薬剤師の脳みそ

調剤(保険)薬局の薬剤師が日々の仕事の中で得た知識や新薬についての勉強、問題を解決する際に脳内で考えていることについてまとめるblogです。できるだけ実用的に、わかりやすく、実際の仕事に活用できるような情報になるよう心がけていきます。基本的に薬剤師または医療従事者の方を対象としています。

このブログは薬局で働く薬剤師を中心とした医療従事者の方を対象に作成しています。
一般の方が閲覧した際に誤解を招くことのないように配慮しているつもりですが、医療従事者の方へ伝えることを最優先としています。
2020年11月からURLが変更となりました。(新URL https://yakuzaishi.love)
  

【薬食審・医薬品第二部会】期待のインフルエンザ治療薬ゾフルーザが審議通過【承認了承】

平成30年2月2日、厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会で新薬2製品についての審議が行われました。
兼ねてから話題になっていた1回のみの経口投与で治療が完結する新規作用機序のインフルエンザ治療薬ゾフルーザの承認が了承されました。
また、ミティキュア・アシテアの小児適応やハーボニーのセログループ2に対する適応、ハーセプチンのバイオシミラーなどが報告されています。

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平成30年度調剤報酬改定の個別改定項目の要件案が公開(2/7答申後に修正)

平成30年1月24日に開催された第386回中医協(中央社会保険医療協議会)総会。
ついに、平成30年度調剤報酬改定(診療報酬改定)の個別改定項目ならびにその算定要件案、いわゆる短冊が公開されました。
点数や具体的な数字はまだ決定していませんが、大まかな内容が決まったということです。
2月の半ば以降に点数が決まるはずです。(2月7日にひとまず公開されました。)

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平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理を元に色々と考察してみる

年も明け、いよいよ本格化していく診療報酬改定(調剤報酬改定)に関する議論。
1月12日にはこれまでの議論をまとめたものが公開されています。
その中で薬局に関連する部分について抽出し、個人的な考えをまとめてみようと思います。

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平成30年1月19日 新薬承認一覧【ネキシウム懸濁用顆粒分包・アレサガテープ・エタネルセプトBS皮下注用・ネイリンカプセル】

平成30年1月19日、新医薬品等の製造販売が承認されました。
今回承認されたのは、平成29年11月〜12月に薬食審で承認を了承されていた13品目と報告品目1つです。
部会の開催日ごとに分けて簡単にまとめてみます。

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リクシアナによる間質性肺疾患、テリパラチド製剤による意識消失、エビリファイによる衝動制御障害など〜平成30年1月11日 添付文書改訂指示

平成30年1月11日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書の使用上の注意を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は5の成分に対して以下のような改訂指示が出されています。

  • アリピプラゾール(エビリファイ)による病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害
  • テリパラチド製剤(フォルテオ、テリボン)による意識消失など
  • エドキサバントシル酸塩水和物(リクシアナ)による間質性肺疾患
  • イピリムマブ(遺伝子組換え)(ヤーボイ)による筋炎
  • レンバチニブメシル酸塩(レンビマ)による急性胆嚢炎

  
※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

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平成30年度調剤報酬改定についての情報まとめ

あけましておめでとうございます。
遅くなりましたが、今年もどうぞよろしくお願いします。
  
さて、今年は診療報酬改定の年ですね。
昨年秋から議論が進んでいる診療報酬改定について、これから一気に詳細が決定して行くと思われます。
今回の改定はかなり厳しいものになりそうだ・・・とみなさん思っているはずです。
どうなるかは蓋を開けて見るまでわからないところもありますが、現時点で議題に上がっていることについて簡単にまとめてみました。

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【オキシコンチンTR錠】平成29年12月に新たに薬価収載された先発医薬品【クレメジン速報錠】

平成29年12月8日には、後発医薬品以外にも気になる薬剤の薬価収載が行われています。
オキシコンチンTR錠、クレメジン速崩錠、セファレキシン複合顆粒500mg「トーワ」、トミロン細粒小児用20%、トレリーフOD錠50mg。
簡単にまとめておきます。

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大原薬品工業が原薬製造元(製造国)一覧を公開

医薬品の原薬と聞いて思い出すのが、今年の6月に起きた山本化学工業によるアセトアミノフェン原薬製造における不正の問題ではないでしょうか?
この冬はアセトアミノフェンを用いた製剤が使えなくなるんじゃないかと心配させられましたね。
ジェネリック医薬品の場合、原薬の製造を行わず、原薬製造メーカーから購入して医薬品を製造しているケースが珍しくありません。
私たち薬剤師もジェネリック医薬品を採用する際には、原薬を自社で製造しているのか、もしくはどこから購入しているかという情報がきになることがあります。
そんな中、大原薬品工業が原薬製造元(製造国)一覧を公開しました。

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【TJ-029】ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)の自主回収【平成29年12月8日】

え?ツムラ麦門冬湯が自主回収なんですね。
うちの薬局はツムラ、クラシエ、オースギと漢方薬はめっちゃ使っているんですけど、ツムラのMRさんも卸のMSさんもそんなこと教えてくれなかった・・・。
しかも、麦門冬湯はあんまり出ないのでLOT該当しそうだな・・・。
金曜日の夜に気づくというなんとも言えない状況です。
でも、回収理由を見る限り健康被害につながるものではなさそうなので一安心です。

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【アバプロ・イルベタン】平成29年12月に登場するジェネリック医薬品についてまとめました【リピディル・トライコア】

平成29年12月8日、後発医薬品などの薬価収載が行われました。
(薬価基準収載:医療用の医薬品の値段は国によって薬価として決められています。簡単にいうとそれが決まることを薬価基準収載と言います。)
薬価収載された後発医薬品のうち、初めてジェネリック医薬品が登場するのは9成分です。
今回、個人的に気になるのは、イルベサルタン、ベポタスチン、フェノフィブラート、トラセミドといったところですね。
(薬価等、あくまでも平成29年12月時点での情報です)

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平成29年12月8日 薬価基準収載 品目一覧(2017年12月後発医薬品)

2017年12月7日付で告示(2017年12月7日より適応)された薬価基準収載品目の一覧をまとめておきます。
今回、薬価収載されたのは後発医薬品を中心とした319品目です。
  
官報:平成29年12月7日(号外 第265号)
厚生労働省告示第349号
使用薬剤の薬価(薬価基準)及び療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する告示(厚生労働三四九)

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【薬食審・医薬品第一部会】新規統合失調治療薬 レキサルティ・新規便秘治療薬グーフィス【承認了承】

平成29年12月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で新薬6製品についての審議が行われました。
承認が了承されたのは5製品。
大塚製薬の新規統合失調症治療薬レキサルティ 、EAファーマの新規便秘治療薬グーフィスが気になるところです。
ノボノルディスクファーマの新規GLP-1アナログ オゼンピックは継続審議として次回に持ち越しになっていますね。(2018年1月26日の第一部会で承認了承されました。)
今回、承認了承されたものは全て2018年1月19日に承認、4月18日に薬価収載されました。(ソリリスとオランザピンの適応追加は2017年12月25日付で承認)

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セララ・ジスロマックSR・ザイボックスが出荷調整に〜プエルトリコを襲ったハリケーン マリアによる影響 H29.11.30更新

平成29年11月30日、セララ錠50mg以外の出荷調整は解除されました。
ハリケーン「マリア」被害に伴う ファイザー製品供給体制への影響及び一部対象製品の出荷調整解除について
平成29年11月2日、ファイザーはセララ、ジスロマックSR成人用ドライシロップ、ザイボックス錠について、当面の間、出荷調整を行うことを発表しました。
9月下旬に発生した台風ハリケーン「マリア」によりプエルトリコのインフラが寸断されていることが原因です。
ハリケーン「マリア」被害に伴うファイザー製品供給体制への影響及び出荷調整について

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【薬食審・医薬品第二部会】アレサガテープ、ネイリンカプセル、デュピクセント皮下注など【承認了承】

平成29年11月6日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会が開催されました。
経皮吸収型のヒスタミンH1受容体拮抗薬アレサガテープ、アトピー性皮膚炎初の抗体医薬品デュピクセント皮下注、爪白癬治療薬であるネイリンカプセルなどの承認が了承されました。

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【薬食審・医薬品第一部会】ネキシウムに小児への適応追加と懸濁用顆粒分包の剤型追加【承認了承】

平成29年11月2日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会が開催されました。
今回、審議されたのは、

  • ネキシウムの小児適応・新剤形の追加
  • ノルディトロピンフレックスプロ注・ノルディトロピンS注の適応追加

の2つで、ともに承認が了承されました。
※ノルディトロピンについては平成29年11月30日付で承認済です。

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