薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

平成30年1月19日 新薬承認一覧【ネキシウム懸濁用顆粒分包・アレサガテープ・エタネルセプトBS皮下注用・ネイリンカプセル】

新人薬剤師さんへ
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平成30年1月19日、新医薬品等の製造販売が承認されました。
今回承認されたのは、平成29年11月〜12月に薬食審で承認を了承されていた13品目と報告品目1つです。
部会の開催日ごとに分けて簡単にまとめてみます。
  
  

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平成29年11月2日 薬食審医薬品第一部会

承認が了承されていたネキシウムの小児適応と新剤型が承認されました。

  
  

ネキシウムカプセルの小児適応追加とネキシウム懸濁用顆粒分包

成分名:エソメプラゾールマグネシウム水和物
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018011901.html
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006781.html

アストラゼネカ株式会社と第一三共株式会社は、プロトンポンプ阻害剤「ネキシウム®カプセル 10mg・20mg」の胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎(初期治療)、非びらん性胃食道逆流症*、Zollinger-Ellison症候群の効能・効果に、1歳以上の幼児および小児の用法・用量を追加する一部変更承認、および同一の効能・効果を有する「ネキシウム®懸濁用顆粒分包10mg・20mg」の製造販売承認を本日取得しましたのでお知らせいたします。 

  

ネキシウムカプセルの小児適応追加

追加された用法・用量をまとめます。

  • ネキシウムカプセル10mg/20mg
    • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群:(小児)「通常、1歳以上の幼児及び小児にはエソメプラゾールとして、体重20kg未満では1回10mgを、体重20kg以上では症状に応じて1回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。」
    • 逆流性食道炎:(小児)「通常、1歳以上の幼児及び小児にはエソメプラゾールとして、体重20kg未満では1回10mgを、体重20kg以上では症状に応じて1回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、8週間までの投与とする。」
  • ネキシウムカプセル10mg
    • 非びらん性胃食道逆流症:(小児)「通常、1歳以上の幼児及び小児にはエソメプラゾールとして、1回10mgを1日1回経口投与する。なお、通常、4週間までの投与とする。」
  

新剤型 懸濁用顆粒分包

ネキシウム懸濁用顆粒分包は以下の2規格です。

  • ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg
  • ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg

  
適応・用法用量はカプセルと同じになっています。
なので、懸濁用顆粒分包は小児に限らず成人にも使用可能となります。
ネキシウムカプセルは小さくカプセルを外しにくいので、懸濁用顆粒分包は高齢者等、嚥下困難な方への使用が期待できますね。
  
  

平成29年11月6日 薬食審医薬品第二部会

承認が了承されていた4品目と報告品目だったエタネルセプトBS皮下注用が承認されました。

  
  

アレサガテープ

成分名:エメダスチンフマル酸塩

  • アレサガテープ4mg
  • アレサガテープ8mg

  
http://www.hisamitsu.co.jp/company/pdf/news_release_180119.pdf

久光製薬株式会社 は、経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤「アレサガ®テープ 4mg」および「アレサガ®テープ 8mg」の国内製造販売承認を本日付で取得いたし ましたので、お知らせいたします。

  

レミカットのテープ剤

アレサガテープの成分はレミカットカプセルと同じエメダスチンフマル酸塩です。
レミカットは1日2回だったので、1日1回の貼付で済むというのがメリットなんでしょうか?
そのほかにどんなメリットがあるのか?が気になります。
  
  

エタネルセプトBS皮下注用

今回承認されたものの中で唯一の報告品目です。
  
成分:エタネルセプト(遺伝子組換え)

  • エタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」
  • エタネルセプトBS皮下注用25mg「MA」
  • エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」
  • エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」

効能効果:既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
  
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1545536

持田製薬株式会社と あゆみ製薬株式会社は、 エタネルセプトのバイオ後続品「エタネルセプト BS「MA」」(開発コード:LBEC0101)について、本日、持田製薬が製造販売承認を取得しましたのでお知らせ 致します。

  
エンブレルのバイオシミラーですね。
一般名は「エタネルセプト後続1」になります。
  
  

テセントリク点滴静注

成分名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)

  • テセントリク点滴静注1200mg

効能効果:切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20180119150000.html

中外製薬株式会社は、抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク®点滴静注1200mg」に関し、本日、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。

  
国内ではバベンチオ点滴静注(成分名:アベルマブ(遺伝子組換え)、適応:メルケル細胞がん)に続く、2番目の抗PD-L1抗体になります。
  
  

デュピクセント皮下注

成分名:デュピルマブ(遺伝子組換え)

  • デュピクセント皮下注300mgシリンジ

効能効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
  
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/download.jsp?file=E3D59EAC-8C1E-4E5D-B1D8-F93A7283C470.pdf

サノフィ株式会社は本日、アトピ ー性皮膚炎治療薬であるデュピクセント®皮下注 300mgシリンジについて、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせします。

  
IL-4及びLI-13を介したシグナル伝達を特異的に阻害するヒトIgG4モノクローナル抗体で、日本国内では初めてのアトピー性皮膚炎に対する抗体医薬品となります。(海外ではすでに発売済み)
  
  

ネイリンカプセル

成分:ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物

  • ネイリンカプセル100mg

効能効果:〈適応菌種〉皮膚糸状菌(トリコフィトン属)、〈適応症〉爪白癬
  
http://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2018/180119/

佐藤製薬株式会社は、有効成分ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物を含有した経口抗真菌剤「ネイリン®カプセル100mg」について、「爪白癬」を効能・効果とする医薬品製造販売承認を2018年1月19日付で取得いたしました。佐藤製薬とエーザイ株式会社は、本剤に関連する適正使用情報を共同で提供いたします。

  
CYP3A阻害作用が弱く、相互作用を起こす薬剤が少ないトリアゾール系抗真菌薬です。
体内でラブコナゾールに変換されることで効果を発揮するプロドラッグです。
  
  

平成29年12月4日 薬食審医薬品第一部会

承認が了承されていた4品目が正式に承認されました。

  
  

イブリーフ静注

成分名:イブプロフェンL-リシン

  • イブリーフ静注20mg

効能効果:下記疾患で保存療法(水分制限、利尿剤投与等)が無効の場合 未熟児動脈管開存症
  
未熟児動脈管開存症は、本来、出産後に閉鎖する大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が、早産などの理由により、生後も閉鎖せず、発育不全や呼吸困難、頻拍などの症状を引き起こし、長期予後を悪化させる可能性がある疾患です。
イブリーフはイブプロフェンによる動脈管の収縮を促す作用を期待して開発された医薬品です。
  
  

グーフィス錠

成分名:エロビキシバット水和物

  • グーフィス錠5mg

効能効果:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
  
https://www.eapharma.co.jp/news/2018/0119.html

エーザイ株式会社とその消化器事業子会社であるEAファーマ株式会社ならびに持田製薬株式会社は、胆汁酸トランスポーター阻害剤「グーフィス®錠5mg」(開発番号:AJG533)について、本日、EAファーマが日本において、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)に係る製造販売承認を取得したことをお知らせします。

  
胆汁酸の再吸収にかかわるトランスポーターを阻害することで自然な排便を促す新規機序の便秘治療薬です。
1日1回の服用で効果を発揮します。
  
1錠5mgですが、常用量は10mg。
最大で15mgまで増量可能とのことです。
食前服用、5時間くらいで効果発現とのこと。
  
  

ナルベイン注

成分名:ヒドロモルフォン塩酸塩

  • ナルベイン注2mg
  • ナルベイン注20mg

効能・効果:中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
  
μオピオイド受容体作動で、すでに発売されている経口剤のナルラピド錠(即放性製剤)とナルサス錠(1日1回徐放性製剤)と同じ成分です。
あへん系麻薬性鎮痛剤で、WHOのがん疼痛治療ガイドラインでは、疼痛管理の標準薬に位置付けられています。
  
  

レキサルティ錠

成分名:ブレクスピプラゾール

  • レキサルティ錠1mg
  • レキサルティ錠2mg

効能効果:統合失調症
  
https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2018/20180119_1.html

大塚製薬株式会社
は、統合失調症の治療薬として「レキサルティ錠®1mg、同2mg 」の国内における製造販売承認を1月19日に取得しましたのでお知らせします。

  
ブレクスピプラゾールはエビリファイ(一般名:アリピプラゾール)の構造変換の過程で発見された化合物のようです。
SDAM(Serotonin-Dopamine Activity Modulator)という新しいタイプの非定型抗精神病薬で、ドパミンD2受容体・セロトニン5HT1A受容体にはパーシャルアゴニストとして作用、セロトニン5HT2A受容体にはアゴニストとして作用するようです。
(ちなみに、エビリファイはDSS(Dopamin System Stabilizer)と呼ばれています。)
ブレクスピプラゾールはアリピプラゾールと比較して副作用が少ないという報告があるようです。
  
  

平成29年11月24日 薬食審・医薬品第二部会

承認が了承されていた4品目が正式に承認されました。
  
  

サチュロ錠

成分名:ベダキリンフマル酸塩

  • サチュロ錠100mg

効能効果:<適応菌種>本剤に感性の結核菌、<適応症>多剤耐性肺結核
  
http://www.janssen.com/japan/press-release/20180119

ヤンセンファーマ株式会社は本日、抗結核薬「サチュロ®錠 100mg」について、多剤耐性肺結核を適応症として製造販売承認を取得しました。

  
ジアリルキノリン系抗結核薬で新規作用機序により抗結核作用を発揮します。
多剤耐性肺結核治療における多剤併用療法の1剤として期待されます。
  
  

ファセンラ皮下注

成分名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え

  • ファセンラ皮下注30mgシリンジ

効能効果:気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
  
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018011902.html

アストラゼネカ株式会社は本日、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とした「ファセンラ®皮下注30mgシリンジ」の国内における製造販売承認を取得しましたことをお知らせいたします。

  
ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤です。
好酸球の表面に発現するIL-5(インターロイキン-5)受容体αに作用し、ADCC(Antibody- Dependent-Cellular-Cytotoxicity、抗体依存性細胞傷害)活性を高めることで、好酸球を除去し症状を抑えます。
  
  

ベスポンサ点滴静注用

成分名:イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)

  • ベスポンサ点滴静注用1mg

効能効果:再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病
  
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2018/2018_01_19.html

ファイザー株式会社は、2018年1月19日(金)、「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体「ベスポンサ®点滴静注用1mg」の製造販売承認を取得いたしましたのでお知らせいたします。

  
イノツズマブオゾガマイシンは抗体-薬物複合体です。
抗体部分のイノツズマブがB細胞性急性リンパ性白血病のがん細胞の表面に発現するCD22抗原を標的として結合し、細胞傷害性を有するオゾガマイシンが細胞を破壊することで効果を発揮します。
  
  

リムパーザ錠

成分名:オラパリブ

  • リムパーザ錠100mg
  • リムパーザ錠150mg

効能効果:白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
  
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018011903.html

アストラゼネカ株式会社は本日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果とした「リムパーザ錠」(300mg1日2回投与)の国内における製造販売承認を取得したことをお知らせします。リムパーザは、本邦初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤です。

  
リムパーザは世界初のPARP(Poly(ADP-Ribose) Polymerases、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ)阻害剤です。
DDR(DNA Damage Response、DNA損傷応答)機能が機能していないがん細胞をターゲットして作用し、細胞死を誘導します。
  

リムパーザ薬価収載前の無償提供

アストラゼネカは、治療選択肢が極めて限られている再発卵巣がん患者さんの緊急の要望に一日も早くお応えするために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、本剤の無償提供を実施いたします。

素晴らしいですね。
  
  

薬価収載は少し先

薬価収載は4月くらいになるようなので、発売まで少し時間がありますね。