薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

リウマトレックスとフォリアミン〜特殊な投与方法の理由は?(H31.3.19修正)

メトトレキサート(リウマトレックス®︎など)を服用している患者さんには、必ずではないですが、かなりの確率で葉酸(フォリアミン®︎)が一緒に処方されています。
葉酸を併用するのは副作用を抑制するためです。
じゃあ、なぜ一日だけ?
当たり前のように併用されている組み合わせですが、考えてみると不思議なことがいっぱいです。
(2014年1月11日の記事でしたが、加筆修正を行いました)

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タウリン散 98%「大正」に「ミトコンドリア病(MELAS)の発作抑制」の適応追加

平成31年2月21日、効能・効果の追加などの承認が行われました。
その中で、特に注目を集めているのが、指定難病であるミトコンドリア病MELASに対する初の治療薬となるタウリン散98 %「大正」です。
リポビタンDのCM(タウリン1,00mg配合!)で日本人なら一度は耳にしたことのあるタウリンが難病に効果を発揮するということで、今回の適応追加が広く話題になっていますね。
(タウリン散98%「大正」は1987年12月から医療用医薬品として販売されています。)

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レベトールカプセルもソバルディとの併用が可能に

平成27年7月29日、MSDはレベトールカプセル200mg(一般名:リバビリン)とソホスブビル(商品名:ソバルディ)との併用療法の適応を取得したことを発表しました。
これまで、コペガス錠200mg(一般名:リバビリン)との併用しか適応がなかったソバルディですが、これで商品にかかわらず、リバビリンとの併用が可能となりました。

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ダクルインザとスンベプラの適応変更〜IFNフリーがC型肝炎治療の第一選択に

平成27年2月26日、厚労省の薬食審医薬品第二部会が開催されました。
3製品の承認が了承されたのですが、一番目を引いたのは、報告品目の中。
インターフェロンフリーの抗HCV治療薬であるダクルインザ錠(一般名:ダクラタスビル/DCV)とスンベプラカプセル(一般名:アスナプレビル/ASV)の適応からIFN治療不適格・不耐用の条件が削除されました。

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プロペシアのジェネリックが承認~AGA治療についての復習も

平成27年2月19日、ファイザーがプロペシア(一般名:フィナステリド)のジェネリックの承認を取得しました。
フィナステリドの後発医薬品は初めてになります。

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サムスカ ADPKDへの適応追加

2014年2月24日 厚生労働省薬食審第一部会で了承されていたサムスカ(一般名:トルバプタン)の新規適応が3月24日、正式に承認されました。
それに合わせてサムスカ錠30mgが新たに規格追加となります。

サムスカと言えば、昨年7月に「重大な肝機能障害の回避のための肝機能検査」が呼びかけられました。
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201305_1.pdf#search='%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AB+%E8%82%9D%E9%9A%9C%E5%AE%B3'

また、9月15日「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」の適応が追加になっています。
平成25年9月13日 ネスプ・ソリリス・サムスカ適応追加 - 薬剤師の脳みそ

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ロイケリンとイムラン

潰瘍性大腸炎でイムラン(アザニン、一般名:アザチオプリン)を使用していた患者さんですが、どうも効果不十分な様子でした。
次、来局したときの処方はロイケリン散10%(一般名:メルカプトプリン)。
色々疑問があります。

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フェマーラで不妊治療

ある日の服薬指導中。
若い女性の患者さんから質問を受けました。
「たまにフェマーラという薬を飲むことがあるんですが、問題ないでしょうか?」
たまに・・・?
たまにフェマーラってどういうこと?

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胃カメラの際のワーファリン休薬は不要に?

胃カメラを受けるけどワーファリンはやめないでいい。
え?と思いましたが不勉強でした。
2012年7月に「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」が公開されていますね。

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インフルエンザ 2013-2014

インフルエンザの患者さんが少しずつ増えてきましたね。
とは言っても、地域性があるものです。
まだ一人もインフルエンザの患者さんに接してないという人もいれば、
毎日、何人かはインフルエンザの患者さんと接しているという人もいると思います。
流行シーズンにも入っているので一度今年の状況を色々まとめておこうと思います。

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スピリーバレスピマットが喘息の適応を追加申請

1月6日、ベーリンガーインゲルハイムはスピリーバレスピマット(一般名:チオトロピウムレスピマット)について、気管支喘息の適応を追加申請しました。
抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)であるスピリーバですが、現在は「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の寛解」が効能・効果に記載されています。

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ティーエスワンの隔日投与

最近、OD錠が発売されたティーエスワン(TS-1/成分名:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)ですが、いまいち患者さんの評判がよろしくないです。
錠剤なのでカプセルより小さいし、OD錠なのですぐ溶けるのでご高齢の方には飲みやすいかなと思ってたんですが・・・。
聞いてみると、「口の中で溶けるのが気持ち悪い」だそうです。
「他の薬はともかく、抗がん剤が口の中に残ったら嫌」とのこと。
溶けやすいけど普通に飲めばカプセルと同じように効果を発揮することは説明しているのですが、実際に飲むとやっぱり不安だそうです。
「カプセルの方がよかったなあ」って声もチラホラ。
実際に使ってみないとわからないですよね。
ちなみに、味はピーチ味とのことですが、グレープフルーツだとかレモン味のように感じる人もいるようです。
さすがに、味見する勇気はないな・・・。

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ケイツーシロップと乳児ビタミンK欠乏性出血症

医療従事者でなくとも、1989年以降に出産をされたお母さん方は病院でお子さんにシロップを飲ませてもらった記憶があるんじゃないでしょうか?

以前は、

  • 出生後哺乳が確立した時点
  • 退院時(生後一週間)
  • 一ヶ月検診の際

この計3回投与されるのがほとんどでした。

ですが、最近は、母乳で育てられるお子さんに対しては、
生後三ヶ月くらいまで週一回の間隔でビタミンK2(メナトテレノン)2mg(ケイツーシロップとして1mL)を投与するケースが増えています。

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エクセグランとトレリーフ

メネシットを服用している患者さんにビ・シフロール(成分名:プラミペキソール)が追加になりましたが、ジスキネジア(不随意運動)の出現により中止となりました。
すると今回、その患者さんにエクセグラン(成分名:ゾニサミド)が追加になりました。
エクセグラン散20% 0.125g 1×M
エクセグランの錠剤は100mg。エクセグラン散 0.125gと言うとゾニサミド25mgとなります。
薬局では「これ少ないんじゃない?」「ゾニサミド125mgの間違いかなあ?」の声。
考えた結果出てきた結論は「トレリーフの代わりじゃない?」

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アコファイド錠と機能性ディスペプシア

ついに世界初の機能性ディスペプシア(機能性胃腸症、FD)治療薬であるアコファイド(一般名:アコチアミド)が発売されました。
作用機序はコリンエステラーゼの阻害なので特に新しいものではありませんが、最大の特徴は適応疾患。

効能又は効果「機能性ディスペプシアにおける食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感」

機能性ディスペプシアの病名で使える薬であるということが重要です。

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