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薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

調剤(保険)薬局の薬剤師が脳内で考えていることや仕事の中で得た知識をまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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平成24年9月28日承認医薬品

新薬承認情報

今回の承認はオーファンがいっぱいでした。
なんと16成分中4成分がオーファン!
トブラマイシン吸入液(商品名:トービイ吸入液300mg/ノバルティスファーマ)
※新投与経路医薬品
アミノグリコシド系抗生物質。
注射液、点眼液はすでに発売されている。
吸入液の効能・効果は「嚢胞性線維症患者における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善」
2010年「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での評価に基づき厚生労働省より開発要請。
膵嚢胞線維症とは、生体内のクロールイオンチャネル(CFTR)の遺伝子変異が原因で膵や気道の分泌腺が機能不全をきたし、消化器障害や呼吸器症状を引き起こす難治性の疾患。
有効な治療法はなく、対症療法を中心に治療が行われる。
欧米では患者が多く存在するが、日本人患者は少なく15名程度。
緑膿菌の持続的な感染による急性憎悪が予後を悪くするが、この製剤はその標準的な治療に位置付けられる。

オメガ−3脂肪酸エチル(商品名:ロトリガ粒状カプセル2g/武田薬品)
※新有効成分含有医薬品
有効成分として魚油由来のイコサペント酸エチル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチル(DHA-E)を持つ高脂血症治療薬。
肝臓での超低比重リポ蛋白(VLDL)の合成や分泌を抑えることで、血中のトリグリセライドの消失を促し、脂質低下作用を示す。
1日1回の投与で従来のEPA製剤(商品名:エパデール)と同等の効果を示し、1日2回への増量も可能。
また、小型LDLを減らし、大型LDLを増やすという脂質の質に対する効果ももつ。

オランザピン(商品名:ジプレキサ筋注用10mg/日本イーライリリー)
※新投与経路医薬品
「統合失調症における精神運動興奮」
速効性の製剤で、急性症状を抑えるのに用いる。

アナグリプチン(商品名:スイニー錠100mg/三和化学、興和)
※新有効成分含有医薬品。
国内6成分目のDPP-4阻害薬。
1日2回投与。
併用可能薬剤は、α−グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤。
当初、興和はベスコアという名前で販売する予定だったが同一銘柄に変更。
ちなみに7番目のDPP-4阻害剤も協和発酵キリンから登場とか…。

アフリベルセプト遺伝子組換え(商品名:アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、同注射用キット40mg/mL/バイエル薬品)
※新有効成分含有医薬品
「中心窩下脈略膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」を効能・効果とする。
眼の中の異常な血管新生によって視力に障害が起こる滲出型の加齢黄斑変性。
この薬剤は血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体に結合して血管新生の働きを抑え、症状を改善させる。
硝子体内に2mgを月1回注射する(維持期は2カ月に1回)。

イルベサルタン/アムロジピンベシル酸塩(商品名:アイミクス配合錠LD、同HD/大日本住友製薬)
※新医療用配合剤
イルベサルタンとアムロジピンの配合量は、LDが100mg/5mg、HDが100mg/10mg。
国内5番目となるARBとCa拮抗薬の配合剤。

クロピドグレル硫酸塩(商品名:プラビックス錠25mg、同75mg/サノフィ・アベンティス)
※新効能・新用量医薬品
「末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制」の効能・効果が追加。

インスリンデクルデク遺伝子組換え(商品名:トレシーバ注フレックスタッチ、同注ペンフィル/ノボノルディスクファーマ)
※新有効成分含有医薬品
「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする。
1日1回投与の超持効型製剤。
持効果型よりもさらに効果が持続する超持効型製剤。
さらに、新注入器であるフレックスタッチも発売。

メサドン塩酸塩(商品名:メサペイン錠5mg、同10mg/帝國製薬)
※新有効成分含有医薬品
「他の強オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛」を効能・効果とする。
4番目のオピオイド製剤。
他のオピオイドからの切り替えで使用。
半減期が長いことが利点でもあり、欠点でもある。
効果は強力だが、相互作用、肝機能の影響大など扱いには注意が必要な薬。

グリコピロニウム臭化物(商品名:シーブリ吸入用カプセル50μg/ノバルティスファーマ)
※新有効成分含有医薬品
「慢性閉塞性肺疾患の気道閉そく性障害に基づく諸症状の緩解」を効能・効果とする。
長時間作用型の抗コリン薬で、気管支拡張作用を持つ。
1回1カプセルを1日1回吸入。
スピリーバと同等の効果を持つLAMA。
吸入デバイスはブリーズヘラーを採用。
近い将来、オンブレスとの合剤が控えています。
日本のバイオベンチャーが開発したこの薬、COPD患者の増加を考えるとブロックバスターになれるかも?

タゾバクタムとピペラシリンの配合剤(商品名:ゾシン静注用2.25、同4.5/大鵬薬品)
※新効能医薬品
「腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆のう炎、胆管炎」の効能・効果を追加。

チゲサイクリン(商品名:タイガシル点滴静注用50mg/ファイザー)
※新有効成分含有医薬品
「深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆のう炎」を効能・効果とする。
薬剤耐性菌感染症の治療薬として早期承認するよう日本感染症学会、日本化学療法学会、日本環境感染学会、日本臨床微生物学会から厚労省に要望書が出されていた。
ミノサイクリンを改良して作られたグリシルサイクリン系抗生物質。
多剤耐性アシネトバクターを含む耐性グラム陰性菌に有効。
アウトブレイクが問題となっている多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(multiple drug resistant Acinetobacter baumannii;MDR-AB)等に有効なので期待!


さあ、ここからはオーファンドラッグ!

スチリペントール(商品名:ディアコミットドライシロップ分包250mg、同分包500mg、同カプセル250mg/MeijiSeikaファルマ)
※新有効成分含有医薬品
「クロバザム及びパルプロ酸ナトリウムで十分な効果が認められないDravet症候群患者における間代性発作又は強直間代性発作」を効能・効果とする。
抗てんかん薬のクロバザム(商品名:マイスタン)及びパルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン)と併用する。
神経伝達を行うGABAを介した誘発電流を増強作用やクロバザムの代謝阻害作用によりてんかん発作を抑える。
Dravet(ドラベ)症候群は、乳児の重度の難治性てんかんの1つ。
国内患者数は3000〜6000人と推定される。

フェニル酪酸ナトリウム(商品名:ブフェニール錠500mg、同顆粒94%/シミックホールディングス)
※新有効成分含有医薬品
「尿素サイクル異常症」を効能・効果とする。
生体内で酸化されグルタミンと結合することにより、余剰アンモニア産生の原因となる残余窒素を減らし、血中アンモニアの上昇を抑制。
尿素サイクル異常症は、アンモニアを解毒し尿素を生成することが生まれつきできないため、高アンモニア血症により意識や呼吸器などの中枢神経障害を発現し、死に至ることもある。
国内患者は約240人と推定される。

カルムスチン(商品名:ギリアデル脳内留置用剤7.7mg/ノーベルファーマ)
※新有効成分含有医薬品
「悪性神経膠腫」を効能・効果とする。
腫瘍組織切除後にその部位に貼る数ミリの円形のシート。
そのシートを数枚貼り、そのシートから薬剤が放出され、局所に高濃度の成分をとどまらせることで、腫瘍増殖を抑える。
悪性神経膠腫(グリオーマ)は原発性脳腫瘍の30%を占める。
推定患者数は10万人に数人程度。

パゾパニブ塩酸塩(商品名:ヴォトリエント錠200mg/グラクソ・スミスクライン)
※新有効成分含有医薬品
「悪性軟部腫瘍」を効能・効果とする。
悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)とは体の軟部組織から発生した悪性腫瘍。
軟部組織とは、体の肺や肝臓などの実質臓器と支持組織である骨や皮膚を除いた筋肉、結合組織(腱)、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経を指す。
推定患者数は10万人に数人程度。


なんと新規有効成分が11個(オーファンが4個)!
気になるのは新規オピオイド製剤となるメサペイン。
超持効型インスリン製剤のトレシーバも多く使用されそう。
タイガシルの発売も大きいですね!
あとは国内バイオベンチャーそうせい開発のシーブリを応援したいですね。

written by iHatenaSync