薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
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ノウリアスト錠20mg

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平成25年3月25日付承認医薬品です。
今回は新薬18成分を含む23品目でした。
イストラデフィリン錠(商品名:ノウリアスト錠20mg/協和発酵キリン)
※新有効成分含有医薬品
効能・効果は「レボドバ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善」。

レボドバ製剤を長期的に服用しているとその効果が次第に薄れてきます(ウェアリングオフ現象)。
イストラデフィリンはアデノシン2A受容体を拮抗するという新しい作用機序でウェアリングオフ現象に対する効果が期待されます。

大脳基底核に局在するアデノシン2a(A2a)受容体に対する拮抗薬は,基底核神経ループの異常を制御して運動症状を改善すると言われています。
臨床試験の結果では、1日平均オフ時間の変化において、イストラデフィリンはプラセボに比べ有意な減少を示しました。
プラセボが−0.23時間に対し、イストラデフィリンは20mgが−0.99時間。
副次評価項目のUPDRS(パーキンソン病を総合的に評価する基準)もプラセボに対し有意な改善効果を示しています。
安全性(有害事象)は、プラセボに比べて明らかに多く発現した事象はジスキネジア(不随意運動の総称で、自分の意志にかかわりなく身体が動いてしまう症状)のみです。

ということで安全性も高く、ドパミンを介さない新規作用機序ということで効果も期待できますね。
発売、詳しい情報が楽しみです。

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