薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

プラザキサによる急性肝不全など〜平成29年9月12日 添付文書改訂指示

平成29年9月12日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は3つの成分に対して以下のような改訂指示が出されています。

  • ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(プラザキサ)による急性肝不全、肝機能障害、黄疸
  • パリビズマブ(遺伝子組換え)(シナジス筋注液)による血小板減少
  • インターフェロンベータ(フエロン注射用)によるC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善について治療期間を明記

  
  

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使用上の注意の改訂指示(平成29年9月12日)

PMDAへのリンクを貼っておきます。

  
  

ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩による急性肝不全、肝機能障害、黄疸

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • プラザキサカプセル110mg
  • プラザキサカプセル75mg

  
  

プラザキサカプセルの添付文書改訂内容

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の内容が追記されます。

急性肝不全、肝機能障害、黄疸:急性肝不全、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  
  

症例報告(プラザキサカプセルによる急性肝不全、肝機能障害、黄疸)

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、急性肝不全、肝機能障害、黄疸関連症例は5例報告されており、そのうち因果関係が否定できないものは1例です。
死亡例が1例報告されていますが、因果関係が否定できない症例ではありませんでした。
  
  

パリビズマブ(遺伝子組換え)による血小板減少

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • シナジス筋注液50mg
  • シナジス筋注液100mg

  
  

シナジス筋注液の添付文書改訂内容

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の内容が追記されます。

血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  
  

症例報告(シナジス筋注液による血小板減少)

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、血小板減少関連症例は4例報告されており、そのうち因果関係が否定できないものは1例です。
死亡例の報告はありませんでした。
  
  

インターフェロンベータによるC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善について治療期間を明記

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • フエロン注射用100万
  • フエロン注射用300万
  • フエロン注射用600万

  
  

フエロン注射用の添付文書改訂内容

添付文書の「用法・用量に関連する使用上の注意」の項のうち、「6.C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)」に下線部が追記されます。

投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に決定する。通常、成人は1日600万国際単位を1週間、以後1日300万国際単位を5週間連日、7週目より1日300万国際単位を週3回静脈内投与又は点滴静注し、投与期間は34~36週間(総投与量として39,900万国際単位)とする。

  
また、「重要な基本的注意」の項のうち、取り消し線の文章を削除する。

4.本剤を長期投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、投与を行い、効果が認められない場合には投与を中止する。なお、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善でリバビリンと併用する場合には48週(総投与量として93600万国際単位)を超えて投与した場合の有効性、安全性は確立していない。C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善では、34~36週(総投与量として39900万国際単位)を超えて投与した場合の有効性、安全性は確立していない。

  
さらに、「臨床成績」の項には製造販売後臨床試験でのデータが追記されています。
  
  

添付文書改訂の経緯

C型代償性肝硬変への適応の一変承認審査時に「減量・中止・休薬・投与再開基準を設定し、初期の600万国際単位の投与期間を1週間より伸ばすことで投与終了後半年後の陰性化率を上昇させることが可能なのではないか?」という指摘があったことから、そのことを検討するために、製造販売後臨床試験が実施されていました。
ですが、その結果は、総投与期間及び600万IU/日の投与期間を延長したときの有効性の明らかな向上は示されていないというものでした。
これとは別に、製造販売後臨床試験の結果の中で、有害事象又は副作用により減量又は投与間隔が延長された症例の割合及び投与中止された症例の割合が少なかった総投与期間が採用され、「用法・用量に関連する使用上の注意」の中に「34〜36週間(総投与量として39,900万IU)」の文章が明記されることになりました。
  
経緯が結構ややこしいので詳しく知りたい方は↓リンク先のPMDAの資料を参照してください。
http://www.pmda.go.jp/files/000220035.pdf