薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

ザファテック錠(トレラグリプチン)〜週一回投与のDPP4阻害薬の承認が了承

平成27年1月30日に承認が了承された、国内初の週一回投与型のDPP4阻害剤ザファテック錠(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)こと武田薬品のSYR-472について詳しくまとめています。
平成27年1月30日、厚生労働省の薬食審医薬品第一部会で、武田薬品のSYR-472ことザファテック錠(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)の承認が了承されました。
ザファテック錠は国内8成分目のDPP4阻害剤で、国内初の週一回投与製剤です。

ザファテック錠の審議内容

今回審議された申請内容を見てみます。

  • ザファテック錠50mg、ザファテック錠100mg
  • 一般名:トレラグリプチンコハク酸塩
  • 申請者:武田薬品
  • 効能・効果:2型糖尿病
  • 用法・用量:「通常、成人にはトレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与する。」


ザファテック錠の特徴

なんと言っても、週一回の服用ということでしょう。
ほかに経口薬で週1回投与製剤が存在するのはビスホスホネート製剤だけです。
また、週1回投与というのは、DPP-4阻害薬だけではなく、経口血糖降下薬としても初めてです。

ザファテック錠の承認申請は日本が最初でした。
ですので、世界初の新薬ということになりそうです。

ネシーナとザファテックとの違いは?

武田薬品のDPP-4阻害剤と言えば、ネシーナ(一般名:アログリプチン)です。
武田薬品は、今回、ザファテックが承認されることで、世界で唯一、複数のDPP-4阻害薬を保有するメーカーとなります。
ザファテックはネシーナの後継品とは考えていないようで、それぞれの特性を活かした使いわけを考えているようです。

ザファテック=トレラグリプチンの特性

ザファテックが週一回の投与で効果を発揮することができるのは、トレラグリプチンの血中半減期の長さによるものです。
国内第Ⅰ相臨床試験(フェーズI)では、血中半減期(t1/2)が38~54時間であることがわかっています。
(シダグリプチン9.6~11.6時間、アログリプチン14.7~19.9時間)
DPP-4阻害活性作用は、投与後168時間(7日間)継続したとのことで、これが週一回投与の根拠となっているようです。

国内第Ⅱ相臨床試験(フェーズII)によると、DPP-4阻害率は、投与2週間後にピークに達し、投与期間の12週間(試験終了)まで維持されています。
効果についても同様で、投与2週間後にピークに達し、投与期間の12週間(試験終了)まで維持されています。
また、DPP-4活性阻害率は用量依存的に上昇しています。
有害事象に関しては、3%以上の発現率だったものは、鼻咽頭炎、咽頭炎、胃腸炎、膀胱炎、湿疹などとなっています。

最後に、国内第Ⅲ相臨床試験(フェーズIII)では、プラセボ、アログリプチン、トレラグリプチン群の比較を行っています。
投与開始24週後の、HbA1cの変化量は、

  • プラセボ群:+0.24%
  • アログリプチン群:-0.46%
  • トレラグリプチン群:-0.32%

となっており、
アログリプチン、トレラグリプチンがプラセボに対して有意にHbA1cを低下させること、
トララグリプチンはアログリプチンに対して非劣勢であることが認められました。

また、有害事象の発生についても報告されています。

  • プラセボ群:64.0%
  • アログリプチン群:62.0%
  • トレラグリプチン群:66.3%

となっており、忍容性に関しても大きな問題がないことが認められています。

週一回投与の糖尿病治療薬

糖尿病治療薬は食事の前後に服用することで、食事に対する意識を高める効果があるような気がします。
また、食事を意識することは糖尿病治療中であることの意識につながり、飲み忘れが起こりにくくなっているのではないかと思います。

ビスホスホネート(BP)製剤に関しては、

  • 起床時服用(空腹時服用)
  • 服用後30分は水以外の飲食を避ける
  • 服用後30分は横になってはいけない

等の制限があるため、1週間投与、月1回投与のメリットがありますが、
DPP4阻害薬等の経口糖病病薬の場合はどうなんでしょうか?

投与初期、併用薬がない、治療開始に単剤で用いる薬剤としてはいいのかもしれません。

いずれにせよ、糖尿病治療における新たな選択肢が増えることは間違いありません。
正式な承認、販売開始が楽しみですね。