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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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肝性脳症用抗菌薬リフキシマ錠は継続審議、新たな生物学的製剤が承認へ〜薬食審第二部会

新薬承認情報

平成28年5月30日、厚労省の薬食審・医薬品第二部会が開催され、4製品の承認の可否について審議しが行われました。
その結果、3製品については承認が了承されましたが、あすか製薬が申請した肝性脳症用抗菌薬リフキシマ錠(成分名:リファキシミン)は継続審議となりました。
ここ最近、今まではあまり見られなかった継続審議が続いていますね。
  
  

おくすり

  
  

リフキシマは継続審議に

リフキシマ錠(成分名:リファキシミン)は腸内のアンモニア産生菌に対して抗菌作用を発揮し、アンモニアの産生を阻害することで肝性脳症を抑制する製剤です。
リファキシミンはリファンピシンと同じリファマイシン系抗菌薬に分類されます。
経口投与してもほとんど吸収されないため、腸内細菌のみに作用し、全身性の副作用が起こりにくいようです。
ただし、リファンピシンと類似した抗菌剤ということで、服用することでリファンピシンへの耐性が生じるリスクが考えられます。
体内への吸収がほとんどないということで、そのリスクは低いのではないかと予想されますが、リファキシミンの耐性化のデータをより詳細に確認すべきとの意見があり、追加データの提出が求められたようです。

肝性脳症は、肝硬変など重篤な肝障害により、本来であれば肝臓で分解されるはずのアンモニア等が脳に到達してしまうことで、錯乱・見当識障害等が誘発されてしまうものです。
現在は、ラクツロースを服用することで、アンモニアの吸収を抑えたり、下剤としての作用でアンモニアを排泄しやすくしたりしています。
また、リファキシミンと同じ考えでカナマイシン等を使用し、アンモニア産生菌に対する抗菌剤を使用してアンモニアの産生を抑える治療を行っていたりします。
カナマイシンによる肝性脳症治療については過去に記事にしていました。

  
平成28年9月28日に承認了承、その後、承認、薬価収載されました。

  
  

承認が了承された品目

以下は承認了承されたものです。
  

トルツ皮下注

有効成分:イキセキズマブ(遺伝子組換え)

  • トルツ皮下注80mgシリンジ
  • トルツ皮下注80mgオートインジェクター

効能・効果:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」
  
米国では承認済の薬剤です。
乾癬は、自己免疫性疾患の一つです。
最もよく見られるのは、尋常性乾癬と呼ばれるもので、銀白色の鱗屑をともなった境界明瞭な盛り上がった紅斑が現れるものです。
免疫伝達系の異常により発症する乾癬において、Th17細胞から産生される炎症性サイトカインであるヒトインターロイキン17A(IL-17A)が角化細胞の過剰増殖と活性化に関わっていることがわかっています。
イキセキズマブは、ヒトインターロイキン17A(IL-17A)に高い親和性を持っているため、IL-17B、IL-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17Fには結合せず、IL-17Aに特異的に結合するモノIgG4クローナル抗体です。
セクキヌマブ(商品名:コセンティクス)と同様の作用ですね。
  
  

ルミセフ皮下注

有効成分:ブロダルマブ(遺伝子組換え)

  • ルミセフ皮下注210mgシリンジ

効能・効果:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」
  
これも炎症性サイトカインであるIL-17Aの働きを阻害することで乾癬に対する効果を発揮するヒトモノクローナル抗体です。
ただし、ブロダルマブが作用するのは受容体の方で、ヒトインターロイキン(IL)17受容体Aに対するヒトIgG2モノクローナル抗体です。
IL17受容体へのIL-17Aの結合を阻害することで、表皮角化細胞の過剰な増殖・活性化を抑制し、乾癬に対して効果を発揮すると考えられています。
  
  

ゲンボイヤ配合錠

有効成分:エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩

  • ゲンボイヤ配合錠

効能・効果:「HIV-1感染症」
  
4剤配合のHIV治療薬としてはスタリビルド配合錠がありますが、その含有成分は、エルビテグラビル(EVG)/コビシスタット(COBI)/エムトリシタビン(FTC)/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)です。
それに対して、ゲンボイヤ配合錠は、エルビテグラビル(EVG)/コビシスタット(COBI)/エムトリシタビン(FTC)/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(TAF)を配合しています。
違いはTDF(スタリビルド)とTAF(ゲンボイヤ)です。
TAFはTDFと同様にテノホビルのプロフドラッグですが、TDFに比べてTAFは血漿中で安定します。
そのため、TAFはTDFの投与量の1/10で同じ効果を発揮することが可能になります。
その結果、TDFで問題となる腎臓や骨への有害事象が軽減されることが期待されています。
  
  

報告品目:サイラムザ点滴静注液

報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品です。
  

サイラムザ点滴静注液の適応追加

有効成分:ラムシルマブ(遺伝子組換え)

  • サイラムザ点滴静注液100mg
  • サイラムザ点滴静注液500mg

追加される効能・効果:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」
白金系抗がん剤を含む一次治療後に増悪が認められた進行・再発の非小細胞肺がんに対する治療選択肢のひとつとなります。
  
  

承認・薬価収載・発売日等

ゲンボイヤ配合錠

  • 2016年6月17日:製造販売承認
  • 2016年6月29日:緊急薬価収載(6942.10円/錠)
  • 2016年7月8日:販売開始予定

  

トルツ皮下注

  • 2016年7月4日:製造販売承認

  

ルミセフ皮下注

  • 2016年7月4日:製造販売承認