薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

平成28年度調剤報酬改定の個別改定項目の要件案が公開

平成28年1月27日に開催された第325回中医協(中央社会保険医療協議会)総会。
ついに、平成28年度調剤報酬改定(診療報酬改定)の個別改定項目ならびにその算定要件案、いわゆる短冊が公開されました。
点数や具体的な数字はまだ決定していませんが、大まかな内容が決まったということです。
今回、一番の目玉となるのは、かかりつけ薬剤師に関する評価。
その具体的な算定要件も公開されていますが、なかなか厳しい要件です。
ただ、今回の改定で、ほかの様々な要件にもかかりつけ薬剤師が絡んでくることも明らかになりました。
チェーン薬局には、かかりつけ薬剤師の算定は難しいのではないか・・・というのが正直な感想です。
今、わかっていることをまとめてみます。
  
  
H28調剤報酬改定についての過去記事です。
なお、疑義解釈等が公開されて初めて考え方がわかるものもあるので、あくまで現時点での一人の薬剤師の解釈として捉えてもらえれば幸いです。
解釈に変更等があれば随時更新する予定です。
pharmacist.hatenablog.com
  
中医協のホームページにて資料が公開されています。
www.mhlw.go.jp
  
該当する資料のリンクも貼っておきます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110788.pdf
  
  

かかりつけ薬剤師とかかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料

今回の改定の中で、「かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価」が掲げられています。

Ⅱ-1(患者の視点等/かかりつけ機能の評価)-①
かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価
5.患者本位の医薬分業の実現に向けて、患者の服薬状況を一元的・継続的に把握して業務を実施するかかりつけ薬剤師・薬局を評価する。

色々読んでいるとわかってきますが、かかりつけ薬局の定義というのは今回の改定を機に少し変わるのかもしれません。
かかりつけ薬剤師の方が算定上明確に定義されているため、かかりつけ薬剤師が在籍する薬局がかかりつけ薬局といった感じになります。
  
  

かかりつけ薬剤師

かかりつけ薬剤師となるためには、どうすればいいのか?
今回、かかりつけ薬剤師としての服薬指導を実施した場合に算定できる点数として、かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料が新設されます。
そのうち、「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件の中に、かかりつけ薬剤師になるための要件が記載されています。

(4)当該指導料を算定する保険薬剤師は、以下の要件を満たしている旨を地方厚生局長等に届け出ていること。

  1. 薬剤師として◯年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週◯時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に◯年以上在籍していること。
  2. 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
  3. 医療に係る地域活動の取組に参画していること。(地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)

  

かかりつけ薬剤師の基準についてのまとめ

まとめてみると・・・

  • 薬局薬剤師としての一定の経験年数
  • 一週間のうちその薬局に一定時間以上勤務
  • その薬局に一定年数以上在籍
  • 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定を取得 http://www.cpc-j.org/contents/c15/ukeirejyouken
  • 地域活動の取組に参画

  
新卒薬剤師や病院薬剤師から転職したばかりではダメ。
非常勤として複数店舗勤務では難しい。
その薬局に異動してきたばかりではダメ。
研修認定薬剤師を取っていないとダメ。
  
・・・。
これはかなり厳しい要件ですね。
研修認定薬剤師の有無だけでもかなり絞られると思います。
また、チェーン薬局のように異動や複数店舗勤務が多い場合も難しいですね。
  
  

かかりつけ薬剤師指導料

かかりつけ薬剤師が算定可能となる薬学管理料の一つ、出来高評価のかかりつけ薬剤師指導料についてです。

【I-3-1(医療機能の分化・強化/地域包括ケアシステムの推進)-⑤】 かかりつけ薬剤師・薬局の評価
第2 具体的な内容
1.患者が選択したかかりつけ薬剤師が、患者に対して服薬指導等の業務を行った場合の評価を新設する
(新)かかりつけ薬剤師指導料 〇点
[算定要件]
(1)患者の同意の上、かかりつけ薬剤師として服薬指導等の業務を実施した場合に算定する。
(2)患者の同意については、 患者が選択した保険薬剤師をかかりつけ薬剤師とすることの同意を得ることとし、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、当該患者の薬剤服用歴にその旨を記載する。なお、患者の服用薬について、一元的・継続的な管理を推進する観点から患者1人に対して、1人の保険薬剤師のみがかかりつけ薬剤師として算定できる。
(3)当該指導料は、患者の同意を得た後の次の来局時以降に算定可能とする。
(4)当該指導料を算定する保険薬剤師は、 以下の要件を満たしている旨を地方厚生局長等に届け出ていること。

  1. 薬剤師として◯年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週◯時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に◯年以上在籍していること。
  2. 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
  3. 医療に係る地域活動の取組に参画していること。( 地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)

(5)他の保険薬局及び保険医療機関においても、 患者が選択したかかりつけ薬剤師の情報を確認できるよう、手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称を記載すること。
(6)患者に対する服薬指導等の業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が服薬指導等を行った場合は当該指導料を算定できない。
(7)かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の業務を行っていること。

  1. 薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。
  2. 患者が服用中の薬剤等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、患者の意向を確認した上で手帳を用いて当該指導等の内容を記載すること。
  3. 患者が受診している全ての保険医療機関の情報を把握し、服用している処方薬をはじめ、要指導医薬品及び一般用医薬品(以下「要指導医薬品等」という。)並びに健康食品等について全て把握するとともに、その内容を薬剤服用歴に記載すること。また、当該患者に対して、保険医療機関を受診する場合や他の保険薬局で調剤を受ける場合には、かかりつけ薬剤師を有している旨を明示するよう説明すること。
  4. 患者から24時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が開局時間外の問い合わせに応じることができない場合には、あらかじめ患者に対して当該薬局の別の薬剤師が開局時間外の相談等に対応する場合があることを説明するとともに、当該薬剤師の連絡先を患者に伝えることにより、別の薬剤師が対応しても差し支えない。
  5. 患者が他の薬局で調剤を受けた場合は、その服用薬等の情報を入手し、薬剤服用歴の記録に記載すること。
  6. 調剤後も患者の服薬状況の把握、指導等を行い、その内容を薬剤を処方した保険医にその内容を情報提供し、必要に応じて処方提案すること。服薬状況の把握の方法は、患者の容態や希望に応じて、定期的に連絡できるようにすること(電話による連絡、患家への訪問、患者の来局時など)。また、服薬期間中に服用中の薬剤に係る重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対し当該情報を提供し、患者への指導等の内容及び情報提供した内容については薬剤服用歴の記録に記載すること。
  7. 継続的な薬学的管理のため、患者に対して、服用中の薬剤等を保険薬局に持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋(いわゆるブラウンバッグ)を必要に応じて配布し、その取組の意義等を説明すること。また、患者が薬剤等を持参した場合は服用薬の整理等の薬学的管理を行うこととするが、必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を行うこと。

(8)薬剤服用歴管理指導料、 かかりつけ薬剤師包括管理料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料(当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

  

かかりつけ薬剤師指導料についてのまとめ

かかりつけ薬剤師がかかりつけ薬剤師指導料を算定するためには、

  • 薬剤服用歴管理指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料にかわる点数
  • 患者の同意を得て、同意書を保管
  • 算定できるのは一人の患者に対して一人の薬剤師のみ
  • お薬手帳等にかかりつけ薬剤師の指名・勤務先を記載
  • 原則、その患者の指導はその患者に対するかかりつけ薬剤師が行う
  • 一般用医薬品や健康食品まで含めた一元的な服薬管理と記録
  • 24時間相談体制の確保と開局時間外の連絡先・勤務表の配布
  • 電話・訪問等による調剤後の服薬状況の把握・指導ならびに医師への情報提供

などなどです。
現行の基準調剤加算で求められている24時間対応や長期投薬情報提供料の内容はかかりつけ薬剤師個人の活動に求められるようになってますね。
また、医師への処方提案が文章化されていることも注目ですね。
居宅療養管理指導料と同じように同意書を作成し、記録する必要・・・。
薬歴指導料と在宅の間というべき点数になると思うのですが、患者さんにどのようにメリットを伝えるかが難しいかもしれませんね。
ただ、これって、本当の意味で地域に密着した薬局・薬剤師は行っている内容ですよね?
いわゆるパパママ薬局のような個人薬局や小規模薬局で、地域で評価されているところはこういった活動を当たり前に行っているのかもしれませんね。
今回の改定でいわれている「薬局のあるべき姿」。
それをはっきりと明示している算定要件なのではないかと思います。
  
  

かかりつけ薬剤師包括管理料

かかりつけ薬剤師が算定できる薬学管理料には包括的な評価も新設されます。

【I-3-1(医療機能の分化・強化/地域包括ケアシステムの推進)-⑤】 かかりつけ薬剤師・薬局の評価
第2 具体的な内容
2.かかりつけ薬剤師の業務について、出来高による1.の評価に加えて、包括的な評価も新設する。
(新)かかりつけ薬剤師包括管理料 〇点
下記以外は包括とする。

  1. 時間外等加算、夜間・休日等加算
  2. 在宅医療に係る点数
  3. 薬剤料
  4. 特定保険医療材料料


[算定要件]
(1)対象患者は地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定対象患者とする。
(2)患者の服薬状況等については、薬学的知見に基づき随時把握して、保険医に対して、その都度情報提供するとともに、必要に応じて減薬等の処方提案を実施すること。なお、情報提供の要否、方法、頻度等については、あらかじめ保険医と相談して合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等によることで差し支えないこと。
(3)「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件の(1)~(7)を満たしていること。
(4)薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料(臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

  

かかりつけ薬剤師包括管理料についてのまとめ

薬局でもついに包括的な点数が登場ですね。
レセコンの対応が大変そうですね。
ちなみに、地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定対象患者かどうかはどのように判断すればいいのでしょうか?
在宅を算定している場合で、地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定対象患者であれば算定しやすそうに思えます。
しかも、その場合、在宅に関する点数は算定可能です。
ただ、かかりつけ薬剤師としての業務というのは、在宅対象患者に対してすでに行っているであろう内容であるだけに、患者さんからすると同意することで、自己負担だけが増えるように思われる可能性もありますね・・・。
  
  

調剤基本料に関する改定

調剤基本料に関してもかなり大きな改定が行われます。
そして、ここでもかかりつけ薬剤師の存在が算定要件に加わっています。
  
  

調剤基本料

調剤基本料については「いわゆる門前薬局の評価の見直し」という直接的な表現で、調剤基本料の特例範囲の拡大が行われます。

【Ⅳ-4(効率化等による制度の持続可能性の向上/患者本位の医薬分業)】 いわゆる門前薬局の評価の見直し
第2 具体的な考え方
1.現行の調剤基本料の特例について、以下の項目を追加する。
(1)処方せんの受付回数が1月に〇回を超える保険薬局のうち、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が〇%を超える保険薬局。
(2)特定の保険医療機関に係る処方せんの受付が1月に〇回を超える保険薬局。
2.同一法人グループ内の処方せん受付回数の合計が、1月に〇回を超える法人グループに属する保険薬局のうち、以下の保険薬局については、調剤基本料を〇点とする。
(1)特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が〇%を超える保険薬局。
(2)特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係のある保険薬局。
3.特例の対象となった保険薬局であっても、かかりつけ薬剤師としての業務を一定以上行っている場合には特例の対象から除外する。これに伴い、現在の特例対象を除外するための 24時間開局の要件は廃止する。
4.薬局における妥結状況の推移等を踏まえ、2.の法人グループに属する保険薬局以外の保険薬局については、妥結率の報告は、添付資料として契約書の写し等を提出することを不要とし、簡素化する。
5.調剤基本料として算定する点数が随時把握できるように、算定する基本料の点数を施設基準の内容に含め、地方厚生(支)局へ届け出ることとする。
6.かかりつけ機能に係る業務として、かかりつけ薬剤師指導料、かかり薬剤師包括管理料、重複投薬・ 相互作用防止等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料等を〇月算定していない保険薬局は調剤基本料を〇/100 に減算する。ただし、処方せんの受付回数が1月に〇回以下の保険薬局を除く。(経過措置あり)

  
今回の改定により調剤基本料は、以下にまとめる調剤基本料1~5に分かれることになります。

調剤基本料1:〇点
  • 妥結率が5割を超え、調剤基本料2・3に該当しない薬局。
  • 妥結率が5割を超え、調剤基本料2・3に該当する薬局のうち、以下の条件を満たす薬局。
  1. 勤務している保険薬剤師の〇割以上がかかりつけ薬剤師の届け出を行っている
  2. かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の実績を有している
調剤基本料2:〇点

妥結率が5割を超え、以下のいずれかに該当するもので、調剤基本料3の算定要件を満たさない薬局。

  • 処方箋受付回数4,000回を超え特定の保険医療機関に係る処方せんの集中率が7割を超える
  • 処方箋受付回数2,500回を超え特定の保険医療機関に係る処方せんの集中率が9割を超える
  • 処方箋受付回数〇回を超え特定の保険医療機関の集中率が〇割を超える
  • 特定の保険医療機関に係る処方せんが月〇回を超える
調剤基本料3:〇点

妥結率が5割を超え、同一保険グループ内の処方せん受付回数の合計が1月に〇回を超える法人グループに属する保険薬局のうち、以下のいずれかに該当する薬局。

  • 特定の保険医療機関に係る処方せんの集中率が〇割を超える
  • 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係にある
調剤基本料4:〇点

調剤基本料1に該当する薬局で妥結率が5割以下の薬局。

調剤基本料5:〇点

調剤基本料2に該当する薬局で妥結率が5割以下の薬局。

かかりつけ機能による評価の見直し

1月に処方箋の受付回数が〇回以上の薬局のうち、以下の薬学管理料を〇月算定していない薬局は、調剤基本料を〇/100に減算。

  • かかりつけ薬剤師指導料
  • かかりつけ薬剤師包括管理料
  • 重複投与・相互作用防止等加算
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料

  

調剤基本料についてのまとめ

調剤基本料3についてのみ、妥結率が5割以下の場合が記載されていませんが、これって・・・調剤基本料3の要件を満たしつつ、妥結率が5割以下の場合は調剤基本料はなしということでしょうか・・・。
  
そして、特例の除外のための条件として24時間開局に変わり、かかりつけ薬剤師の配置と指導料の実績。
チェーン薬局が特例を回避するためにはかかりつけ薬剤師が必要なのですが・・・。
もし、かかりつけ薬剤師が退職したら、産休に入ってしまったら・・・。
調剤基本料が下がり、一気に経営が圧迫される可能性も。
かかりつけ薬剤師の確保というのはチェーン薬局にとって、大きな経営リスクになりますね。
各チェーン薬局の経営陣がどのように対応していくのか。
大手チェーン薬局はかかりつけ薬剤師は算定できないのを基本として考えるのか。
どうなっていくのでしょうか・・・。
  
さらに、これに加えて、かかりつけ機能、つまりはかかりつけ薬局としての機能。
かかりつけ薬剤師がおらず、在宅も行っていなければ、重複投与・相互作用等防止加算を取るしかないのですが、後に書きますが、今回の改定では変更なしの場合は算定できません。
残薬調整による算定が今後も可能であれば、問題なくクリアできそうなのですが・・・。
この減算を加えると、調剤基本料は10種類、と0点(?)。
かなり複雑な点数体系になりますね。
これは、患者さんの混乱を招いてしまいそうです・・・。
  
  

基準調剤加算

基準調剤加算については、現行では1と2の2種類がありましたが、2の方に一本化され、算定要件も厳しくなっています。
新設・変更部分については下線で示しています。

【I-3-1(医療機能の分化・強化/地域包括ケアシステムの推進)-⑤】 かかりつけ薬剤師・薬局の評価
第2 具体的な内容
3.基準調剤加算を統合し、施設基準の要件を以下のとおりとする。

改定案
【基準調剤加算】
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、基準調剤加算として所定点数に〇点を加算する。なお、区分番号00に掲げる調剤基本料1を算定している保険薬局のみ加算できる。
イ:患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていること。
ロ:患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する主な情報を提供していること。
ハ:一定時間以上開局していること。
ニ:十分な数の医薬品を備蓄していること。
ホ:適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供していること。
ヘ:麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
ト:当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含んだ連携する近隣の保険薬局において、二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。
チ:在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有している こと。
リ:当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。
ヌ:当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制 が整備されていること。
ル:かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準の届出を行っていること。
ヲ:特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が〇割を超える場合であって、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した薬剤の使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」という。)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が〇割以上であること。

※「一定時間以上開局している」基準として、通知において、「平日は1日◯時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週◯時間以上開局していること」を規定する。
※「十分な医薬品を備蓄している」基準として、通知において、「◯品目以上」を規定する。
※ 「体制及び機能の整備」として、通知において、現行で例示や努力規定とされていた「医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)の登録」、「患者のプライバシーに配慮した構造」を要件とし、「管理薬剤師は◯年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週◯時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に◯年以上在籍していること」、「健康相談又は健康教室を行っている旨の薬局内掲示」、「敷地内は禁煙であること」、「同一施設内での酒類、たばこの販売禁止」を新たに要件として義務付ける。

  

基準調剤加算についてのまとめ

現行でも基準調剤加算2については、調剤基本料の特例の対象となっている場合は算定できませんが、改定後も同様で、調剤基本料1を算定している薬局以外は基準調剤加算の算定はできないとのことです。
  
これまでは地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間が求められていましたが、改定後は一定時間以上の開局が要件となります。
最後の※の部分に詳しく記載されていますが、平日は常に開局ということで、木曜日の一日休みや半日休みはダメということになりそうですね。
土日両方休みというのももダメです。
  
品目数は現行の1000品目よりは増えるのだと思います。
1200品目くらいでしょうか?
  
ここでも、かかりつけ薬剤師の存在が必要となっていますね。
基準調剤加算も・・・となると、ますますチェーン薬局にとって厳しい改定となりますね。
  
そして、集中率が高い場合の後発医薬品使用率の規定。
現行の基準調剤加算2のように集中率が高いからと除外されるわけではありませんが、後発医薬品の積極的な使用が求められています。
  
※の部分の記載をみると、管理薬剤師に関する規定もあります。
管理薬剤師は一定の経験年数を持ち、常勤・正社員で、その薬局に一定以上在籍していること・・・。
以前の議論を見ると、管理薬剤師にはほかの薬剤師よりも長い在籍年数を求めたいというコメントがあったので、かかりつけ薬剤師の算定要件の在籍年数より長くなるはずです。
仮に、かかりつけ薬剤師が1年以上在籍だとしても、管理薬剤師は2年以上。
実際はかかりつけ薬剤師が2~3年、管理薬剤師は3~5年くらいでしょうか?

  
そのほか、PMDAメディナビの登録、プライバシーに配慮した構造、健康相談・健康教室の掲示、敷地内禁煙、酒類・たばこの販売禁止が要件となっています。
ここで酒類の販売が気になりますが、ドラッグストア併設型の保険薬局の場合、ドラッグストア部分で酒類を販売しているケースありますよね?
薬用養命酒はいいんですかね・・・?
アルコール度数14%です。

訂正部分については、平成28年2月3日の中医協で見送りとなりました。
厚労省のコメントとして、「要件として業態まで規定するのは行き過ぎだと判断した」だそうです。。
  
  

後発医薬品調剤体制加算

後発医薬品調剤体制加算1・2については点数はそのままです。
ただし、算定要件である後発医薬品の調剤数量%が改められます。
後発医薬品調剤体制加算1が65%、後発医薬品調剤体制加算2が70%といったところでしょうか・・・。
そうなると、基準調剤加算の要件となる後発医薬品の調剤数量%は・・・?
今回の議論の中で、幸野委員(健保連)は、「後発品の体制が整っていないところはとれないということで厳しいことになるが、国が70%という高い目標を掲げており、30%、40%くらいないところは加算をとれない仕組みを考えていくべき」。と言う発言があったようです。
  
  

分割調剤の拡大

リフィル処方が期待されましたが、分割調剤の拡大解釈ということに落ち着きました。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
4.調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。
(2)医師の指示に伴う分割調剤の実施
長期保存が困難な場合や後発医薬品を初めて使用する場合以外であっても、患者の服薬管理が困難である等の理由により、医師が処方時に指示した場合には、薬局で分割調剤を実施する。その際、処方医は、処方せんの備考欄に分割日数及び分割回数を記載する。また、分割調剤を行った薬局は、2回目以降の調剤時は患者の服薬状況等を確認し、処方医に対して情報提供を行う。

改定案
【調剤基本料】
注1~3(略)
注4~5(長期保存が困難、後発医薬品を初めて使用する等の理由により分割調剤を行う場合)
注6 医師の分割指示に係る処方せんを受け付けた場合(注4及び注5に該当する場合を除く。)において、1回目の調剤については、当該指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降の調剤については投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方せんを交付した保険医(以下、「処方医」という。)に対して情報提供を行った場合に算定する。この場合において、区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算、区分番号01に掲げる調剤料及びその加算並びに第2節に掲げる薬学管理料は、分割回数が2回の場合は、それぞれの所定点数の2分の1に相当する点数を、分割回数が3回以上の場合は、それぞれの所定点数の3分の1に相当する点数を1分割調剤につき算定する。この場合において、注4及び注5に規定する点数は算定しない。

  
長期処方において、医師が服薬管理が困難と判断した際は、処方箋の備考欄に分割日数・分割回数を記載する。
でも、これって、どんどん活用されるようになれば、リフィル処方に近い状態になりますよね。
診療報酬上でこれを促すような改定が行われれば・・・。
次回以降の改定ではそういう方向に進んでいく可能性がありますよ。
  
  

既存の薬学管理料に関する改定

既存の薬学管理料についても様々な改定が行われます。
一番は、どこの薬局でも算定しているであろう薬歴管理料についての変更ですね。

薬剤服用歴管理指導料

初回と二回目以降、お薬手帳の持参の有無で点数が変わるようになります。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
1.薬剤服用歴管理指導料について、初回来局時の点数より、2回目以降の来局時の点数を低くする。ただし、手帳を持参していない患者又は調剤基本料の特例の対象となる保険薬局に処方せんを持参した患者については、来局回数にかかわらず、初回来局時の点数と同一の点数を算定することとする。

改定案
1 原則過去6月内に処方せんを持参した患者に対して行った場合 〇点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 〇点
[算定要件]
注 患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に処方せん受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者、区分番号00に掲げる調剤基本料1又は調剤基本料4以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方せんを持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、〇点を算定する。(←1の点数)
以下略

※イの薬剤情報提供料については、処方内容が前回と同様の場合においては必ずしも毎回患者に交付する必要性はないことを通知において明確にする。
※ハの手帳については、必要性を確認した上で、手帳を提供しなかった場合又は複数の手帳を1冊にまとめなかった場合には、その理由を薬剤服用歴に記載することを通知において明確にする。

  

薬歴管理料についてのまとめ

初回に比べて、二回目以降継続して来局した場合の点数が下がるようになります。
半年がひとつの区切りとなりますが、半年後とに新患アンケートを記入してもらうのが標準になるのかもしれませんね。
見直しとしてはそれがもっとも確実な気もします。
また、これは患者さんにとって、一ヶ所の薬局で薬をもらうインセンティブになりますね。
お薬手帳の持参もその要件に当てはまるので持参率が高くなることは間違いないです。
実際に、併用薬があるのにお薬手帳を持参していない場合の方が、併用薬の確認に要する時間が増えるのだから、お薬手帳がない方が点数が高いというのは当然な気がします。
これまで、お薬手帳は絶対にいらない!と言っていた患者さんがどうなるのか・・・なんて考えてしまいますね。
  
加えて、何気に二回目以降で内容に変更がない場合の薬情が不要ということが明文化されるようですね。
また、お薬手帳は原則交付となり、不要の場合や正しい使い方をしていない場合はその理由を薬歴に残すということになるようです。
  
調剤基本料の特例に該当する場合も、毎回薬歴の点数が高くなることになっています。
これは、そうでない(特例に該当しない)薬局をかかりつけ薬局としてもらうためのインセンティブということでしょうね。
  
  

電子版お薬手帳

今回の改訂により、電子版お薬手帳が算定上認められることになります。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
2.電子版お薬手帳について
電子版の手帳(電子版お薬手帳)についても、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体の手帳と同様の取扱いとするが、電子版の手帳については、以下の要件を満たすこと。
(1)電子版の手帳は、提供した保険薬局以外の保険薬局や保険医療機関及び患者等が容易に手帳の内容を閲覧し、手帳へ記入し、その内容を紙媒体へ出力(以下、「閲覧等」という。)できること。
(2)電子版の手帳は、医療従事者が患者の保有する機器(スマートフォン等)を直接受け取ることなく手帳情報の閲覧等ができる仕組みを有していること。なお、当該仕組みを利用できない保険医療機関等においては、診察等の場合に、患者の保有するスマートフォン等の機器により手帳の内容を閲覧することも想定されるため、電子版の手帳を提供する保険薬局は、保有する手帳の内容が記録された機器を直接当該医師等に見せることが必要な場合があることについて患者に対して事前に説明し、同意を得ておくこと。
(3)複数の運営事業者等が提供している電子版の手帳を一元的に情報閲覧等ができること。
(4)算定する施設は、セキュリティに関して、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(平成25年10月)、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27年11月27日薬生総発1127第4号)の「第三運営事業者等が留意すべき事項」の「6個人情報保護」に掲げる事項等、各種関係法令等を遵守すること。
(5)過去の服薬情報などを適切に把握するため、電子版の手帳は、少なくとも過去1年分の服薬情報等を一覧的に閲覧できること。
(6)電子版の手帳を利用している患者が、運営事業者が別の電子版の手帳を利用することを希望した場合に、データ移行が円滑にできるよう、電子版の手帳には関連情報の出力機能等を有していること。
※患者が用いる手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供にあたっては、患者に対して個人情報の取扱等の必要事項を説明した上で患者の意向を踏まえて媒体を判断することを通知において明確にする。
※紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供することになった場合は、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を入力するなど、紙媒体と電子媒体の情報が一元的に管理されるよう取り組むことを通知において明確にする。

ここについては、今回は転載のみとします。
  
  

重複・投薬相互作用等防止加算

重複・投薬相互作用防止加算については、同一病院・同一診療科の処方箋による場合も算定可能となりますが、これまで算定可能だった、変更なしについては削除となります。
また、名前が重複・投薬相互作用防止加算に変更になります。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
3.重複投薬・相互作用防止加算について、薬剤服用歴に基づき過去の副作用歴やアレルギー歴を有することから処方医に対して疑義照会を実施して処方変更となった場合等についても当該加算を算定可能とする。

改定案
【重複投薬・相互作用等防止加算】
薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方せんを交付した保険医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は○点を所定点数に加算する。
※現在は算定できない同一保険医療機関の同一診療科からの処方せんによる場合も算定できる旨を通知において明確にする。

 
同一診療科での疑義照会でも算定可能になるのはうれしいですね。
変更なしの場合の点数が削除となるのはやむを得ない気がします。
ただ、残薬調整の場合は今後どうなるのでしょうか? 
今回の改訂では、処方箋の様式が変更され、疑義照会を行わないで残薬調整を行うケースが出てきます。
その場合、重複投薬・相互作用等防止加算の算定はどうなるのでしょう?
  
  

外来服薬支援料

外来服薬支援料の算定要件も緩和されています。
ここにブラウンバッグによる取り組みが登場します。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
4.調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。
(1) 継続的な服薬管理の評価として、外来服薬支援料については、患者が保険薬局に服用薬等を持参し、保険薬剤師が服薬管理等を行った場合の取組も算定可能とする。また、患者の来局時のほか、保険薬剤師が患家を訪問して服用薬の整理等を行った場合でも算定可能とする。

改定案
【外来服薬支援料】 185点
注1 自己による服薬管理が困難な患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を確認した上で、患者の服薬管理を支援した場合に月○回に限り算定する。
注2 患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。

注2の業務は、当該保険薬局で調剤された薬剤以外の薬剤や、服用中の要指導医薬品等なども含め服薬管理を行うものであり、あらかじめ保険薬局へ服用中の薬剤等を持参する動機付けために薬剤等を入れる袋(いわゆるブラウンバッグ)を配布し、その取組を患者等に対して周知しておくことも通知上明確にする。

  
過去の通知等頻回の算定は原則ダメとされていた外来服薬支援料ですが、月○回と明記されるということで、複数回の算定が可能となります。
持参した服用薬の整理はQ&A等で算定可能とされていたと思いますが、今回から算定要件に明記されますね。
ブラウンバッグ活動もここに入ってきました。
処方箋を介さない点数ということで、これからの薬局がどんどん算定すべき点数のひとつと思います。
積極的にとっていくことが可能となる改定になりそうでうれしいです。
  
  

服薬情報等提供料と長期投薬情報提供料の統合

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
5.服薬情報等提供料及び長期投薬情報提供料については、調剤後の薬学的管理として統合した点数とする。また、かかりつけ薬剤師の業務としては、これらの点数に係る業務を行うことが前提となっていることから、かかりつけ薬剤師指導料の算定要件に当該業務の実施を規定し、かかりつけ薬剤師指導料等を算定している場合は算定できないこととする。

改定案
【服薬情報等提供料】 ○点
注1 患者若しくはその家族等、若しくは保険医療機関の求めに応じ、又は薬剤師がその必要性を認めた場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者若しくはその家族等、又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に、所定点数を算定する。なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴の記録に記載すること。
2 区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料、区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料又は区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

  
ん?統合というよりは、服薬情報等提供料について調剤後の部分が算定要件に加わり、長期投薬情報提供料の部分はざっくりと削除されているだけのような・・・。
長期投薬情報提供料の内容はかかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料の算定要件に移行といった感じですよね。
  
  

特定管理薬剤指導加算と乳幼児指導加算の見直し

薬学管理料の一種ということで評価の見直しが行われます。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
6.対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、以下の対応を行う。
(2)対人業務に関する業務の評価を充実するため、特定薬剤管理指導加算及び乳幼児指導管理加算の評価を見直す。

  
いわゆるハイリスク加算と乳幼児加算については点数アップが期待されます。
  
  

在宅に関する改定

在宅に関する点数についても見直しが行われます。
薬学管理料については厚く評価すると明言されていますが、在宅についても評価は高まる傾向です。
  
  

在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料

在宅においては在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導以外の薬学管理料は算定できませんでしたが、今回新しく新設されます。

【I-4(医療機能の分化・強化/在宅医療の確保)-⑮】 在宅薬剤管理指導業務の推進
第2 具体的な内容
1.在宅療養を行う患者への処方に対して、処方医に疑義照会することにより、重複投薬・相互作用の防止、残薬に伴う処方日数の調整、減薬などの薬物療法の適正化が実施された場合を評価するため、薬学管理料に在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を新設する。
(新)在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料 ○点
【算定要件】
(1)在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導を行っている患者に対して算定できる。
(2)薬剤服用歴に基づき重複投薬又は相互作用の防止の目的で、処方せんを交付した保険医に対して照会を行い、処方内容が変更になった場合に処方せん受付1回につき算定する。
(3)処方内容が変更にならなかった場合には算定できない。
(4)薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定しない。

  
在宅患者に対する重複投薬・相互作用等防止加算のようなものですね。
加算ではなく、管理料となっているのがポイントです。
  
  

在宅患者訪問薬剤管理指導料についての見直し

2つの点について算定要件の緩和が行われるようですが・・・。

【I-4(医療機能の分化・強化/在宅医療の確保)-⑮】 在宅薬剤管理指導業務の推進
第2 具体的な内容
2.在宅患者訪問薬剤管理指導料について、
(1)薬剤師1人につき1日当たり5回の算定制限を1週間当たり◯回に見直す。
(2)同一世帯に居住している複数の患者に対する在宅患者訪問薬剤管理指導業務を行った場合には、1人目の患者に対しては「同一建物居住者以外の場合」の点数を算定できるようにする。

  
1日あたり5回をやめて、1週間あたりの回数に見直す。
緩和と考えると、1週間あたり30~40回といったところでしょうか?
同一世帯に居住者の1人目は300点ではなく、650点を算定可能はうれしいんですが、複数いる場合、誰を650点とするかで不公平が生じてしまいます・・・。
これはこちらが勝手に判断して選ぶということなのでしょうか?
トラブルの元になりそうな気がしますね・・・。
  
  

特別養護老人ホーム入居者に対する薬剤服用歴管理指導料

これまで、特別養護老人ホームの入所者については、訪問指導を行っても、末期の悪性腫瘍の患者でない限り、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できず、通常の薬歴管理料しか算定できませんでした。
今回、特別養護老人ホーム入居者に対する薬剤服用歴管理指導料が新設されます。

【I-4(医療機能の分化・強化/在宅医療の確保)-⑮】 在宅薬剤管理指導業務の推進
第2 具体的な内容
4.特別養護老人ホームに入所している患者に対して、施設での適切な服薬管理等を支援するために、薬剤服用歴管理指導料に当該施設を訪問し、入所者に対して薬学的管理を行った場合の評価を新設する。

改定案
【薬剤服用歴管理指導料】
○特別養護老人ホーム入所者に対して行った場合(処方せんの受付1回につき)○点
[算定要件]
保険薬剤師が老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の5に規定する特別養護老人ホームを訪問し、服薬管理状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを実施した場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。
イ:患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者又は現に薬剤管理している者(以下「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ:処方された薬剤について、患者等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ:手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載するこ159と。
ニ:患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
ホ:必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
へ:薬剤服用歴管理指導料に係る業務に要した交通費は、患家の負担とする。

  
これがどのような点数として評価されるかについては、詳しい内容が決まれば考えてみたいと思います。
  
  

そのほか

調剤料等に関する改定

対物業務から対人業務へ・・・ということで、薬学管理料が厚く評価される代わりに、調剤料が減算されます。

【III-7(重点的な対応が求められる分野/かかりつけ薬剤師の評価)-②】 薬局における対人業務の評価の充実
第2 具体的な内容
6.対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、以下の対応を行う。
(1)調剤料の適正化のため、内服薬の調剤料及び一包化加算について以下のとおり見直す。

改定案
調剤料
【内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く。)(1剤につき)】
イ:14日分以下の場合
(1)7日目以下の部分(1日分につき) 5点
(2)8日目以上の部分(1日分につき) 4点
ロ:15日分以上21日分以下の場合 ○点
ハ:22日分以上30日分以下の場合 ○点
ニ:31日分以上の場合 ○点
注1~2(略)
3 2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ:○日分以下の場合投与日数が7又はその端数を増すごとに○点を加算して得た点数
ロ:○日分以上の場合 ○点

  
14日を越える内服調剤料と、一包化加算が減算されます。
これはしょうがないですね。
  
  

調剤報酬点数表の掲示について

【I-3-1(医療機能の分化・強化/地域包括ケアシステムの推進)-⑤】 かかりつけ薬剤師・薬局の評価
第2 具体的な内容
4.調剤報酬点数表の一覧等については、現在、薬局内の見やすい場所に掲示することとされているが、薬剤交付窓口等、指導等の際に患者にわかりやすい場所に掲示することを通知において規定する。

  
今回の改定はかなり複雑です。
患者に対するインセンティブもあるので、これまで以上に、可能な限り調剤報酬の内容を周知する必要があるので、投薬中にいつでも説明できる準備は大切になりますね。
  
  

全体のまとめ

以上、ざっとまとめてみましたがいかがでしょうか?
個人的に思うのは、今回の改訂はチェーン薬局に対する厳しい減算。
チェーン薬局の場合、数の理論により、薬価差益が期待できる等で利益を得やすいということを踏まえて、大きく減算してきたという気がします。
逆に、個人や小規模の薬局についてはがんばる事で評価を受けやすいのではないでしょうか?
  
かかりつけ薬剤師の算定要件を見ると、チェーン薬局ではなかなか満たすのが困難な気がします。
ですが、認定薬剤師の取得や同じ薬局での勤務年数等、医療従事者として考えた場合、当然の条件ではないかと思います。
それがなかなか難しいという状況が、経営という視点で見た場合の調剤薬局業界の矛盾点なのかもしれません。
  
かかりつけ薬剤師の有無は調剤基本料・基準調剤加算にも影響してきます。
大手チェーン薬局が無理に算定獲得に走ると、いろいろな問題が生じてしまう気がします。
また、かかりつけ薬剤師としての業務に当たる薬剤師に対して、組織としてどのように評価するかという問題もあります。
その薬剤師が退職をほのめかすと、経済的な損失がかなり大きくなってしまうという問題もあります。
そういう意味では、企業システムに乗っ取った人材の管理が非常に困難になる改定ともいえます。
  
逆に自営業として薬局を行うと考えた場合、自分の目の届く範囲で、患者さんにがんばってアプローチしたことが評価の対象となるので、モチベーションが出やすい改定なのではないかと思います。
個人薬局は運営が難しいといわれてきましたが、薬歴等かかりつけを促す改定も含めて、それが変わるきっかけなのかもしれません。
  
あくまでもまだ案の段階ですが、方向性は確実に示されました。
また、今回の改定は今後10年かけて行われる、薬局の改革の始まりにすぎません。
改定まであと二ヶ月強。
4月からの業務を見据えて、自分たちの将来を見据えて、準備を行っていきたいと思います。