薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

胃カメラの際のワーファリン休薬は不要に?

勉強法で悩んでいる薬剤師の方へ

知識の身に付け方は2種類あります。

1つはすぐに活用できる知識。現在の業務の中で必要とされる知識です。身に付けたらすぐに活用することができるので仕事に活かすことができますし、忘れることもありません。

もう1つはすぐには活用できない知識です。身に付けてもすぐに使う知識ではないのないので、だんだんと記憶から薄れてしまいます。ただし、この知識こそが薬剤師としての基礎的な力になります。

普段の業務で使用しない知識を身に付けるのは記憶力を必要としますし、モチベーションを維持するのも大変です。そのため、習慣的に新しい知識を取り入れることを生活の一部にすることが大切になります。薄い知識でも重ねていくことで自然と少しずつ、自分の力として身についていきます。
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胃カメラを受けるけどワーファリンはやめないでいい。
え?と思いましたが不勉強でした。
2012年7月に「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」が公開されていますね。
以前は、ワーファリンなどの抗血栓薬やバイアスピリンのような抗血小板薬を服用している患者さんが内視鏡検査を受ける際、主治医と相談の上で、それらの薬剤を一定期間休薬し、出血リスクをなくしてから行っていました。
生検やポリープ除去などを行った場合の出血のリスクを低下させるためのものでしたが、当然ながら休薬期間は心血管イベント・脳梗塞のリスクが高まります。
当時の考えでは出血リスク>休薬リスクだったのですが、内視鏡治療、抗血栓薬・抗血小板薬治療のエビデンスが増えたことでその考えが変わってきました。
そこで、新しく「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」がまとめられたようです。

Mindsで公開されていますので詳しくはそちらを参照してください。
Minds医療情報サービス

新しいガイドラインでの考えを簡単にまとめます。

観察・生検・出血低危険度の内視鏡治療(単独服用の場合)
 アスピリン(商品名:バイアスピリン、バファリン81mg)
 抗血小板薬
 ワルファリン(商品名:ワーファリン)
 ダビガトラン
以上すべての場合で休薬不要です。
※抗血小板薬
 チクロピジン(商品名:パナルジン)、チエノピリジン(商品名:プラビックス)、
 シロスタゾール(商品名:プレタール)、イコサペンタエン酸(商品名:エパデール)、
 サルボグレラート(商品名:アンプラーグ)、ベラプロスト(商品名:ドルナー)、
 リマプロストアルファデスク(商品名:オパルモン・プロレナール)、
 トラピジル(商品名:ロコルナール)、ジピリダモール(商品名:ペルサンチン)

出血高危険度の内視鏡治療
 アスピリン:休薬不要で可能 または 3~5日休薬
 チエノピリジン:アスピリン・シロスタゾールに置換 または 5~7日休薬
 そのほかの抗血小板薬:1日休薬
 ワルファリン・ダビガトラン:ヘパリン置換

多剤併用の場合はこの限りではなく、出血低危険度の場合でも症例に応じて慎重に対応する必要があります。
多剤併用で出血高危険度の場合は休薬可能となるまで延期ということです。
(多剤併用についてもガイドラインでは詳しくまとめられているので、ぜひ、リンク先のチェックを)

何にせよ、単剤なら休薬なしでオッケーということですね。

米国では元々、休薬なしでOKでしたが、日本人は出血リスクが高いということもあり、見送られてきたようです。

脳梗塞リスクが高くあまり休薬を行いたくない場合、まず胃カメラで様子を見て、病変があれば、休薬の上で2回目の内視鏡で生検を行ったり、ポリープ除去を行うというケースもありました。
患者さんからすれば二回も胃カメラを飲むのは大変ですし、今までは休薬するのかヘパリンなどに置換するかの考え方も不明瞭だったのが、多剤併用まで細かく決められたので、エビデンスに基づいた対応が可能となり、安心して治療を受けられるようになったのだと思います。

ガイドラインの改定は常にチェックしておきたいですね。

消化器内視鏡ガイドライン

消化器内視鏡ガイドライン

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