薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
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リオナ錠 承認 (平成26年1月17日)

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日本たばこ産業、いわゆるJTのリオナ錠。
有効成分はクエン酸第二鉄水和物です。
この薬は鳥居薬品との共同開発みたいです。
効能•効果は「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」。
消化管内のリン酸と結合することでリンの吸収を抑制、血清リン濃度を低下させるリン吸着剤です。
これまで広く使われてきた沈降炭酸カルシウム(カルタン等)とは異なり、カルシウムを含有しないので高カルシウム血症の懸念がないのが特徴です。

2009年に発売されたリン吸着剤である炭酸ランタン(ホスレノール)で見られる便秘や腸管穿孔など重篤な胃腸障害の発現リスクが低いのも特徴みたいです。


ちなみに、クエン酸第一鉄と言えば鉄欠乏性貧血治療薬のフェロミアがありますね。
クエン酸第一鉄(Fe2+)とクエン酸第二鉄(Fe3+)。
※第一が2+で第二が3+です。紛らわしいですが。
クエン酸第一鉄は水溶性、クエン酸第二鉄は難溶性です。
なのでフェロミアは吸収されますが、リオナは吸収されないと言う訳です。
胃酸によりFe3+→Fe2+となるので多少は吸収されるかと思いますが。

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