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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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ハーボニー、ソバルディ調剤時の注意事項あれこれ〜乾燥剤、相互作用、リバビリンの量

くすり・DI-C型肝炎

平成8月31日にハーボニー配合錠(一般名:ソホスブビル/レジパスビル)が発売されました。
ハーボニー配合錠はソバルディ錠400mg(一般名:ソホスブビル)と同様に、包装単位がバラ28錠のみになっています。
ソバルディは調剤時にボトルの開封を行い、中の乾燥剤を取り除いてから投薬、もしくはその旨を患者に十分説明してからの投薬を行うようになっていますが、ハーボニーについても同様です。
そのほか、ソバルディ、ハーボニーの併用禁忌、ソバルディと併用するリバビリンの量についてまとめます。
まだ、ソバルディ、ハーボニーを在庫、調剤していない薬局の準備のための参考になれば幸いです。


乾燥剤に関する注意事項はソバルディやハーボニー購入時に購入卸のMS、ギリアド•サイエンシズMR、ギリアドからのFAXなどの方法で配布されると思います。
これはギリアドサイエンシズのホームページにも掲載されているので、リンクを貼っておきます。
ソバルディ↓
https://www.sovaldi.jp/~/media/files/japan/japan-gilead/pdf/20150529/sof15mc0122ph_for_pharmacist.pdf
ハーボニー↓
https://www.harvoni.jp/~/media/files/japan/japan-gilead/pdf/20150901/str15mc0084ph_for_pharmacist.pdf

ソバルディ/ハーボニーの乾燥剤

ハーボニーもソバルディもスクリューキャップにチャイルドレジスタンス機能がついています。
なので、キャップを下に押し込みながら回すことで蓋を開けます。
開封するとボトルの口はアルミで覆われています。(ヘプセラのような状態と言えばわかる人も多いかも)
それを破いて開封します。
すると綿のような詰め物があるので、それを除くと錠剤が出てきます。
服用開始前に、誤飲を防ぐため、乾燥剤を取り除きます。(ヘプセラやテノゼットでは乾燥剤を残しますが、ハーボニーは28日間の安定性が証明されているため)
ですが、乾燥剤が上にのっているとは限らないので、錠剤を一度何かにうつさないといけません。
ハーボニーの乾燥剤は平らな袋に入った形で乾燥剤とわかりやすいのですが、ソバルディの乾燥剤は少し特殊な形をしており、誤飲の可能性があります。

ソバルディに入っている詰め物や乾燥剤の写真を撮ってみました。
f:id:pkoudai:20150905070706j:plain

乾燥剤の写真です。
f:id:pkoudai:20150905070734j:plain

  • DO NOT EAT
  • NE PAS MANGER
  • NO INGERIR

英語、フランス語、スペイン語で「食べるな」と記載されています。
日本語表記も欲しいですね。
ソバルディ錠よりは小さいですが、ちょうど通常の錠剤くらいの大きさなので誤飲の可能性高いです。

f:id:pkoudai:20150905071307j:plain
dessicant=防湿剤 です。

f:id:pkoudai:20150905071414j:plain
CLARIANT•••、この乾燥剤を作ってる会社の名前でしょうか?

ハーボニーはまだ調剤したことがないので写真はありませんが、乾燥剤の形が異なる(より乾燥剤らしい)以外は同じです。

ソバルディ/ハーボニーの薬物相互作用

ソホスブビルとレジパスビルはトランスポーターを介して排出されます。
P糖タンパク質(P-gp)乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であるため、これらを介した相互作用を引き起こす可能性があります。

併用禁忌

P-gpを誘導する薬物を併用することでソホスブビルやレジパスビルの血中濃度の低下を引き起こし、効果が減弱してしまう恐れがあります。
抗ウイルス薬の効果が低下すると治療が達成できないだけでなく、耐性ウイルスが出現するリスクもあるため、細心の注意が必要かと思います。
以下の薬剤が併用禁忌となっています。

  • リファンピシン(商品名:リファジン)
  • カルバマゼピン(商品名:テグレトール)
  • フェニトイン(商品名:アレビアチン)
  • セイヨウオトギリソウ(セント•ジョーンズ•ワート)含有食品

併用注意

ソバルディ、ハーボニー

P-gpを誘導することでソホスブビル/レジパスビルの血中濃度を低下させる可能性があるもの。

  • リファブチン
  • フェノバルビタール

ハーボニー

レジパスビルが腸管でのP-gpの働きを阻害するため、併用薬剤の血中濃度増加が考えられるもの。

  • ジゴキシン


レジパスビルがP-gp、BCRPの働きを阻害するため、併用薬剤の血中濃度増加が考えられるもの。

  • テノホビルジサプロキシルフマル酸塩(商品名:テノゼット、ビリアード)


レジパスビルがBCRPの働きを阻害するため、併用薬剤の血中濃度増加が考えられるもの。

  • ロスバスタチン(商品名:クレストール)


レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するため、併用することでレジパスビルの血中濃度低下を引き起こす薬剤。

  • 制酸剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)
  • H2ブロッカー(ファモチジン、ラニチジン、シメチジン等)
  • PPI(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール)

この中で、H2受容体拮抗薬を併用する場合は、ハーボニーと同時、もしくは、ハーボニー服用の12時間前が推奨されています。
また、プロトンポンプインヒビターを併用する場合は、空腹時にハーボニーと同時服用することが推奨されています。

これは、臨床試験時の結果を元にしているようなのですが、PPI(オメプラゾール)についての試験をみてみると、

  • オメプラゾール6日間服用後、オメプラゾール服用2時間後にハーボニー服用
  • オメプラゾール5日間服用後、オメプラゾールとハーボニーの同時服用

を比較した結果、オメプラゾール服用2時間後にハーボニーを服用するとAUCの低下が見られたため、ということです。
PPIは継続服用することで、胃内pHを高く保つと思うのですが、問題ない範囲ということですね。

また、機序不明ですが、徐脈等の不整脈を引き起こす組み合わせとなるのが、

  • アミオダロン(商品名:アンカロン)

です。

投薬を行う前にこの点についてもしっかりチェックしておきましょう。

ソバルディと併用するリバビリンの量

ジェノタイプ2型のC型肝炎に適応を持つソバルディはコペガス錠もしくはレベトールカプセルのリバビリン製剤と併用しての使用となります。
リバビリンは体重ごとに用量が異なります。
それは、以下の通り。

  • 体重60kg未満:600mg/day(朝200mg、夕400mg)
  • 体重60kgを越え80kg以下:800mg/day(朝400mg、夕400mg)
  • 体重80kgを越える:1000mg/day(朝400mg、夕600mg)


体重ごとに用量が異なるので、処方が来ることが予めわかっている場合、ソバルディは1瓶でも、コペガス/レベトールは14日分だと42〜70錠(カプセル)、28日分だと84〜140錠(カプセル)となります。
最小包装で考えると、

  • コペガス:56錠/箱なので14日分なら1〜2箱、28日分なら2〜3箱
  • レベトール:28錠/箱なので14日分なら2〜3箱、28日分なら3〜5箱

在庫数には気を付けてくださいね。