薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

平成31年2月15日付で承認された後発医薬品などのまとめ【シムビコート・ロナセンなど】

平成31年2月15日、新たな後発医薬品や先発医薬品の新規格が承認されました。
今回承認された品目は6月に薬価収載される予定です。
今回は新規承認の品目はそれほど多くありませんが、AGが多く承認されています。(AGの可能性も含みますが)
目玉はやはりシムビコートのジェネリックであるブデホル吸入粉末剤ですね。

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今さらながらニフェジピンの舌下投与がなくなった経緯についてまとめてみます

元々は2017年4月12日に作成された記事です。

アダラートカプセル5mg 1カプセル
高血圧時に舌下投与 5回分

昔はたまに見かけたこの処方ですが、最近は全く見ることがありません。
そもそもアダラートカプセル自体がほとんど使われなくなっていますよね。
急激な降圧は返ってリスクとなることがわかり、今では舌下投与は禁止となっています。
このような処方を見かけなくなって随分経つので、アダラートの舌下投与が行われていたことを知らないという薬剤師の方も増えているのではないでしょうか?
でも、最近立て続けにアダラートの舌下投与について驚くような話を聞きました。
「そもそもニフェジピンは舌下から吸収されない」
「今でも一部の施設等でアダラートの舌下投与が行われていることがある」
えー!!
ということで、高血圧に対するニフェジピンの舌下投与がなくなった経緯について一度まとめてみようと思います。
追記:食道アカラシアに対して(適応外)今でも舌下投与の指示で処方されることはあるようです。

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ミネブロ錠(エサキセレノン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【セララとの違いを比較】【MRA】

2019年1月8日付で13製品22品目の新薬が承認されています。
今回の記事ではそのうちの一つ、ミネブロ錠(成分名:エサキセレノン)についてまとめたいと思います。
ミネブロ錠は 2019年2月26日に薬価収載され、2019年5月13日に発売されました。

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5種類の副作用追記 フルオロキノロン系抗菌薬による大動脈瘤・解離など〜平成31年1月10日 添付文書改訂指示

平成31年1月10日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は大きく分けて5つの副作用について、それぞれ添付文書の改訂指示が出されています。
特に注目すべきはニューキノロン系抗菌薬による大動脈解離になりますが、その他についても簡単にまとめたいと思います。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年12月14日に薬価収載されたジェネリック医薬品の一覧

2018年12月13日、官報で後発医薬品の薬価収載が告示、12月14日に正式に薬価基準収載されました。
今回新たに登場するジェネリック医薬品の目玉はトラムセット配合錠(統一名称:トアラセット)とリフレックス錠/レメロン錠(一般名:ミルタザピン)です。
そのほか、新規に参入するものに、イレッサ、レルパックス、ストラテラ、ゼローダ、バイナス、ユリーフ、ロルカム、ルナベルULD、ルミガン点眼液、モーラスパップXR120mg、プレセデックス静注液のGEがあります。
また、AGとして、ゲフィチニブ錠250mg「DSEP」(イレッサ錠)、シロドシン錠「DSEP」(ユリーフ錠)、シロドシンOD錠「DSEP」(ユリーフOD錠)、ボグリボース錠「武田テバ」(ベイスン錠)、ボグリボースOD錠「武田テバ」(ベイスンOD錠)が登場します。

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平成30年11月28日に薬価収載された医薬品一覧(報告品目)

2018年11月27日付の官報に新剤形の医薬品の薬価が掲載されました。
これらの薬剤は平成30年11月28日付で薬価基準収載されました。
今回薬価収載される医薬品には、ラグノスNF経口ゼリー分包12g、アミティーザカプセル12μg、エフィエントOD錠20mg、バリキサドライシロップ5000mg、テネリア錠40mg、アガルシダーゼ ベータBS点滴静注「JCR」、オラビ錠口腔用、オプジーボ点滴静注240mg、トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」などです。

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ルパフィン錠(ルパタジン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【DUAL作用 ヒスタミンH1受容体拮抗作用と抗PAF作用】【第二世代抗ヒスタミン薬】

またまた、新たな第二世代抗ヒスタミン薬が発売になります。
ルパフィン錠は抗PAF作用と抗ヒスタミン作用を併せ持つ新規第二世代抗ヒスタミン薬です。
このタイミングで新たに追加される第二世代抗ヒスタミン薬、どのような特徴を持つかまとめて見ます。
平成30年12月1日から長期処方が可能となっています。
ちなみに、新薬扱いなので2018年11月末までは新医薬品14日間の投与制限の対象です。
来月12月からは投与制限が解除されます。

(元々は2017.11.26の記事でしたが内容を修正しました)

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平成30年11月20日に薬価収載された医薬品一覧とマヴィレットの市場拡大再算定

2018年11月14日、厚労省の中医協・総会で新規医薬品の薬価が決定しました。
11月19日に告示され、11月20日に薬価収載されました。
また、マヴィレット配合錠の市場拡大再算定についても決定しています。
今年度から新しく導入された「薬価収載時の薬価再算定ルール」で市場拡大を理由として再算定が行われるのは初です。
マヴィレットの薬価再算定は平成31年2月1日に実施される予定です。

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国内初の飲酒量低減薬 セリンクロ錠の承認了承〜平成30年11月9日 薬食審医薬品第一部会

平成30年11月9日、厚生労働省の薬食審医薬品第一部会が開催されました。
今回審議されたのはは国内初の飲酒量の低減を目的とする薬剤セリンクロ錠とプレセデックス静注液の小児適応の追加の2つです。

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ジャルカ配合錠の承認了承、リウマトレックスの公知申請など〜平成30年11月8日 薬食審医薬品第二部会

平成30年11月8日、厚生労働省の薬食審医薬品第二部会が開催されました。
今回の審議品目はヴィーブヘルスケアが承認申請した2成分配合の抗HIV薬ジャルカ配合錠のみです。
承認了承後、(抗HIV薬のため)平成30年11月26日に迅速承認、12月5日に緊急薬価収載されました。
すぐ承認され、緊急薬価収載が行われると思います。

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べオーバ錠(ビベグロン)の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【2剤目の選択的β3アドレナリン受容体作動薬】

平成30年9月21日、選択的β3アドレナリン受容体作動薬であるべオーバ錠(成分名:ビベグロン)が承認されています。
ベタニス(成分名:ミラベグロン)に続く、2つ目の選択的β3アドレナリン受容体作動薬になります。
平成30年11月20日に薬価収載され、11月27日に販売開始されました。
今回はべオーバ錠の特徴についてベタニス錠と比較しながらまとめてみたいと思います。
結論から言うと、ベオーバはベタニスの欠点のほとんどを解消している薬剤になります。

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ラモトリギンによる血球貪食症候群などが追記〜平成30年10月23日 添付文書改訂指示

平成30年10月23日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は3つの成分に対して改訂指示が出されています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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【平成30年度】レセプト摘要欄への記載が必要な事例【2018年度改定】

2018年3月26日に保医発0326第5号『「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について』が公開されました。
その中から、「レセプト摘要欄への記載項目」に関する部分ついてまとめました。
レセプト請求はほぼ完全に電子化しており、メーカーによってはレセコン側で自動的に記載してくれるものも存在しますが、紙のレセプトにした場合にどのように記載されるのか、どんな項目が必要なのかを知っておくことは大切です。
この機会に、レセプト摘要欄の記載項目についてしっかり復習しておきましょう。
2020年度調剤報酬改定に対応した最新の記事はこちら↓です。

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フィブラートとスタチンの原則併用禁忌解除〜平成30年10月16日付 添付文書改訂指示

平成30年8月21日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、国内で承認されている全てのフィブラート系薬剤とスタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)について添付文書の改訂指示を出しました。
これまで、原則禁忌とされていた「フィブラート系薬剤とスタチン系薬剤の併用」を削除し、重要な基本的注意の項で「腎機能に異常を持つ場合、両剤の併用は治療上やむを得ないと判断する場合のみ」とするように注意喚起されるようになっています。

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平成30年9月21日付承認品目一覧(一部10月10日付)〜新医薬品と一変承認の内容について

平成30年9月21日付で同年7〜8月の薬食審 部会で審議されていた品目が承認されています。
(平成30年10月10日追記)一品目のみ遅れて10月10日付で承認され、これで予定されていたものは全て承認されたことになります。
今回製造承認を受けたものについては11月に薬価収載される予定です。
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