薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
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イルトラ配合錠

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⭐イルトラ配合錠LD、イルトラ配合錠HD(一般名:イルベサルタン/トリクロルメチアジド、塩野義製薬)

本剤で5剤目となるARBとサイアザイド(チアジド)系利尿薬の配合剤。
イルベサルタン(商品名:アバプロ/イルベタン)とトリクロルメチアジド(フルイトラン)の合剤です。
トリクロルメチアジドを含むサイアザイド配合剤はこれが初めてですね。
※他はヒドロクロロチアジド(商品名:ダイクロトライド 製造中止/ニュートライド)
サイアザイドを変えるのであれば、エビデンスの多いサイアザイド類似薬の方がいいのですが、
塩野義ですので、自社製品のフルイトランを使うのは当然ですね。
LDはイルベサルタン100mg、トリクロルメチアジド1mg
HDはイルベサルタン200mg、トリクロルメチアジド1mg
イルベサルタン200mgって1日最大用量ですね。
サイアザイド配合剤でARBが最大用量となる規格設定されているのはイルトラとミコンビだけですね。
イルトラの場合は元となるイルベタン(アバプロ)に200mg錠が存在しないという状態ですので、
思い込みによる間違いが増えそうな気もします。

5/31訂正:イルベタン・アバプロの200mgは平成25年3月19日に製造承認を取得し、現在、発売準備中のようです。

ちなみに、発売するのは塩野義だけで大日本住友(アバプロを販売)は発売しないのでしょうか?
名前もイル(ベタン?べサルタン?)+(フルイ)トラ(ン)ですから、塩野義単独なのかな?
海外での発売もされていないようです。
※アイミクスも国内のみでしたね。

イルベサルタンについては、その実力がはっきりしないまま、
次の新薬アジルサルタン(商品名:アジルバ)に打ち消されてしまった気がします。
イルトラに200mgを設定した経緯や狙いを聞いてみたいですね。

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