薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

タリージェ(ミロガバリン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【リリカとの違いを比較】【Ca2+チャネルα2δリガンド】

平成31年1月8日に承認されたタリージェ錠(成分名:ミロガバリンベシル酸塩)についてまとめた記事です。
成分名を見てピンと来る方も多いのではないでしょうか?
リリカ(成分名:プレガバリン)と同じく、電位依存性カルシウムチャネルα2δサブユニットに対するリガンドで、末梢性神経障害性疼痛に対する適応を持つ薬剤です。

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オグサワ処方〜オーグメンチンとサワシリンを併用する理由【AMPC/CVA】

オグサワ処方って聞いたことありますか?
オーグメンチンとサワシリンを併用する処方で、オーグメンチン&サワシリンを略して「オグサワ」処方と呼ばれています。
処方例としては、以下のようなものです。

オグサワの処方例

  • オーグメンチン配合錠250RS 3錠 1日3回毎食後
  • サワシリンカプセル250 3カプセル 1日3回毎食後

  
この記事では以下の内容を中心にまとめます。

  • オーグメンチンとサワシリンを併用する2つの理由
  • オグサワ処方が使われる症例
  • レセプト上は問題ないのか?
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エンレスト錠(サクビトリルバルサルタン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【ARNI(アーニィ)】

2020年6月29日に承認された慢性心不全治療薬 エンレスト錠についてまとめた記事です。
エンレストはすでにアメリカとEUを初めとする世界100ヵ国以上で承認されており、ESCガイドライン2016では標準治療に組み込まれている薬剤です。
慢性心不全の生命予後でエナラプリルを上回った初めての薬剤として国内での承認が期待されていました。
新規作用機序のNEPIに加え、ARBも併せ持つ複雑な作用機序に加え、それに伴う注意事項も多い薬剤です。
かなり長い記事になりますが、徹底的に解説したいと思います。

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リクシアナ錠/OD錠60mgの薬価はなぜ安い?〜医薬品の薬価と規格間調整について

twitterで少し話題になったリクシアナの30mgと60mgの薬価の話。
リクシアナ60mgの薬価収載当時に話題になった有名な話だと思っていたんですが意外とそうでもないのかも?と思ったのでなんでこんな薬価になったのかをまとめておきたいと思います。
結果的に薬価算定方式の勉強になっています。
ひたすらマニアックな内容なので、興味のある方はどうぞ。

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デエビゴ錠(レンボレキサント)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【ベルソムラとの違いを比較】【オレキシン受容体拮抗薬】

2019年11月29日、薬食審・第一部会でエーザイのデエビゴ錠(一般名:レンボレキサント)の製造販売について審議が行われ承認が了承されました。
その後、2020年1月23日に正式に承認、4月22日に薬価収載され、7月6日に販売開始となりました。
ベルソムラに続く2番目のオレキシン受容体拮抗薬というだけあって、ベルソムラの欠点を多く克服した薬剤になっています。

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タケキャブ錠(ボノプラザン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【P-CABとPPIの違いを比較】

この記事ではタケキャブ錠(成分名:ボノプラザンフマル酸塩)についてまとめています。
(当初は2015.2.26に公開した記事ですが、2020.7.3に大幅に修正しています。)
タケキャブ錠は世界初のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB*1)として、世界に先駆けて平成27年2月26日(2015年2月26日)に販売開始されました。
  
この記事に記載されている情報は最終更新(2020.7.3)時点のものになります。

*1:Potassium-Competitive Acid Blocker

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2020.2.17付で承認された後発医薬品(2020.6.19薬価収載・発売)

2020年2月17日付で承認された後発医薬品についてまとめます。
今回承認された後発品は順調にいけば6月に薬価収載、発売される予定です。
  
2020.2.25 メーカーに修正を加えて完全版としました。その他として気になる承認品目をくわえました。
  
2020.6.18 薬価の告示に合わせて薬価情報を加えました。また、各社のプレスリリースを元に発売日も加えています。

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令和2年度改定の最終チェック!4月1日からの業務の変更と届出・準備

みなさん、調剤報酬改定の準備は順調でしょうか?
令和2年度診療報酬改定が施行される2020年4月1日が目前に迫ってまいりました。
(この記事は2020年3月29日に作成しています)
4月1日から何が変わるのか?
点数は?ルールは?届出は?経過措置はいつまで?
改定後の勤務の中で浮かんでくるであろう疑問点を解決できるようにまとめてみたいと思います。

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後発医薬品調剤体制加算と後発医薬品に係る減算(2020年4月〜2022年3月)

後発医薬品調剤体制加算と後発医薬品に係る減算(令和2年4月〜令和4年3月)についてまとめます。
2020年度の改定内容はもとより、それぞれの算定要件や施設基準、その根拠となる通知を整理しています。
  
後発医薬品調剤体制加算、後発医薬品に係る減算はいずれも調剤基本料の加算(減算)です。
調剤基本料についてまとめた記事は↓です。

  
2020年度の調剤報酬改定全体についてまとめている記事はこちらです。

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地域支援体制加算(2020年4月〜2022年3月)

地域支援体制加算(令和2年4月〜令和4年3月)についてまとめます。
2020年度の改定内容はもとより、算定要件や施設基準、その根拠となる通知を整理しています。
  
地域支援体制加算は調剤基本料の加算です。
地域支援体制加算の算定にあたっては、調剤基本料1を算定している薬局かそれ以外で施設基準が異なります。
調剤基本料については以下の記事を参考にしてください。

  
2020年度の調剤報酬改定全体についてまとめている記事はこちらです。

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調剤基本料(2020年4月〜2022年3月)

調剤基本料(令和2年4月〜令和4年3月)についてまとめます。
この記事での調剤基本料は以下に示す内容です。

  • 調剤基本料1
  • 調剤基本料2
  • 調剤基本料3 イ
  • 調剤基本料3 ロ
  • 調剤基本料の注1(調剤基本料1の特例)
  • 調剤基本料の注2(特別調剤基本料)
  • 調剤基本料の注3(複数受付時の減算)
  • 調剤基本料の注4(未妥結減算、かかりつけ減算)

2020年度の改定内容はもとより、一つ一つの算定要件や施設基準、その根拠となる通知を整理しています。
  
加算の一つ、地域支援体制加算についてまとめた記事はこちらです。

  
2020年度の調剤報酬改定全体についてまとめている記事はこちらです。

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令和2年(2020年)調剤報酬改定のまとめとわかりやすい解説

2020年2月7日、中医協*1総会(第451回)が開催され、2020年度(令和2年度)診療報酬改定の答申が行われ個別改訂項目の点数と算定要件が示されました。
3月5日には正式に告示されています。
この記事では令和2年度 調剤報酬改定について全体のまとめを行います。
できるだけ思い込みや間違いを排除しているつもりですが、特に未確定部分が多い内容についてはどうしてもぺんぎん薬剤師個人の解釈が入っていると思いますので、その点をご理解いただければ嬉しいです。
随時更新していきます。

*1:中央社会保険医療協議会

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薬食審・再生医療等製品部会 ゾルゲンスマとネピック 20200226

令和2年2月26日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会再生医療等製品部会が開催されました。
ゾルゲンスマ点滴静注とネピックという2つの製品について審議が行われ、どちらも承認が了承されました。

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薬食審・第二部会 エンハーツ、テプミトコ、オニバイド、ステボロニンなど 20200226

令和2年2月26日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催され、7つの製品について審議が行われ、すべて承認が了承されています。
今回承認間近となったのは、イリノテカンのリポソーム製剤 オニバイド、乳がんのサードライン以降に用いる抗体薬物複合体(ADC)のエンハーツ、BNCTに用いるホウ素薬剤 ステボロニン、低分子MET阻害薬 テプミトコなどです。

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ロチゴチンによる横紋筋融解症、アロプリノールによる無菌性髄膜炎、DAAの重要な基本的注意改訂など〜2020年2月25日添付文書改訂指示

令和2年2月25日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品等について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は大きく分けて6つの改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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