薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

高額療養費と現物給付〜制度の概要と薬局での対応について(平成30年8月変更)

(平成27年1月21日付の記事でしたが最新の情報に合わせて修正しました)
平成30年8月より70歳以上の方の高額療養費の区分が変更になりました。
現物給付についても少々ややこしいことになりそうです。
この記事では高額療養費に関して、過去の変更部分と現物給費について、復習を兼ねてまとめています。
平成30年8月から変更になった70歳以上の区分については後半にまとめています。
すぐに読みたい場合は目次の「70歳以上の限度額(平成30年8月〜)」をクリックしてください。

続きを読む

トラディアンス配合錠・リンゼスの便秘症適応追加など承認了承〜平成30年7月27日 薬食審 第一部会

厚生労働省の薬食審医薬品第一部会が平成30年7月27日に開催され、日本ベーリンガーインゲルハイムが申請したトラディアンス配合錠の承認が了承されました。
その名前から話かる通り、DPP-4阻害薬トラゼンタとSGLT2阻害薬ジャディアンスの配合剤です。
近いうちに正式に承認となる予定です。
また、リンゼス錠の「慢性便秘症」の適応追加が了承されています。(こちらは平成30年8月21日に正式に承認されました。)

続きを読む

タクロリムス・シクロスポリン・アザチオプリンが妊娠中も投与可能に〜平成30年7月10日 添付文書改訂指示

平成30年7月10日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、妊娠中の投与が禁忌とされていた免疫抑制剤について、妊婦に対する投与禁忌を解除し、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
対象となる免疫抑制剤は、タクロリムス水和物、シクロスポリン、アザチオプリンの3剤です。

続きを読む

潰瘍性大腸炎薬エンタイビオ、抗PD-L1抗体イミフィンジ、トレリーフの適応追加など平成30年7月2日の承認内容

平成30年7月2日、新医薬品等の製造販売が承認されました。
今回承認されたのは、平成29年4月〜6月に薬食審で承認を了承されていた医薬品です。
新薬7成分、バイオシミラー1成分、適応追加などが8品目です。
部会の開催日ごとに分けて簡単にまとめます。

続きを読む

医療用麻薬と向精神薬の投与日数制限(処方日数制限)

医療用麻薬、向精神薬、新薬については投与日数制限(処方日数制限)が定められています。
この記事では医療用麻薬と向精神薬の投与期間上限についてまとめます。
平成30年6月時点での内容です。

続きを読む

スギ花粉症に対する免疫療法薬 シダキュア舌下錠の特徴とシダトレン舌下液との違いについて

2018年6月29日、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬 シダキュア舌下錠が発売されました。
すでに発売されているシダトレンスギ花粉舌下液の剤型違いと言うだけでなく、力価の近い、小児へての適応が認められた新薬扱いになっています。
(シダトレンスギ花粉舌下液は2020年3月末で製造中止、2020年4月から経過措置品目に移行、2021年3月31日で経過措置期間満了・薬価削除となる予定)
(2019年5月から新薬の投与日数制限は解除されています。https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/notice/cdc1905_02.pdf
発売直前ということで、シダキュアスギ花粉舌下錠の特徴、シダトレンスギ花粉舌下液についての復習、シダキュア・シダトレンの違いについてまとめてみようと思います。
色々まとめていると長くなってしまったので、シダキュアとシダトレンの違いだけ知りたい方は目次から「シダキュアとシダトレン 違いのまとめ(比較表)」をクリックしてもらえば表に飛びます。

続きを読む

配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称について(まとめ)

ジェネリック医薬品のブランド名称は各社、成分名+剤型+規格+「メーカー名」で統一されていますが、成分が複数に含まれている配合剤についてはそうではなく、各社のブランド名称のまま発売されています。
近年、配合剤の数は増えてきており、このまま各社が独自のブランド名称を付けていくと、医療事故の元になったり、ジェネリック普及の妨げになるとして、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会(旧学会名:日本ジェネリック医薬品学会、3017年4月に改名)は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」を検討しています。
実際に、配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称で発売されている配合剤ジェネリックも増えてきていますし、今後も多くの薬が発売されていくことになると思います。
今回の記事は「配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称」について個人的に思っていることをブツブツ述べているだけの、どうでもいいといえばどうでもいいまとめです(笑)

続きを読む

高血圧治療剤を含む配合剤(降圧配合剤)のまとめ(平成30年6月16日更新)

(元々は平成26年3月2日に作成した記事です)
高血圧治療に使用される、降圧薬を含む配合薬についてのまとめです。
一覧表や適応上の注意、各略称等についてまとめています。
また、各種配合剤は原則、配合されている成分を持つ単剤から切り替えて使用するようになっています。
薬剤ごとにそのルールもまとめています。
随時更新していく予定です。

続きを読む

局方品は銘柄変更不可!?〜局方品には後発医薬品が存在しない?(修正版)

(元々は平成27年6月18日に作成した記事です)
処方せんにはプレドニゾロン錠5mg「三和」が記載されていました。
でも、うちの薬局に在庫しているプレドニゾロン錠5mgは、

  • プレドニゾロン錠5mg「タケダ」
  • プレドニゾロン錠5mg「旭化成」
  • プレドニン錠5mg

の3種類だけです。
疑義照会をすると、「プレドニゾロン錠5mgであればどこのメーカーでもいいですよ」との回答だったので、『プレドニゾロン錠5mg「タケダ」』で調剤させてもらいました。
その際、スタッフからは、「局方品だから全部後発品扱いになるので、実際は疑義照会しなくても変更調剤できますよね?」との質問が。
いやいや、逆です。
局方品だからこそ別の銘柄には疑義照会しないと変更できないんです。
局方品は後発医薬品ではなく全て先発品扱いですよ。

続きを読む

平成30年6月15日に薬価収載されるジェネリック医薬品一覧

2018年2月15日、6月発売予定の後発医薬品が承認されました。
6月14日付の官報で薬価が告示されており、15日に薬価収載されます。
注目は、タミフル・アイミクス・ボノテオ・ラミクタール・エイゾプト・コソプトのジェネリックです。

続きを読む

バイアスピリン錠100mgとバファリンの配合錠A81の粉砕調剤について考えてみる

今更ながらバイアスピリンとバファリン配合錠の粉砕について考えてみました。
自分も含めて多くの環境で出会う処方で、個々に対応し、大きな問題も生じてはいないかと思います。
ただ、実際のところどうするのが一番いいのか?
もし、明確な結論がないのであれば一度考えてみませんか?
薬剤師であれば調剤について、自分なりの根拠を持っておくのは大切です。
自分もその時々で考えが変わりそうな気もするので、現時点で考えたことをまとめておこうと思います。
だらだらと書いていきます(笑)

続きを読む

【薬食審・医薬品第一部会】潰瘍性大腸炎治療薬エンタイビオ点滴静注用など【承認了承】

平成30年6月8日、厚生労働省の医薬品食品審議会(薬食審)医薬品第一部会が開催されました。
新薬2製品の製造承認の可否、1製品の適応追加の可否について審議され、全て承認が了承されました。
前回、平成30年5月23日の第二部会で審議されたものと同じく6月下旬ごろに正式に承認される予定です。
また、報告品目として2製品の新規格・適応・用法・用量の追加が報告されました。

続きを読む

ナウゼリン(ドンペリドン)の飲み薬(内服薬:錠剤・細粒・ドライシロップ)と坐剤で用量が異なる理由は?

吐き気止めとして小児から大人まで幅広く使用されているナウゼリン(成分名:ドンペリドン)ですが、錠剤・細粒・ドライシロップなど飲み薬の用量と坐薬の用量を比較してみると坐薬の方が圧倒的に用量が多くなっています。
以前、兄弟で胃腸炎になってしまったお子さんの薬を説明しているときに、お母さんから「上の子の錠剤の方がmg数が小さいんですね」と鋭い指摘を受けたことがあります。
皆さん、どのように説明していますか?

続きを読む

歯科でのアモキシリン単回投与〜感染性心内膜炎(菌血症)の予防

ある日届いた一枚のFAX処方箋に薬局がざわつきました。
歯科から4歳の男の子に対して出された処方です。

処方内容

サワシリン細粒10% 7.5g
1日1回 医師の指示通り 1日分

えー!何これ!?

続きを読む

メトロニダゾール含有医薬品の添付文書に肝機能障害が追加〜コケイン症候群とは?

平成30年6月5日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
その中でも、メトロニダゾール含有医薬品に追加された肝機能障害に注目してみました。
コケイン症候群の方に投与する場合について特に注意喚起を呼びかける内容になっています。
  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないことがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

続きを読む
© 2014- ぴーらぼ inc. プライバシーポリシー