薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理を元に色々と考察してみる

新人薬剤師さんへ
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年も明け、いよいよ本格化していく診療報酬改定(調剤報酬改定)に関する議論。
1月12日にはこれまでの議論をまとめたものが公開されています。
その中で薬局に関連する部分について抽出し、個人的な考えをまとめてみようと思います。
  
  

  
  

平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)

中医協で公開されている「これまでの議論の整理」へのリンクを貼っておきます。
中医協 総-1 30.1.12 平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)

【留意事項】
この資料は、平成30年度診療報酬改定に向けて、これまでの議論の整理を行ったものであり、今後の中央社会保険医療協議会における議論により、必要な変更が加えられることとなる。
なお、項目立てについては、平成29年12月11日に社会保障審議会 医療保険部会・医療部会においてとりまとめられた「平成30年度診療報酬改定の基本方針」に即して行っている。

  
  

調剤報酬に関連する項目

Ⅰ 地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進

  • Ⅰ-2 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価
  • Ⅰ-4 外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進
  • Ⅰ-5 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

Ⅱ 新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実

  • Ⅱ-1 重点的な対応が求められる医療分野の充実
  • Ⅱ-1-6 感染症対策や薬剤耐性対策、医療安全対策の推進
  • Ⅱ-1-8 薬剤師・薬局による対人業務の評価

Ⅳ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の強化

  • Ⅳ-1 薬価制度の抜本改革の推進
  • Ⅳ-2後発医薬品の使用促進
  • Ⅳ-4外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進
  • Ⅳ-5 費用対効果の評価
  • IV-6医薬品の適正使用の推進
  • IV-7備蓄の効率性や損益状況等に応じた薬局の評価の推進

  
  

調剤基本料

調剤基本料について簡単に復習しておきます。

  • 調剤基本料1:41点
  • 調剤基本料2:25点
    1. 処方せん受付回数月4,000回超かつ集中率70%超
    2. 処方せん受付回数月2,000回超かつ集中率90%超
    3. 特定の医療機関からの処方せん受付回数が月4,000回超(集中率にかかわらず対象)
  • 調剤基本料3:20点
    • 同一法人グループ内の処方せんの合計が月40,000回超かつ次のいずれかに該当
      • 処方せん集中率が95%超の薬局
      • 特定の医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある薬局
  • 調剤基本料4:31点(調剤基本料1の未妥結減算)
  • 調剤基本料5:19点(調剤基本料2の未妥結減算)
  • 特別調剤基本料:15点(調剤基本料3の未妥結減算or基本料の届出なし)
  
  

調剤基本料2はさらに厳格化?

IV-7(1)
医薬品の備蓄の効率性や医療経済実態調査結果における損益率の状況等も踏まえ、大型のいわゆる門前薬局等に対する評価を適正化する観点から、現行の処方せん受付回数及び現行の特定の医療機関に係る処方せんによる調剤割合に基づく調剤基本料の特例対象範囲を拡大する。

調剤基本料2:25点

  • 処方せん受付回数月4,000回超かつ集中率70%超
  • 処方せん受付回数月2,000回超かつ集中率90%超
  • 特定の医療機関からの処方せん受付回数が月4,000回超(集中率にかかわらず対象)

う〜ん・・・。
ここからさらに厳しくなりますか。。。
  
  

調剤基本料3(大型門前薬局の特例)はさらに厳しく

IV-7(2)
医薬品の備蓄の効率性や医療経済実態調査結果における損益率の状況等も踏まえ、特に大型のいわゆる門前薬局の評価を更に適正化する。

調剤基本料3:20点

  • 同一法人グループ内の処方せんの合計が月40,000回超かつ次のいずれかに該当
    • 処方せん集中率が95%超の薬局
    • 特定の医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある薬局
集中率の区切りがさらに厳しくなりそうですね。
  
  

敷地内薬局は調剤基本料の減算の対象に?

IV-7(4)
医薬品の備蓄の効率性も考慮し、いわゆる同一敷地内薬局の評価を適正化する。

これは・・・。
規制改革の一環として、薬局の構造を見直し、敷地内薬局が認められたと思ったら、大幅な減算ですか。
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=344631&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000119346.pdf
敷地内薬局に対する考えはさておき、OKしておいて減算っていうのもおかしな話じゃないかと思います。
敷地内薬局に対する減算については厚生労働省保険局医療課の中山智紀薬剤管理官が調剤基本料3よりもさらに厳格な減算の対象とすることを明言しています。
規制改革に伴ってフェンスを撤去した薬局などかなり大きなダメージになるんじゃないでしょうか・・・。

調剤基本料の特例除外の見直し

Ⅰ-2(8)
処方せん集中率が高い等の薬局であっても、かかりつけ薬剤師指導料等の一定の算定実績がある場合には、調剤基本料の特例対象から除く取扱いを見直す。

Ⅰ-2(9)
なお、医療資源の乏しい地域の薬局については、当該地域に存在する医療機関が限定されることを踏まえ、調剤基本料の特例対象から除外する。

調剤基本料1・4以外を調剤基本料の特例と言いますが、この調剤基本料の特例による引き下げを免れるための要件として、

  1. 薬剤師の5割以上がかかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に適合した薬剤師であること
  2. かかりつけ薬剤師指導料またはかかりつけ薬剤師包括管理料にかかる業務について相当な実績を有している(薬剤師一人当たり月100回以上算定(自己負担のない患者を除く))

があります。
今回の改定では、この特例除外の要件が見直されるようです。
かかりつけ薬剤師による要件は削除され、以前のような24時間開局に戻るのか、それとも別の内容になるのかというところですね。
おそらくですが、特例の除外自体がなくなるか、地域医療に対する貢献が要件になるのではないかと思いますが、地域医療に対する貢献の評価は基準調剤加算に代わる新規加算で評価されそうなので、特例の除外は「医療資源の乏しい地域の薬局」のみかもしれませんね。
「医療資源の乏しい地域の薬局」についてもどこまでが対象に含まれるかが議論を呼びそうですね。
実際の医療機関の数で判断するのか?それとも対象となる地域が明示されるのか?それとも人口等で区切るのか?
  
  

未妥結減算に関する報告に追加項目

I-4(4)、III-5(4)、Ⅳ-1(2)、Ⅳ-4(4)、IV-7(3)、IV-7(4)
薬価調査が適切に実施される環境整備を図るため、現在検討中の「流通改善ガイドライン」を踏まえ、初診料、再診料及び調剤基本料等の未妥結減算に係る報告に併せて、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況の報告を求めるなどの見直しを行う。

妥結率の報告に加えて、単品単価契約率及び一律値引き契約についての報告も求められるようです。
じわじわと攻めてきますね・・・。
  
  

基準調剤加算が廃止に!

Ⅰ-2(9)
地域医療に貢献する薬局について、一定時間以上の開局や医薬品の備蓄品目数等に加えて、薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整備を要件とするほか、処方せん集中率が高い薬局等を含めて、夜間・休日対応等の地域支援の実績等を踏まえた評価を新設する。これに伴い、基準調剤加算を廃止する。

今回、一番話題になっているのがこの基準調剤加算の廃止じゃないでしょうか?

  • 基準調剤加算:32点(調剤基本料1を算定している薬局が要件に当てはまる場合に算定可能)

これがなくなってしまうことで大きな打撃を受ける薬局は少なくないと思います。
(うちの薬局もそうです・・・)
ただ、完全になくなるわけではなく、同様のものが名前を変えて残るようですね。
「地域医療に貢献する薬局」に対する評価ということなので、地域医療貢献加算とか?(安直ですね)
  
  

基準調剤加算に代わる新加算の登場

明るい材料としては、新しい加算は「処方せん集中率が高い薬局等を含めて」算定可能ということです。
なので、算定要件を満たしていれば調剤基本料1以外を算定している薬局でも算定できるということになりますね。
となると、現行の基準調剤加算よりも算定する薬局は増えることになりそうなので、点数は下がるのかなあ・・・?
  
現段階で読み取れる算定要件としては、

  • 一定時間以上の開局(現行:平日に8時間/日以上開局・土日いずれか開局、45時間/週以上開局)
  • 医薬品の備蓄品目数(現行:1200品目以上医薬品を備蓄)
  • 薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整備(新設)
  • 夜間・休日対応等の地域支援の実績(現行:当薬局のみ又は連携する近隣薬局において、24時間調剤並びに在宅応需体制)

が算定要件になるということでしょうね。
  
  

新加算の算定要件①副作用報告体制

まず、副作用報告体制の整備についてですが、平成29年7月付で厚労省医薬・生活衛生局の総務課と医薬安全対策課が事務連絡している以下の内容が元になると思います。
医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子

【薬局の対応について】

  • 薬局においても、調剤業務の中で患者に疑われる副作用の端緒をつかみ、処方した医師への受診勧奨や情報提供を行い、また、副作用の疑い時点でも必要に応じて当局(PMDA)への副作用報告を検討することが、安全な薬剤の提供や薬剤の適正使用に資する役割として期待される。
  • 薬局においても、リスクの高い医薬品の初回交付時などに、交付する医薬品の主な副作用の内容、副作用の発現時期・発現期間等について、説明を行い、患者の理解を促す。
    • 抗がん剤、抗凝固薬、高齢者で転倒・転落の恐れのリスクの高い医薬品など
  • 残薬の確認や調整の際に、服薬状況と副作用について気になる状況がないか留意する。
    • 特に、6剤以上を服用している高齢者の場合などにおいて、コンプライアンスの低下や有害事象が多い点も考慮する。
  • 留意すべき状況として、薬剤の服用開始以降に以下のような内容が発生した状況 がないかを聞き取る。
    1. ふらつき、眠気、頭痛
    2. それらに起因したけが等の転帰
    3. 副作用が疑われる場合で、原病以外で受診し、治療を行ったものがあればその状況
    4. その他生活に支障を来すような状況
    • その際、クレアチニンクリアランス値等の検査値、病名等の情報が受診した医療機関等から処方せんとともに提供されている場合は、薬剤の用法・用量や状況について確認する。
  • 患者に副作用が発生していることが疑われた場合は、処方した医療機関側にその状況をトレーシング・レポート等により、フィードバックする。併用薬剤等は、患者のお薬手帳等の情報から他の薬局で交付されているものを含めて網羅的に確認する。
  • トレーシング・レポート等で連絡した処方した医療機関と協力し、治療を要するものその他、軽微とはいえない副作用が疑われる事例(上記の【速やかに報告す る副作用】を参照)の発生があれば、薬剤との因果関係が必ずしも明確でない場合や、既知の副作用であっても、必要性があれば、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の報告様式を用いて当局(PMDA)に報告することを検討する。(【医療機関の対応について】を参照。)
    • 医療機関側で副作用報告を当局(PMDA)に行うとした場合、薬剤師は調剤し交付した薬剤名(他院で処方されたもの(他院へも情報提供を行うことが望 ましい。)、他薬局で調剤されたものを含む。)や患者の服薬状況について知り得た情報を医療機関側に提供する。
    • 医師による副作用の診断、患者の転帰、検査値等の副作用を疑う状態に関する情報等を共有する中で、薬局から副作用報告を当局(PMDA)に行うこととした場合、提出に際し、処方した医療機関は連名として記入する。

  
  

新加算の算定要件②夜間・休日対応の実績

夜間・休日対応等の地域支援については「実績」が求められるようになっています。
これまでが体制の整備だったのに対して、実績となると、対応の有無で加算が変化していくことになりますね。
この「実績」に地域輪番制での休日当番や夜間休日等加算の算定が含まれるかどうかで算定できる薬局とそうでない薬局の差が出てきそうですね。
常に24時間開局している薬局や日曜・祝日関係なく調剤の対応を行っているドラッグストアなどについては実績として認められるのは間違いないでしょう。
  
  

後発医薬品調剤体制加算のハードルは上がる

Ⅳ-2(1)
薬局における後発医薬品調剤体制加算等について、新たな政府目標を踏まえ評価を見直す。

現行の後発医薬品調剤体制加算は以下のようになっています。

  • 後発医薬品調剤体制加算1(18点):後発医薬品の調剤数量が65%以上の場合
  • 後発医薬品調剤体制加算2(22点):後発医薬品の調剤数量が75%以上の場合

基準引き上げは間違いないと思います。
1が75%以上、2が80%以上になるのか?
1本化して80%以上のみになるのか?
個人的には1本化して85%以上のみになるんじゃないのかって思っています。
点数についてはキープして欲しいですけどね・・・。
  
  

診療報酬(医科)での後発医薬品に関するトピック

ちなみに、医療機関における後発医薬品使用体制加算及び外来後発医薬品使用体制加算の見直しも行われます。
また、一般名処方が後発品の使用促進に一定の効果があることから、一般名処方加算の評価も見直されることになっています。
  
  

薬剤服用歴管理指導料は大きく厳格化?

秋のレビューでは以下のような指摘がありました。
「薬歴の記載とそれを活用した処方内容のチェックと、薬剤情報提供文書を用いた説明、手帳に記載、後発品の説明。これ普通に私たちが薬局に処方箋もっていってお薬頂いたら普通にあの必ずあの薬剤師さんがなさることなんじゃないんですか。だからこういうのはそれこそ調剤基本料の方にどうして入らないのかな。と。」
また、健康保険組合連合会が公表した「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究III」では以下のように提言されています。
「薬剤服用歴管理指導料は、全年齢階級の患者について算定が可能であるが、 薬剤服用管理をより必要とする患者層に限定すべきである。」
これらを踏まえると、薬剤服用歴管理指導料は大きく削られていくんじゃないかと思ってしまいます。
  
  

お薬手帳の有無による区別はなしに

II-1-8(2)
適切な薬学的管理・指導の推進の観点から、薬剤服用歴管理指導料について、適切な手帳の活用実績を要件とし、当該要件に応じた評価に見直す。

まずは、現行の薬剤服用歴管理指導料の算定要件をまとめます。

  • ①原則6カ月以内の再来患者:38点
  • ②①以外の患者:50点
  • ③特別養護老人ホームの入所者:38点

※手帳を持参していない患者、調剤基本料1・4以外の薬局では50点を算定
  
問題となっているのは下線部ですね。
調剤基本料1・4以外の薬局でもお薬手帳を持参すれば「①原則6カ月以内の再来患者:38点」が適応されるようになるってことですね。
  
事実上の減算ですが、前回改定時に「なんで?」って思っちゃいましたからね。
これは当然の変更だと思います。
  
  

継続的な薬学的管理・指導の推進

II-1-8(3)
継続的な薬学的管理・指導等を推進するため、薬剤服用歴の記録に次回の服薬指導の計画を追加することなどを通じ、薬剤服用歴管理指導料等について評価を見直す。

単純に、算定要件の追加と考えるべきなのか、薬剤服用歴管理指導料が2つに別れると考えるべきなのか・・・。
「次回の服薬指導の計画」が特にないような場合は薬剤服用歴管理指導料を引き下げるという形になるのかなあって気もします。
  
  

AMR対策が薬歴の算定要件に

Ⅱ-1-6(2)、IV-6(4)
薬剤耐性対策を普及し推進する観点から、以下のような見直しを行う。

  • 1 地域包括診療料等及び薬剤服用歴管理指導料について、抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること等を要件とする。

薬剤服用歴管理指導料の算定要件に「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること」が入ってくるようです。
が、これってどのように評価するのでしょうか?
AMR(AntiMicrobial Resistance)対策について、日本は国際的に遅れています。
薬局として抗菌薬も適正使用に努めることは非常に大切ですが、ポリファーマシー対策と比較して、薬局としてなかなか具体的に行動しにくい部分ではありますよね。
この部分を薬歴の算定要件としてどのように評価するのか?
調剤基本料や基準調剤加算(に準ずる加算)であれば掲示や地域活動の取り組みの一環として「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること」という算定要件を設けることは可能と思うのですが・・・。
  
「普及啓発」ではなく、「指導」であれば、抗菌薬の調剤を行う際には、
「適切な薬剤」を 「必要な場合に限り」 「適切な量と期間」使用する
という考えに基づく指導を行い指導内容を薬歴に記録するという算定要件でわかりやすいとは思うのですが・・・。
  
参考リンク:薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
  
  

かかりつけ薬剤師指導料(かかりつけ薬剤師包括管理料)の算定要件は厳格化

Ⅰ-2(7)
かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料について、服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行うかかりつけ薬剤師の取組を推進するため、同意取得時に薬剤師・患者双方のかかりつけ薬剤師の必要性の確認を要件とし、併せて同意取得の様式を整備する。

  • 同意取得時に薬剤師・患者双方のかかりつけ薬剤師の必要性の確認を要件
  • 同意取得の様式を整備

この2つがポイントですね。
「かかりつけ薬剤師の取組を推進するため」とはありますが、推進というより、「かかりつけ薬剤師の取組を適正化するため」というのが本音だと思います。
基準調剤加算の特例除外のための算定要件だったために、このような問題が生じてしまった気がしてなりませんが・・・。
  
ちなみに、

I-2(1)
かかりつけ医機能を推進する観点から、地域包括診療料等について以下のような見直しを行う。

  • 患者の同意に関する手続きや受診医療機関の把握を担う実施者の要件を緩和する。

こういうのを推進と言います。(笑)
ただ、自分個人としてもかかりつけ医は推進、かかりつけ薬剤師は必要な人のみの考え方でいいと思っていますよ。
現時点では・・・ですが。
  
  

かかりつけ薬剤師の必要性の確認

「かかりつけ薬剤師の必要性の確認」ということなので、「薬歴に何故かかりつけ薬剤師による管理が必要なのか」について記載を求められることになりそうですね。
また、その内容を患者さんにも伝え、納得してもらう必要があるということだと思います。
一部の薬局が行なっていたような、全ての患者さんに対してローラー作戦のように説明を行って同意を取っていくようなやり方は否定されることになります。
  
  

同意取得の様式を整備

様式については、薬剤師会が作成した様式案を利用している薬局が多かったのではないかとは思うのですが、その内容を都合のいいように(同意を得やすいように)修正できなくするということじゃないかなあと思います。
  
  

在宅訪問指導料は単一建物診療患者の人数に応じた評価に

Ⅰ-5(21)
薬剤師、管理栄養士の訪問指導料について、単一建物診療患者の人数に応じた評価に見直す。

現在、在宅に関する指導料は以下のように定められています。

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)
    1. 同一建物居住者以外の場合:650点/回
    2. 同一建物居住者の場合:300点/回
  • 居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(介護保険)
    1. 同一建物居住者以外の場合:500 単位
    2. 同一建物居住者の場合:350点/回
  
単一建物診療患者の人数に応じた評価ということですが、おそらく、医療保険における「在宅時医学総合管理料」と同様の分類になるんじゃないかなと思います。
在医総管は単一建物の診療患者数が「1人」、「2~9人」、「10人以上」で区切られています。
おそらくここに習った分類となり、医療・介護の点数(単位)は統一されるのではないかと思います。
また、現在は医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料にのみ定められている

  • 保険薬剤師1人につき週40回まで算定可能
  • 患家までの距離が16kmを超える場合には原則算定不可

が介護保険の居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費にも算定される可能性がありますね。
  
  

そのほかの薬学管理料はプラスに?

今回の改定でも「対物から対人へ」のテーマは続いています。
ということで、薬学管理料はプラス改定にならないとおかしいですし、実際に、「内服薬の調剤料の評価を見直すとともに、対人業務に係る薬学管理料を充実させる。」と明文化されています。
  
  

重複投薬・相互作用等防止加算はプラス改定になりそう!

Ⅱ-1-8(4)
重複投薬の防止等の薬学的管理を推進する観点から、重複投薬・相互作用等防止加算等について、残薬調整に係るもの以外の評価を見直す。

現行は以下のようになっています。
重複投薬・相互作用等防止加算(30点):薬剤服用歴に基づき、重複投薬、又は相互作用の防止の目的で、処方せんを交付した保険医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は30点を所定点数に加算する。
  
普通に考えれば、薬学的知見に基づく疑義照会で、残薬調整以外の理由で処方が変更になった場合、30点以上を算定できるようになるってことですよね?
残薬調整に関するものを20点とかに減算して、それ以外を相対的に評価したとか言わないよね・・・?
でも、残薬調整の疑義照会が不要になる可能性もあるので、その場合は残薬調整についての点数は下がるかもしれませんね。
  
  

新規加算?重複投薬・相互作用等防止加算の見直し?

Ⅱ-1-8(1)、IV-6(7)
薬剤総合評価調整管理料を算定する医療機関と連携して、医薬品の適正使用に係る取組を調剤報酬において評価する。

まずは、診療報酬(医科)の薬剤総合評価調整管理料についてまとめておきます。

  • 薬剤総合評価調整管理料(250点):内服を開始して4週間以上経過した、内服薬が6種類 以上処方されている入院外の患者に対して、総合的に評価を行い、処方内容を検討した結果、処方される内服薬が2種類以上減少し、その状態が4週間以上 継続すると見込まれる場合に算定
  • 連携管理加算(50点):処方内容の調整に当たって、他医療機関又は保険薬局に照会を行った場合や、他医療機関等からの情報提供を受けて、処方内容の調整又は評価を行い、その結果について他医療機関等に情報提供を行った場合に算定

  
このように、薬剤総合評価調整管理料において、薬局と連携することで医療機関は加算がありましたが、薬局に対する評価はありませんでした。
ここがどのように評価されるのか?
新規加算と考えると、医療機関からの照会があり、その後、その方の処方せんを応需した場合に算定?
重複投薬・相互作用等防止加算での評価と考えた場合、薬学的知見に基づいて処方内容に変更が生じた場合の評価は前回改定ですでに加わっています。
もし、要件を満たした場合は重複投薬・相互作用等防止加算にさらなる加点が加わるとすると、疑義照会を行い、回答を得た場合に、薬剤総合評価調整管理料の対象となるかどうかを医療機関に確認することになります。
どれもしっくり来ない・・・。
となると、連携の実績が基準調剤加算に代わる新加算の算定要件になるとか、また別の加算が作られるとかでしょうか?
連携を行なった処方のみの評価というのは無理があるような気がします。
  
  

向精神薬の減薬についても薬剤師との連携が評価対象に

IV-6(3)
向精神薬の多剤処方やベンゾジアゼピン系の抗不安薬等の長期処方の適正化推進のため、向精神薬を処方する場合の処方料及び処方せん料に係る要件を見直す。また、向精神薬の多剤処方等の状態にある患者に対し、医師が薬剤師と連携して減薬に取り組んだ場合の評価を新設する。

向精神薬に関する処方箋料の見直しがあるようです。
現行は以下のようになっています。
処方箋料(68点)

  • 内服薬7種類以上(40点)
  • 向精神薬多剤投与(30点):抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬・抗精神病薬のいずれかが3種類以上

このうち、向精神薬多剤投与に関する要件がさらに厳しくなるようです。
  
「医師が薬剤師と連携して減薬に取り組んだ場合の評価を新設する」とありますが、「薬剤総合評価調整管理料」の「連携管理加算」のような診療報酬(医科)のみの評価何でしょうか?
それとも、上に書いたものと同様に調剤報酬でも評価されるんでしょうか?
  
  

服薬情報等提供料もプラス改定では?

Ⅱ-1-8(5)
医療機関の求めに応じた、調剤後の患者の服薬状況の継続的な把握と医療機関との共有を推進するため、服薬情報等提供料の評価を見直す。

現行は以下のようになっています。
服薬情報等提供料(20点):患者若しくはその家族等、若しくは保険医療機関の求めに応じ、又は薬剤師がその必要性を認めた場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者若しくはその家族等、又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に、所定点数を算定する。なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴の記録に記載すること。
  
これ、点数が引きすぎると思うんですよ。
個人的には80点くらいあってもいいんじゃないかと思います。
しっかりとした評価を期待します。
  
  

調剤料は減算確定?

調剤料が下がっていく流れってのは変えられないと思います。
「対物から対人へ」ですから。
その代わり、薬学管理料でどれだけ評価してもらえるかって話なんだと思います。

内服調剤料は大きく下がる?

Ⅱ-1-8(7)
対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料の評価を見直すとともに、対人業務に係る薬学管理料を充実させる。

「対物から対人へ」と大きく宣言された前回改定では調剤料はそれほど下がっていませんでした。
内服薬(2014改定→2016改定)

  • 15日以上21日分以下の場合:71点 → 70点
  • 22日分以上30日以下の場合:81点 → 80点
  • 31日分以上の場合:89点 → 87点

  
今回の議論の中でも、その点が指摘されています。
となると、内服調剤料は大きく下がることが予想されますね。
これはしょうがないかな。
  
  

その他

無菌製剤室の共同利用の促進

Ⅰ-5(22)
かかりつけ薬剤師による在宅対応を推進するため、無菌製剤室の共同利用などの評価を見直す。

現在、すでに「高度な無菌製剤処理を行うことができる作業室(無菌調剤室)」を共同利用による無菌製剤処理加算の算定は認められています。
薬機法の改正も同時に進めて、「クリーンベンチや安全キャビネットの共同利用」も認めるということなのでしょうか?
  
  

残薬調整は疑義照会不要に?

IV-6(5)
医療機関と薬局の連携による医薬品の適正使用を推進するため、長期処方や残薬に係る疑義照会についてその取扱いを見直す。

疑義照会なしで残薬調整を行えるようにしてはどうかという議論が今回も出ています。
今度こそ、条件付きでもいいので疑義照会なしで行えるようにして欲しいものです。
ただ、その場合の重複投薬・相互作用等防止加算の点数は下がりそうな気もしますけど・・・。
  
  

分割調剤は行いやすくなる?

II-1-8(1)、IV-6(6)
上記に加え、長期処方に係る分割指示の取扱いを見直す。

前回の改定において、医師の指示による分割調剤が追加になっています。

第5節 処方せん料 F400 処方せん料
(1) 医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに、病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。なお、上記の要件を満たさない場合は、原則として次に掲げるいずれかの対応を行うこと。

  • ア 30日以内に再診を行う。
  • イ 200床以上の保険医療機関にあっては、患者に対して他の保険医療機関(200床未満の病院又は診療所に限る。)に文書による紹介を行う旨の申出を行う。
  • ウ 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合には、分割指示に係る処方せんを交付する。

ですが、個人的にはまだ一度も「分割調剤の指示」が記載されている処方箋を見たことがありません。
  
これをさらに進めるってことなので、もう30日を超える場合は分割調剤を行わないといけないってルールにして欲しいですよね。
前回の改定からそう思っています。
その場合はかかりつけ薬剤師に管理させる。
医療費削減にもつながるいいアイデアだと思うんだけどなあ。
  
  

個人的に気になった記載

個人的に気になった部分をメモがわりに・・・。

III-2(1)3
診療報酬明細書(レセプト)について、添付資料の見直しや算定理由等の摘要欄への記載事項を選択肢とする等の対応を行う。

III-2(2)1
電子レセプト等については、患者氏名にカタカナ併記の協力を求める。

Ⅳ-5
費用対効果の評価原価計算方式を含め、市場規模の大きい医薬品・医療機器を対象に、費用対効果を分析し、その結果に基づき薬価等を改定する仕組みを導入する。これに向けて、試行的実施の対象となっている13品目について、これまでの作業結果を踏まえ、平成30年4月から価格調整を実施するとともに、試行的実施において明らかになった技術的課題への対応策を整理する。

IV-6(1)
かかりつけ医が入院医療機関や介護保険施設等と連携して行う医薬品の適正使用に係る取組を評価する。