薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

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【アバプロ・イルベタン】平成29年12月に登場するジェネリック医薬品についてまとめました【リピディル・トライコア】

調剤報酬改定に関する記事はこちらです。

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平成29年12月8日、後発医薬品などの薬価収載が行われました。
(薬価基準収載:医療用の医薬品の値段は国によって薬価として決められています。簡単にいうとそれが決まることを薬価基準収載と言います。)
薬価収載された後発医薬品のうち、初めてジェネリック医薬品が登場するのは9成分です。
今回、個人的に気になるのは、イルベサルタン、ベポタスチン、フェノフィブラート、トラセミドといったところですね。
(薬価等、あくまでも平成29年12月時点での情報です)
  
  

  
  
今回薬価収載された品目は下記に一覧表としてまとめています。

  
  

成分として初めて収載されたジェネリック医薬品

今回、初めて後発医薬品が薬価収載されたものをリストアップします。

  • イルベサルタン(先発医薬品名:アバプロ・イルベタン)※
  • ベポタスチンベシル酸塩(先発医薬品名:タリオン)※
  • フェノフィブラート(先発医薬品名:トライコア・リピディル)
  • シタフロキサシン水和物(先発医薬品名:グレースビット)
  • アダパレン(先発医薬品名:ディフェリンゲル)
  • ファムシクロビル(先発医薬品名:ファムビル)
  • トラセミド(先発医薬品名:ルプラック)
  • ロピニロール塩酸塩(先発医薬品名:レキップCR)
  • テモゾロミド(先発医薬品名:テモダール)

  
なお、※印がついたものについてはAG(オーソライズド・ジェネリック)が薬価収載されています。
  
  

今回収載されたAG

今回薬価収載されたオーソライズドジェネリックをまとめます。

  • イルベサルタン錠「DSPB」
  • ベポタスチンベシル酸塩錠「タナベ」
  • ベポタスチンベシル酸塩OD錠「タナベ」
  • ロスバスタチンOD錠「DSEP」
  • クエンメット配合錠(H29.12.16追記)
  • クエンメット配合散(H29.12.16追記)

  
DSPBは大日本住友製薬グループのジェネリック販売を担うDSファーマバイオメディカルの製品です。
  
タリオンのAGは「タナベ」の名称がついていますが販売するのは二プロESファーマです。
(二プロESファーマは田辺三菱製薬のジェネリック販売を担っていた田辺製薬販売が二プロに売却された結果できた会社です)
  
ロスバスタチンは普通錠のAGがすでに発売されています。
今回はOD錠がAGとして追加されますが、同じく第一三共エスファ(DSEP)からの販売です。
  
(H29.12.16追記)
クエンメット配合錠/配合散はかなり特殊なケースです。
先発品(ウラリット)を製造している日本ケミファの子会社である日本薬品工業が販売していたウリンメットを名称変更、同時にAG化して添加物等も先発品と同様になります。
  

オーソライズドジェネリック(AG)とは?

簡単に言うと、先発医薬品を製造するメーカーから特許の許諾を受けて製造されるジェネリック医薬品です。
医薬品の特許には成分だけじゃなく、製造方法や使用方法(効能・効果)など多岐に渡りますが、そういった問題を全てクリアして発売することが可能なジェナリック医薬品です。
また、特許期間に許諾を受ければ他のジェネリック医薬品よりも早く販売することも可能です。
  
オーソライズドジェネリックをわかりやすく説明すると、先発医薬品の完璧なコピーが可能な後発医薬品と言うことになりますね。
違うのは、製造メーカー、薬品名、包装等のデザイン(似せてある場合が多いですが)くらいです。
先発医薬品の特許を取得している会社の子会社や提携会社が特許の許諾を受けて販売することが多いです。
Authorised Generic(認可を受けたジェネリック医薬品)を略してAGと呼んでいます。
  
ジェネリック医薬品の使用に不安がある方にとっては非常に進めやすいものになります。
ですが、近年、大手のメーカーも参入していますし、ジェネリック医薬品の品質は向上しているので、個人的にはAGにこだわらなくてもいいかなと思ったりもします。
  
  

先発医薬品には存在しない剤型/規格を持つジェネリック医薬品

剤型っていうのは「錠剤」とか「カプセル」とか、「軟膏」とか「クリーム」とか有効成分を使用するに当たって決められた医薬品の形のことです。
規格というのは1錠(カプセル)あたりの有効成分の含量を表す「mg」とか「%」などのことです。
  

先発医薬品にはない剤型が発売されるジェネリック医薬品

先発医薬品に存在しない剤型のジェネリック医薬品がいくつか発売されます。

  • イルベサルタンOD錠:先発品のアバプロ/イルベタンは普通錠のみ
  • アダパレンクリーム:先発品のディフェリンはゲルのみ
  • テモゾロミド錠:先発品のテモダールはカプセルのみ

  

先発医薬品にはない規格が発売されるジェネリック医薬品

先発医薬品に存在しない規格を持つジェネリック医薬品も発売されます。

  • タクロリムス錠2mg:先発品のタクロリムスカプセルは0.5mg/1mg/5mg、ジェネリックにも2mgはなかった
  • ファムシクロビル錠500mg:先発品のファムビル錠は250mgのみ
  • ロスバスタチン錠10mg:先発品のクレストール錠は2.5mg/5mgのみ
  • ロスバスタチンOD錠10mg:先発品のクレストールOD錠は2.5mg/5mgのみ

  
  

剤型・規格が追加になったジェネリック医薬品

成分としてはすでに発売されていましたが、今回、新たに剤型や規格が追加されたジェネリック医薬品(先発品にはすでに存在しているもの)もあります。

  • ロスバスタチンOD錠2.5mg:ロスバスタチン錠2.5mg(先発品:クレストール)はすでに発売
  • ロスバスタチンOD錠5mg:ロスバスタチン錠5mg(先発品:クレストール)はすでに発売

  
  

平成29年12月8日に初めて薬価収載された後発医薬品

まずは今回初めて薬価収載された成分の後発医薬品についてまとめていきます。
  
  

アバプロ・イルベタンのジェネリック医薬品

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬に分類される降圧剤(高血圧治療薬)のアバプロ・イルベタン(成分名:イルベサルタン)に初めて後発医薬品が登場します。
(イルベサルタンは大日本住友製薬はアバプロ錠、塩野義製薬はイルベタン錠として販売しています)
  
イルベサルタンは先発医薬品と同じ普通錠に加えて、OD錠が販売されます。
(OD錠:Oral Disintegrationの略。唾液など少しの水分で溶けるように作られた錠剤)
普通錠は10社から、OD錠は1社のみからの販売です。
気になる薬価ですが、薬価は先発医薬品の0.5掛けとなっています。
(組成・剤形・規格が同一の後発品の銘柄数が10を超えた場合は0.4掛けとなりますが、ちょうど10なので0.5掛けで薬価が決定しています。)
  

イルベサルタン錠

  • イルベサルタン錠50mg
    • 薬価:29.5円/錠
    • 先発医薬品名:アバプロ錠50mg(薬価:59.1円/錠)/イルベタン錠50mg(薬価:58.8円/錠)
    • 販売メーカー:DSPB、EE、KN、オーハラ、ケミファ、サワイ、トーワ、ニプロ、共創未来、日医工
  • イルベサルタン錠100mg
    • 薬価:56.2円/錠
    • 先発医薬品名:アバプロ錠100mg(薬価:112.7円/錠)/イルベタン錠100mg(薬価:111.9円/錠)
    • 販売メーカー:DSPB、EE、KN、オーハラ、ケミファ、サワイ、トーワ、ニプロ、共創未来、日医工
  • イルベサルタン錠200mg
    • 薬価:84.3円/錠
    • 先発医薬品名:アバプロ錠200mg(薬価:173.2円/錠)/イルベタン錠200mg(薬価:170.8円/錠)
    • 販売メーカー:DSPB、EE、KN、オーハラ、ケミファ、サワイ、トーワ、ニプロ、共創未来、日医工
  

イルベサルタンOD錠

アバプロ/イルベタンにはOD錠は存在しないので、イルベサルタンのOD錠は初めて追加される剤型になります。
「トーワ」のみからの発売となっています。
薬価は普通錠と同じになっています。

  • イルベサルタンOD錠50mg「トーワ」(薬価:29.5円/錠)
  • イルベサルタンOD錠100mg「トーワ」(薬価:56.2円/錠)
  • イルベサルタンOD錠200mg「トーワ」(薬価:84.3円/錠)

  
まだ味見をしてないので確定ではないですけど、高齢者で薬を飲み込むのが難しい方も多いので、うちの薬局ではAG(DSPB)ではなく、トーワ(東和薬品)のOD錠を採用しようかなって考えています。
アバプロを使う先生とイルベタンを使う先生がいたので、皆さんがジェネリック医薬品でもいいよって言ってくれたら、イルベサルタンOD錠で統一して在庫が整理できるのでそこにもちょっと期待していたりします。
  
  

タリオンのジェネリック医薬品

第二世代抗ヒスタミン薬に分類されるアレルギー治療薬のタリオン(成分名:ベポタスチンベシル酸塩)に初めて後発医薬品が登場します。
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚のかゆみなどに効果を発揮します。

ベポタスチンベシル酸塩はAGである「タナベ」1社のみが薬価収載されています。
薬価は先発医薬品の0.5掛けです。

  • ベポタスチンベシル酸塩錠5mg「タナベ」(薬価:19.2円/錠)
  • ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「タナベ」(薬価:23.2円/錠)
  • ベポタスチンベシル酸塩OD錠5mg「タナベ」(薬価:19.2円/錠)
  • ベポタスチンベシル酸塩OD錠10mg「タナベ」(薬価:23.2円/錠)

ちなみに、先発医薬品の薬価は以下の通りです。

  • タリオン錠5mg/タリオンOD錠5mg(薬価:38.3円/錠)
  • タリオン錠10mg/タリオンOD錠10mg(薬価:46.4円/錠)

  
上にも書きましたが、田辺製薬販売にちなんで「タナベ」となっていますが、販売するのは田辺製薬販売を買収した二プロESファーマです。
  

発売は少し先の予定

すぐに発売するのかと思いきや、平成30年3月以降の販売予定とのことです。
生産が間に合いそうにないのかな?
花粉症にはなんとか間に合いそうですね。
  

タリオンGEは成人のみの適応

AGだから全部の効能・効果を持っているかと思いきや、小児適応は取得していないようです。
成人のみにしか使用できないっていうのは注意ですね。
  
  

トライコア・リピディルのジェネリック医薬品

フィブラート系高脂血症治療薬のトライコア錠、リピディル錠(成分名:フェノフィブラート)に初めて後発医薬品が登場します。
(フェノフィブラート錠は帝人製薬はトライコア錠、あすか製薬はリピディル錠として販売しています)
  
1社のみからの販売なので薬価は先発品の0.5掛けとなるところですが、何故か先発品の薬価の59%となっています。
これは何故なんでしょう?
誰か知っている人がいたら教えてください。
  ↓
(H29.12.16追記)
すでに発売されているフェノフィブラートカプセル「KTB」の薬価に合わせた可能性がありますね。

  • フェノフィブラートカプセル67mg「KTB」:16.7円/錠
  • フェノフィブラートカプセル100mg「KTB」:21.7円/錠

フェノフィブラートカプセル「KTB」はリピディル錠/トライコア錠の剤型違い後発品です。
(正確には、リピディルカプセル/トライコアカプセルの後発品ですね)
junさん、情報提供ありがとうございます。
  
武田テバからの発売になるのでてっきりAGかと思いきや(あすか製薬は武田薬品と資本関係にあり、武田テバは名前からもわかるように武田薬品が出資して作られた会社です)、AGではないようですね。

  • フェノフィブラート錠53.3mg
    • 薬価:16.7円/錠
    • 販売メーカー:武田テバ
    • 先発医薬品名:トライコア錠53.3mg・リピディル錠53.3mg(薬価:28.4円/錠)
  • フェノフィブラート錠80mg
    • 薬価:21.8円/錠
    • 販売メーカー:武田テバ
    • 先発医薬品名:トライコア錠80mg(薬価:36.9円/錠)、リピディル錠80mg(薬価:37.0円/錠)
  

フェノフィブラートを成分とする薬は他にもあるの?

実は、フェノフィブラートを成分とする後発医薬品はすでに発売されているんです。

  • フェノフィブラートカプセル67mg「KTB」
  • フェノフィブラートカプセル100mg「KTB」

でも、今回のフェノフィブラート錠は初めて後発医薬品が発売されたものに該当します。
mgの数字を見てください。
フェノフィブラートカプセルはリピディル錠/トライコア錠とはmgの数字が異なりますね。
実は現在使用されているリピディル錠/トライコア錠とは別に、以前はリピディルカプセル/トライコアカプセルが存在したんです。
その頃はリピディルカプセル/トライコアカプセルは67mgと100mgでした。
それを改良したのが現在使用されているリピディル錠/トライコア錠なんです。
(有効成分が溶けやすく改良することで吸収を高め、成分の量を減らしても同じ効果を発揮できるようにしてあります)
つまり、

  • すでに発売されているフェノフィブラートカプセル=現在は発売されていないリピディルカプセル/トライコアカプセルのジェネリック
  • 今回発売されるフェノフィブラート錠=現在使用されているリピディル錠/トライコア錠のジェネリック

ということになります。
なので、リピディル/トライコアのジェネリック医薬品としては今回のフェノフィブラート錠が初めてってことになりますね。
  
  

グレースビットのジェネリック医薬品

ニューキノロン系抗菌剤のグレースビット錠(成分名:シタフロキサシン)に初めて後発医薬品が登場します。
  
シタフロキサシンは錠剤のみ、シタフロキサシン錠50mg「サワイ」一社のみの販売です。
なんで一社のみなのか、調べて見たけど特に情報はないですね・・・。
グレースビット錠の使用量がそこまで多くない(はず)ので、各社そこまで利益をあげることができないと判断したのか・・・?
第一三共エスファもAGを取得していましたが、今回は結局発売されてませんね。

  • シタフロキサシン錠50mg
    • 薬価:92.5円/錠
    • 販売メーカー:サワイ
    • 先発医薬品名:グレースビット錠50mg(薬価:216.7円/錠)
1社からの発売にも関わらず、薬価が先発品の0.5掛けよりもかなり安いのはグレースビット錠が新薬創出加算の対象となっているためです。
グレースビット錠から新薬創出加算を除いた薬価に対して0.5掛けとなっているようなので、実際は42%くらいの薬価になっていますね。
  

新薬創出・適応外薬解消等促進加算

詳しくは下記のリンクを参照してください。

革新的な新薬の創出や適応外薬等の開発を目的に、後発品のない新薬で値引率の小さいものに一定率までの加算を行うもの。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000026256.pdf
ただ、この加算については、平成30年4月に予定されている薬価制度改革で大きく見直される予定です。
  
  

ディフェリンゲルのジェネリック医薬品

尋常性ざ瘡(ニキビ)治療薬のディフェリンゲル(成分名:アダパレン)に初めて後発医薬品が登場します。
  
アダパレンは先発品(ディフェリン)と同じゲルに加えて、新剤型であるクリームも販売されます。
先発品のディフェリンゲルの特徴として、使用後の皮膚の刺激感等の副作用があります。
これはアダパレンによる皮膚のピーリング作用(角質を剥がす作用)によるもので、副作用というよりは作用の一部です。
先発医薬品とジェネリック医薬品は添加物が同じ必要はありません。
塗り薬の場合、先発医薬品と後発医薬品で使用感の違いが生じることは珍しくありませんが、アダパレンの場合は皮膚の刺激感等の違いが現れる可能性がありますね。
特に、クリームという剤型の違いがどのように働くかが気になるところです。
  

アダパレンゲル

アダパレンゲルは7社からの発売となっているので、薬価は先発品の0.5掛けですね。

  • アダパレンゲル0.1%
    • 薬価:50.3円/g
    • 販売メーカー:JG、TCK、YD、テイコク、ニプロ、共創未来、日新
    • 先発医薬品名:ディフェリンゲル0.1%(薬価:120.9円/g)
  

アダパレンクリーム

アダパレンクリームはニプロ一社からの発売です。
クリーム剤ということで、ゲルに比べてさらっとした使用感なのではないかと思います。
ですが、アダパレンの性質上、広い範囲に塗るものではないので使用感の良さを感じることは少ないのではないかと思いますが・・・。
刺激感が少なくなる等のメリットってあるんでしょうか?(調べて見たけど今の所そういう情報はありませんでした)

  • アダパレンクリーム0.1%「ニプロ」(薬価:50.3円/g)

  
  

ファムビルのジェネリック医薬品

単純疱疹ヘルペス、帯状疱疹ヘルペスに対して効果を発揮する抗ウイルス剤であるファムビル(成分名:ファムシクロビル)に初めて後発医薬品が登場します。
  
10社からの発売なので薬価は先発品の0.5掛けですが、ファムビルは新薬創出加算の対象となっている医薬品なので、その加算が引かれたものの0.5掛けとなり、実際は先発品の42%くらいの薬価になっています。
また、ファムシクロビル錠には先発医薬品には存在しない500mgの規格が新しく追加されています。

  • ファムシクロビル錠250mg
    • 薬価:209.7円/錠
    • 販売メーカー:DSEP、JG、KN、YD、サワイ、タカタ、トーワ、ファイザー、共創未来、日医工
    • 先発医薬品名:ファムビル錠250mg(薬価:489.9円/錠)
  • ファムシクロビル錠500mg
    • 薬価:289.8円/錠
    • 販売メーカー:DSEP、KN
    • 先発医薬品名:ファムビル錠250mg(2錠分の薬価:979.8円/錠)
  

ファムシクロビル錠500mgのメリット

単純疱疹に対しては1回1錠の服用ですむファムビルですが、帯状疱疹の場合、1回2錠(250mg×2錠=500mg)の使用になります。
500mg錠の登場で、帯状疱疹の場合はこちらを使えば1回1錠ですみます。
500mg錠の薬価はかなり安くなっており、先発品のファムビル錠250mg 2錠に対して、ジェネリックのファムシクロビル錠500mg 1錠は30%程度!になっています。
ちなみに、500mgは2社から発売されますが、どちらも割線がついているので割れば単純疱疹の場合でも他社より安く・・・。
うちの薬局ではファムビルを触ることがないんですが、ファムシクロビル錠500mgはDr.に提案してみてもいいかもなあ・・・って思っています。
  
  

ルプラックのジェネリック医薬品

ループ系利尿剤ルプラック(成分名:トラセミド)に初めて後発医薬品が登場します。
  
何故かこれまでジェネリック医薬品が存在しなかったトラセミドですが、何故かこのタイミングで1社のみから販売されます。
ひょっとして、AG?とも思いましたが、どうも違うようですね。
1社のみからの販売なので薬価は先発品の0.5掛けとなっています。

  • トラセミド錠4mg
    • 薬価:11.7円/錠
    • 販売メーカー:KO
    • 先発医薬品名:ルプラック錠4mg(薬価:23.4円/錠)
  • トラセミド錠8mg
    • 薬価:18.5円/錠
    • 販売メーカー:KO
    • 先発医薬品名:ルプラック錠8mg(薬価:37.0円/錠)
  

ルプラックの特徴

ループ利尿薬といえばラシックス(成分名:フロセミド)というくらいで、ルプラックはそこまで使用量の多い薬剤ではありません。
ですが、うちの薬局では結構使用頻度が高いので今回のジェネリックを採用しようと思っています。
よく使う薬局(病院)とそうでない薬局で使用量に差がある薬剤な気がしますね。
  
その特徴ですが、ルプラックがカリウム保持性ループ利尿薬とも呼ばれているところにあります。
ループ利尿薬は強い利尿作用を持っているため、様々な原因による浮腫の改善に使用されていますが、電解質の排泄により血中のカリウム濃度を下げてしまうという欠点があります。
そのため、抗アルドステロン作用を持つカリウム保持性利尿薬と併用することで、カリウムの血中濃度を下げすぎないようにする必要があります。
(※アルドステロン:鉱質コルチコイドと呼ばれるホルモンの一種で、カリウムやナトリウムなどの電解質や水の排泄に関与している物質)
ですが、ルプラックはループ利尿薬の性質を持つと同時に抗アルドステロン作用も持っているので、カリウムを維持しつつ、利尿作用を発揮することが可能となっています。
  
  

レキップCR錠のジェネリック医薬品

パーキンソン病治療薬のレキップCR(成分名:ロピニロール塩酸塩)に初めて後発医薬品が登場します。
  
レキップ錠のジェネリック医薬品(ロピニロール塩酸塩錠)はすでに発売されていたのですが、レキップCR錠(Controlled Release:体内でゆっくり有効成分を放出するような技術で作られた錠剤)は初めてです。
レキップ錠が1日3回飲まないといけないのに対して、レキップCR錠は1日1回で効果を発揮することが可能になっています。
2社のみからの発売なので薬価は先発品の0.5掛けとなるところですが、レキップCR錠は新薬創出加算の対象となっている医薬品なので、その加算が引かれたものの0.5掛けとなり、実際は先発品の45%くらいの薬価になっています。

  • ロピニロール塩酸塩徐放錠2mg
    • 薬価:127.9円/錠
    • 販売メーカー:トーワ、共創未来
    • 先発医薬品名:レキップCR錠2mg(薬価:281.2円/錠)
  • ロピニロール塩酸塩徐放錠8mg
    • 薬価:439.4円/錠
    • 販売メーカー:トーワ、共創未来
    • 先発医薬品名:レキップCR錠8mg(薬価:966.0円/錠)
  
  

テモダールカプセルのジェネリック医薬品

悪性神経膠腫治療薬のテモダールカプセル(成分名:テモゾロミド)に初めて後発医薬品が登場します。
ちなみに、後発品はカプセルではなく錠剤の剤型での発売です。
  
1社のみからの販売なので薬価は先発品の0.5掛けとなるところですが、テモダールカプセルは新薬創出加算の対象となっている医薬品なので、その加算が引かれたものの0.5掛けとなり、実際は先発品の41%くらいの薬価になっています。

  • テモゾロミド錠20mg
    • 薬価:1,398.5円/錠
    • 販売メーカー:NK
    • 先発医薬品名:テモダールカプセル20mg(薬価:3,370.1円/カプセル)
  • テモゾロミド錠100mg
    • 薬価:6,992.3円/錠
    • 販売メーカー:NK
    • 先発医薬品名:テモダールカプセル100mg(薬価:16,859.2円/カプセル)
  
  

その他、気になる後発医薬品

今回初めて発売されるわけではないですが、気になる後発品についてもまとめておきます。
  

クレストールのジェネリックが一斉発売

スタチン系高脂血症治療薬のクレストール(成分名:ロスバスタチン)のジェネリックが最大22社から発売されます。
第一三共エスファからロスバスタチン錠2.5mg「DSEP」、ロスバスタチン錠5mg「DSEP」の2規格がAGとして9月に発売されていました。
今回、他社が一斉に発売すると同時に、OD錠についてはAGを含めて発売。
さらには先発医薬品には存在しない10mgの規格も登場します。
  

ロスバスタチン錠

まずは、ロスバスタチンの普通錠から。
2.5mgと5mgは22社からの発売です。
10mgは先発医薬品がないため、計算方法が異なり、かなり安い薬価が設定されました。
そのため、先発品のクレストール錠5mg 2錠と比較した場合、23%という大変安い薬価になっています。
ただ、クレストールって結構効果が高いので10mg飲んでいる人はそんなに多くないと思いますけどね。

  • ロスバスタチン錠2.5mg
    • 薬価:25.2円/錠
    • 販売メーカー:EE、JG、MEEK、TCK、YD、アメル、オーハラ、ケミファ、サワイ、サンド、ゼリア、タカタ、トーワ、ニプロ、ファイザー、杏林、科研、共創未来、三和、日医工、日新、武田テバ
    • 先発医薬品名:クレストール錠2.5mg(薬価:63.1円/錠)
  • ロスバスタチン錠5mg
    • 薬価:48.4円/錠
    • 販売メーカー:EE、JG、MEEK、TCK、YD、アメル、オーハラ、ケミファ、サワイ、サンド、ゼリア、タカタ、トーワ、ニプロ、ファイザー、杏林、科研、共創未来、三和、日医工、日新、武田テバ
    • 先発医薬品名:クレストール錠5mg(薬価:121.3円/錠)
  • ロスバスタチン錠10mg
    • 薬価:56.7円/錠
    • 販売メーカー:タカタ、トーワ
    • 先発医薬品名:クレストール錠5mg(2錠分の薬価:242.6円/錠)
  

ロスバスタチンOD錠

続いてOD錠。
2.5mgと5mgは、AGである「DSEP」を含めて16社からの発売になります。
薬価については普通錠と同じです。
やはり10mgが安い!

  • ロスバスタチンOD錠2.5mg
    • 薬価:25.2円/錠
    • 販売メーカー:DSEP、EE、JG、MEEK、TCK、YD、アメル、オーハラ、ケミファ、サワイ、タカタ、トーワ、科研、共創未来、三和、日医工
    • 先発医薬品名:クレストールOD錠2.5mg(薬価:63.1円/錠)
  • ロスバスタチンOD錠5mg
    • 薬価:48.4円/錠
    • 販売メーカー:DSEP、EE、JG、MEEK、TCK、YD、アメル、オーハラ、ケミファ、サワイ、タカタ、トーワ、科研、共創未来、三和、日医工
    • 先発医薬品名:クレストールOD錠5mg(薬価:121.3円/錠)
  • ロスバスタチンOD錠10mg
    • 薬価:56.7円/錠
    • 販売メーカー:トーワ
    • 先発医薬品名:クレストールOD錠5mg(2錠分の薬価:242.6円/錠)
  

販売メーカーの違いやAGとの薬価の違いに注意!

2.5mgと5mgに関して、普通錠のみ販売してOD錠を販売していないのは、
サンド、ゼリア、ニプロ、ファイザー、杏林、日新、武田テバ
の6社です。
10mgについては、普通錠はタカタとトーワが販売していますが、タカタはOD錠は販売していません。
  
一つ気になるというか注意するポイントがAGの薬価。
今回発売されたロスバスタチンOD錠「DSEP」は他のメーカーと同じ薬価です。
ただ、先行発売していたロスバスタチン錠「DSEP」については薬価が高くなっています。

  • ロスバスタチン錠2.5mg「DSEP」:31.6円/錠(他社:25.2円/錠)
  • ロスバスタチン錠5mg「DSEP」:60.7円/錠(他社:48.4円/錠)

これは先に発売されたから・・・というよりも後発医薬品の薬価の付け方のルールの問題ですね。

同規格のジェネリック医薬品を合計した銘柄数が初めて10を超える場合は、特例として当該ジェネリック医薬品が初収載されてから次回薬価基準改定までは先発医薬品の薬価の40%

  
うちの薬局はロスバスタチン錠「DSEP」をすでに採用しているので、少しでも安くなるロスバスタチンOD錠「DSEP」に切り替えようかなあと考えていましたが、平成30年4月に予定されている薬価制度改革で後発医薬品の1価格帯への集約の可能性もあり、様子を見ている状態です。
  
  

オルメテックOD錠のジェネリックも薬価に注意!

オルメテックOD錠のジェネリックも今回一斉に発売になっています。
6月にオルメテック錠のジェネリックは多くの会社から発売されていましたが、オルメサルタンOD錠はAGである「DSEP」のみの発売でした。
今回、OD錠についても多くの会社から販売されることになったのですが、ここでも薬価に注意が必要です。

  • オルメサルタン5mg
    • 先発:オルメテック錠5mg/OD錠5mg:薬価31.5円/錠
    • 後発:オルメサルタン錠5mg/OD錠5mg 各社:薬価12.5円/錠
    • 後発:オルメサルタンOD錠5mg「DSEP」(AG):薬価15.6円/錠
  • オルメサルタン10mg
    • 先発:オルメテック錠10mg/OD錠10mg:薬価59.3円/錠
    • 後発:オルメサルタン錠10mg/OD錠10mg 各社:薬価23.7円/錠
    • 後発:オルメサルタンOD錠10mg「DSEP」(AG):薬価29.6円/錠
  • オルメサルタン20mg
    • 先発:オルメテック錠20mg/OD錠20mg:薬価112.8円/錠
    • 後発:オルメサルタン錠20mg/OD錠20mg 各社:薬価45.1円/錠
    • 後発:オルメサルタンOD錠20mg「DSEP」(AG):薬価56.4円/錠
  • オルメサルタン40mg
    • 先発:オルメテック錠40mg/OD錠40mg:薬価171.5円/錠
    • 後発:オルメサルタン錠40mg/OD錠40mg 各社:薬価67.7円/錠
    • 後発:オルメサルタンOD錠40mg「DSEP」(AG):薬価84.6円/錠
ジェネリックの中でAGであるオルメサルタンOD錠「DSEP」だけが高くなっています。
6月に発売された時、普通錠は10社を超えて発売されたので0.4掛けだったのに対し、OD錠はAGであるDSEP1社の販売だったので0.5掛けになってしまいました。
で、今回のOD錠各社の販売に際しては、ジェネリックで最も安い普通錠の薬価が採用されたので、AGのみ高いという結果になっています。
  

もう一つ気になる匂い

オルメサルタンOD錠で気になるのは匂い。
これは先発品のオルメテックOD錠でも同じ・・・というか成分由来のものです。
添付文書を見てみると、

においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。

と記載されていますが、全然わずかじゃないって!
普通に飲む分にはわかりませんが、口の中で味わってしまうと後から発酵物のような匂い(かなり良く言えばヨーグルト)が追いかけてきます。
今回、いろんな会社から発売されていますが、うまくマスク出来ている会社とかないのかな?
  
  

後付けAG?クエンメット(H29.12.16追記)

日本薬品工業は元々、ウリンメットという名前のウラリット(成分:クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム)後発品を作っていました。
今回、その名称変更品として、クエンメットが薬価収載されています。
でも、これは単純な名称変更ではなく、日本薬品工業は、先発品であるウラリットを製造している日本ケミファの子会社であることを生かして、添加物等も変更、AGとしてクエンメットを製造します。
バラシクロビル錠500mg「アスペン」やレバミピド錠100mg「オーツカ」のように後から発売したAGはありますが、元々製造していた商品の名称や添加物を変更してAG化したのはクエンメットが初めてですね。
  
  

まとめ

結構いろんなジェネリックが発売されますね。
個人的に、うちの薬局で採用しようと思っているのは、

  • イルベサルタンOD錠「トーワ」(味見したいけど)
  • ベポタスチンOD錠「タナベ」(3月?に発売されたら)
  • フェノフィブラート錠「武田テバ」
  • トラセミド「KO」

ですね。
ロスバスタチンOD錠は同じAGでも普通錠よりも薬価が少し安いのでタイミングが合えば切り替えたいです。(4月以降の薬価がどうなるかわかりませんが)
あとは、アダパレンクリーム「ニプロ」、ファムシクロビル錠500mg「DSEP」も気になりますね。
  
今回、ジェネリック以外にも薬価収載されたものがあります。
それらについてはまた後日。