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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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プラリア中止後の多発性椎体骨折、キイトルーダの心筋炎など〜平成29年4月20日添付文書改訂指示

平成29年4月20日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
アタラックス・アタラックスPによる急性汎発性発疹性膿疱症、ゼルボラフによる急性腎障害が追記されます。
  
  

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使用上の注意の改訂指示(平成29年4月20日)

PMDAへのリンクを貼っておきます。

  
  

デノスマブ(遺伝子組換え)による治療中止後の多発性椎体骨折

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • プラリア皮下注60mgシリンジ

  
重大な副作用に治療中止後の多発性椎体骨折に関する情報が追記されます。
  
  

プラリアの添付文書改訂内容

添付文書の「重要な基本的注意」の項に以下の内容が追記されます。

骨粗鬆症患者において、本剤治療中止後、骨吸収が一過性に亢進し、多発性椎体骨折があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、本剤治療中止後に骨吸収抑制薬の使用を考慮すること。

  
また、「副作用」の「重大な副作用」に以下の内容が追記されます。

治療中止後の多発性椎体骨折:骨粗鬆症患者において、本剤治療中止後、多発性椎体骨折があらわれることがある。

  

症例報告

直近3年度の国内副作用症例はありませんが、海外臨床試験の追跡調査において、治療中止後の多発性新規椎体骨折の発現割合が高かったことが報告され、CCDS(Company Core Data Sheet:企業中核データシート)が改訂されています。
また、海外臨床試験において本剤治療中止後に一過性の骨吸収亢進が示唆されており、この骨吸収亢進の時期と治療中止後の多発性新規椎体骨折の発現時期は矛盾していません。
以上を踏まえた結果、今回の改訂は適切と判断されたようです。
  
  

ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)による心筋炎

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • キイトルーダ点滴静注20mg
  • キイトルーダ点滴静注100mg

  
重大な副作用に心筋炎に関する記述が追記されます。
  
  

キイトルーダの添付文書改訂内容

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の文章が追記されます。

心筋炎:心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK(CPK)上昇、心電図異常等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  

症例報告

これについても、直近3年度の国内副作用症例はありませんが、海外症例が集積しCCDSが改訂されたことから、改訂が適切と判断されたようです。
  
  

カンサイダスによる中毒性表皮壊死融解症と皮膚粘膜眼症候群

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • カンサイダス点滴静注用50mg
  • カンサイダス点滴静注用70mg

  
重大な副作用に中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)について追記されます。
  
  

カンサイダスの添付文書改訂内容

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に以下の文章が追記されます。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  

症例報告

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、中毒性表皮壊死融解症の報告はありませんでしたが、皮膚粘膜眼症候群については1 例報告されています。
そのうち、因果関係が否定できない症例、死亡例はありませんが、海外症例が集積しCCDSが改訂されたことも踏まえて、改訂が適切と判断されたようです。
  
  

まとめ

今回の改訂は薬局で扱うことのない薬のみでした。
ですが、来局している患者さんでプラリアを使用している方は珍しくはないはずです。
キイトルーダについては免疫チェックポイント阻害薬ということで、世間でも認知されており、扱う扱わないの問題ではなく、薬剤師として知っておきたい薬だと思います。(それをいったら全ての薬を知っておかないといけないのですが。。。)
  
プラリアは使用間隔が半年ということで、注射を行った後に通院が途切れてしまう可能性もあります。
その場合、医師・本人の意思に関わらずプラリアによる治療を中止した状態になってしまい、多発性衰退骨折のリスクを上昇させてしまいます。
それを避けるため、プラリアを使用している方については、継続して受診を行うように薬局からもフォローしていきたいところですね。