薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

ラモトリギンによる血球貪食症候群などが追記〜平成30年10月23日 添付文書改訂指示

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1つはすぐに活用できる知識。現在の業務の中で必要とされる知識です。身に付けたらすぐに活用することができるので仕事に活かすことができますし、忘れることもありません。

もう1つはすぐには活用できない知識です。身に付けてもすぐに使う知識ではないのないので、だんだんと記憶から薄れてしまいます。ただし、この知識こそが薬剤師としての基礎的な力になります。

普段の業務で使用しない知識を身に付けるのは記憶力を必要としますし、モチベーションを維持するのも大変です。そのため、習慣的に新しい知識を取り入れることを生活の一部にすることが大切になります。薄い知識でも重ねていくことで自然と少しずつ、自分の力として身についていきます。
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(ここからが記事本文になります)

平成30年10月23日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は3つの成分に対して改訂指示が出されています。
  
  

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使用上の注意の改訂指示(平成30年10月23日)

PMDAへのリンクを貼っておきます。

  
  

ラモトリギンによる血球貪食症候群

ラモトリギンの「使用上の注意」の改訂について
使用上の注意改訂のお知らせ(グラクソ・スミスクライン株式会社)
  
添付文書改訂の対象となる医薬品は以下のとおりです。

(リンクはそれぞれの添付文書)
  

添付文書の具体的な改訂内容

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の内容が追記されます。
血球貪食症候群:血球貪食症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  

症例報告

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、ラモトリギンの因果関係が否定できない血球貪食症候群が1例報告されています。
死亡例の報告はありません。
  

血球貪食症候群

あまり聞きなれい症状かと思います。
血球貪食症候群はマクロファージや好中球のような免疫に関わる細胞が暴走することによって引き起こされる疾患です。
その症状は非常に多様で、発熱、皮疹、肝脾腫、リンパ節腫張、出血症状、けいれん、肺浸潤、腎障害、下痢、顔面浮腫などです。
  
  

コセンティクスによる炎症性腸疾患

セクキヌマブ(遺伝子組換え)の「使用上の注意」の改訂について
  
添付文書改訂の対象となる医薬品は以下のとおりです。

(リンクはそれぞれの添付文書)
  

添付文書の具体的な改訂内容

添付文書の「慎重投与」の項の「活動期にあるクローン病の患者」の記載が以下のように改められます。
炎症性腸疾患の患者
また、「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の内容が追記されます。
炎症性腸疾患:炎症性腸疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、炎症性腸疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと。

症例報告

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、セクキヌマブ(遺伝子組換え)投与による炎症性腸疾患が12例報告されており、そのうち6例は因果関係が否定できないものでした。
死亡例の報告はありません。
  
  

レンビマカプセルによる気胸

レンバチニブメシル酸塩の「使用上の注意」の改訂について
使用上の注意改訂のお知らせ(エーザイ株式会社)
  
添付文書改訂の対象となる医薬品は以下のとおりです。

(リンクはそれぞれの添付文書)
  

添付文書の具体的な改訂内容

添付文書の「慎重投与」の項に以下の内容が記載されます。
肺転移を有する患者
また、「副作用」の「重大な副作用」の項に下線部の内容が追記されます。
消化管穿孔、瘻孔形成、気胸: 腸管穿孔、痔瘻、腸膀胱瘻、気胸等があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、中止等の適切な処置を行うこと。
  

症例報告

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、レンバチニブメシル酸塩投与による気胸が11例報告されており、そのうち10例は因果関係が否定できないものでした。
死亡例も1例報告されています。
  

薬剤による気胸?

気胸とは何らかの理由で肺に穴があき、そこから肺の空気が漏れることで、胸膜に空気が溜まってしまう症状です。
外傷性のものをイメーシしがちですが、エーザイによると、
多くの症例で胸膜直下または気管支周辺の転移巣が本剤投与により腫瘍縮小・壊死したことで気胸が発現したと考えられております。
とのことです。
  
肺転移したがん細胞が破壊される結果、気胸が生じてしまうというわけですね。

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