読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

複数の紹介会社にまとめて登録可能なサイトです。スマホアプリもあるのでおすすめです。

2016年度調剤報酬改定~中医協これまでの議論の整理②

さて、今日も昨日に引き続き、平成28年1月13日の中医協で公開された平成28年度診療報酬改定についてのこれまでの議論のまとめについて見ていこうと思います。
昨日の記事では、主に、

  • かかりつけ薬剤師の評価
  • 二回目以降の薬歴管理料の評価
  • 電子版お薬手帳の評価とお薬手帳持参の促進
  • 重複投薬・相互作用防止加算の見直し
  • 在宅業務の見直し
  • 調剤料の見直し
  • 分割調剤の見直し

についてまとめました。
pharmacist.hatenablog.com
今日は、後半部分。

  • 後発医薬品のさらなる促進
  • 残薬管理
  • 患者本位の医薬分業の促進
  • 湿布剤の調剤についての見直し

についてまとめてみたいと思います。


H28調剤報酬改定についての過去記事です。
なお、疑義解釈等が公開されて初めて考え方がわかるものもあるので、あくまで現時点での一人の薬剤師の解釈として捉えてもらえれば幸いです。
解釈に変更等があれば随時更新する予定です。
pharmacist.hatenablog.com
  

Ⅳ効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点

Ⅳ-1 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討について

(1)後発医薬品の更なる使用促進を図る観点から、以下のような見直しを行う。

  1. 薬局における後発医薬品調剤体制加算について、新たな数量シェア目標値を踏まえ要件を見直す。また、後発医薬品調剤体制加算とは別の後発医薬品使用促進策として、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤割合が高く、後発医薬品の調剤数量の割合が低い保険薬局については、基準調剤加算を算定できないこととする。
  2. 医療機関における後発医薬品の使用促進のため、以下のような見直しを行う。ア:後発医薬品使用体制加算の評価について、後発医薬品調剤体制加算と同様の計算式(新指標)に改める。イ:院内処方における後発医薬品の使用促進の取組を評価する。ウ:DPC対象病院における後発医薬品係数の評価上限を見直す。
  3. 一般名での処方を促進するための評価の見直しを行う。
  4. 処方時に後発医薬品の銘柄を記載した上で変更不可とする場合には、処方せんにその理由を記載する。

後発医薬品調剤体制加算の見直し

新たな数量シェアの設定は想定通りですね。
財務省案では、

  • 60%未満:-10点
  • 60%以上:8点
  • 70%以上:12点

となっていましたが、どうなるんでしょうか?

基準調剤加算の見直し

これは文章の読み方なんですが、
「集中率が高い」かつ「後発医薬品の使用率が低い」
ということでいいんだと思います。
つまり、門前薬局で、門前医院が後発医薬品変更不可の処方せんであれば、基準調剤加算は算定できないということですね。

一般名処方の評価の見直し

これまでは一般名処方の促進として、

  • 後発医薬品が存在する薬剤について処方内で一つでも一般名記載を行えば処方せん料に2点加算
  • 一般名記載されたものについては同一剤内で205円を越すかどうかの判断の際、最低薬価として考えることができる

がありました。
ここに、もう少し大きなメリットが加わるのか。
もしくは、後発医薬品の存在する薬剤はすべて一般名記載としなければ、2点が取れなくなるとかですかね?

後発医薬品の銘柄を指定した上で変更不可とするには理由が必要

後発医薬品の銘柄を指定し、変更不可としているのって皮膚科が多いイメージです。
ほかにもあるのだと思いますが、理由の記載が必要になるそうです。
ですが、これについても決まり文句が増えて、ワンパターンになりそうですよね。

Ⅳ-3 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進について

(1)多種類の内服薬を服用している患者について、服薬に起因する有害事象を防止するとともに、服薬アドヒアランスを改善するために、当該患者に対して処方薬剤を減少させる取組を行い、処方薬剤数が減少した場合について評価する。
(2)残薬、重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組等、薬物療法の安全性・有効性の向上や医療費適正化の観点から、医師と薬剤師が連携して、患者の処方薬剤を適正化する取組を評価する。

  1. 医師と連携して服用薬の減薬等に取り組んだことを評価するため、重複投薬・相互作用防止加算については、算定可能な範囲を見直す。見直しに伴い、疑義照会により処方内容に変更がなかった場合の評価は廃止する。(Ⅲ-7(2)2.再掲)
  2. 調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。(Ⅲ-7(2)3.再掲)ア:患者宅にある服用薬を薬局に持参させた上で管理・指導を行うことで残薬削減等に取り組むことを評価する。イ:現行の基準に加え、やむを得ない事情がある場合等に、分割調剤を活用することを可能とする。これに伴い、分割調剤を行う場合の調剤基本料等の評価を見直す。
  3. 医師との連携による薬剤師の在宅業務を推進するため、在宅薬剤管理指導業務において、医師の処方内容に対する疑義照会に伴い処方変更が行われた場合を評価する。(Ⅰ-4(9)1.再掲)
  4. 保険医療機関と保険薬局が連携して、円滑に残薬確認と残薬に伴う日数調整を実施できるよう、処方等の仕組みを見直す。

(3)薬剤師による服薬管理を推進する観点から、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を改正し、正当な理由なく療養に関する指導に従わない患者等を把握した場合について、保険者への通知義務を規定する。

多剤服用の見直し

ポリファーマシー対策についての評価ですね。
ここは、薬剤師として積極的に行うべき部分です。
ですが、門前薬局の場合、これまでどのような疑義紹介を行ってきたかということで、なかなか算定できない薬局もありそうですね。
そういうことをなくしていきたいし、これこそが薬剤師の職能として発揮されないといけないんだと思います。
これが日本全国で当たり前になることで、医師から薬剤師に対する評価が変わっていくんじゃないかなと思います。

円滑に残薬確認・日数調整ができる処方の仕組み

これは、以前の議論にも登場した、処方せんに「 日数調整可」のチェック欄を設けるというものでしょうか?
チェックがあれば疑義紹介を省略して日数調整を行い、それについては事後報告を行うという形になりそうですね。
もし、そうなった場合、日数調整可としてくれる処方医はどの程度いるのでしょうか?
近隣医院との連携がうまくいっている薬局ではすでに事前承諾を交わし、同様の内容を実施していることと思います。

療担規則の改正で指導に従わない患者の通知義務追加

これは・・・。
具体的にどういう内容なのでしょうか?
気になりますね。

Ⅳ-4 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直しについて患者本位の医薬分業を推進する観点から、以下のような見直しを行う。

  1. 現行の処方せん受付回数及び特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤割合に基づく調剤基本料の特例対象範囲について拡大する。
  2. 大型門前薬局の評価の適正化のため、医療経済実態調査に基づく薬局の収益状況、医薬品の備蓄等の効率性等も踏まえ、規模の大きい薬局グループであって、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が極めて高い等のいわゆる大型門前薬局については、調剤基本料の評価を見直す。
  3. 1.又は2.で特例の対象となった保険薬局であっても、かかりつけ薬剤師としての業務を一定以上行っている場合には特例の対象から除外する。これに伴い、現在の特例対象を除外するための24時間開局の要件は廃止する。
  4. 妥結率が低い場合に調剤基本料の特例対象とする取扱いについては、薬局における妥結状況の推移等を踏まえ、一部見直す。
  5. 調剤基本料として算定する点数が随時把握できるように、算定する基本料の点数を施設基準の内容に含め、地方厚生(支)局へ届け出ることとする。
  6. 前述の「かかりつけ薬剤師・薬局の評価」(Ⅰ-3-1(4))、「在宅薬剤管理指導業務の推進」(Ⅰ-4(9))及び「対人業務の評価の充実」(Ⅲ-7)に係る調剤報酬の算定回数を踏まえ、かかりつけ機能に係る業務を一定期間行っていないと判断される薬局については評価を見直す。

集中率による調剤基本料の特例対象範囲を拡大

これは、今までの議論の中でも言われて来たことです。
現在、特例の対象となるのは、

  • 月の受付回数が4000回以上の場合は集中率70%以上の薬局
  • 月の受付回数が2500回以上の場合は集中率90%以上の薬局

これまでの議論で噂されているのは、

  • 月の受付回数が2500回以上の場合は集中率50%以上の薬局
  • 月の受付回数が1200回以上の場合は集中率70%以上の薬局

です。
どういう結果になるのか気になりますね。

規模の大きい薬局グループの調剤基本料の見直し

これについては、当初、20店舗以上の薬局を区切りとする案があったようですが、今は店舗数での判断は撤回されたという話も聞こえています。
代わりに浮上したのが、一法人あたりの受付処方せん枚数。
これって、チェーン薬局にとっては、より厳しくなった気もしますね・・・。
噂では、大手チェーン薬局とみなされた場合、単独店舗の処方せん受付回数に拘わらず、集中率95%以上で特例の対象になるのではないか、ということです。

かかりつけ薬剤師が特例除外の要件に

これまでは、一部の特例対象であっても24時間開局することで、その特例の除外となっていましたが、24時間開局の要件は除外になります。
代わりに出てくるのが、かかりつけ薬剤師としての業務実績。
昨日の記事に記載しましたが、同一店舗に一定期間以上在籍することがかかりつけ薬剤師の要件の一つとなるのであれば、異動を繰り返すチェーン薬局にとって、頭を悩ます改正になりそうですね。

算定する調剤基本料の届出義務

これまで、調剤基本料が何点かということまでは、届出を行っていませんでしたが、実際に何点を算定しているかというところまで届け出ることになるようです。

算定回数によるかかりつけ機能のチェック

これは正直驚きました。
いや、当然と言えば当然なのですが、自己申告ではなく、点数の算定回数により、業務の実施を判断するというのは今までなかったんじゃないでしょうか?
しっかりかかりつけ薬剤師、在宅指導を行い、点数まで算定しないと認められないということですね。
いくらやっていてもサービスじゃダメですよということです。

Ⅳ-6 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価について

(5)一度に多量に処方される湿布薬が一定程度あり、その状況が地域によって様々であることを踏まえ、残薬削減等の保険給付適正化の観点から、以下のような見直しを行う。

  1. 一定枚数を超えて湿布薬を処方する場合には、原則として処方せん料、処方料、調剤料、調剤技術基本料及び薬剤料を算定しない。ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず一度に一定枚数以上投薬する場合には、その理由を処方せん及び診療報酬明細書に記載することとする。
  2. 湿布薬の処方時は、処方せんや診療報酬明細書に、投薬全量のほか、具体的な用量等を記載することとする。

湿布薬の処方枚数制限

一定枚数を超える湿布薬・・・これはすでに報道されいる通り、70枚ということなのだと思います。
70枚以上処方する場合は、原則、処方せん料、処方料、調剤料、調剤技術基本料及び薬剤料が算定できない。
・・・これはつまり、自費扱いってことなんでしょうね。
OTC販売につなげるチャンスと考えていいかもしれません。

医師が疾患の特性等により必要性があると判断。
これってどういうケースが想定されるんでしょうか?

湿布薬処方時には具体的な用量を記載

これについては、処方せん不備の指摘をしなくてよくなるので薬局としては助かる部分も?
たしか、一日当たりの使用枚数も記載するという話があった気がするのですが、なくなったのかな・・・?

まとめ

ということで、後半部分のまとめ完了です。
後半部分で個人的に驚いたのは、文章の中に「規模の大きい薬局グループ」という言葉が登場したこと。
これって、堂々と、チェーン薬局について厳しくしていくよって言ってるわけですよね。
これまでの議論でも繰り返し言われて来たことですが、こう表現されると、ほかの医療関係者からもチェーン薬局に対する評価が厳しくなってしまいそうな気もします。
ただ、必ずしも国が望む形ではなかったかもしれませんが、分業率の促進に大きく貢献したのは間違いなくチェーン薬局グループだったわけで、いい方法で転換を計っていければなと思います。
僻地医療等に貢献しているところもあると思うので、そういった部分でのメリットは残って欲しいなと思います。

もう一つ驚いたのが、算定回数による実績評価。
一言で言うと厳しい!ですね。
いや、当然なのですが、信用されてないのでは?って気もします。
しっかり実績を作り、算定を行っていきたいですね。

残薬調整、湿布薬の処方について、処方せんの記載が変わることになりそうです。
これまでと異なる形での処方せん記載。
4月中はむしろ疑義紹介が増えるのではないかという不安もありますが、新しい様式についてはわくわくしますね。

本当は、今日、4月以降の薬局の姿をまとめてみようと思ったのですが、それはまつ次の記事に回そうと思います。