薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
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バルプロ酸ナトリウムと脱毛

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セレニカR錠(一般名:バルプロ酸ナトリウム)が飲み込みにくいからとセレニカR顆粒に変更になった患者さん。
二ヶ月後、セレニカRの処方自体が消えました。
顆粒は顆粒で飲みにくかったか…と思い質問すると。
「この薬になってから髪の毛が抜けるのよ。錠剤はもう飲めないし、一度やめて様子を見るの」
医師と相談して一時中止になったそうです。
たしかにバルプロ酸ナトリウムには脱毛の副作用があります。
でも、その発生頻度は0.1%未満。
つまり、1000人に一人に満たない。
可能性はあるけど、そんなに頻度が高いものでもないしなあ…と思っていたら。
精神科でデパケンR錠が出ている患者さんに皮膚科でセファランチン錠とカルプロニウム液(商品名:フロジン液)が処方。
聞いてみると精神科の薬が原因かもしれないから試してみようとのこと。

これが両方とも二ヶ月くらいの間に起こった出来事。
こうなってくると、けっこう起こるものなのかなあ…と思ってくる。
ネットで検索してみると頻度が高そうなんですね。

何で脱毛が起こるんだろう…と考えてみましたが。
バルプロ酸と言えば葉酸の低下を起こします。
そのため、妊娠中は原則禁忌。
妊娠中に服用する場合は葉酸を摂取することが多いです。
ちなみに、葉酸欠乏は脱毛を引き起こすこともあります。
ということは…?
フォリアミンやサプリメントで葉酸を摂取すれば治るのでは?

勝手な仮説です。
ご存知の方いらしたら教えてもらえれば嬉しいです。

written by iHatenaSync

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