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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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後発医薬品調剤体制加算など後発品についての改定~H28年(2016)調剤報酬改定③

後発医薬品 診療報酬改定-平成28年度(2016年度)調剤報酬改定 診療報酬改定

平成28年2月10日、第328回中央社会保険医療協議会(中医協)総会で公開された、平成28年度診療報酬改定案についてです。
※さらに、平成28年3月4日に厚生労働省が平成28年度診療報酬改定についての説明会を行いました。
今回は後発医薬品の推進に関する改定ついてまとめてみようと思います。
薬局に直接関与するのは、調剤報酬改定で算定要件が変更となる後発医薬品調剤体制加算ですが、診療報酬全体を見渡せば、ほかにも影響してくる改定があります。
後発品に関する過去の改定を振り返りつつまとめてみようと思います。


H28調剤報酬改定についての過去記事はこちらです。
なお、疑義解釈等が公開されて初めて考え方がわかるものもあるので、あくまで現時点での一人の薬剤師の解釈として捉えてもらえれば幸いです。
解釈に変更等があれば随時更新する予定です。
pharmacist.hatenablog.com
  
厚生労働省の2016診療報酬改定についての資料へのリンクはこちらです。

  
  

  
  
前回の記事でまとめていますが、後発医薬品に関する改定として、基準調剤加算の算定要件の変更があります。

また、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が90%を超える場合であって、後発医薬品の調剤割合が30%未満の保険薬局については、基準調剤加算を算定できないこととする。

  
  

後発医薬品調剤体制加算の改定案

【後発医薬品調剤体制加算】(処方せんの受付1回につき)
後発医薬品調剤体制加算1 18点
後発医薬品調剤体制加算2 22点
[施設基準]
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合がそれぞれ、以下のとおりであること。
後発医薬品調剤体制加算1 65%以上
後発医薬品調剤体制加算2 75%以上

点数については据え置き、後発医薬品の数量シェア(置き換え率)が引き上げられた形ですね。
後発医薬品調剤体制加算1 旧55%以上 → 新65%以上
後発医薬品調剤体制加算2 旧65%以上 → 新75%以上

後発医薬品の数量シェア(置き換え率)は平成29年に70%を目指すと財務省案にありましたが、それを反映した内容となりましたね。
まあ、妥当なところかな・・・と思いますが、ここまで目標値が上がると、算定できる薬局とできない薬局で完全に二分化されてしまいますね。

調剤基本料のパターン分け

これで、当ブログでは調剤基本料に係る全ての点数をまとめたことになります。
そこで、調剤基本料の全パターンをまとめてみました。
※かかりつけ機能が認められない薬局の調剤基本料の減算について、割り切れない場合を四捨五入で考えています。
f:id:pkoudai:20160222214111j:plain

その点数は8点(特別調剤基本料 減算)~95点(調剤基本料1+基準調剤加算+後発医薬品調剤体制加算2)とかなりの差になっています。
基準調剤加算が下がっている分、最大値は下がっていますが、調剤基本料の細分化と減算の追加によって最小値がかなり下がりましたね。。。

診療報酬における後発医薬品に関する改定

調剤外の診療報酬においても、後発医薬品の使用を促進するための改定が行われます。

後発医薬品使用体制加算(入院初日)

入院初日の入院料に対する加算です。
これまでは採用品目の割合による算定要件でしたが、今回改定より、薬局と同様の考えで割合を算出するようになりました。

  • 後発医薬品使用体制加算1(42点):数量シェア(置換率)70%以上(カットオフ値50%以上)
  • 後発医薬品使用体制加算2(35点):数量シェア(置換率)60%以上70%未満(カットオフ値50%以上)
  • 後発医薬品使用体制加算3(28点):数量シェア(置換率)50%以上60%未満(カットオフ値50%以上)

  

  • 旧 後発医薬品使用体制加算1(35点):採用品目のうち後発医薬品が占める割合30%以上
  • 旧 後発医薬品使用体制加算2(28点):採用品目のうち後発医薬品が占める割合20%以上30%未満


入院した患者さんの使用薬品がほとんど後発医薬品に変更となって戻ってくるということはこれまでもありましたが、それがさらに加速しそうですね。
紹介状にも後発医薬品名が記載されると思うので、それほど後発医薬品を使用していなかった開業医の先生の意識も変わる気がします。

  

院内処方の外来における後発医薬品使用体制

院内処方で算定される処方料に対する加算が新設されます。

  • 外来後発医薬品使用体制加算14点):数量シェア(置換率)70%以上(カットオフ値50%以上)
  • 外来後発医薬品使用体制加算23点):数量シェア(置換率)60%以上(カットオフ値50%以上)


これまで後発医薬品の使用に前向きでなかった処方元Drの意識が変わる可能性が高いですね。

一般名処方加算の見直し

後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合の評価を新設されます。

  • 一般名処方加算13点):交付した処方せんに含まれる医薬品のうち、後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合に算定できる。
  • 一般名処方加算2点):交付した処方せんに1品目でも一般名処方された医薬品が含まれている場合に算定する。


上記の院内処方の外来における後発医薬品使用体制と合わせて、処方元のDrの意識を後発医薬品に向けてもらうチャンスですね。

後発医薬品の銘柄指定について

今回の改定で、後発医薬品の銘柄指定について、次のような規制が加わります。

処方時に後発医薬品の銘柄を記載した上で変更不可とする場合には、処方せんにその理由を記載する。

皮膚科等で銘柄指定+変更不可をよく見かけますが、具体的にどのような理由が記載されてくるんでしょうか?

後発医薬品推進の歴史を振り返る

ここで、これまでの後発医薬品に関する改定を振り返ってみます。

平成18年(2006年)改定

診療報酬改定にて処方せんの様式変更

処方箋に「後発医薬品の変更可」欄が追加されました。
これが、後発医薬品への変更調剤の解禁でした。

後発医薬品調剤加算(2点)継続

後発医薬品を調剤した際、調剤料に加算されました。
当時は、後発医薬品を調剤するだけで2点もらえましたね。

後発医薬品情報提供料(10点)が新設

先発医薬品と後発医薬品を比較した資料を提供した際に算定できました。
各、ジェネリックメーカーが資料(案)を配布していましたね。
  

平成20年4月(2008年)改定

診療報酬改定にて処方せんの様式変更

処方箋の「後発医薬品の変更可」欄が「後発医薬品の変更不可」欄に変更。
変更可ではなかなかサインしてもらえないので、サインなしを変更可とすることで、後発医薬品の使用を促進させようと考えました。

後発医薬品調剤体制加算(4点)が新設

当時は数量ベースではなく、処方せんベースで後発医薬品の調剤率が30%以上であれば算定可能でした。
計算式は「後発医薬品を調剤した受付枚数/全受付枚数」
  

平成22年4月(2010年)改定

剤形変更・規格変更の解禁

含量違い又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤が可能になりました。
ただし、元の薬剤料を越さないことが条件です。

後発医薬品調剤体制加算の改定

処方せんベースから数量ベースに変更。
計算式は「後発医薬品の使用量/全医薬品の使用量」
今の置き換え率とは異なるので、今よりも目標値がだいぶ低めになっています。

  • 後発医薬品調剤体制加算1(6点):20%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算2(13点):25%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算3(17点):30%以上
薬剤服用歴管理指導料の改定

算定要件に「後発医薬品の使用に関する患者の意向」が追加。
  

平成24年(2012年)改定

診療報酬改定にて処方せんの様式変更

個々の処方薬ごとに後発医薬品への変更の可否を明示する様式に変更
すべてを変更不可にするのであれば、全薬品の左側にチェックを入れた上で、変更不可欄に署名を行うようになりました。

後発医薬品調剤体制加算の改定

数量シェアが引き上げられ、30%以上を重点的に評価。

  • 後発医薬品調剤体制加算1(5点):22%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算2(15点):30%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算3(19点):35%以上
「後発医薬品調剤加算」と「後発医薬品情報提供料」が廃止
薬剤服用歴管理指導料の改定

「薬剤情報提供文書の中で、全ての先発医薬品に対する後発医薬品に関する情報」を提供することが算定要件に。

診療報酬改定で「一般名処方加算」が新設

処方箋の交付一回につき「後発医薬品のある先発医薬品について、一般名による記載を1品目でも含む処方箋を交付した場合」に2点が加算。
また、一般名処方で記載した場合、処方せん料の内服薬が7種類以上かどうかの判断する際の205円ルールにおいて、もっとも安い薬価で計算できます。
  

平成26年(2014年)

後発医薬品調剤体制加算の改定

計算方法に変更が加えられ、数量シェアは後発医薬品置換率になりました。
その計算式は「後発医薬品の数量シェア(置換え率)=後発医薬品の数量/(後発医薬品のある先発医薬品の数量+後発医薬品の数量)」です。
また、カットオフ値(「(後発医薬品あり先発医薬品+後発医薬品)/全医薬品」)が50%以上であることも算定要件に加わりました。

  • 後発医薬品調剤体制加算1(18点):55%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算2(22点):65%以上

さらに、準先発品の扱いも明確化され、先発医薬品とは別のものとして定義されました。
(先発品、準先発品、後発品の3分類)
  
  

まとめ

後発医薬品の使用量の拡大はここ数年、目覚ましいスピードで成長しています。
今回の改定はそれをさらに促進するものになるのは間違いないです。
薬価改定においても、初めて収載される場合の後発医薬品の価格は、先発医薬品の0.5掛け(現行0.6掛け)が基本となります。
10品目を超える内用薬が収載される場合は0.4掛け(現行0.5掛け)です。
先発との薬価差が広がることで、GEの使用促進、薬剤料の減が期待されます。

薬局としては後発医薬品調剤体制加算を何としても算定したいところだと思います。
近隣Drがこれまで後発医薬品の使用に前向きでなく、後発医薬品調剤体制加算を考えることができなかった薬局も、今回の改定で処方医の意識が変わる可能性があります。
情報提供を行って、今後の意向を聞いておきたいところではありますね。
後発医薬品に関してはかなり普及が進んでいるとは言っても、薬局によってはほとんど触れることがないというところもあると思います。
そういう薬局にとっては、今回の改定が大きく業務を変えることになるかもしれませんね。

後発医薬品についても大手メーカーの参入等が行われており、その品質もかなり改善されてきた気がします。
強制的にジェネリックに移行するような考えは賛成できませんが、自己負担金を考慮して薬を選ぶ時代という考えはかなり広まっていると思います。
もし、そうでない薬局についても、今回の改定で変化が起きるかもしれません。

今回の記事で調剤基本料に関する改定はまとめ終わったことになりますが、薬局ごとに基本料が様々になりますね。
記事中に表を掲載しましたが、全部で31パターン!もあります。
加算の獲得や減算を考えると、途中で基本料が変更になることも多々あると思いますので、患者さんに理解してもらうのがかなり大変そうですね。。。