薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

医薬品の販売・授与~どうなる?改正薬事法 その3

平成26年6月12日から施行される改正薬事法。
残りあと一ヶ月を切りましたね。

以前、要指導医薬品の販売・授与についてまとめましたが、他の医薬品についてはどうなんでしょうか?
今回はいっきにまとめます。

関連記事はこちら
要指導医薬品〜どうなる?改正薬事法 その1 - 薬剤師の脳みそ
要指導医薬品の販売・授与〜どうなる?改正薬事法 その2 - 薬剤師の脳みそ
薬剤師法の改正 - 薬剤師の脳みそ


医薬品の販売に際して考えないといけないことは、
a.販売・授与を行うことが可能な職種
b.情報提供・指導の必要の有無

要指導医薬品以外の医薬品は、
A.調剤された医薬品
B.薬局医薬品
C.第一類医薬品
D.第二類医薬品
E.第三類医薬品
です。

この分類でまとめていきます。

販売・授与を行うことが可能な職種

医薬品の区分ごとに条文を確認していきます。

調剤された医薬品

第九条の二
 薬剤師

(調剤された薬剤の販売に従事する者)
第九条の二
薬局開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤につき、薬剤師に販売させ、又は授与させなければならない。

薬局医薬品

第三十六条の三
 薬剤師
 使用者本人に対してのみ

(薬局医薬品の販売に従事する者等)
第三十六条の三
薬局開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、薬局医薬品につき、薬剤師に販売させ、又は授与させなければならない。
2 薬局開設者は、薬局医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく、薬局医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者(以下「薬剤師等」という。)に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

一般用医薬品

第三十六条の九 ※旧第三十六条の五(変更なし)
 第一類:薬剤師
 第二類・第三類:薬剤師又は登録販売者

(一般用医薬品の販売に従事する者)
第三十六条の九  薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、一般用医薬品につき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に販売させ、又は授与させなければならない。
一  第一類医薬品 薬剤師
二  第二類医薬品及び第三類医薬品 薬剤師又は登録販売者

まとめ

要指導医薬品も含めてまとめてみます。

販売・授与が可能な職種販売・授与が可能な相手
調剤された医薬品薬剤師-
薬局医薬品薬剤師使用者本人
要指導医薬品薬剤師使用者本人
第一類医薬品薬剤師-
第二類医薬品薬剤師・登録販売者-
第三類薬品薬剤師・登録販売者-


販売・授与の相手

これも医薬品の区分ごとに条文を確認していきます。

調剤された医薬品

第九条の三
 薬剤師
 対面販売
 書面(電磁的記録)による情報提供
 薬学的知見に基づく指導
 患者への確認事項
 情報提供・指導なしでは販売・授与は不可
 相談対応

(調剤された薬剤に関する情報提供及び指導等)
第九条の三
薬局開設者は、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤の適正な使用のため、当該薬剤を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下第三十六条の十までにおいて同じ。)に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。
2 薬局開設者は、前項の規定による情報の提供及び指導を行わせるに当たつては、当該薬剤師に、あらかじめ、当該薬剤を使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況その他の厚生労働省令で定める事項を確認させなければならない。
3 薬局開設者は、第一項に規定する場合において、同項の規定による情報の提供又は指導ができないとき、その他同項に規定する薬剤の適正な使用を確保することができないと認められるときは、当該薬剤を販売し、又は授与してはならない
4 薬局開設者は、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤の適正な使用のため、当該薬剤を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は当該薬局開設者から当該薬剤を購入し、若しくは譲り受けた者から相談があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、必要な情報を提供させ、又は必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。

薬局医薬品

第三十六条の四
 薬剤師
 対面販売
 書面(電磁的記録)による情報提供
 薬学的知見に基づく指導
 患者への確認事項
 情報提供・指導なしでは販売・授与は不可
 相談対応 

(薬局医薬品に関する情報提供及び指導等)
第三十六条の四
薬局開設者は、薬局医薬品の適正な使用のため、薬局医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。
2 薬局開設者は、前項の規定による情報の提供及び指導を行わせるに当たつては、当該薬剤師に、あらかじめ、薬局医薬品を使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況その他の厚生労働省令で定める事項を確認させなければならない。
3 薬局開設者は、第一項本文に規定する場合において、同項の規定による情報の提供又は指導ができないとき、その他薬局医薬品の適正な使用を確保することができないと認められるときは、薬局医薬品を販売し、又は授与してはならない
4 薬局開設者は、薬局医薬品の適正な使用のため、その薬局において薬局医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局において薬局医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた薬局医薬品を使用する者から相談があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、必要な情報を提供させ、又は必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。

一般用医薬品

第三十六条の十
・第一類医薬品
  薬剤師
  書面(電磁的記録)による情報提供
   ※患者が拒否・理解している場合は省略可
  患者への確認事項
  相談対応
・第二類医薬品
  薬剤師又は登録販売者
  情報提供(努力義務)
  患者への確認事項(努力義務)
  相談対応
・第三類医薬品
  相談対応

(一般用医薬品に関する情報提供等)
第三十六条の十
薬局開設者又は店舗販売業者は、第一類医薬品の適正な使用のため、第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。
2 薬局開設者又は店舗販売業者は、前項の規定による情報の提供を行わせるに当たつては、当該薬剤師に、あらかじめ、第一類医薬品を使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況その他の厚生労働省令で定める事項を確認させなければならない。
3 薬局開設者又は店舗販売業者は、第二類医薬品の適正な使用のため、第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させるよう努めなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。
4 薬局開設者又は店舗販売業者は、前項の規定による情報の提供を行わせるに当たつては、当該薬剤師又は登録販売者に、あらかじめ、第二類医薬品を使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況その他の厚生労働省令で定める事項を確認させるよう努めなければならない。
5 薬局開設者又は店舗販売業者は、一般用医薬品の適正な使用のため、その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者から相談があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させなければならない。
第一項の規定は、第一類医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合(第一類医薬品が適正に使用されると認められる場合に限る。)には、適用しない

まとめ

要指導医薬品を含めてまとめてみます。

販売者特定
販売
情報提供確認
事項
相談
対応
登販情報指導
調剤された医薬品××
薬局医薬品××
要指導医薬品××
第一類医薬品×-
第二類医薬品-
第三類医薬品---
 ※患者希望•理解により省略可能
 △努力義務
かなり省略しましたが、いかがでしょうか?

確認事項の内容

なお、調剤された医薬品・薬局医薬品の情報提供・指導の際に求められている確認事項は要指導医薬品の場合と同じです。
それぞれ、
 調剤された医薬品:薬事法施工規則 第十五条の十二
 薬局医薬品:薬事法施行規則 第百五十八条の八
 要指導医薬品:薬事法施行規則 第百五十八条の十二
に記載されています。

確認事項の内容は、
年齢、併用薬、性別、症状、受診の有無(診断内容)、合併症、妊娠の有無(妊娠週)、授乳の有無、当該医薬品の使用経験、副作用歴(症状、時期、薬品名、成分、服用量、服用状況)、その他必要な情報
ですね。

まとめ

薬局医薬品・要指導医薬品は使用者本人のみにしか販売不可。
調剤された医薬品・薬局医薬品・要指導医薬品は情報提供に加えて、指導が義務化。
情報提供・指導なしでは販売不可。
この三つが大きい部分ですね。
薬剤師法では調剤された医薬品について薬剤師の指導が義務化されていますが、薬局においてはそれが薬局医薬品、要指導医薬品にまで広がります。

今回の改正の中心になるのはやはり「指導」が明文化されたことだと思います。
薬歴算定の有無に関わらず、薬剤師が関わる以上は情報提供・指導が必須になります。
この部分の徹底を行うためには前もっての周知が必要かもしれませんね。