者に促すこと。

(略)

  • (5) 指導等に係る留意点
    • ウ 手帳
      • (イ) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の1から4までに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
        • ① 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
        • ② 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
        • ③ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
        • ④ 患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等

手帳の当該欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。なお、④の患者が日常的に利用する保険薬局の名称等については、令和3年3月31日までの間は適用しない

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表) P14,P16
  

第98 特定薬剤管理指導加算2

  • 1 特定薬剤管理指導加算2に関する施設基準
    • (1) 施設基準の届出時点において、保険薬剤師としての勤務経験を5年以上有する薬剤師が勤務していること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
    • (2) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
    • (3) 麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる体制が整備されていること。
    • (4) 保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師が年1回以上参加していること。
    • (5) 令和2年9月30日までの間は、(4)による基準を満たしているものとする。
  • 2 届出に関する事項
    特定薬剤管理指導加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式92を用いること。

第3関係法令等 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P263

  

第99 かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料

  • 1 かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に関する施設基準

以下の要件を全て満たす保険薬剤師が配置されていること。

    • (4) 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
  • 2 届出に関する事項
    • (1) かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に係る届出は、別添2の様式90を用いること。
    • (2) 令和2年3月31日において、届出を行っている保険薬局については、1(4)にかかわらず、令和2年9月30日までの間は、なお従前の例により算定することができる。

第3関係法令等 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P263

  

第100 在宅患者オンライン服薬指導料

  • 1 在宅患者オンライン服薬指導料に関する施設基準

    薬剤服用歴管理指導料の4に規定するオンライン服薬指導に係る届出を行っていること。
  • 2 届出に関する事項
    在宅患者オンライン服薬指導料として届出を行う必要はない。

第3関係法令等 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P263

*1:Risk Management Plan

*2:Chronic Obstructive Pulmonary Disease

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