薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

令和元年5月29日に薬価収載された医薬品一覧(報告品目)

勉強法で悩んでいる薬剤師の方へ

知識の身に付け方は2種類あります。

1つはすぐに活用できる知識。現在の業務の中で必要とされる知識です。身に付けたらすぐに活用することができるので仕事に活かすことができますし、忘れることもありません。

もう1つはすぐには活用できない知識です。身に付けてもすぐに使う知識ではないのないので、だんだんと記憶から薄れてしまいます。ただし、この知識こそが薬剤師としての基礎的な力になります。

普段の業務で使用しない知識を身に付けるのは記憶力を必要としますし、モチベーションを維持するのも大変です。そのため、習慣的に新しい知識を取り入れることを生活の一部にすることが大切になります。薄い知識でも重ねていくことで自然と少しずつ、自分の力として身についていきます。
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(ここからが記事本文になります)

2019年5月28日、報告品目として承認されていた新医薬品の薬価が官報で告示され、5月29日に薬価収載されました。
半消化態経腸栄養剤のイノラスやエンブレル2つ目のバイオ後続品 エタネルセプトBS皮下注「TY」、昨年9月に承認されていたハーセプチン3つ目のバイオ後続品 トラスツズマブBS点滴静注用「ファイザー」に加えて、レクサプロなどの新規格・新剤型の薬価が収載されました。
  
  

2019.5.29薬価収載
  
  
まずは官報へのリンクを貼っておきます。
使用薬剤の薬価(薬価基準)及び使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件の一部を改正する告示(厚生労働一六)
  

新医薬品

まずは今回薬価収載された新規医薬品についてまとめます。
  

イノラス配合経腸用液

高カロリーで微量元素までしっかり含んだ新規半消化態経腸栄養剤です。
2019年6月6日発売です。
イノラス配合経腸用液
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    イノラス配合経腸用液:15.60円/10mL
  • 有効成分:省略
  • 製造販売元:イーエヌ大塚製薬
  • 効能・効果:一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
  • 用法・用量:通常、成人標準量として1日562.5〜937.5mL(900〜1,500kcal)を経管又は経口投与する。経管投与の投与速度は50〜400mL/時間とし、持続的又は1日数回に分けて投与する。経口投与は1日1回又は数回に分 けて投与する。なお、年齢、体重、症状により投与量、投与時間を適宜増減する。
  • 1日薬価:877.5〜1,462.5円
  

特徴

アルミパウチタイプで味はヨーグルトとりんご。
他の経腸栄養剤と比較した場合の特徴は、高濃度(1.6kcal/mL)であること、少ない量・カロリーで1日に必要なビタミン・微量元素を摂取することが可能という点です。
1包が187.5mL、1日3包で最低標準量を確保できるというのは使いやすそうですね。
コリンとカルニチンも含んでいます。
缶と比較して運びやすいし捨てやすいアルミパウチなのでそれも魅力ですね。
味はりんごとヨーグルト。
甘さ控えめなので、個人的にはなかなか飲みやすかったです。
  
mLあたりのカロリーが最も高い半消化態経腸栄養剤なので下痢が心配ですが、臨床試験では下痢の発現頻度はラコールと差がなかったようです。
この辺りは実際に使ってみないとわからない気もしますが・・・。
予想通り、というか当然ですが、薬価収載単位が(10)mLなので処方箋の記載で迷いそうです。
1日あたり562.5〜937.5mLですから。。。
  
  

エタネルセプトBS皮下注「TY」

エンブレルの2番目のバイオ後続品になります。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • ①エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」:3,773円/筒
    • ②エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「TY」:9,175円/筒
    • ③エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「TY」:18,060円/筒
    • ④エタネルセプトBS皮下注50mgペン1.0mL「TY」:18,194円/キット
  • 有効成分:エタネルセプト(遺伝子組換え)
  • 一般名:[エタネルセプト後続2]注射液
  • 製造販売元:YLバイオロジクス
  • 販売元:
    • 陽進堂
    • 帝人ファーマ
  • 効能・効果:既存治療で効果不十分な下記疾患
    • 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) ※①〜④
    • 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎 ※①・②
  • 用法・用量:
    • 関節リウマチ
      本剤を、通常、成人にはエタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]として10〜25mgを1日1回、週に2回、又は25〜50mgを1日1回、週に1回、皮下注射する。
    • 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
      本剤を、通常、小児にはエタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]として0.2〜0.4mg/kgを1日1回、週に2回、皮下注射する。(小児の1回投与量は成人の標準用量(1回25mg)を上限とすること)
  
エンブレルのバイオシミラーです。
ルピンが製造した原薬を使用して陽進堂とルピンの合併会社YLバイオロジクスが製造を行います。
  
  

トラスツズマブBS点滴静注用「ファイザー」

ハーセプチンの3番目のバイオ後続品(バイオシミラー)。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • トラスツズマブBS点滴静注用60mg「ファイザー」:13,683円/瓶
    • トラスツズマブBS点滴静注用150mg「ファイザー」:31,858円/瓶
  • 成分名:トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続3]
  • 申請者:
  • 効能・効果:
    • HER2過剰発現が確認された乳がん
    • HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がん
  • 用法・用量:HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法を使用する。
    HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。
    • A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。
    • B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。
    なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
  

特徴

トラスツズマブ後続品はそれぞれ先行品であるハーセプチンとは適応・用法に違いがあります。
トラスツズマブ後続3はトラスツズマブ後続2と同様です。
先行品であるハーセプチンと比較した場合、

  • トラスツズマブ後続1は胃がんに対しての適応のみ
  • トラスツズマブ後続2・3は胃がんと乳がんに適応があるが乳がんについてはA法のみ

となっています。
2018年11月28日付でトラスツズマブBS点滴静注用「NK」、トラスツズマブBS点滴静注用「CTH」(トラスツズマブ後続1)も乳がんの適応を取得しており、トラスツズマブ後続の適応の差はなくなっているので修正します。
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体 抗悪性腫瘍剤トラスツズマブBS点滴静注用60mg「NK」・同150mg「NK」の効能・効果、用法・用量追加承認について | ニュース | 世界的すきま発想。日本化薬株式会社
https://dsu-system.jp/dsu/276/4970/notice/15502/notice_15502_20181214172049.pdf
  

ハーセプチンとトラスツズマブBSの適応等の違い
先行品とトラスツズマブ後続の効能効果、用法用量の違いについてまとめます。
製品名 効能・効果(用法・用量)
乳がん 胃がん
A法 B法 B法(他の抗悪性腫瘍剤との併用)
ハーセプチン
(先行品)
トラスツズマブBS点滴静注用「NK」
トラスツズマブBS点滴静注用「CTH」
(トラスツズマブ後続1)
トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」
(トラスツズマブ後続2)
トラスツズマブBS点滴静注用60mg「ファイザー」
(トラスツズマブ後続3)
-
  
  

新規格・新剤形

既存の医薬品に新たに追加される規格や剤形についても今回薬価収載されています。
  

レクサプロ錠20mg

レクサプロには新たに20mg錠が追加されます。
2019年6月3日に発売です。
レクサプロ錠20mg
持田製薬ホームページより
  

概要

 

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • レクサプロ錠10mg:202.30円/錠
    • レクサプロ錠20mg(新規格):303.5円/錠
  • 成分名:エスシタロプラムシュウ酸塩
  • 製造販売元:持田製薬
  • 効能・効果:うつ病・うつ状態、社会不安障害
  • 用法・用量:通常、成人にはエスシタロプラムとして10mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないこととする。
  • 1日薬価:202.30円
  
  

ゴナックス皮下注用240mg

新たに240mgが追加されます。
2019年6月17日に発売です。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • ゴナックス皮下注用80mg:23,233.00円/瓶
    • ゴナックス皮下注用120mg:28,637.00円/瓶
    • ゴナックス皮下注用240mg(新剤形):34,850円/瓶
  • 有効成分:デガレリクス酢酸塩
  • 申請者:アステラス製薬
  • 効能・効果:前立腺がん
  • 追加された用法・用量:「12週間間隔で投与を繰り返す場合は、480mgを維持用量とし、1か所あたり240mgずつ腹部に2か所皮下投与する」
  
  

ビソノテープ2mg

ビソノテープ2mgが追加されます。
ビソノテープ2mg
トーアエイヨー ホームページより
2019年6月7日発売です。
ちなみに、2mgの追加に合わせて4mg・8mgの製剤が改良され、テープの耐水性が向上しています。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • ビソノテープ4mg:81.90円/枚
    • ビソノテープ8mg:113.00円/枚
    • ビソノテープ2mg(新規格):59.40円/枚
  • 成分名:ビソプロロール
  • 製造販売元:トーアエイヨー
  • 2mgの効能・効果:頻脈性心房細動(本態性高血圧症(軽症〜中等症)の適応はなし)
  • 用法・用量:通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1 日最大投与量は8mgとする。
  
  

ゾレア皮下注用75mgシリンジ・ゾレア皮下注用150mgシリンジ

ゾレアにキット製剤が追加されました。
欧州では自己注射が可能となっているので、日本でも近いうちに自己注射可能となりそうですね。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • ゾレア皮下注用75mg:23,128.00円/筒
    • ゾレア皮下注用150mg:45,578.00円/筒
    • ゾレア皮下注用75mgシリンジ(新剤形):23,195円/筒
    • ゾレア皮下注用150mgシリンジ(新剤形):45,645円/筒
  • 成分名:オマリズマブ(遺伝子組換え)
  • 製造販売元:ノバルティスファーマ
  • 効能・効果:気管支喘息、特発性の慢性蕁麻疹
  
  

イロクテイト静注用4000

イロクテイト静注用に4000の新規格が追加されています。
2019年5月29日の薬価収載と同時に発売です。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • イロクテイト静注用250:25,091.00円/瓶
    • イロクテイト静注用500:47,514.00円/瓶
    • イロクテイト静注用750:69,284.00円/瓶
    • イロクテイト静注用1000:89,919.00円/瓶
    • イロクテイト静注用1500:129,728.00円/瓶
    • イロクテイト静注用2000:166,481.00円/瓶
    • イロクテイト静注用3000:237,977.00円/瓶
    • イロクテイト静注用4000(新規格):306,641円/瓶
  • 成分名:エフラロクトコグ アルファ(遺伝子組換え)
  • 製造販売元:サノフィ
  • 効能・効果:血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
  
  

シンポニー皮下注50mgオートインジェクター

シンポニーにより操作しやすいオートインジェクターが追加されます。
2019年5月29日の薬価収載と同時に発売です。
  

概要

  

  • 医薬品名と薬価(R1.5.29時点)
    • シンポニー皮下注50mgシリンジ:121,527.00円/キット
    • シンポニー皮下注50mgオートインジェクター:121,539円/キット
  • 成分名:ゴリムマブ(遺伝子組換え)
  • 製造販売元:ヤンセンファーマ
  • 効能・効果:
    • 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
    • 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

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