薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

ワントラム錠~トラマールの1日1回製剤~などの承認が了承

平成27年2日20日、厚労省の薬食審医薬品第一部会で5製品の承認が了承されました。
今回承認が了承された医薬品の中で目を引いたのはワントラム錠(一般名:トラマドール)、トラマールカプセルの1日1回製剤です。
個々についてはまた今後まとめるとして、今回取り上げられた医薬品について簡単にまとめておきます。

平成27年2月20日承認了承品目

それぞれの医薬品の詳細はまだわからない点が多いですが、今回承認が了承された医薬品を簡単にまとめておきます。

エビリファイ持続性水懸筋注用

エビリファイ持続性水懸筋注用300mg、エビリファイ持続性水懸筋注用400mg、エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ、エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ(一般名:アリピプラゾール水和物)
大塚製薬が申請していました。
効能・効果は「統合失調症」、持効性製剤で月1回投与となっています。

統合失調症の持続性製剤と言えば、「リスパダールコンスタ」や「ゼプリオン水懸筋注」がありますね。
ゼプリオン水懸筋注には昨年、ブルーレターが発出されています。


統合失調症の持続型製剤となると少し注意が必要なイメージがついています。
安全性について詳しく知りたいですね。

ワントラム錠

ワントラム錠100mg(一般名:トラマドール塩酸塩)
日本新薬が承認申請していました。
効能・効果は「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な疼痛を伴う各種がん、慢性疼痛における鎮痛」
トラマールカプセルは1日4回投与となっていますが、ワントラム錠は徐放性製剤で1日1回で済みます。
即放性を持つ周辺部分と徐放性を持つ中心部分の二重構造により、即効性と持続性を両立させています。
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トラマドールについては過去にまとめています。


オプスミット錠

オプスミット錠10mg(一般名:マシテンタン)
またしても日本新薬が申請。
効能・効果は「肺動脈性高血圧症」です。

血管収縮に関与するエンドセリン受容体を阻害することで肺の血管を拡張します。
エンドセリン受容体拮抗薬には、他に、トラクリア錠(一般名:ボセンタン)、ヴォリブリス錠(一般名:アンブリセンタン)が発売されています。

ガドビスト静注・ガドビストシリンジ

ガドビスト静注1.0mol/L 7.5mL、ガドビスト静注シリンジ5mL、ガドビスト静注シリンジ7.5mL、ガドビスト静注シリンジ10mL(一般名:ガドブトロール)
バイエル薬品が申請。
効能・効果は「磁気共鳴コンピュータ断層撮影における脳・脊椎造影、躯幹部・四肢造影」です。

ガドリニウムキレート化合物で、造影剤として血液中に投与することでMRI画像の血管像を見やすくします。
同様の適応をもつものに、オムニスキャン静注(一般名:ガドジアミド水和物)、マグネスコープ静注・マグネビスト静注(一般名:ガドテル酸メグルミン)、プロハンス静注(一般名:ガドテリドール)などがあります。

サデルガカプセル

サデルガカプセル100mg(一般名:エリグルスタット酒石酸塩)
ジェンザイム・ジャパンが申請していました。
効能・効果は「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少、肝脾腫、骨症状)の改善」
希少疾病用医薬品となります。

ゴーシェ病に適応を持つのは、セレザイム静注・セレザイム注(一般名:イミグルセラーゼ(遺伝子組換え))に続いて2成分目で、経口剤は国内初となります。
ゴーシェ病は、遺伝的要因により先天的に、グルコセレブロシダーゼが不足していたり、欠損していたりすることにより、酵素活性が低下してしまい、その結果、肝臓、脾臓、骨などにグルコシルセラミドが蓄積してしまう疾患です。
エリグルスタットは、グルコシルセラミドの合成を阻害することで効果を発揮します。

承認了承が見送られた薬剤

イグザレルトへの適応追加

イグザレルト錠(一般名:リバーロキサバン)への「深部静脈血栓症」、「脳塞栓症」の適応追加が継続審議となっています。
その理由は、「承認の可否を判断するにあたり懸念されることがあったため」とだけ説明しており、詳細は不明となっています。

報告品目

ジェイゾロフトに適応追加

ジェイゾロフト錠ならびにジェイゾロフトOD錠(一般名:塩酸セルトラリン)に「外傷後ストレス障害」の効能・効果が追加になっています。
2011年の東日本大震災を契機に、日本トラウマティック・ストレス学会からPTSD適応の早期承認・保険適用を求める要望書が厚労相に提出されていており、PTSDに対してジェイゾロフトはすでに広く使用されていることから、治験なしに公知申請を行っていました。

SSRIでPTSDに適応をもつ薬剤にはパキシル(一般名:パロキセチン塩酸塩)があります。