薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

タケルダ配合錠

新人薬剤師さんへ
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1月24日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認の了承を受けたもので気になった医薬品。
武田薬品のタケルダ配合錠。
医薬品医療機器総合機構(pmda)の審査のみで承認して問題ないということで審議なしでの了承です。
タケルダ配合錠はランソプラゾールとアスピリンの配合錠です。
ランソプラゾールが15mg、アスピリンが100mgです。
効能・効果は「胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往があり、狭心症や冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術施行した患者に対する血栓・塞栓形成」です。

タケプロンが持っている「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の効能・効果を活かした配合錠ですね。
海外での開発はされていないようですが、完全に国内に特化した薬剤です。

低用量アスピリンに対するタケプロンでの潰瘍再発予防も広まっていますし、配合錠にすることで飲み忘れも防げて、副作用も抑えられて、とてもいいと思います。
でも、一番すごいのは武田の戦略。
これ、完全に後発医薬品対策ですよね?

そろそろ、後発医薬品にも「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の適応が追加されるころなんでしょうか?
(タケプロンは後発品のランソプラゾールにはない適応を持っています)
その前にタケルダを発売してしまうところが武田薬品の戦略?
低用量アスピリン+タケプロンで使用しているうちに、タケルダに切り替えてもらうという作戦ですね。
処方箋にタケルダと記載されていれば、それを薬局で低用量アスピリン+ランソプラゾール(ジェネリック)と後発医薬品に変更するのは現状の制度では無理です。
わざわざ配合錠をわけてまで後発医薬品に変更する医師も少ないのではないでしょうか?

また医師が処方箋に記入する際、実は大事な要素である名前。
武田薬品のタケルダ!
なんてストレートなネーミング。
これはインパクトありすぎて忘れないですね。

平成26年3月25日追記:タケルダの名前の由来は、TAKELDA=TAKEプロン(タケプロン)+LDA(Low Dose Aspirin:低用量アスピリン)ってことのようですね。

これまでの流れからして配合錠の薬価は後発医薬品の薬価と同等かそれ以下のはず。
そう考えると、医療費的に国にも患者さんにもメリットがあるんですよね。
武田としても自社製品のシェアを維持、もしくは拡大できる。
後発医薬品に疑問のある医師も安心。
しかも患者さんが服用する薬剤の数も減らせれる。

とまあ、あくまで個人的な妄想ですが。
医療の世界でも戦略的な開発があるってのを感じますね。