薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

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上眼瞼溝深化

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ファイザーさん来局。
ファイザーさんでも眼科領域の方のMRさん。
  
ラタノプロスト点眼液(商品名:キサラタン/配合剤としてザラカム)の添付文書改定です。
副作用追加。
  
5.眼:角膜(頻度不明) ヘルペス性角膜炎
7.眼:眼瞼(頻度不明) 眼瞼溝深化
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。
  
  

f:id:pkoudai:20190828004358p:plain
  
  
眼瞼溝深化・・・。
だいたい意味はわかるんだけど調べてみました。
デユーズ(DUES:Deepening of Upper Eyelid Sulcus)と呼ばれるようです。
瞼のシワがくっきりになってしまうと言う副作用。
人によっては二重まぶたが三重まぶたになってしまったとのこと。
  
発生頻度はビマトプロスト(商品名:ルミガン)、トラボプロスト(商品名:トラバタンズ/配合剤としてデュオトラバ)、タフルプロスト(商品名:タプロス)、ラタノプロストの順で多いみたいですが、副作用として添付文書に記載されたのは今回のラタノプロストが初めて
他のPG関連薬については、「くぼんだ眼」や「眼瞼障害 (上眼瞼がくぼむ、二重瞼になる等)」という表現で記載されている場合もあります。
(2012.8.13修正 おじじさん、ありがとうございます。)
  
サル眼の実験では、ビマトプロスト、トラボプロスト、タフルプロストは臨床濃度でDUESが発生、ラタノプロストも濃度を上げると発生、ウノプロストン(商品名:レスキュラ)では発生せず。
プロスタグランジン誘導体により瞼の脂肪産生が抑制された結果、瞼のシワが深くなってしまうみたい。
FP受容体欠損マウスでは、脂肪産生抑制効果がないという実験結果があるので、FP受容体を介して脂肪分解を行なっていることがわかる。
  
ちなみに、この副作用、中止して戻る場合と戻らない場合とある。
  
これは見たことなかったなあ。
ちょっと意識してみるかな。

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