薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

地域支援体制加算の新設〜基準調剤加算と比較して薬局の未来を考える

新人薬剤師さんへ
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平成30年3月5日、厚生労働省は平成30年度診療報酬改定説明会を開催し、関連する告示、通知を同日付けで発出しました。
これにより、平成30年度調剤報酬改定の内容のほとんどが明確になりました。
今回は、基準調剤加算の廃止に伴い新設される地域支援体制加算についてまとめたいと思います。
  
  

  

今回の記事で参考にしたサイト・資料へのリンク

※()内は印刷用のページ番号です

  

基準調剤加算の廃止と地域支援体制加算の新設

まずは、地域支援体制加算の新設(と基準調剤加算の廃止)についての考え方についてです。
個別改定項目のP79〜81に記載されている内容です。

【I-2 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価-⑦】
⑦地域医療に貢献する薬局の評価 骨子<I-2(9)>
  • 第1 基本的な考え方
    かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局について、夜間・休日対応等の地域支援の実績等を踏まえた評価を新設する。また、医療資源の少ない地域の薬局について、当該地域に存在する医療機関が限定されることを踏まえ、調剤基本料の特例対象から除外する。
  • 第2 具体的な内容
    1. 夜間・休日対応や医療機関等への服薬情報提供の実績など、地域に貢献する一定の実績があること等を前提として、地域支援に積極的に貢献するための一定の体制を整備している薬局を評価する。
    2. 施設基準において、一定時間以上の開局や医薬品の備蓄品目数等に加えて、薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整備を要件とする。併せて、基準調剤加算を廃止する。
(新)地域支援体制加算:35点
別表第三 調剤報酬点数表の1ページ目に記載されている内容です。
第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 注4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、地域支援体制加算として、所定点数に35点を加算する。

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驚き続きの改定内容

今回の改定について議論が進んで行く中で、基準調剤加算が廃止になるいう話が出たときはかなりモチベーションが下がりました。
その後、地域支援に貢献している薬局への評価が追加されると聞いて少し安心しましたが、調剤基本料1ではなくても算定できるということで、点数はかなり下がるのだと思っていました。
ですが、蓋を開けてみると、地域支援体制加算は何と35点!
基準調剤加算(32点)よりも高い点数に驚きました。
  
そして、それよりもさらに驚いたのが、調剤基本料1以外の薬局が地域支援体制加算を算定するために必要な要件。
前回改定(H28年)の調剤基本料の特例除外(かかりつけ薬剤師に関する指導料を薬剤師一人当たり100回/月算定)にも驚きましたが、今回はそれをはるかに上回るハードルが課せられました。
  
  

地域支援体制加算の算定要件

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第3号 平成30年3月5日)の228〜233ページ(ファイル中での記載はP199〜204)に地域支援体制加算の詳しい算定要件(施設基準)が記載されています。
全文を転載しますが、かなり長いので必要に応じてクリックして展開してください。f:id:pkoudai:20180313214954j:plain
  

旧 基準調剤加算の算定要件

比較対象として、平成28年度の基準調剤加算の算定要件についても転載します。
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0304第2号 平成28年3月4日)の180ページ(ファイル中の記載は157ページ)に掲載されています。
これも全文を転載するので、必要に応じてクリックして展開してください。  
  

地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績

今回、一番衝撃的だったと言っても過言ではないでしょう。
調剤基本料1以外を算定する薬局に求められる「地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績」に該当する部分です。
これだけでもかなり長くなるので、必要に応じてクリックして展開してください。  
  

実績要件のまとめ

実績に関する算定要件をまとめると以下のような感じになります。
地域医療に貢献する体制を有することを示す実績:1年に常勤薬剤師1人当たり、以下の全ての実績を有すること。
  • (イ)夜間・休日等の対応実績:400回
  • (ロ)麻薬指導管理加算の実績:10回(H30.9.30までは1回)※1
  • (ハ)重複投薬・相互作用等防止加算の実績:40回(在宅含む)※1
  • (ニ)かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の実績:40回
  • (ホ)外来服薬支援料の実績:12回※1
  • (ヘ)服用薬剤調整支援料の実績:1回(H30.9.30までは免除)※1
  • (ト)単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績:12回
  • (チ)服薬情報等提供料の実績:60回※2
※1:かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対してこれに相当する業務を実施した場合を含む。その場合、薬歴に詳細を記載して相当する業務を行ったことがわかるようにする。
※2:かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対してこれに相当する業務を実施した場合を含む。その場合、薬歴に詳細を記載して相当する業務を行ったことがわかるようにする。
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夜間・休日等の対応実績

(イ)「区分番号01」の「注4」(時間外等加算)又は「注5」(夜間・休日等加算)に規定する加算の算定回数が合算して計400回以上である。
念のために、「区分番号01」の「注4」・「注5」について転載します。
別表第三 調剤報酬点数表:区分01 調剤料(P3)
別表第三 調剤報酬点数表
区分01 調剤料

  • 注4 保険薬局が開局時間以外の時間(深夜(午後10時から午前6時までをいう。以下この表において同じ。)及び休日を除く。)、休日(深夜を除く。以下この表において同じ。)又は深夜において調剤を行った場合は、時間外加算、休日加算又は深夜加算として、それぞれ所定点数の100分の100、100分の140又は100分の200に相当する点数を所定点数に加算する。ただし、専ら夜間における救急医療の確保のために設けられている保険薬局において別に厚生労働大臣が定める時間において調剤を行った場合は、所定点数の100分の100に相当する点数を所定点数に加算する。
  • 注5 午後7時(土曜日にあっては午後1時)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険薬局が表示する開局時間内の時間において調剤を行った場合は、夜間・休日等加算として、処方箋受付1回につき40点を所定点数に加算する。ただし、注4のただし書に規定する場合にあっては、この限りでない。
  • 区分番号01の注4:時間外加算、休日加算、深夜加算
  • 区分番号01の注5:夜間・休日等加算
  • ということですね。
    常勤薬剤師一人当たり、時間外加算、休日加算、深夜加算、夜間・休日等加算の合計が400回/年以上・・・。
    月に換算すると、常勤薬剤師一人当たり33回程度。
    土曜日午後に開局していて、それなりの処方箋枚数がある薬局にとっては問題なくクリアできますね。
    それ以外だと難しいのかなあ?
    今の時期の耳鼻咽喉科など、平日の19時以降も処方箋がバンバン来るような薬局ならクリアできると思いますが。
      
      

    麻薬指導管理加算の実績

    (ロ)「区分番号10」の「注3」、「区分番号13の2」の「注2」、「区分番号15」の「注2」、「区分番号15の2」の「注2」、「区分番号15の3」の「注2」、居宅療養管理指導費の「注2」又は介護予防居宅療養管理指導費の「注2」(麻薬管理指導加算)に規定する加算の算定回数(「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、これに相当する業務を実施した場合を含む。)が合算して計10回以上である。
    「区分番号10」の「注3」、「区分番号13の2」の「注2」、「区分番号15」の「注2」、「区分番号15の2」の「注2」、「区分番号15の3」の「注2」、居宅療養管理指導費の「注2」又は介護予防居宅療養管理指導費の「注2」と記載されていますが、これらの「注」は全てそれぞれの「麻薬管理指導加算」を指します。
    ちなみに、区分番号が示す指導料は以下の通りです。

    • 「区分番号10」:薬剤服用歴管理指導料
    • 「区分番号13の2」:かかりつけ薬剤師指導料
    • 「区分番号15」:在宅患者訪問薬剤管理指導料
    • 「区分番号15の2」:在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
    • 「区分番号15の3」:在宅患者緊急時等共同指導料

    これらの指導料に、居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費が加わり、それに対する麻薬管理指導加算の算定回数が常勤薬剤師一人につき10回/年以上必要ということになります。
    ちなみに、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合は麻薬管理指導加算を算定することができませんが、相当する業務を実施していれば実績としてカウントすることが可能です。
      
    この実績要件が登場した時から言われていますが、やっぱりこの麻薬指導管理加算に関する実績が一番厳しいですよね。
    月あたりで考えてみると、常勤薬剤師一人につき月1回程度算定ということになります。
    これまでの業務の流れで考えると、麻薬が処方されるかどうかは薬局の努力ではどうにもならない部分に思えます。
    ですが、業界規模もしくはそれに匹敵するスケールでの取り組みを行うことができれば・・・、これについては一番最後にまとめます。
      
      

    経過措置:平成30年9月30日までは常勤薬剤師一人につき1回/年
    麻薬指導管理加算については経過措置が認められています。
    (25)(1)のイの(ロ)については、平成30年9月30日までの間は、常勤薬剤師1人当たり合算して計1回以上の実績がある場合、(1)のイの(ヘ)については平成30年9月30日までの間、(20)については平成31年3月31日までの間、(21)については平成30年9月30日までの間は、当該基準を満たしているものとみなす。
    平成30年9月30日までは「常勤薬剤師一人につき年1回以上」の経過措置が認められています。
    ほとんどの薬局の場合、月に一回だけでも麻薬指導管理加算を算定していればこの条件はクリアできるはずです。
    とは言っても、麻薬の処方を応需していなければ算定することは不可能なんですが・・・。
      
      

    重複投薬・相互作用等防止加算の実績

    (ハ)「区分番号10」の「注4」若しくは「区分番号13の2」の「注3」(重複投薬・相互作用等防止加算)に規定する加算又は「区分番号15の6」の在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数(「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、これに相当する業務を実施した場合を含む。)が合算して計40回以上である。
    ちなみに、区分番号が示す指導料は以下のようになります。

    • 区分番号10:薬剤服用歴管理指導料
    • 区分番号13の2:かかりつけ薬剤師指導料
    • 区分番号15:在宅患者訪問薬剤管理指導料

    常勤薬剤師一人当たり、重複投薬・相互作用等防止加算、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数の合計が40回/年以上・・・。
    月に換算すると、常勤薬剤師一人当たり3〜4回程度。
    ちなみに、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合は重複投薬・相互作用等防止加算を算定することができませんが、相当する業務を実施していれば実績としてカウントすることが可能です。
    これは楽勝と言ってもいいんじゃないでしょうか?
    残薬に関するものも含まれるわけですし、これは達成できないとダメでしょう。
      
      

    かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の実績

    (ニ)「区分番号13の2」のかかりつけ薬剤師指導料又は「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数が合算して計40回以上である。
    常勤薬剤師一人当たり、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が40回/年以上・・・。
    月に換算すると、常勤薬剤師一人当たり3〜4回程度。
    かかりつけ薬剤師を算定していない薬局からすれば少し難しい実績に見えるかもしれませんが、平成28年改定の調剤基本料の特例除外の要件に比べればかなり簡単になっています。
    特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0304第2号 平成28年3月4日)の179ページに記載されています。
    第89 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
    1 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
    (2)かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の算定についての相当の実績としては、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の合計算定回数が(1)で算出された保険薬剤師1人当たり月100回以上とする(ただし、公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者に係る算定回数を除く。)。
    月100回が3〜4回と大幅に下がっていることに加えて、「公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者に係る算定回数を除く。」の記載がなくなっていますからね。
    地域支援体制加算を算定する薬局であれば問題なくクリアできないといけない実績だと思います。
      
      

    外来服薬支援料の実績

    (ホ)「区分番号14の2」の外来服薬支援料の算定回数(「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、これに相当する業務を実施した場合を含む。)が12回以上である。
    常勤薬剤師一人当たり、外来服薬支援料を12回/年以上算定。
    月に換算すると、常勤薬剤師一人当たり1回以上。
    ちなみに、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合は外来服薬支援料を算定することができませんが、相当する業務を実施していれば実績としてカウントすることが可能です。
    これも厳しいと思うんですよね・・・。
    コンスタントに算定できる点数じゃないですからね・・・。
    はー・・・、せめて中止した薬剤を一包化から抜く行為が外来服薬支援料として認められればなあ・・・。
      
      

    服用薬剤調整支援料の実績

    (ヘ)「区分番号14の3」の服用薬剤調整支援料の算定回数(「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、これに相当する業務を実施した場合を含む。)が1回以上である。
    常勤薬剤師一人当たり、外来服薬支援料を1回/年以上算定。
    ちなみに、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合は服用薬剤調整支援料を算定することができませんが、相当する業務を実施していれば実績としてカウントすることが可能です。
    今回新設される服用薬剤調整支援料、「6種類以上の内服薬を服用している方の処方に対して提案を行い、2種類以上減少」させるというのはそんなに簡単な算定要件ではありません。
    患者さんの理解も必要です。
    算定要件を達成しようと思えば、薬局は恒常的に、かつ、周りから見えるレベルで、減薬に取り組む姿勢が必要になるのではないかと思います。(つまりは減薬の「見える化」かぁ・・・)
      
    経過措置:平成30年9月30日までは実績不要
    服用薬剤調整支援料に関する部分については経過措置が認められています。
    (25)(1)のイの(ロ)については、平成30年9月30日までの間は、常勤薬剤師1人当たり合算して計1回以上の実績がある場合、(1)のイの(ヘ)については平成30年9月30日までの間、(20)については平成31年3月31日までの間、(21)については平成30年9月30日までの間は、当該基準を満たしているものとみなす。
    経過措置として認められている平成30年9月30日までに、常勤薬剤師一人につき1回算定できるかどうかということですね。
      
      

    単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績

    (ト)「区分番号15」の在宅患者訪問薬剤管理指導料、「区分番号15の2」の在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、「区分番号15の3」の在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費について単一建物診療患者が1人の場合の算定回数が合算して計12回以上である。
    単一建物診療患者が1人の場合の在宅(在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費)の合計算定回数が常勤薬剤師一人につき12回/年。
    月に換算すると、常勤薬剤師一人当たり1回/月。
    常勤薬剤師がそれぞれ個人宅の在宅を担当していればクリアできるってわけです。
    施設の在宅じゃダメってところがハードルを高めていますね。
      
      

    服薬情報等提供料の実績

    (チ)「区分番号15の5」の服薬情報等提供料の算定回数(「区分番号13の2」のかかりつけ薬剤師指導料又は「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、これに相当する業務を実施した場合を含む。)が 60 回以上である。
    何気に服薬情報等提供料も厳しいです。
    常勤薬剤師一人につき服薬情報等提供料の算定を60回/年。
    月に換算すると常勤薬剤師一人につき5回/月。
    ちなみに、かかりつけ薬剤師指導料またはかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合は服薬情報等提供料を算定することができませんが、相当する業務を実施していれば実績としてカウントすることが可能です。
      
    服薬情報等提供料は書類の作成した上で提出する部分が算定のハードルとなっている気がします。
    ですが、これが国の求める基準ならば、薬剤師は文書を作成することにもっと慣れないといけないのかもしれませんね。
      
      

    集計に関する留意事項

    実績の集計に関する留意事項も記載されています。
      

    かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料を相当する業務とみなす場合

    (リ)(イ)から(チ)までに示した「区分番号13の2」のかかりつけ薬剤師指導料又は「区分番号13の3」のかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、相当する業務を実施した場合を合計する場合には、薬剤服用歴の記録に詳細を記載するなどして、当該業務を実施したことが確実に遡及できるものでなければならないこと。
    かかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している場合に算定することができない薬学管理料が存在します。

    • かかりつけ薬剤師指導料:服薬情報等提供料
    • かかりつけ薬剤師包括管理料:麻薬指導管理加算、重複投薬・相互作用等防止加算、外来服薬支援料、服用薬剤調整支援料、服薬情報等提供料

    これらの実績を考える際に、かかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対して同様の業務を実施した場合を合計に含めることが可能です。
    ここに記載されているのは、その際の注意点で、「薬剤服用歴の記録に詳細を記載するなどして、当該業務を実施したことが確実に遡及できるものでなければならない」とされています。
      

    常勤薬剤師数と実績の基準の計算方法

    (ヌ)(1)における常勤薬剤師数は、届出前3月間の勤務状況に基づき、以下の1及び2により小数点第二位を四捨五入して小数点第一位まで算出する。(イ)から(チ)までの基準を満たすか否かは、当該保険薬局における直近1年間の実績が、常勤薬剤師数を(イ) から(チ)までの各基準に乗じて得た回数以上であるか否かで判定する。

    1. 当該保険薬局における実労働時間が週32時間以上である保険薬剤師は1名とする。
    2. 当該保険薬局における実労働時間が週32時間に満たない保険薬剤師については、実労働時間を32時間で除した数とする。

    常勤薬剤師数と実績、それぞれの計算方法について記載されています。
    常勤薬剤師数は実労働32時間以上で一人として計算します。
    もう一つのポイントが届出前3ヶ月で判断するという点です。
    この常勤薬剤師数が多ければ多いだけ、実績の基準は上がって胃きます。
      
    より具体的な内容が以下に記載されています。

    (24)施設基準に適合するとの届出をした後は、(1)のアの(ロ)及び(1)のイについては、前年3月1日から当年2月末日までの実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定できるものとする。この場合の常勤薬剤師数は、前年12月1日から当年2月末日までの勤務状況に基づき算出する。
    算定回数についての計算期間は他の点数と同様、「前年3月1日から当年2月末日までの実績をもって施設基準の適合性を判断」し、「当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定」となっています。
    常勤薬剤師数のカウントは「前年12月1日から当年2月末日までの勤務状況に基づき算出」となっています。
    ってことは、12〜2月を少ない薬剤師数で乗り切れば・・・なんてね。(笑えない)
      
      

    調剤基本料1を算定できないと地域支援体制加算は算定できないのか?

    地域医療に貢献する体制を有することを示す実績についての算定要件。
    前向きに捉えるか後ろ向きに捉えるかで印象が大きく変わります。
    自分も最初は後ろ向きに「無茶苦茶な算定要件だ!」と否定的な視点だけで見ていました。
    絶対に算定できないから初めから諦める。
    そう考えてしまうと、何の目標にもなりません。
    そうなってくると、もう少しハードルが低く、算定しやすそうなものに置き換えて、調剤基本料1以外を算定している薬局用の加算を新設した方が建設的なのではないかと思えます。
    が、今はちょっと考え方が変わり、前向きな捉え方になっています。
    その辺りについては少し長くなるので最後にまとめようと思います。
      
      

    基準調剤加算(H28改定)から変更となっている施設基準

    平成28年度調剤報酬改定の基準調剤加算の施設基準と比較する形で詳しく見てみると、変更があった部分は限られてきます。
    変更があった部分とそうでない部分に分けてまとめてみます。
    まずは、基準調剤加算と比較して変更になった部分です。
      
      

    24時間調剤対応についての周知

    (5)地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して、24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制に係る周知を自ら又は地域の薬剤師会等を通じて十分に行っていること。
    24時間調剤に関する文章が加わった形です。
    基準調剤加算(H28改定)の以下の内容を修正した形になります。
    (17)地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して、在宅業務実施体制に係る周知を自ら又は地域の薬剤師会等を通じて十分に行っていること。
    これについては「平成30年度診療報酬改定説明会(平成30年3月5日開催)資料等について」で公開されている「平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)」の41ページに記載されています。
    地域における24時間対応の薬局の有無についてみると、「なし」の割合は診療所では24.4%、病院では43.2%であった。「不明」という回答も診療所では23.8%、病院では38.1%あった。
    出典)平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査
    f:id:pkoudai:20180313091958j:plain
    在宅に関する周知に加え、24時間調剤体制についても周知を徹底するということですね。
    ですが、すでに薬剤師会のホームページ等で公開しているところがほとんどだと思いますので、実際のところはあまり変わらない気も・・・。
      
    たしかに、薬局の24時間調剤体制についてはあまり認識されていないかもしれません。
    つい先日、自分も病院の看護師さんに夜間対応の報告をしたところ、非常に驚かれたという経験をしました。
    これまでも24時間調剤体制はとってきているので変わらないと言えば変わらないのですが、これまで以上に大々的に広げるというのは難しい気もします。
    公費を持っている方の中に、お金がかからないから、用事のない夜間に薬をもらいたいなんてことになってしまうのではないか・・・というのは考えすぎでしょうか?
    夜間救急も同様の問題を抱えているとは思うのですが、24時間調剤体制を受けれいるための線引きというのが明確化されていればいいのでしょうけど・・・。
      
      

    プレアボイド事例の把握・収集に関する取組

    (20)薬局機能情報提供制度実施要領(平成19年3月26日付け薬食発第0326026号厚生労働省 医薬食品局長通知別添)4(2)1の都道府県が定める期日の前年1年間(1月1日から12月31日)に、疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例を提供した実績を有し、「薬局機能に関する情報の報告及び公表にあたっての留意点について」(平成19年3月26日付け薬食総発第0326001号)に基づき、薬局機能情報提供制度において「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」としていること。
    薬局機能情報提供制度において「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」とした上で、「疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例を提供した実績」を有していることが算定要件になります。
      

    平成31年3月31日までは経過措置

    (25)(1)のイの(ロ)については、平成30年9月30日までの間は、常勤薬剤師1人当たり合算して計1回以上の実績がある場合、(1)のイの(ヘ)については平成30年9月30日までの間、(20)については平成31年3月31日までの間、(21)については平成30年9月30日までの間は、当該基準を満たしているものとみなす。
    ただし、薬局機能情報提供制度の項目に「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」などが追加されるのが平成30年4月1日以降とされているので、平成31年3月31日までは経過措置となっています。
      

    薬局機能情報提供制度の改正

    薬局機能情報提供制度における「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」については、平成29年10月6日付 薬生総発1006第1号において通知された改正の中で追記されています。
    第2 提供サービスや地域連携体制に関する事項
    1 業務内容、提供サービス
    (4)地域医療連携体制
    (i)医療連携の有無
    以下の取組の有無をそれぞれ記載すること。

    • プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無:プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reaction(薬による有害事象を防止・回避する)という言葉を基にした造語であり、医療機関では一般社団法人日本病院薬剤師会においても薬剤師が薬物療法に直接関与し、薬学的患者ケアを実践して患者の不利益(副作用、相互作用、治療効果不十分など)を回避あるいは軽減した事例をプレアボイドと称して報告を収集し、共有する取組が行われているが、近年では、医療機関だけではなく、薬局における副作用等の健康被害の回避症例等も収集し、当該情報を医療機関等の関係者と連携して共有する取組も行われている。薬局においてこのような取組に参加し、事例の提供を行っている場合は「有」とし、それ以外の場合は「無」とすること。また、当該項目に該当する取組として、2(2)(ii)の薬局医療安全対策推進事業におけるヒヤリ・ハット事業の「参加薬局」として登録を行うだけではなく、薬局機能情報提供制度実施要領(平成19年3月26日付け薬食発第0326026号厚生労働省医薬食品局長通知別添)4(2)1の都道府県が定める期日(以下「報告期日」という。)の前年1年間(1月1日〜12月31日)に、疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例を報告した場合も「有」として差し支えない。
    • プロトコルに基づいた薬物治療管理(PBPM)の取組の有無:PBPM(Protocol Based Pharmacotherapy Management)とは、「薬剤師に認められている業務の中で、医師と合意したプロトコルに従って薬剤師が主体的に実施する業務を行うこと」であり、医療機関の医師や薬局の薬剤師等が地域でPBPMを導入することにより、薬物療法の適正化や患者の利便性の向上を達成する取組を実施している場合は「有」とし、それ以外の場合は「無」とすること。

    ただし、1及び2の他に医療連携の取組(地域の医療機関等が連携した薬剤の使用に関するフォーミュラリーを導入する取組等)を実施している場合は、報告及び公表の際にこれらの取組を追加しても差し支えない。

    さらに、2(2)(ii)の内容は以下の通りです。
    2 実績、結果等に関する事項
    (2)医療安全対策の実施

    • (i)副作用等に係る報告の実施件数:報告期日の前年1年間に、法第68条の10第2項に基づく副作用等の報告を実施した延べ件数を記載する。
    • (ii)医療安全対策に係る事業への参加の有無:薬局医療安全対策推進事業におけるヒヤリ・ハット事例等の収集に参加している場合は「有」とし、それ以外の場合は「無」とすること。なお、当該事業への参加に際しては、「参加薬局」として登録を行うのみならず、広く薬局が医療安全対策に有用な情報を共有できるように、「薬局ヒヤリ・ハット事例」の報告に努めること。特に、疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例については、積極的に共有することが望ましい。

      

    ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への参加
    ということで、薬局医療安全対策推進事業におけるヒヤリ・ハット事例への参加が必須となるわけですが、下記のページから登録できます。
    公益財団法人日本医療機能評価機構|薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
    トップページの「参加登録」から登録可能ですが、

    • 常勤薬剤師数
    • 処方箋応需回数
    • 後発医薬品の取扱品目数

    などの情報が必要なので、内容を確認し、調べてから登録を行う必要があります。
    項目入力後、メールを受信して本登録に進み、薬局解説者のサインなどを記載した書類を作成して郵送、受理されて初めて登録完了となりますが、現在、登録申請が非常に多くなっているようで、かなり時間がかかっているようです。
    地域支援体制加算の算定に関わらず、薬局機能の向上のために参加したいという場合も、早めに登録申請を行っておき、来年(平成31年)の薬局機能情報の定期報告(2月ごろが多いかと思います)の際には「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」について「有」と回答できるようにしておきましょう。
      
      

    副作用報告体制の整備

    (21)副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること。
    基準調剤加算の廃止が決まる前、基準調剤加算の算定要件として副作用報告に関する要件を追加するという議論がされていました。
    基準調剤加算の廃止に伴い、その内容が地域支援体制加算の算定要件に加わった形です。
      
    この算定要件については「平成30年度診療報酬改定説明会(平成30年3月5日開催)資料等について」で公開されている「平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)」の43ページに記載されています。
    医薬関係者(医師・薬剤師等)による副作用報告について

    • 近年の医療用後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及、ポリファーマシーによる医薬品単剤のみではない複合的な副作用の発生等、医薬品の安全性を取り巻く環境変化を考慮し、製薬企業経由のみならず、医薬関係者から国・PMDAへの直接報告を推進することが重要。
    • 医薬品医療機器法第68条の10第2項において規定されており、医療機関等においては、その重要性を踏まえて必要な対応に努めることが不可欠
    • このため、「医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子」を踏まえ、今後、医療従事者が報告体制を整えるための手引きが整備されることとなっている。

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    医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子

    平成29年7月10日付け医薬・生活衛生局総務課・医薬安全対策課事務連絡
    1. 速やかに報告する副作用
      • 死亡、障害及びそれらにつながるおそれのある症例等について、重篤度分類基準を参考として、重篤なもの(グレード3)を15〜30日を目途に当局に報告
    2. 医療機関の対応について
      • 医療機関内での診療科間、診療科と薬剤部門間における情報共有、連携。連携方法のあらかじめの共有。
      • 副作用が疑われる症例に関する情報の医療機関内での集約・一元化。管理者を定め、情報の恒常的な把握。
    3. 薬局の対応について
      • 処方した医療機関への受診勧奨によるフィードバック。患者の副作用、検査値等の情報共有。
      • 情報共有の結果、薬局から副作用報告を行うこととした場合、提出に際し、処方した医療機関は連名として記入する。
    この内容は平成29年7月10日 事務連絡「医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子」に詳しく記載されているので一度目を通しておくべきでしょう。
      

    平成30年9月30日までは経過措置

    (25)(1)のイの(ロ)については、平成30年9月30日までの間は、常勤薬剤師1人当たり合算して計1回以上の実績がある場合、(1)のイの(ヘ)については平成30年9月30日までの間、(20)については平成31年3月31日までの間、(21)については平成30年9月30日までの間は、当該基準を満たしているものとみなす。
    副作用報告体制の手順書を整備している薬局はほとんどないはずなので、平成30年9月30日までの経過措置になっています。
    おそらくは、平成30年9月30日の経過措置期限までの早い段階で、副作用報告体制に関する手順書作成の手引きが公開されるはず現在、日本薬剤師会が副作用報告の手順書の雛形を作成中とのことです。
    平成30年3〜4月に公開予定とされているので、遅くとも4月中には公開されるようです。
    各薬局はそれをもとに、副作用報告についての手順書を作成し、整備することになると思います。
    早い段階で作成しておきたいですね。
      
      

    処方箋集中率の高い薬局に課せられる後発医薬品使用実績

    (22)特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が85%を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が当該加算の施設基準に係る届出時の直近3月間の実績として50%以上であること。
    基準調剤加算(H28改定)の以下の内容を修正した形になりますがだいぶ厳しくなってますね。
    (22)特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が90%を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が当該加算の施設基準に係る届出時の直近3月の実績として30%以上であること。
    比較してみると以下の表のようになります。
    改定年度 集中率 後発品使用率
    H28年度 90%超 30%以上
    H30年度 85%超 50%以上
    地域支援体制加算を算定しようと思う薬局であれば50%は確実に突破しているとは思いますが・・・。
    あまり多いケースではないと思いますが、近隣の病院・医院が変更不可で先発品処方だと難しいですよね。
      

    集中率の計算方法

    ちなみに、集中率の計算方法は調剤基本料に準じます。
    (23)上記(22)の特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が85%を超えるか否かの取扱いについては、「第88 調剤基本料」の「1 調剤基本料の施設基準」の(3)に準じて行う。
    第88 調剤基本料
    1 調剤基本料の施設基準
    (3)特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値とする。
      
      

    基準調剤加算(H28改定)と同様の施設基準

    残りは駆け足でまとめてしまいます。
      
      

    調剤基本料1を算定している薬局

    まずは、調剤基本料1を算定している薬局に対する基準。
    (1)以下のア又はイの区分に応じ、それぞれに掲げる基準を満たすこと。
    調剤基本料1を算定する薬局の場合

    • (イ)麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。
    • (ロ)在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績としては、当該加算の施設基準に係る届出時の直近1年間に在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の算定実績を有していること。
    • (ハ)当該保険薬局は、地方厚生(支)局長に対してかかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること。

    調剤基本料1を算定できる場合に課せられる施設基準は、基準調剤加算で求められていた施設基準と変わりませんね。

    • 地域支援体制加算 ア(イ)=基準調剤加算(4)
    • 地域支援体制加算 ア(ロ)=基準調剤加算(18)
    • 地域支援体制加算 ア(ハ)=基準調剤加算(21)

      
    ちなみに地域支援態勢加算届出後、つまり来年からの在宅の実績については、以下に記載されている通り、「前年3月1日から当年2月末日までの実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定」ということです。

    (24)施設基準に適合するとの届出をした後は、(1)のアの(ロ)及び(1)のイについては、前年3月1日から当年2月末日までの実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定できるものとする。この場合の常勤薬剤師数は、前年12月1日から当年2月末日までの勤務状況に基づき算出する。
      
      

    十分な数の医薬品の備蓄、周知

    十分な数の医薬品の備蓄、周知に関する内容をまとめます。
      

    医薬品の備蓄数

    (2)保険調剤に係る医薬品として1200品目以上の医薬品を備蓄していること。

    • 地域支援体制加算(2)=基準調剤加算(1)

      

    緊急連絡先の周知

    (4)当該保険薬局は、原則として初回の処方箋受付時に(記載事項に変更があった場合はその都度)、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項(近隣の保険薬局との連携により24時間調剤ができる体制を整備している保険薬局は、連携薬局の所在地、名称、連絡先電話番号等を含む。)等について、事前に患者又はその家族等に対して説明の上、文書(これらの事項が薬袋に記載されている場合を含む。)により交付していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示すること。
    また、これら連携薬局及び自局に直接連絡が取れる連絡先電話番号等を当該保険薬局の外側の見えやすい場所に掲示すること。

    • 地域支援体制加算(4)=基準調剤加算(3)

      

    健康相談・教室の周知

    (16)健康相談又は健康教室を行っている旨を当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示し、周知していること。

    • 地域支援体制加算(16)=基準調剤加算(15)

      
      

    24時間調剤、在宅対応体制の整備

    24時間調剤、在宅対応体制の整備に関する内容をまとめます。
      

    24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制(他薬局との連携を含む)

    (3)当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制が整備されていること。24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制とは、単独の保険薬局又は近隣の保険薬局との連携により、患家の求めに応じて24時間調剤及び在宅業務(在宅患者に対する調剤並びに薬学的管理及び指導をいう。以下同じ。)が提供できる体制を整備していることをいうものであり、当該業務が自局において速やかに提供できない場合であっても、患者からの求めがあれば連携する近隣の保険薬局(以下「連携薬局」という。)を案内すること。ただし、連携薬局の数は、当該保険薬局を含めて最大で3つまでとする。

    • 地域支援体制加算(3)=基準調剤加算(2)

      

    在宅対応体制の整備

    (9)当該保険薬局は、地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行うとともに、処方医から在宅患者訪問薬剤管理指導の指示があった場合に適切な対応ができるよう、例えば、保険薬剤師に在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な研修等を受けさせ、薬学的管理指導計画書の様式をあらかじめ備えるなど、在宅患者に対する薬学的管理指導が可能な体制を整備していること。また、患者に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の情報提供をするために、当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う薬局であることを掲示し、当該内容を記載した文書を交付すること。

    • 地域支援体制加算(9)=基準調剤加算(8)

      
      

    患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っている

    (6)当該保険薬局の保険薬剤師は、保険調剤に係る医薬品以外の医薬品に関するものを含め、患者ごとに薬剤服用歴の記録を作成し、調剤に際して必要な薬学的管理を行い、調剤の都度必要事項を記入するとともに、当該記録に基づき、調剤の都度当該薬剤の服用及び保管取扱いの注意に関し必要な指導を行っていること。

    • 地域支援体制加算(6)=基準調剤加算(5)

      
      

    一定時間以上の開局

    (7)当該保険薬局の開局時間は、平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週45時間以上開局していること。

    • 地域支援体制加算(7)=基準調剤加算(6)

      
      

    管理薬剤師に対する施設基準

    (8)当該保険薬局の管理薬剤師は以下の要件を全て満たしていること。

    • ア 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験があること。
    • イ 当該保険薬局に週32時間以上勤務していること。
    • ウ 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に1年以上在籍していること。
  • 地域支援体制加算(8)=基準調剤加算(7)
  •   
      

    薬学的管理・指導の体制整備

    薬学的管理・指導の体制整備についてまとめます。
      

    研修計画の作成と実施

    (10)当該保険薬局において、調剤従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に薬学的管理指導、医薬品の安全、医療 保険等に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。併せて、当該保険薬局の保険薬剤師に対して、薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。

    • 地域支援体制加算(10)=基準調剤加算(9)

      

    PMDAメディナビの登録

    (11)薬局内にコンピューターを設置するとともに、医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録することにより、常に最新の医薬品緊急安全性情報、安全性速報、医薬品・医療機器等安全性情報等の医薬品情報の収集を行い、保険薬剤師に周知していること。

    • 地域支援体制加算(11)=基準調剤加算(10)

      
      

    患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する情報を提供している

    (12)次に掲げる情報(当該保険薬局において調剤された医薬品に係るものに限る。)を随時提供できる体制にあること。

    • 一般名
    • 剤形
    • 規格
    • 内服薬にあっては製剤の特徴(普通製剤、腸溶性製剤、徐放性製剤等)
    • 緊急安全性情報、安全性速報
    • 医薬品・医療機器等安全性情報
    • 医薬品・医療機器等の回収情報
  • 地域支援体制加算(12)=基準調剤加算(11)
  •   
      

    患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っている

    患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていることについてまとめます。
      

    投薬時のプライバシーに対する配慮

    (13)薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。

    • 地域支援体制加算(13)=基準調剤加算(12)

      

    一般用医薬品の販売

    (14)一般用医薬品を販売していること。なお、一般用医薬品の販売の際には、購入される一般用医薬品のみに着目するのではなく、購入者の薬剤服用歴の記録に基づき、情報提供を行い、必要に応じて医療機関へのアクセスの確保を行っていること。

    • 地域支援体制加算(14)=基準調剤加算(13)

      

    健康情報拠点としての役割

    (15)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、こころの健康づくり、飲酒、喫煙など生活習慣全 般に係る相談についても応需・対応し、地域住民の生活習慣の改善、疾病の予防に資する取 組を行うといった健康情報拠点としての役割を果たすこと。

    • 地域支援体制加算(15)=基準調剤加算(14)

      
      

    在宅療養を担う医療機関、訪問看護ステーションとの連携体制

    在宅療養を担う医療機関、訪問看護ステーションとの連携体制についてまとめます。
      

    医療材料及び衛生材料の供給体制

    (17)医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。また、当該患者に在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局に対し保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は、原則として衛生材料を患者に供給すること。なお、当該衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求することとし、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。

    • 地域支援体制加算(17)=基準調剤加算(16)

      

    訪問薬剤管理指導の情報共有

    (18)在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションと円滑な連携ができるよう、あらかじめ患家の同意が得られた場合には、訪問薬剤管理指導の結果、当該医療関係職種による当該患者に対する療養上の指導に関する留意点等の必要な情報を関係する診療所又は病院及び訪問看護ステーションの医師又は看護師に文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。

    • 地域支援体制加算(18)=基準調剤加算(19)

      

    他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整

    (19)当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。

    • 地域支援体制加算(19)=基準調剤加算(20)

      
      

    届出書類について

    届出については別記事に詳しくまとめています。

      
    2 届出に関する事項

    • (1)地域支援体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式87の3及び必要に応じ様式87の3の2を用いること。
    • (2)当該従事者の氏名、勤務の態様(常勤・非常勤の別)及び勤務時間を別添2の様式4を用い提出すること。ただし、当該様式において、「専従・非専従、専任・非専任の別」についての記載は要しない。

    様式のリンクを貼っておきます。(該当するページは251,565-569)
    別添2:様式4、様式87の3、様式87の3の2
    特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第3号 平成30年3月5日)別添2の様式4
    特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第3号 平成30年3月5日)別添2の様式87の3
    様式87の3の記載項目は以下の通りです。

    様式87の3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類
    1. 当該保険薬局における調剤基本料の区分
    • (調剤基本料1を算定する保険薬局のみ記載する事項)
      1. 麻薬小売業者免許証の番号
      2. 在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実施状況(届出時の直近一年間:H29.4〜H30.3)
      3. かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出
    • (届出を行う全ての保険薬局が記載する事項)
      1. 薬剤服用歴管理記録の作成・整備状況
      2. 薬局における情報提供に必要な体制の整備状況
      3. 開局時間
      4. 薬局における薬学的管理指導に必要な体制及び機能の整備状況
      5. 在宅での薬学的管理指導に必要な体制の整備状況
      6. 備蓄品目数
      7. 全処方箋の受付回数並びに主たる保険医療機関に係るものの回数及びその割合(H29.3〜H30.2)
      8. 後発医薬品の調剤割合(H30.1〜H30.3)
      9. 管理薬剤師
      10. 当該在宅支援連携体制を構築する保険薬局
      11. 当該薬局における24時間の直接連絡を受ける体制
      12. 医療材料及び衛生材料の供給に必要な整備状況
      13. 患者のプライバシーに配慮した服薬指導の方法
      14. 副作用報告に係る手順書の作成と報告実施体制について
      15. プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無
    提出書類は以下のようになります。

    • 調剤基本料1を算定する場合:別添2の様式4、様式87の3
    • 調剤基本料1以外を算定する場合:別添2の様式4、様式87の3の2

    もちろん、これ以外にも添付書類が必要です。

    そのほか必要な添付書類

    上記様式以外に必要な添付書類もいちおうまとめておきます。
    様式87の3の[記載上の注意]に記載されています。
    • 調剤基本料の施設基準に係る届出添付書類
    • 薬剤服用歴の見本
    • 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録していることが確認できる資料
    • 職員等に対する研修実施計画及び実施実績等を示す文書
    • 備蓄品目リスト
    • 医療材料及び衛生材料の品目リスト
    • (調剤基本料1を算定する薬局)様式90
      「かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に係る届出書添付書類」の写し
    • 副作用報告に係る手順書の写し(平成30年9月30日までは不要)
    • 薬局機能情報提供制度における「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組」に係る記載内容の写し(平成31年3月31日までは不要)
    • 「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組」の実績があることを確認できる資料の写し(平成31年3月31日までは不要)
      
      

    まとめ

    基準調剤加算が廃止され、新たに新設された地域支援体制加算ですが、その点数は基準調剤加算よりも3点アップになります。
    調剤基本料1を維持できる薬局の場合、施設基準はほぼ変わらず、プラス改定とも言える内容です。
      
    そして、「基準を満たす薬局」(基準調剤加算)を評価していたのが「地域医療に貢献する体制を持つ薬局」(地域支援体制加算)を評価することにシフトしたと言うのは非常に大きいことかもしれません。
    これまでは薬局個々のレベルアップを求めていたのが、地域医療を支援するという明確な目標が定められたのです。
    そんなの元々目指していたよと言う薬局も少なくないでしょうが、今回の改定で明文化されたことで、将来の薬局像が見えてくるのではないでしょうか?
    それは薬局の中にいる我々にとっても、薬局の中にいない医療職・介護職、患者さんにとっても。
      
      

    地域支援体制加算から見える未来の薬局・薬剤師像

    最後に、調剤基本料1を算定していない場合に課せられる実績についてもう一度考えてみたいと思います。
    ここでは、上にも少し書きましたが、ポジティブな視点で考えてみます。
    つまり、達成することが前提、達成することで患者さんや医療に貢献できるという視点です。
    大手チェーン薬局が達成のためにどのように動くか考えてみます。
      

    麻薬指導管理加算の実績を達成するために

    麻薬指導管理加算の実績が難しいと言われるのは、麻薬処方箋の少なさと麻薬処方箋を発行するかどうかを判断するのが医師という点です。
    在宅で医療麻薬による治療を望んでいる患者が潜在的に存在していると考えればどうでしょうか?
    (どの程度かはわかりませんが、在宅での緩和ケアを色々な理由で断念している患者さんは少なからず存在していると思います)
    大手チェーン薬局が本気行で動するとすれば、

    • 麻薬に関する十分な知識を持った薬剤師を育てること
    • 地域単位で医師会や基幹病院等にアピールして行くこと

    が考えられます。
    その結果、在宅での麻薬の管理をそのグループに所属する薬剤師に任せて行こうという考えが生まれてくるかもしれません。
    そうなると薬剤師会も黙ってはいられません。
    所属する薬局、薬剤師も同様に在宅での麻薬管理を担うことができるようこれまで以上に取り組んで行くことになるでしょう。
    地域医療が大きく変わる流れになると思いませんか?
    調剤基本料1を算定しているから算定できると胡座をかいていたら、大きく差をつけられることになってしまうかもしれませんね。
      

    服用薬剤調整加算の実績を達成するために

    服用薬剤調整加算は「6種類以上の薬剤を服用している患者の処方に対して医師に提案を行い2種類以上の減薬が達成できた場合」に算定できます。
    減薬については非常に難しい部分があります。

    • 患者さん自身が減薬を望んでいない場合がある
    • 医師と薬剤師の処方に対する考え方のギャップ

    などが上がると思いますが、これは普段からのコミュニケーションや呼びかけで変えて行くことが可能だと思います。
      
    そこで「算定しなければならない」と考えてみると、薬局・薬剤師の立場を大きくステップアップさせる内容にも思えてきました。
    もちろん、潜在的に算定を必要とする患者が存在し、薬剤師の知識や技術が十分なレベルに達した上で算定するという条件を満たしていればという話ではあります。
    大手チェーンに対する国からの期待という風にも思えるのですがどうでしょう?
    調剤基本料1を算定できていてもうかうかしてはいられませんね。
      
    そのためには大手チェーン薬局としては、

    • 薬剤師の知識の強化
    • 医師に対する提案技術・プレゼン力の強化
    • 患者さんへの呼びかけ

    等の活動をおこなっていくのだろうと思います。
    患者さんの薬に対する考え方、病院・診療所と薬局の関係性、医師と薬剤師の関係性が大きく変わって行くことになりそうです。
    薬剤師会はどう動くでしょうか?
    全ての医師が減薬を意識しているとは限りません。
    様々な問題はあるとは思いますが、医療費、多剤服用による有害事象の可能性を考えれば、減薬の方向に舵を切る大きな流れが生まれるきっかけになるかもしれません。
      

    実績のハードルは乗り越えられないもの?乗り越えることで業界が成長するためのもの?

    ここまでまとめてみてどうでしょうか?
    「絶対に無理だ!」という意見がほとんどの実績要件でしたが、前向きに乗り越えたときに薬局の姿、薬剤師の姿は大きく変わることができるのではないかとも思えます。
    達成すれば医療従事者からの、介護関係者からの、そして国民からの薬剤師に対するイメージが変わることになると思います。
    そして、これを達成できるのはやはり大手チェーン薬局、もしくは薬剤師会単位での活動。
    この流れに乗るか乗らないかで薬局の機能にも大きく差がついて行くことになると思います。
    ただ、全ての薬局がこの流れについて行く必要はなく、それぞれの立場があっていいのではないかと思いますが、加算の面、知識・技術の面で大きく差がついてしまうことは間違いありません。
    あくまでも勝手な想像ですが、ここからの二年間の動きに注視して行動して行きたいと思います。