薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
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イグザレルト

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注意!不正確な情報が多かったため新しくまとめました。リンク先を参照してください。
プラザキサとイグザレルトとエリキュース - 薬剤師の脳みそ


リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)が発売してしばらくたちますが、まだお目にかかってません。
ダビガトラン(商品名プラザキサ)はちょくちょく見るようになりましたが、やはり少ない・・・。
同じ系統のエドキサバン(商品名リクシアナ)は適応(下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症(VTE)予防)上、内科メインのうちでお目にかかれないとは思うのですが、ダビガトランはもっと出るかと思ってました。
ダビガトランは「PT-INRの測定をしなくてもよい」、「納豆、緑黄色野菜、クロレラ食べてもOK!」というメリットを全面に出して発売されたものの、ブルーレターが出たので使用する方も、プロモーションする方も慎重になってしまいましたね。
ダビガトラン、リバーロキサバンともに、腎機能障害者では用量調節が必要な場合もあり、結局、PT-INRというわかりやすい目安があった方が使いやすいんじゃないのかという雰囲気にあります。

ワルファリンカリウム(商品名:ワーファリン)からの切り替え時もPT-INRをある程度下げてから服用開始をしなければならず、休薬三日程度が目安と言っても、再受診してもらってPT-INRを測定しなければならない。
診療所でPT-INRを測定できるところはなかなかなく、検査センターなどに依頼して、結果を見てから処方というのはなかなか手間なのではないでしょうか?
PT-INRの簡易迅速測定器がなかなか普及していないのも一因ですね。
あれがもっと普及すれば、これらの薬も使いやすくなるのでは・・・?とも思います。

話は戻ってリバーロキサバン。
ダビガトランが直接トロンビン阻害なのに対して、プロトロンビンをトロンビンに変換するFXaを直接阻害する「直接作用型第Xa因子(FXa)阻害薬」です(エドキサバンも同じ)。
作用部位の違いによるダビガトランとの違いは特にないようですが、プラザキサと異なり、イグザレルトは国内で臨床試験を行なっている部分が安全性の面で評価できる部分だと思います。
効果に関しては、比較試験はないので、判断しかねます。

イトラコナゾール(商品名:イトリゾール)が併用禁忌なのはリバーロキサバンもダビガトランも同じ。
リバーロキサバンの方は他のアゾール系抗真菌薬としてボリコナゾール(商品名:ブイフェンドも含まれる)、HIVプロテアーゼ阻害薬も併用禁忌となります。
ダビガトランがP糖タンパク阻害の影響を受けるのに対し、リバーロキサバンはCYP3A4の影響も受けます。
ワルファリンも相互作用は見られるので何とも言えませんが、どちらも十分な注意が必要ですね。
なかなか薬局でお目にかからないだけに、相互作用の見落としがありそうな気がします。

こう考えると、ワルファリンカリウムに対する優位性は・・・?
PT-INRがなかなか安定せず、腎機能悪くなく、併用薬がそこまで多くない患者さんにはいい薬なのかもしれません。
うちの薬局は高齢者中心なので、腎機能悪く、併用薬も多い傾向なので・・・。
う〜ん、なかなかお目にかからないのはその背景のせいかもしれませんね。

いずれにしても、薬局で調剤される薬の中では、新規の薬で、少し癖もあるので、いざというときに備えておかなければ難しそうですね〜。


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