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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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ゼルヤンツ錠5mg

新薬承認情報

平成25年3月25日付承認医薬品です。
今回は新薬18成分を含む23品目でした。

トファシチニブクエン酸塩錠(商品名:ゼルヤンツ錠5mg/ファイザー)
新有効成分含有医薬品
効能・効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」。
JAK阻害薬は細胞内の非受容体型チロシンキナーゼであるJanus Kinase(ヤーヌスキナーゼ:JAK)ファミリーを阻害します。
リンパ球の活性化、機能分化および増殖に重要な役割を果たすシグナル伝達を抑制することで抗リウマチ作用を発揮します。
用法・用量は、通常5mgを1日2回経口投与。

トファシチニブは分子量312.4(クエン酸塩として504.5)の小分子であるため経口投与が可能。
抗リウマチ薬(DMARDs)として全く新しい作用機序となります。
多くの生物学的製剤と同様、メトトレキサート(MTX)のセカンドラインとして使うことができます。
単剤療法のほか、MTXなど他のDMARDsと併用も可能です。
生物学的製剤、あるいはアザチオプリン、シクロスポリンなどの強力な免疫抑制薬との併用は認められていません。

最も多く見られた重篤な有害事象は重篤な感染症で、最も多く報告された有害事象は、上気道感染症、頭痛、下痢、鼻咽頭炎です。

JAKを含む非受容体型チロシンキナーゼの代表的な構造は、細胞外領域をもたず、細胞内で細胞膜に結合し、細胞内の末端側にチロシンキナーゼ部位をもつ構造です。
免疫グロブリンやサイトカイン等の結合部位を持ち,これらの刺激により活性化します。
JAKは活性化された受容体と複合体を作るとまず受容体をリン酸化し、次に受容体に結合した下流分子もリン酸化することから、二面神ヤヌスにちなみ"Janus kinase"(ヤーヌスキナーゼ)と呼ばれます。

新作用機序ということでその効果に期待が高まるトファシチニブですが、日本リウマチ学会は安全性を懸念しています。
http://www.ryumachi-jp.com/info/news130402.html
FDAではMTX効果不十分での適応なのに、日本国内では既存療法で効果不十分、つまりMTX以外のどの薬が効果不十分でも適応となります。
また、用量依存的に感染症、特に肺外結核を増やしてしまうため、米国と同じ5mgを1日2回という用量で問題がないかどうか。
新作用機序で生物学的製剤に近い効果が期待できるが、経口投与が可能であるため容易に使用できてしまうということ。
こういった注意点も頭に入れておく必要があると思います。

ただ、注意すべきところを注意して使えば、有意義な効果を発揮してくれるはずです。
JAK阻害薬は潰瘍性大腸炎などに対する効果も期待できるので今後が楽しみですね。