薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

ビムパット®点滴静注が発売

2019年3月25日、ビムパット®の新剤形、ビムパット点滴静注200mgが発売されました。
これでビムパットは錠剤(ビムパット錠50mg・100mg)、DS(ビムパットドライシロップ10%、2019年3月11日に発売されたばかり)、点滴静注と3つの剤形を持つようになります。
ただし、今回発売されたビムパット点滴静注は他の剤形と単純に使い分けるものではなく、あくまでも、「発作などで一時的に服用が難しくなった場合」に使用されるものです。

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タケキャブ・クエチアピンによる重篤な皮膚障害などが追記〜平成31年3月19日 添付文書改訂指示

平成31年3月19日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は5つの成分に対して改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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リウマトレックスとフォリアミン〜特殊な投与方法の理由は?(H31.3.19修正)

メトトレキサート(リウマトレックス®︎など)を服用している患者さんには、必ずではないですが、かなりの確率で葉酸(フォリアミン®︎)が一緒に処方されています。
葉酸を併用するのは副作用を抑制するためです。
じゃあ、なぜ一日だけ?
当たり前のように併用されている組み合わせですが、考えてみると不思議なことがいっぱいです。
(2014年1月11日の記事でしたが、加筆修正を行いました)

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ビラノア錠〜眠気は少なく効果はしっかり!の第二世代抗ヒスタミン薬(H31.3.15更新)

この記事では第二世代抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)のビラノア錠についてまとめます。
平成28年9月9日の厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会で承認了承、9月28日には正式に承認されました。
平成28年11月18日に薬価収載、同日から販売開始されています。
(元々は2016年10月12日に作成した記事ですが修正を行っています。)

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スローケーの製造中止〜カリウム製剤の切り替えについて考える

徐放性カリウム製剤であるスローケー錠が発売中止になりました。
販売中止のご案内(ノバルティスファーマ)
販売中止の時期は2019年1月以降で在庫がなくなり次第ってことでしたが、2019年4月で在庫がなくなったようです。
スローケー唯一の後発医薬品のケーサプライ錠600mgに切り替えたいところですが、注文が殺到した結果、出荷調整となっています。
スローケーの経過措置は2020年3月末なので、それまでに採用を検討できるように代替品などについてまとめておきます。

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セリンクロ錠(ナルメフェン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【日本初の飲酒量低減薬】

今回はアルコール依存症治療薬セリンクロ錠(成分名:ナルメフェン塩酸塩水和物)についてまとめます。
セリンクロがこれまでの薬剤と大きく異なるのは、断酒補助薬ではなく飲酒量の低減を目的とする薬剤という点で、日本で初めての飲酒量低減薬になります。
平成31年1月8日付で製造承認取得、同年2月26日に薬価収載(薬価:296.40円/錠)、平成31年3月5日に販売開始されています。
ですが、非常に厳しい制限がかかってしまっており、使用したいけど使用できないという施設も少なくないのではないでしょうか?

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タウリン散 98%「大正」に「ミトコンドリア病(MELAS)の発作抑制」の適応追加

平成31年2月21日、効能・効果の追加などの承認が行われました。
その中で、特に注目を集めているのが、指定難病であるミトコンドリア病MELASに対する初の治療薬となるタウリン散98 %「大正」です。
リポビタンDのCM(タウリン1,00mg配合!)で日本人なら一度は耳にしたことのあるタウリンが難病に効果を発揮するということで、今回の適応追加が広く話題になっていますね。
(タウリン散98%「大正」は1987年12月から医療用医薬品として販売されています。)

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タミフル・ゾフルーザに出血関連の追記〜平成31年3月1日 添付文書改訂指示

平成31年3月1日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された内服 抗インフルエンザ薬 2成分にについて、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回の改訂の対象になるのは、

  • タミフルカプセル75/ドライシロップ3%
  • オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」/DS3%「サワイ」
  • ゾフルーザ錠10mg/20mg/顆粒2%分包

の3製品です。
それぞれの改訂内容は全く同じで出血に関する内容となっています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成31年2月26日に薬価収載された医薬品一覧

平成31年2月20日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定しました。
同年2月25日に告示され、2月26日に薬価収載されました。
今回に薬価収載されたのは13製品です。
また、再生医療等製品として脊髄損傷治療に用いるステミラック注の薬価も収載されています。
ステミラック注の薬価は約1,500万円です・・・!!

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エプクルーサ配合錠(ソホスブビル/ベルパタスビル)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【最後のC型肝炎治療薬?】

今回はエプクルーサ配合錠についてまとめます。
エプクルーサ配合錠(成分名:ソホスブビル/ベルパタスビル)はギリアド・サイエンシズが承認申請を行なった新規C型肝炎治療薬です。
ソホスブビルは核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤でソバルディ(ハーボニー)の有効成分です。
そのソホスブビルと新規NS5A阻害剤ベルパタスビルを組み合わせたのがエプクルーサ配合錠です。
平成31年1月8日付で製造承認取得、平成31年2月25日付で薬価収載(60154.5円/錠)され、同日に発売しています。

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平成31年2月15日付で承認された後発医薬品などのまとめ【シムビコート・ロナセンなど】

平成31年2月15日、新たな後発医薬品や先発医薬品の新規格が承認されました。
今回承認された品目は6月に薬価収載される予定です。
今回は新規承認の品目はそれほど多くありませんが、AGが多く承認されています。(AGの可能性も含みますが)
目玉はやはりシムビコートのジェネリックであるブデホル吸入粉末剤ですね。

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今さらながらニフェジピンの舌下投与がなくなった経緯についてまとめてみます

元々は2017年4月12日に作成された記事です。

アダラートカプセル5mg 1カプセル
高血圧時に舌下投与 5回分

昔はたまに見かけたこの処方ですが、最近は全く見ることがありません。
そもそもアダラートカプセル自体がほとんど使われなくなっていますよね。
急激な降圧は返ってリスクとなることがわかり、今では舌下投与は禁止となっています。
このような処方を見かけなくなって随分経つので、アダラートの舌下投与が行われていたことを知らないという薬剤師の方も増えているのではないでしょうか?
でも、最近立て続けにアダラートの舌下投与について驚くような話を聞きました。
「そもそもニフェジピンは舌下から吸収されない」
「今でも一部の施設等でアダラートの舌下投与が行われていることがある」
えー!!
ということで、高血圧に対するニフェジピンの舌下投与がなくなった経緯について一度まとめてみようと思います。
追記:食道アカラシアに対して(適応外)今でも舌下投与の指示で処方されることはあるようです。

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ミネブロ錠(エサキセレノン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【セララとの違いを比較】【MRA】

2019年1月8日付で13製品22品目の新薬が承認されています。
今回の記事ではそのうちの一つ、ミネブロ錠(成分名:エサキセレノン)についてまとめたいと思います。
ミネブロ錠は 2019年2月26日に薬価収載され、2019年5月13日に発売されました。

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5種類の副作用追記 フルオロキノロン系抗菌薬による大動脈瘤・解離など〜平成31年1月10日 添付文書改訂指示

平成31年1月10日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は大きく分けて5つの副作用について、それぞれ添付文書の改訂指示が出されています。
特に注目すべきはニューキノロン系抗菌薬による大動脈解離になりますが、その他についても簡単にまとめたいと思います。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年12月14日に薬価収載されたジェネリック医薬品の一覧

2018年12月13日、官報で後発医薬品の薬価収載が告示、12月14日に正式に薬価基準収載されました。
今回新たに登場するジェネリック医薬品の目玉はトラムセット配合錠(統一名称:トアラセット)とリフレックス錠/レメロン錠(一般名:ミルタザピン)です。
そのほか、新規に参入するものに、イレッサ、レルパックス、ストラテラ、ゼローダ、バイナス、ユリーフ、ロルカム、ルナベルULD、ルミガン点眼液、モーラスパップXR120mg、プレセデックス静注液のGEがあります。
また、AGとして、ゲフィチニブ錠250mg「DSEP」(イレッサ錠)、シロドシン錠「DSEP」(ユリーフ錠)、シロドシンOD錠「DSEP」(ユリーフOD錠)、ボグリボース錠「武田テバ」(ベイスン錠)、ボグリボースOD錠「武田テバ」(ベイスンOD錠)が登場します。

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