薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

局方品は銘柄変更不可!?〜局方品には後発医薬品が存在しない?(修正版)

新人薬剤師さんへ
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(元々は平成27年6月18日に作成した記事です)
処方せんにはプレドニゾロン錠5mg「三和」が記載されていました。
でも、うちの薬局に在庫しているプレドニゾロン錠5mgは、

  • プレドニゾロン錠5mg「タケダ」
  • プレドニゾロン錠5mg「旭化成」
  • プレドニン錠5mg

の3種類だけです。
疑義照会をすると、「プレドニゾロン錠5mgであればどこのメーカーでもいいですよ」との回答だったので、『プレドニゾロン錠5mg「タケダ」』で調剤させてもらいました。
その際、スタッフからは、「局方品だから全部後発品扱いになるので、実際は疑義照会しなくても変更調剤できますよね?」との質問が。
いやいや、逆です。
局方品だからこそ別の銘柄には疑義照会しないと変更できないんです。
局方品は後発医薬品ではなく全て先発品扱いですよ。
  
  

  
  
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局方品は先発品?後発品?

プレドニゾロン錠5mg「三和」のように『一般名+「メーカー名」』の名称になっている医薬品は全て後発医薬品だと思ってしまいがちですが、決してそんなことはありません。
実際に、様々なメーカーから発売されているプレドニゾロン錠はすべて先発医薬品です。
(正確には先発医薬品と後発医薬品の区別がないと言うべき何でしょうが、便宜上、全て先発医薬品という表現にします)
  

局方品と後発医薬品

以前は日本薬局方に収載された後に発売されたものは先発医薬品というルールがあったようです。
  

局方収載後に発売されたものは全て先発医薬品扱い

ジスチグミン臭化物錠を例にして見ます。
1968年3月にウブレチド錠5mg(旧名称:ウブレチド錠)が販売開始されています。
その後、1994年7月にジスチグミン臭化物錠5mg「テバ」(旧名称:ウブテック錠)が販売開始されています。
薬価(平成30年4月時点)を見てみると、

  • ウブレチド錠5mg:18.60円/錠
  • ジスチグミン臭化物錠5mg「テバ」:9.90円/錠

となっており、後から販売になっているジスチグミン臭化物錠5mg「テバ」の薬価は同一成分の1968年3月ウブレチド錠の薬価の約半分です。
ですが、ウブレチド錠5mgと同様に、ジスチグミン臭化物錠5mg「テバ」も後発医薬品ではなく先発医薬品です。
  
これは、1994年7月にウブテック錠が発売されるより前に「ジスチグミン臭化物」が局方品として収載されたためです。
そのため、古くから日本薬局方に収載されている医薬品は後から発売されて安い薬価だとしても多くが先発医薬品ということになります。
  

最近は局方品でも後発医薬品として販売可能

最近では後発医薬品の発売前に日本薬局方に収載されるケースも存在するため、このルールはなくなったようです。
実際に、アトルバスタチン錠は局方収載された後にジェネリック医薬品が発売になっています。
  
  

先発医薬品から先発医薬品には変更できない

以上の話を踏まえると、局方品だから変更できるってことはないですよね?
銘柄変更可能なのは、後発医薬品への代替調剤が認められている処方せんの中で、

  • 先発医薬品→後発医薬品
  • 後発医薬品→後発医薬品

のみです。
  
局方品かどうかは関係なく、後発医薬品が存在するかどうか、変更後の薬剤が後発医薬品かどうかが論点になります。
局方品で考えるのであれば、むしろ、古くから使われている局方品の場合は多くが先発医薬品なので、だからこそ変更できないって話になります。
  
  

局方品は局方品としてレセプト請求可能

局方品は銘柄別のレセプト電算コードとともに、同一の告示名称(局方品名)に対して統一名レセ電算コードが付与されています。
販売名は異なる医薬品でも、共通の統一名レセ電算コードを用いてレセプト請求を行うことが可能です。
その場合、実際に調剤したのは別の銘柄でも、レセプト上は区別がつかない状態になります。
以前は「◯局」の局方品名を薬品名としてレセコン入力していることもありました。
  
局方品は請求上の区別は不要ということから、局方品は銘柄の区別なく、変更して調剤しても問題ないと思っている人もいるかもしれませんね。
ですが、これはあくまでもレセプト請求上の話で、それも全ての局方品に当てはまる話ではありません。
  
  

局方品は一般名で処方して欲しい!

もし、医師の先生方が処方する場合、局方品の銘柄にこだわっていないのであれば、古くからある局方品に関しては一般名で処方していただければ助かります。
薬局としては、局方品のすべての銘柄を在庫するのは難しいです。
おそらく、処方する方も銘柄にこだわっていないケースが多いのではないかとも思います。
一般名処方を発行することによる診療報酬上のメリットはありませんが、一般名処方とすることで、多くの薬局から疑義照会を受ける手間が省かれるかと思います。
  

院外処方内規で局方品の銘柄変更を可能としている場合も

基幹病院等では「局方品はメーカー変更可」という内規を採用しているところも少なくありません。
これも局方品は銘柄変更可能というイメージがついている原因かもしれませんね。
(でも、とてもありがたい内規なんです)
例え悪気はなくても、局方品のメーカーを変更することは、勝手に先発品から先発品に変更することに等しいので注意しないとダメですね!